BtoBコンテンツマーケティング戦略設計術。代表的な5つの手法も解説 | Coneのコンテンツ制作所

BtoBコンテンツマーケティング戦略設計術。代表的な5つの手法も解説

代表 / マーケター / デザイナー 佐藤 立樹

コンテンツマーケティングの戦略とは、世の中にある無数の施策のなかから「自社が今やるべきもの」を選ぶための判断基準です。 これがないまま走ると、良さそうな施策を片っ端から試して、リードは増えたのに商談は増えないという状態になります。

本記事では、BtoBにおけるコンテンツマーケティングが失敗する2つの誤解から正しい戦略設計の方法を解説します。

また弊社Coneはコンテンツマーケティングを支援するサービスを提供しています。記事作成やホワイトペーパー作成にお困りの方はお気軽にご相談ください。

そもそもコンテンツマーケティングとは

コンテンツマーケティングとは、記事・資料・動画などの「顧客の役に立つ情報」を届けることで、中長期的に顧客を獲得するマーケティング活動です。

ポイントは、「買ってください」と売り込むのではなく、顧客が自分で判断するために役立つ情報を渡すことです。課題の解決方法だけでなく、導入事例や費用の情報も、顧客が判断に使うのであればコンテンツに含まれます。

広告との違いは、情報が届くタイミングを誰が決めるかです。広告は売り手が配信した瞬間に届き、出稿を止めればその日に止まります。コンテンツは、顧客が必要になったタイミングで取りに来られる場所に置いておくもので、置いておく限り働き続けます。

つまりコンテンツマーケティングは、顧客が自分で判断を進められる材料を先に置いておき、「営業効率化のプロといえばあの会社だ」という第一想起と、検討時の候補入りを取る活動です。

具体的には、次の4段階で進みます。

段階やることコンテンツの例
1:認知獲得潜在層に興味を持ってもらう「〇〇とは?」の記事、業界の問題提起
2:関心醸成具体的な解決策を提示する「〇〇の活用法」「導入後△△がXX%に」
3:検討促進自社サービスを紹介するサービス概要資料、導入セミナー
4:商談化営業アプローチに引き渡す資料請求、ウェビナー参加

段階1〜2で扱うのは、課題の解決方法です。段階3〜4で扱うのは、自社を選ぶための判断材料です。同じ「顧客の役に立つ情報」でも、段階によって中身が入れ替わります。

本記事のテーマである「戦略」は、この4段階のどこに、誰向けの、どんなコンテンツを、どのチャネルで置くかを決める作業です。逆にいえば、段階を決めずにコンテンツを作り始めると、次章で説明する失敗に直行します。

なお、コンテンツマーケティングの種類や成功事例など、基礎知識そのものは「コンテンツマーケティングとは?施策の種類と実践ステップ。基礎知識と事例まで」で詳しく解説しています。

BtoBにおけるコンテンツマーケティングの役割

BtoBでコンテンツマーケティングに取り組む理由は、「情報を出せば人が集まるから」ではありません。買い手が、営業に会う前に自分で調べて、自分で候補を絞るようになったからです。

だから売り手側の打ち手も変わります。BtoBにおけるコンテンツマーケティングの役割は、「営業する」ことではなく、買い手が自分で検討を進めるための情報を、先に置いておくことです。

そして情報を置く目的は、次の2つに集約されます。

役割狙う状態
①第一想起を取る課題を自覚した瞬間に、自社の名前が思い浮かぶ
②検討候補に入る比較が始まったとき、候補の一社として名前が挙がっている

順に説明する前に、そもそもなぜ「先に置いておく」必要があるのかを整理します。

買い手は、営業に会う前に検討を終えている

BtoBの購買では、売り手が接触できない時間のほうが圧倒的に長くなっています。それがコンテンツマーケティングが重要になってきている理由そのものです。以下データから3つのポイントを解説します。

1つ目は、営業が呼ばれるタイミングが後ろにずれたことです。 問い合わせが来た時点で、買い手は課題の整理も、選択肢の洗い出しも、ほぼ終えています。営業が最初の情報源になる場面は、もうほとんどありません。

2つ目は、検討の大半が商談の外で進んでいることです。 打ち合わせに使われるのは検討時間の24%だけです。残りの76%は、比較サイト・お役立ち資料・検索といった、営業が同席できない場所で進んでいます。

3つ目は、商談相手が意思決定者ではないことです。 決裁には平均11人が関わります。目の前の担当者に熱心に説明しても、社内の稟議に営業は出席できません。実際に決める人に届くのは、担当者が社内に共有した資料だけです。

つまり、BtoBの検討期間の大半は「営業がいない時間」であり、意思決定者の多くは「営業が会えない人」です。 その時間と、その人に自社の情報を届ける手段が、コンテンツしかありません。

ここが、BtoBでコンテンツマーケティングが必要になる理由です。営業活動の代わりではなく、営業が立ち会えない場所に自社を置いておくための活動だと捉えてください。

役割①:課題を自覚した瞬間に、社名を思い出してもらう

1つ目の役割は、第一想起を取ることです。 「営業資料の外注といえばあの会社」と思い出される状態をつくります。

BtoBでは、検討が始まる時期を売り手側が動かせません。予算のタイミング、担当者の異動、他社の導入といった社内事情で決まります。つまりいま情報を届けている相手のほとんどは、まだ「今すぐ客」ではありません。

だからといって接点を持たない理由にはなりません。検討が始まる前に情報を届けておくと、こうなります。

  1. 「営業資料 作り方」で検索し、弊社の記事にたどり着く
  2. 記事の内容で課題が解決し、「この会社は詳しい」という印象が残る
  3. 半年後に外注を検討することになり、社名で検索して問い合わせをする

