SEOキーワード選定のやり方。シートへのまとめ方の手順ガイド付き
SEOにおいて、キーワード選定はコンテンツ設計の出発点であり、検索意図に合った記事を作るための“土台”です。
どれだけ質の高い記事を作っても、検索されないキーワードや、意図とズレたキーワードを選んでしまっては、順位もCVも伸びません。
本記事では、SEOにおけるキーワード選定の重要性と、成果につながる選定の具体ステップを解説します。
実際に私たちConeでも使っているノウハウや、無料で使えるおすすめツール、失敗しやすいポイントまで余すことなく紹介します。
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SEOにおける「キーワード選定」の重要性
SEOキーワードの選定は、記事を書き始める前に必ず終わらせておくべき最重要工程です。 ここを飛ばして記事を書き始めると、どれだけ丁寧に書いても順位はつかず、リードにもつながりません。
理由は大きく2つあります。
- Googleの検索の仕組み上、狙うキーワードを決めていない記事は評価されない
- 狙うキーワードによって、書くべき記事数そのものが変わる
順番に解説します。
Googleの仕組み上、狙うキーワードを決めないと評価されない
Googleは「このページはどの検索キーワードに答えるページか」を判断して、検索結果に表示するページを決めています。
Googleが検索順位を決めるまでの流れは、大きく3段階です。
| ①クロール | クローラーがサイトを巡回し、ページの情報を読み取る |
| ②インデックス | 読み取ったページを「何について書かれたページか」で分類・登録する |
| ③ランキング | 検索されたキーワードごとに、最も意図を満たすページを順位づけする |
Googleはページの内容から「このページはどんな検索に答えるものか」を推測して登録します。つまり書き手が答えるべき検索キーワードを決めていないと、Googleもどの検索結果に出すべきか判断できません。
たとえば1本の記事の中に、以下の内容が混在しているとします。
- SEOとは何かという用語説明
- SEO記事の書き方の手順
- SEO記事作成の外注費用の相場
書き手としては「SEOについて網羅した記事」のつもりです。しかしGoogleから見れば、答えている検索キーワードが3つに分散した記事です。結果として、どのキーワードでも中途半端な評価になり、上位表示されません。
これは読者にとっても同じです。「SEO記事の書き方」を知りたくて訪れた読者は、用語説明や費用相場の話を読み飛ばすことになります。狙うキーワードを1つに決めることは、Googleのためだけでなく、読者と見込み顧客のためでもあるのです。
記事を書き始める前に、まず「この記事はどの検索キーワードに答えるのか」を、検索窓に入力される形の言葉で1つだけ決めてください。「SEO キーワード選定 やり方」のように、実際に検索される語順・表記のまま書き出すのがコツです。
狙うキーワードによって、書くべき記事数が変わる
キーワード選定を間違えると、本来100記事で足りたはずのメディアが、300記事書いても成果が出ない状態になります。
オウンドメディアの目的は、記事を増やすことではありません。自社の見込み顧客に出会い、問い合わせや資料請求につなげることです。であれば、狙うべきキーワードは「自社の見込み顧客が検索する言葉」に限られます。
たとえば弊社Coneは、BtoB企業向けにSEO記事作成の代行サービスを提供しています。目的はリード獲得です。この場合、狙うキーワードは次のように分かれます。
| 分類 | キーワード例 | 検索している人 |
|---|---|---|
| 目的に合う | 「オウンドメディア 立ち上げ」 「SEO記事 外注」 | 記事制作を発注する立場の企業担当者 |
| 目的に合わない | 「ライター 副業」 「ライター 素質」 | これからライターになりたい個人 |
「ライター 副業」は検索ボリュームがあり、記事も書きやすいキーワードです。しかし、この記事を読んだ人が弊社に記事制作を発注することはありません。読まれても、リードにはならないのです。
ターゲットからずれたキーワードを選んでしまうと、次のような状態になります。
- 検索ボリュームがあるキーワードを片っ端からリスト化する
- 300記事書く
- アクセスは増えるが、問い合わせは増えない
- 「記事数が足りないのでは」と考え、さらに記事を追加する
本来は、見込み顧客が検索する100記事に絞れば成果が出ていたかもしれません。それが200記事分の工数を無駄にし、しかも目的は達成できていない状態です。
そして、この状態がもっとも怖い理由はメディアの更新そのものが止まってしまうことです。成果が出ないのに工数だけがかかるため、社内で優先度が下がり、担当者のリソースが引き上げられます。弊社の調査でも、オウンドメディアを立ち上げた企業のうち約65%が開始から半年以内に更新をやめています(参考記事:オウンドメディアが継続できない本当の理由)。
キーワード選定は、記事の順位を左右する工程ではありません。メディアが成果を出して続くかどうかを左右する工程です。
SEOキーワード選定の前提知識
キーワード選定の手順に入る前に、押さえておくべき前提が2つあります。
- 方法:キーワードはどうやって知るのか → ツールで調べる
- 基準:どんなキーワードを選べばいいのか → 3種類に分類して考える
この2つを知らないまま手を動かすと、「思いついたキーワードを並べただけのリスト」ができあがってしまいます。
方法:キーワードは頭で考えず、ツールで調べる
SEOキーワードは、自分で思いつくものではなく、ツールで「実際に検索されている言葉」を調べて集めます。
キーワードとは、ユーザーが検索窓に入力する単語の組み合わせです。たとえば資料作成代行サービスを運営しているなら、次のような言葉が候補になります。
- 「パワポ 操作方法」
- 「資料作成 コツ」
- 「営業資料 作り方」
ここまでは頭の中で出せます。しかし、自分で思いつく方法には2つの限界があります。
- 100個・200個という量を出しきれない
- 思いついた言葉が「誰も検索していない言葉」である可能性がある
検索されていないキーワードで記事を書いても、流入はゼロです。だからこそ、実際の検索データを見る必要があります。
まず無料でできるのは、Googleの検索画面を見ることです。検索窓に「資料作成」と入力すると、下に候補が表示されます。これがサジェストキーワードです。