このとき買い手は、比較サイトを開く前に自社を候補として持ち込んでいます。 比較の土俵に上がってから戦うのではなく、比較が始まる前に一社目として名前が挙がっている状態です。

第一想起を取れているかどうかは、指名検索の数で確認できます。サービス名・社名での検索が増えていれば、第一想起は積み上がっています。

役割①を担うのは、潜在層向けのコンテンツです。「〇〇とは」「〇〇の作り方」といった記事、基礎知識ガイドのホワイトペーパー、調査レポートのプレスリリースなどが該当します。

役割②:比較が始まったとき、候補の一社に入っている

2つ目の役割は、検討候補に入ることです。 買い手が社内で回している検討材料のなかに、自社の情報が入っている状態をつくります。

先ほどのとおり、BtoBの検討は営業がいない場所で進みます。そこで買い手がやっているのは、次の3つです。

買い手の行動必要になるコンテンツ
候補を洗い出す比較記事、サービスサイト、サービス紹介資料
社内に共有する導入事例、費用がわかる資料、機能比較表
稟議を通す導入後の効果がわかる事例、他社の導入実績

この3つのどこかで自社の情報が見つからないと、検討のテーブルに載る前に落ちます。 担当者は「良さそうだったが情報がなかった」と報告するのではなく、単に候補から外すだけです。

そして重要なのは、ここで必要なコンテンツが役割①とはまったく違うことです。

  • 役割①:課題を解決するための情報を渡す(まだ自社の話は出てこない)
  • 役割②:発注先を選ぶための情報を渡す(ここで初めて自社の情報が主役になる)

どちらも「売り込む」のではなく「顧客の判断を助ける」点は同じです。 変わるのは、助ける対象が「課題解決の判断」か「発注の判断」かという点だけです。

だからこそ、「〇〇の作り方」の記事を何本増やしても、役割②は埋まりません。 逆に、サービス紹介資料をいくら磨いても、まだ課題を自覚していない層には届きません。

役割②を担うのは、顕在層向けのコンテンツです。導入事例、サービス紹介資料、料金がわかる資料、導入事例ウェビナーなどが該当します。

コンテンツマーケティングが失敗する2つの誤解

ここまで、BtoBにおけるコンテンツマーケティングには「第一想起を取る」「検討候補に入る」という2つの役割があると説明しました。

ところが実際には、この2つを決めずに施策から入る企業が大半です。その結果として起きるのが、次の2つの誤解です。

  • 戦略の誤解
  • 手法の誤解

戦略の誤解

戦略の誤解とは、「誰に」「何を」届けるのかを決めないまま、手法だけを追いかけてしまうことです。

たとえば「〇〇 作り方」という記事を公開したとします。この記事にアクセスするのは、内製でなんとかしようと考えている潜在層です。外注を検討している顕在層は、この記事には流入しません。

その結果、商談に直結しづらいリードが、数だけ積み上がります。 アクセスも資料ダウンロード数も伸びているのに商談が増えない。この状態が続くと、社内では「コンテンツマーケティングは成果が出ない」と判断されます。

避けるには、「どの顧客層に、どんな価値を届けるのか」を先に決めておくことが不可欠です。潜在層向けの基礎知識ガイドや問題提起の記事を用意するのか、それとも導入に近い検討層向けに導入事例や機能比較を提供するのか。

そしてリード獲得をゴールに置かないことです。 獲得したあとどう商談化するかまで設計しておかないと、アクセスや資料ダウンロード数をどれだけ伸ばしても「成果が出ない」と判断されかねません。

手法の誤解

手法の誤解とは、「コンテンツマーケティング=SEO記事」だと思い込んでしまうことです。

検索エンジンからの流入は確かに重要ですが、そこに限定するとアプローチの幅が狭まります。「SEOで上位表示できないから意味がない」と早々に諦めてしまう企業も少なくありません。

実際には、届け方はいくつもあります。ホワイトペーパーのダウンロード、メールマガジンの定期配信、SNSでの動画配信、ウェビナーの開催。同じテーマでも、記事にするか資料にするかウェビナーにするかで、届く相手が変わります。

たとえば「〇〇とは?」というテーマひとつでも、記事にすれば検索している人に届き、ウェビナーにすれば上司を連れてきてもらえます。検索経由では出会えない見込み顧客に届くルートを、SEO以外に持っておいてください。

BtoBのコンテンツマーケティングで獲得できるリードの種類

戦略を立てるうえで最初に分かれ道になるのが、どちらのリードを取りに行くのかです。

コンテンツマーケティングで獲得できるリードは、次の2種類に分かれます。どちらも「フォーム入力でIDを獲得する」という点は同じですが、性質も、獲得後にやることもまったく違います。

コンテンツリードサービスリード
どんな人かコンテンツが見たくて
IDを入力した人
サービスを知りたくて
IDを入力した人
引き換えたものコンテンツ
(基礎知識ガイドなど)
サービス情報
(サービス資料、事例ウェビナーなど)
検討段階潜在層〜準顕在層準顕在層〜顕在層
そのまま商談になるかならない。
サービスに興味を持っていない
なりやすい
獲得後にやることメールマーケティングで
サービスリード化を待つ
インサイドセールスから
商談を打診する
向いている企業中長期の
母集団形成に投資できる企業
短期で
商談数を作りたい企業

図のとおり、コンテンツリードから商談実施へ直接つながる線はありません。 ここを踏まえずにコンテンツリードを追うと、「リードは増えたのに商談が増えない」という状態になります。

コンテンツリード

コンテンツリードは、コンテンツが見たくてIDを入力してくれた人です。

たとえば「営業資料とは?基礎知識ガイド」というホワイトペーパーをダウンロードするために、会社名やメールアドレスを入力してくれたお客様です。

彼らは「まずは業務手順やノウハウを知りたい」段階であり、自社サービスの検討には至っていません。したがって、このままでは商談化しません。 ナーチャリング(定期フォロー)を通じてサービス概要コンテンツへの関心を高め、もう一度IDを入力してもらう仕組みが必要になります。

そのため、ナーチャリングの仕組みが未整備の企業や、即時の商談化を重視する場合には、この戦略は適しません。

一方で、適切にナーチャリングが機能すれば、初回接点から直接商談化を狙うよりもはるかに幅広い母集団をプールできます。結果として、中長期で安定した商談パイプラインを築けます。

サービスリード

サービスリードは、自社サービスを知りたくてIDを入力してくれた人です。

たとえば「営業資料作成代行サービス紹介資料」のダウンロードや、「導入事例ウェビナー」への参加申し込みがこれに当たります。どちらも「サービス情報を詳しく知りたい」という動機に基づく行動です。

すでに検討意欲が顕在化しているため、商談化率が高くなります。 フォーム入力後は自動返信メールで資料と日程調整リンクを送り、同時に営業チームへ情報を共有すれば、準顕在層〜顕在層にそのままアプローチできます。

ただし、母集団は小さくなります。 サービスを知りたいと思っている人の数は、課題を調べている人の数よりずっと少ないからです。

まとめると、コンテンツリードは「情報取得を第一歩にしたリードプールづくり」、サービスリードは「サービス理解から商談直結を狙う短期成果」のリードです。自社の体制と追う数値に合わせて、どちらから取りに行くかを決めてください。

コンテンツマーケティングの種類・手法

コンテンツマーケティングには記事だけではなく、さまざまな種類が存在します。その手法は以下3つの要素で決まります。

  • コンテンツカテゴリ
  • コンテンツフォーマット
  • コンテンツチャネル

コンテンツカテゴリ

コンテンツのカテゴリとしてまず、どのような種類のコンテンツであるか、という点が挙げられます。例えば、潜在層向けのコンテンツなのか、サービス導入を検討している人向けのコンテンツなのか、といった区分です。

この「カテゴリ」を認識せずに、とりあえずコンテンツをつくろう!と始めてしまうと失敗します。すでにサービス導入を検討している人に向けて初歩的な「〇〇とは?」のようなコンテンツを送付してしまったりするわけです。

  • 問題認識コンテンツ
    • 目的)コンテンツに興味をもってもらうためのコンテンツ
    • 例)〇〇とは?、〇〇基礎知識ガイド
  • 課題解決コンテンツ
    • 目的)サービスを認知してもらうためのコンテンツ
    • 例)〇〇の活用法、〇〇導入後△△がXX%に
  • サービス概要コンテンツ
    • 目的)サービスに興味を持ってもらうためのコンテンツ
    • 例)〇〇サービス紹介、△△業界向け〇〇導入事例
  • サービス検討コンテンツ
    • 目的)サービスの導入を考えてもらうためのコンテンツ
    • 例)〇〇社様の外部から見た課題と提案、見積書

コンテンツフォーマット

第二の要素はコンテンツフォーマットです。どのような形式で、先述の「〇〇とは」をお客様に届けるか、ということ。

ウェビナーとしてそのテーマを実施するのか、動画というコンテンツフォーマットで実施するのか、記事というコンテンツフォーマットで実施するのか、資料というコンテンツフォーマットで実施するのか、同じテーマでもフォーマットはさまざまなのです。

ここで気づかれるかと思いますが、ウェビナーは潜在層向けの施策だと考える方もいるかもしれませんが、サービス紹介のウェビナーも存在しえます。ウェビナーや資料、記事といったフォーマットが存在するだけ、施策とは名ばかりで「誰向けでどんな成果が期待できるか」はターゲットによって変わってきます。

  • 記事
    • サービスサイトなら事例記事、オウンドメディアならSEO記事に
  • ウェビナー
    • 〇〇とは?なら一般的なウェビナー、サービス紹介ウェビナーも
  • 動画
    • YouTubeに投稿するような潜在層向け動画、顧客に操作方法を伝える動画も
  • 資料
    • 〇〇とは?ならお役立ち資料と呼ばれ、サービス情報ならサービス紹介資料に

コンテンツチャネル

最後に、コンテンツを誰にどうやって届けるか、という点がチャネルです。例えば、潜在層であればFacebook広告かもしれませんし、検索面という意味ではSEOが挙げられます。

また、特定の業界に向けて施策を打ちたい場合は、その業界の人がよく見るWebメディアがチャネルとなるかもしれません。

重要なのは、コンテンツの目的(認知拡大か、商談化か)とターゲットの検討フェーズに合わせてチャネルを選び、複数を組み合わせることです。

  • リスティング広告
    • 顕在層にサービスサイトや資料ダウンロードページを
  • Facebook広告
    • 潜在層にサービスサイトやお役立ち資料ダウンロードページを
  • SEO
    • 潜在層に課題解決となる記事を
  • プレスリリース
    • 潜在層に調査レポートなどで認知拡大
  • メルマガ
    • ハウスリストに対してサービス情報を
  • サービスサイト
    • 明確層に個人情報入力できるコンテンツを

BtoB企業のコンテンツマーケティングの戦略設計ステップ

ここまでで、2種類のリードと2つの役割を整理しました。ここからは、それを自社の計画に落とす手順です。

戦略設計は、次の4ステップで進めます。

  1. 目的整理
  2. ターゲット整理
  3. チャネル選定・手法策定
  4. 商談化プロセス設計

重要なのは、各ステップのアウトプットが次のステップの選択肢を絞ることです。 目的が決まればターゲットが絞られ、ターゲットが決まればチャネルが絞られます。逆に目的を飛ばして手法から入ると、後段の判断がすべて「なんとなく」になります。

1:目的整理

目的整理とは、「コンテンツマーケティングで何を解決したいのか」を1つの数値に落とす作業です。

「リードを増やしたい」「認知を上げたい」で止まると、施策は絞れません。なぜその数値を増やしたいのか、いま何が困っているのかまで戻ると、追う数値が変わります。

BtoB企業の目的は、だいたい次の4つに分かれます。

よくある目的いま困っていること追う数値
広告依存から抜けたいCPAが上がり続け、
出稿を止めると流入がゼロになる
検索・コンテンツ経由の
リード数、リード単価
第一想起を取りたい比較の土俵に上がった時点で
価格勝負になっている
指名検索数、指名での問い合わせ数
商談の質を上げたいリード数はあるのに
商談化しない
商談化率、有効商談数
営業の説明工数を減らしたい同じ説明を営業が毎回している商談前の資料閲覧率、
初回商談からの受注率

自社がどこに当てはまるかで、この後の打ち手はまったく変わります。「広告依存から抜けたい」なら記事とホワイトペーパーでリード数を作る話になりますが、「営業の説明工数を減らしたい」なら記事よりもサービス紹介資料や導入事例が先です。

そして目的は1つに絞ってください。 「認知も取りたいし商談も増やしたい」と両方置くと、後段のターゲットとチャネルが二重になり、限られたリソースが分散します。

目的が1つに決まると、次に決めるべき相手が自動的に絞られます。

2:ターゲット整理

ステップ1で追う数値が決まったら、次はその数値を作ってくれる相手を決めます。

ターゲット整理では、2つを決めます。「検討段階のどこにいる人か」と「社内でどの立場の人か」です。

まず検討段階です。BtoBの見込み顧客は、課題への近さで4段階に分かれます。段階ごとに知りたいことが違うので、渡すコンテンツも変わります。

ここで多いのが、段階を認識せずにコンテンツを作り始める失敗です。 すでに発注先を絞っている人に「〇〇とは?」を送っても響きませんし、課題に気づいていない人にサービス紹介資料を送っても読まれません。

ステップ1の目的と紐づけると、どの段階から始めるかが決まります。

ステップ1の目的主に狙う検討段階起点になるコンテンツ
第一想起を取りたい①課題に気づいていない問題認識コンテンツ
広告依存から抜けたい①〜②問題認識・課題解決コンテンツ
商談の質を上げたい③〜④サービス概要・サービス検討コンテンツ
営業の説明工数を減らしたい④発注先を絞っているサービス検討コンテンツ

注意したいのは、「起点を決める」であって「1段階だけ作る」ではないことです。 ①だけ用意して③④が空のままだと、興味を持った人の行き先がありません。逆に③④だけだと、そもそも見つけてもらえません。起点を決めたうえで、その先の段階も薄くでも埋めておいてください。

次に、社内での立場です。ここがBtoCとの最大の違いです。

前述のとおり、BtoBの決裁には平均11人が関わり、情報を集める人と、決める人が別です。同じ検討段階でも、担当者と決裁者では知りたいことが違います。

読み手知りたいこと渡すコンテンツ
担当者(情報を集める人)やり方、解決方法、
他社はどうしているか
記事、基礎知識ガイド、活用法の資料
決裁者(稟議で判断する人)費用対効果、失敗しないか、
実績があるか
導入事例、費用がわかる資料、比較表

担当者向けのコンテンツしかないと、社内で共有された瞬間に止まります。 「良さそうなんですが」の先が続きません。逆に決裁者向けのコンテンツしかないと、そもそも担当者に見つけてもらえません。

ターゲット整理のアウトプットは、次の1行に収まります。

「検討段階②にいる担当者と、その先の決裁者に向けて、課題解決コンテンツを起点に届ける」

ここまで決まると、その人に会える場所が絞られます。次のステップでチャネルと手法を決めます。

3:チャネル選定・手法策定

ステップ2で狙う層と読み手が決まったら、その人に会える場所と、渡すものを決めます。

チャネルと手法は、「コンテンツリードを取るのか、サービスリードを取るのか」で決まります。

コンテンツリードを取る場合、

サービスリードを取る場合、

そして手法を選ぶ最大の制約は、自社のリソースです。 どの手法も「やれば効果がありそう」に見えますが、片っ端から手を出すとどれも成果ラインに届きません。

使えるリソース別に、現実的な選択は次のとおりです。

使えるリソース現実的な選択理由
兼任1名
月2〜4本
1手法に絞る
(コンテンツSEO または ホワイトペーパー)
複数に分散すると、どの手法も最低本数に届かない
専任1名+制作リソース
月8本以上
2手法
(コンテンツSEO+ホワイトペーパー)
記事で集客し、資料でID獲得まで完結できる
専任チーム3名以上3手法以上+ウェビナー開催準備・登壇・集客の稼働を確保できる

1手法に絞ることをおすすめする理由は、続かないからです。オウンドメディアは開始から半年以内に約65.5%が更新を停止しています。手を広げるほど1手法あたりの本数が落ち、成果が出る前に止まります。

ここから、代表的な5つの手法をそれぞれ見ていきます。

コンテンツSEO

コンテンツSEOは、ターゲットが検索する言葉で記事を公開し、検索経由で見つけてもらう手法です。

項目内容
取れるリードKW次第で両方(問題認識KW=コンテンツリード/課題解決・購買KW=サービスリード)
成果までの目安3〜6ヶ月で順位がつき始め、安定は6〜12ヶ月
必要リソース立ち上げ30〜50本。月4本以上が目安
相性のいい目的広告依存から抜けたい、第一想起を取りたい

進め方は次の3ステップです。

  1. ターゲットが検索する言葉を洗い出し、Ahrefsやラッコキーワードで検索ボリュームを確認する
  2. 洗い出したKWを「アクセス獲得系(〇〇とは)」「ナーチャリング系(〇〇 作り方)」「クロージング系(〇〇 外注・費用・比較)」の3つに分類する
  3. 分類ごとに置くCTAを決める(アクセス獲得系にはお役立ち資料、クロージング系にはサービス資料・問い合わせ)

分類とCTAをセットで決めておくのがポイントです。 クロージング系の記事にお役立ち資料のCTAを置くと、商談になる人をコンテンツリードにしてしまいます。

キーワード選定の詳しい手順は以下記事で解説しています。

また、コンテンツSEOの中心となるオウンドメディア運営のノウハウを250Pと書籍ボリュームで解説したホワイトペーパーもありますので、参考にしてみてください。

ホワイトペーパー

ホワイトペーパーは、会社名やメールアドレスと引き換えにダウンロードしてもらう資料です。 ID獲得の主役になります。

項目内容
取れるリードテーマ次第で両方(基礎知識ガイド=コンテンツリード/サービス紹介資料=サービスリード)
成果までの目安記事があれば1〜2ヶ月でダウンロードが発生する
必要リソース1本あたり10〜20ページ。既存記事の転用なら数日
相性のいい目的広告依存から抜けたい、商談の質を上げたい

進め方は次の3ステップです。

  1. すでに公開している記事のうち、PVが多い記事を3本選ぶ
  2. その記事の内容を資料化し、記事内にダウンロードのCTAを設置する
  3. ダウンロード後の自動返信メールで、次に読んでほしい記事を1本添える

新規で書き起こすより、既存記事の転用から始めるのが最短です。 記事で集めた読者にその場でIDを渡してもらえるため、集客とID獲得が1本の導線でつながります。

ホワイトペーパーについては、以下記事で詳しく解説しています。

ウェビナー

ウェビナーは、オンラインで開催するセミナーです。 申し込み時にIDを獲得し、当日は長い時間を使って伝えられます。

項目内容
取れるリードテーマ次第で両方(「〇〇とは」=コンテンツリード/サービス紹介・導入事例=サービスリード)
成果までの目安1回開催すればその場でIDが取れる
必要リソース資料作成・集客・当日運営で、1本あたりの稼働が最も重い
相性のいい目的商談の質を上げたい、営業の説明工数を減らしたい

進め方は次の3ステップです。

  1. 既存の記事や営業資料を組み替えて、40〜60分の資料を1本作る
  2. 既存リードへのメール配信で集客する(初回は新規集客を狙わない)
  3. 開催後、参加者に資料と個別相談の案内を送る

ウェビナーの強みは、決裁者を連れてきてもらえることです。 記事や資料は担当者が1人で読みますが、ウェビナーは「上司と一緒に聞く」が成立します。ステップ2で整理した決裁者向けの打ち手として有効です。

ウェビナー資料の作り方については以下記事で解説、テンプレートを配布しています。

プレスリリース

プレスリリースは、配信サービスやメディア経由で自社の情報を届ける手法です。 他の4手法と違い、直接IDは取れません。

項目内容
取れるリード直接は取れない(狙うのは認知・第一想起・被リンク)
成果までの目安配信直後に露出。効果は蓄積型
必要リソース1本あたり原稿1本+配信費用
相性のいい目的第一想起を取りたい

進め方は次の3ステップです。

  1. 自社が持っているデータ(支援社数、アンケート結果、社内の実測値)を棚卸しする
  2. 業界の人が知りたい切り口で集計し、調査リリースにまとめる
  3. 配信後、リリース本文をオウンドメディアの記事とホワイトペーパーにも展開する

プレスリリースは、単発で終わらせると効果が測れません。 リリースした調査結果を記事とホワイトペーパーに展開すると、認知獲得とID獲得の両方につながります。

弊社Coneも記事×ホワイトペーパー×プレスリリースで、派生効果を狙った施策を講じています。

以下記事(営業資料のスライド調査)は、プレスリリースでも配信し、リード獲得・指名検索数増加に寄与した事例となっています。

こういった調査コンテンツ制作は、弊社サービス「c-slide lab」にて提供・支援していますので、お気軽にご相談ください。(c-slide labサービスサイトへ)

サービスサイト

サービスサイトは、自社サービスの情報を集約した場所です。 サービスリードを受け止める最後の受け皿になります。

項目内容
取れるリードサービスリード
成果までの目安改善すればその月から数字が動く
必要リソース新規構築で1〜3ヶ月。改善なら数日単位
相性のいい目的商談の質を上げたい、営業の説明工数を減らしたい

置くべき情報は次の4つです。

  1. 料金(レンジでもよい。書かないと比較表に載らない)
  2. 導入事例(業界別・課題別に分ける)
  3. サービス紹介資料のダウンロードフォーム
  4. 問い合わせフォーム(項目は必要最小限に絞る)

サービスサイトが弱いと、記事をいくら増やしても役割②が埋まりません。 検討が始まった見込み顧客は、必ず一度サービスサイトを見に来ます。ここで料金も事例もないと、その場で候補から外れます。

改善の優先順位は以下記事

サービス紹介資料の作り方は以下記事で詳しく解説しています。

4:商談化プロセス設計

ステップ3でリードを獲得する手法が決まったら、最後に「獲得したあと」を設計します。

BtoBのコンテンツマーケティングは、リードを獲得した時点では終わりません。 むしろここからの設計を飛ばすと、リードは増えたのに商談が増えない状態になります。

理由は前章のとおりです。コンテンツリードは、コンテンツが見たくてIDを入力した人です。サービスに興味を持っていないので、そのまま商談打診をしても断られます。

だからリードの状態ごとに、打ち手を分けます。

リードの状態打ち手届けるもの次に目指す状態
コンテンツリードメールマーケティング課題解決コンテンツ → サービス概要コンテンツサービスに興味を持つ(サービスリード化)
サービスリードインサイドセールスその企業に合わせた事例・提案・シミュレーション商談の実施

ここで押さえておきたいことがあります。メールマーケティングとインサイドセールスは、コンテンツマーケティングの一部ではありますが、コンテンツそのものではありません。

どちらも「何を届けるか」を運ぶ手段です。運ぶものがなければ機能しません。メルマガの配信システムを導入しても、送る中身がなければ開封されませんし、インサイドセールスの人員を増やしても、渡す資料がなければ商談打診の電話になります。

結局は、何を届けて、どう見込み顧客の課題を解決し、どう商談化するのかです。 手段の導入と、届けるものの用意はセットで考えてください。

メールマーケティング

メールマーケティングは、獲得したリードに定期的にコンテンツを届け、サービスへの興味が生まれるまで接点を持ち続ける手法です。

ゴールは、コンテンツリードをサービスリードに変えることです。具体的には、サービス関連のコンテンツで再度IDを入力してもらうことが到達点になります。

配信の流れは次の3段階です。

  1. 獲得直後:ダウンロードのお礼と資料のURL、あわせて関連記事を1本添える
  2. 数日後:課題解決コンテンツを送る(「〇〇の効果的な活用法」「〇〇社の導入後の変化」など)
  3. その後:サービス概要コンテンツを案内する(サービス紹介資料のダウンロード、導入事例ウェビナーの申し込み)

追う数値は、開封率・クリック率・再ID獲得数(サービスリードへの転換数)の3つです。開封率だけを見ていると、転換していないことに気づけません。

注意点は、セミナー告知とキャンペーン告知だけのメルマガにしないことです。 送る側の都合の情報が続くと開封されなくなります。実際に、告知中心のメルマガを「リードが知りたい役に立つ情報」に切り替えて、月間の有効与件が10件になった事例もあります。

配信の設計は「リードナーチャリングとは?施策一覧と使えるツール10選」、獲得直後のメール文面は「BtoB企業向け8つの自動返信メール例文」で解説しています。

インサイドセールス

インサイドセールスは、サービスに興味を示したリードに対し、1対1でその企業に合った情報を届け、商談につなげる役割です。

メールマーケティングが「全員に同じものを送る」のに対し、インサイドセールスは「1社ごとに変える」のが仕事です。

動き方は次の3ステップです。

  1. そのリードが何を見たかを確認する(閲覧した資料、参加したウェビナー、フォームの回答内容)
  2. その企業の課題に合わせて、事例・プラン・シミュレーションを選んで送る
  3. 反応があった内容を起点に、商談を打診する

コツは、いきなり商談を打診しないことです。 「検討状況はいかがですか」というフォローは、買い手からするとネガティブに受け取られます。前述のとおり、買い手は営業されたくないと考えているからです。だから最初に渡すのは、情報です。

なお、少人数の組織では、インサイドセールスを職種として分業する必要はありません。「分業」ではなく「省略」という考え方もあります。

進め方は「インサイドセールスのメール例文集。コツは商談打診しないこと」「中小企業はインサイドセールスを導入するべきか?」で解説しています。

・・・

4ステップが埋まると、自社の戦略が1枚の表に収まります。

ステップ自社の答え(記入例)
1:目的広告依存から抜けたい → 検索経由のリード数を追う
2:ターゲット準顕在層/担当者と決裁者の両方
3:チャネル・手法コンテンツSEO+ホワイトペーパー(専任1名・月8本)
4:商談化メールマーケティングでサービスリード化 → 1to1メールで商談打診

ここまで決まっていれば、次に何をするかで迷いません。

BtoB企業がコンテンツマーケティングを実施する際の注意点

戦略が固まっても、運用の途中で崩れる企業は少なくありません。崩れ方はだいたい3パターンに分かれます。

  • 効果測定を行う
  • 経営者が施策の役割を理解する
  • コンテンツの品質にこだわる

効果測定を行う

効果測定でいちばん大事なのは、コンテンツリードとサービスリードを分けて数えることです。

多くの企業が「リード数」を1つの数字で見ています。これをやると、施策の良し悪しが判断できません。

たとえば先月のリードが50件だったとします。その内訳が「基礎知識ガイドのダウンロード48件、サービス紹介資料の請求2件」なのか、「基礎知識ガイド20件、サービス紹介資料30件」なのかで、次にやることが正反対になります。前者はメールマーケティングの設計が足りておらず、後者は母集団を増やす段階です。

合算した数字は、この違いを隠します。 だから最低限、次の3つは分けて記録してください。

記録する数値何が分かるか
コンテンツリードの獲得数潜在層への接点が作れているか
サービスリードの獲得数検討候補に入れているか
コンテンツリード→サービスリードの転換数メールマーケティングが機能しているか

そして測るタイミングも分けます。コンテンツマーケティングは成果が出るまでに時間がかかるため、同じ指標を最初から追うと判断を誤ります。

時期見る数値
1〜3ヶ月コンテンツの公開本数、記事のPV、検索順位
3〜6ヶ月CTAクリック率、資料ダウンロード数
6ヶ月〜問い合わせ数、CVR、商談化率

もう1つ、記事単位で一喜一憂しないことです。 見るべきはステップ2で決めた検討段階ごとの合計です。問題認識コンテンツの合計、課題解決コンテンツの合計、サービス概要コンテンツの合計で並べると、どの段階が空いているかが一目で分かります。

指標の具体的な設定方法は「オウンドメディアのKPI設定ガイド」、CV導線の改善は「オウンドメディアのコンバージョンを改善する4ステップ」で解説しています。

経営者が施策の役割を理解する

経営者に理解してもらうべきは、「コンテンツマーケティングは今月の売上を作る施策ではない」という一点です。

前述のとおり、この施策が担う役割は第一想起の獲得と検討候補入りです。どちらも、顧客の検討が始まったときに効きます。検討が始まるタイミングは売り手が動かせないため、成果は必ず後ろにずれます。

ここが共有されていないと、3ヶ月目に「まだ問い合わせが来ないのか」となり、投資が止まります。

一方で、成果が出るラインには前提となる本数と期間があります。

前提目安
立ち上げ初期に必要な記事数30〜50本
順位が安定するまでの期間6〜12ヶ月
成果を判断できるまでの期間最低1年
検索1〜10位のサイトと11位以降のサイトの記事数差約3.4倍

やることはシンプルです。着手前に、この表と時期別の到達目標を1枚にまとめて共有しておいてください。 「6ヶ月で30本、この時点で見るのはPVと順位。問い合わせを見るのは12ヶ月目から」と先に握っておけば、3ヶ月目の指摘は起きません。

逆に、期間の合意なしに始めた施策は、担当者が悪くなくても止まります。継続できなくなる構造と対策は「オウンドメディアが継続できない本当の理由」で解説しています。

コンテンツの品質にこだわる

コンテンツの品質とは、デザインのきれいさではありません。読む前と読んだ後で、読者が「できるようになること」が変わるかどうかです。

情報を並べただけのコンテンツは、読まれても何も残りません。何も残らなければ、第一想起にはなりません。「なんとなく読んだけど、どこの記事だったか覚えていない」という状態は、役割①を果たせていない状態です。

品質を上げる打ち手は、次の4つです。

打ち手具体的にやること
一次情報を入れる自社の支援実績、実測値、社内のアンケート結果を1つ以上入れる
持ち帰れるものを入れるテンプレート、チェックリスト、例文、比較表を添える
行動レベルまで書く「Webで調べる」ではなく「Googleで〇〇と検索し、△△をExcelにまとめる」と書く
1見出し1メッセージにする1つの見出しで伝えることを1つに絞る。話が逸れたら別記事にする

このうち最も効くのは一次情報です。 競合と同じ情報しか載っていないコンテンツは、読者にとって「どこで読んでも同じ」になります。自社が持っているデータ、支援した件数、実際に試した結果を1つ入れるだけで、内容の重みが変わります。

判断に迷ったら、公開前に次の3つを自問してください。

  1. この記事を読んだ人は、読む前にできなかった何ができるようになったか
  2. この内容は、競合の記事に書いていないものが1つ以上あるか
  3. 読者はこの記事から、何か持ち帰れるものを得たか

3つのうち1つでも答えられないなら、公開前に足すべきものがあります。 書き方の具体的なルールは「SEO記事の書き方5法則」、記事の作り方全体は「オウンドメディア記事の作成方法」で解説しています。

BtoB企業のコンテンツマーケティングの成功事例

ここからは、実際に成果が出た事例を手法別に4つ紹介します。それぞれ、本記事のどのステップの実例なのかも併記します。

1:ホワイトペーパー|既存12本の作り直しだけでCVが2.5倍|ferret One

項目内容
やったこと既存ホワイトペーパー12本を2ヶ月でリニューアル。新規制作はゼロ
成果サービスサイトへの遷移数が12倍、CV(資料請求・問い合わせ)が2.5倍
取ったリードコンテンツリード → サービスリードへの転換
本記事との対応ステップ3(リソース内で手法を絞る)/ステップ4(獲得後の導線設計)

具体的にやったことは3つです。

  1. 文章を簡潔に整理し、ターゲットを「Webリテラシーの高いBtoB担当者」に絞り込んだ
  2. 資料ごとに、読者の検討段階に応じたCTAを設計した(深く知りたい読者には事例ページ、比較検討中の読者には無料相談)
  3. テキスト中心の構成を、図解とチェックリスト中心の構成に作り替えた

注目すべきは、資料を1本も増やしていないことです。 本数ではなく、ターゲットの絞り込みとCTAの設計だけで遷移数が12倍になりました。

これはステップ3で解説した「リソースが限られているなら手法を絞る」の実例です。新しい手法に手を出す前に、いま持っているコンテンツのターゲットとCTAが合っているかを見直す。その順番が正しいことを示しています。

2:ウェビナー|週2〜3回の開催で商談化率を大幅改善|LegalOn Technologies

項目内容
やったことオウンドメディア「契約ウォッチ」を軸に、週2〜3回のウェビナーを継続開催
成果メディアは半年で20万PV・3年で100万PV。PV60%増、資料DL50%増
取ったリードコンテンツリードとサービスリードの両方
本記事との対応ステップ2(検討段階の設計)/ステップ3(複数手法の連動)

具体的にやったことは3つです。

  1. 契約実務に直結する法改正情報を、社内で企画・制作してメディアに蓄積した
  2. そのテーマごとに専門家の解説ウェビナーを高頻度で開催した
  3. 記事・ウェビナー・ホワイトペーパー・メルマガを相互に接続する導線を敷いた

この事例のポイントは、ウェビナー単体で成果を出していないことです。 記事で見つけてもらい、ウェビナーでIDを取り、資料とメルマガで育てる。4つの手法が1本の線でつながっています。

企業法務という、検索ボリュームが大きくない領域でも成立しているのは、検討段階ごとにコンテンツが揃っているからです。ステップ2で触れた「起点を決めたうえで、その先の段階も埋めておく」の実例です。

3:プレスリリース|調査データの発信で指名検索が30倍以上|fondesk

項目内容
やったこと独自調査をもとに「TELハラ」という言葉を提唱し、意見広告とプレスリリースで発信
成果指名検索数が30倍以上、CPAが25%低減。X(旧Twitter)で国内トレンド2位
取ったリード直接のIDは取らない(狙ったのは認知と第一想起)
本記事との対応役割①(第一想起)/ステップ1(目的=第一想起を取る)

具体的にやったことは3つです。

  1. 事前にインターネット調査を実施し、社会人の66.3%が会社宛ての電話対応にストレスを感じているというデータを取得した
  2. その課題に「TELハラ(電話ハラスメント)」という名前を付けた
  3. 調査データとあわせて意見広告・プレスリリースで発信し、その後も継続的に情報を出した

成果として最も注目すべきは、指名検索数が30倍以上になったことです。 これは本記事の役割①、つまり第一想起そのものが動いた数字です。

そしてCPAが25%低減しています。第一想起が取れると、広告の効率まで改善するということです。ステップ1で「第一想起を取りたい」を目的に置いた場合の、追う数値と成果の形がそのまま現れています。

4:コンテンツSEO|切実な検索意図に絞って月間数百万PV規模へ|freee

項目内容
やったことオウンドメディア「経営ハッカー」で、極めて具体的な検索意図のキーワードに絞って記事を制作
成果多数のロングテールKWで上位を獲得し、月間数百万PV規模へ成長。CV率も純広告導線比で大幅向上
取ったリードコンテンツリード(記事内でサービスに接続)
本記事との対応ステップ2(検討段階①への集中)/ステップ3(コンテンツSEO)

具体的にやったことは3つです。

  1. 「電車 領収書」「確定申告 ホッチキス」のように、切実で具体的な疑問のキーワードを選んだ
  2. 「会計」「確定申告」などジャンル別にハブ記事を置き、そこから各記事へ内部リンクを張った
  3. 記事の文中と末尾に、freeeの機能や事例を広告感なく補足的に配置した

選んでいるキーワードは、検索ボリュームの大きい言葉ではありません。 「電車の領収書をどうするか」で困っている人は、いま目の前の作業で困っている検討段階①の読者です。

その層に大量に会い、記事の中で自然にサービスへ接続する。ステップ2で解説した「検討段階①を起点にする」を、徹底してやり切った形です。ただしこの戦略は、キーワードの数だけ記事が必要になるため、本数を作れる体制が前提になります。

上記、成功事例を含む22個の事例は以下記事で紹介しています。

さいごに

コンテンツマーケティングが売上につながらない原因は、コンテンツの量でも質でもなく、設計の順番にあります。

本記事で解説した順番を、もう一度整理します。

決めること内容
役割第一想起を取るのか、検討候補に入るのか
リードの種類コンテンツリードを取るのか、サービスリードを取るのか
ステップ1:目的何を解決したいのかを1つの数値に落とす
ステップ2:ターゲットどの検討段階の、どの立場の人に届けるのか
ステップ3:チャネル・手法自社のリソースで回る手法に絞る
ステップ4:商談化メールマーケティングとインサイドセールスの役割を決める

この順番で決めていけば、世の中にある無数の施策のなかから「自社が今やるべきもの」が選べます。逆に、施策から入ると、後段の判断がすべて「なんとなく」になります。

そして最後に、記事全体を通してお伝えしたかったことを繰り返します。コンテンツマーケティングは、営業する代わりの手段ではありません。 買い手が自分で検討を進めるための材料を、営業が立ち会えない場所に置いておく活動です。

だからこそ、届けるものの中身が最後まで効きます。手段を増やす前に、渡すコンテンツがあるかを確認してください。

本メディアを運営する株式会社Coneでは、BtoB企業のコンテンツマーケティングを、コンテンツの制作面から支援しています。

サービス内容
記事作成代行「c-blog」
→ サイトへジャンプ
キーワード選定から記事の執筆までを支援
資料作成代行「c-slide」
→ サイトへジャンプ
ホワイトペーパー・サービス紹介資料・ウェビナー資料の作成を支援
BtoBサイト制作「c-web」
→ サイトへジャンプ
オウンドメディア・サービスサイトの構築を支援

戦略設計の段階からご相談いただけますので、お気軽にお問い合わせください。

代表 / マーケター / デザイナー

佐藤 立樹

立命館大学在学中に、ベンチャー2社でインターンを経験し、卒業と同時に株式会社Coneを設立。資料作成代行サービス「c-slide」を運営。リリース後1年半で支援企業300社を突破。セールス/マーケ領域の資料が得意。

メルマガ登録

資料、記事、サイト制作などの作成方法から活用方法まで、BtoBコンテンツに関する情報をお届けします。たま〜にサービスに関する情報も。