さらに検索結果ページの下部には「他の人はこちらも検索」という欄があります。これが再検索キーワードです。

このサジェストと再検索キーワードが、キーワード候補の正体です。ただし、この方法では1つの語句ごとに検索し直す必要があり、数百のキーワードを集めるには手間がかかりすぎます。検索ボリュームもわかりません。
そこで使うのがキーワード調査ツールです。
ラッコキーワード(無料)
ラッコキーワードは、キーワードを1つ入力するだけで、サジェストキーワードを一括で取得できるツールです。「資料作成」と入力すれば、「資料作成 コツ」「資料作成 代行」「資料作成 苦手」といった候補が数百件まとめて表示されます。CSVでダウンロードもできるので、そのままスプレッドシートに貼り付けて使えます。まずは無料で始めるならこのツールで十分です。

Ahrefs(有料)
Ahrefs(エイチレフス)は、有料のSEO分析ツールです。ラッコキーワードとの最大の違いは、検索ボリュームとキーワード難易度がわかること、そして競合サイトが獲得しているキーワードを丸ごと調べられることです。
競合サイトのドメインを入力すれば、そのサイトがどのキーワードで何位を取っているかが一覧で出てきます。自社と同じターゲットを狙う競合が成果を出しているキーワードは、そのまま自社の候補リストになります。

基準:キーワードは「3種類」に分けて選ぶ
選ぶべきキーワードは、検索するユーザーの検討段階によって3種類に分かれます。
同じテーマでも、ユーザーが「まだ課題に気づいていない段階」なのか「発注先を選んでいる段階」なのかで、検索する言葉はまったく違います。この違いを無視してリストを作ると、アクセスは増えるのにCVがゼロ、という状態になります。
弊社Coneでは、キーワードを次の3種類に分類しています。

アクセスキーワード
アクセスキーワードは、まだ自社サービスを知らないユーザーが、情報収集のために検索する言葉です。課題は漠然としており、「そもそも何が必要なのか」を調べています。
該当するキーワードは「コンテンツSEOとは」「オウンドメディア メリット」などです。検索数は多いものの、その場で問い合わせにはつながりません。このキーワードの役割は、潜在層に課題の存在を気づかせる「入り口」をつくることです。記事の中から、ナーチャリング記事や資料ダウンロードへの導線を必ず設けてください。
ナーチャリングキーワード
ナーチャリングキーワードは、課題を自覚したユーザーが、解決手段を探すするために検索する言葉です。「〇〇を効率化したいけど具体的なやり方がわからない」「他社はどうしているのか」などを調べています。
該当するキーワードは「SEO記事 書き方」「オウンドメディア KPI設計」「ホワイトペーパー 作り方」「コンテンツマーケティング 成功事例」などです。このキーワードで訪れた読者は、まず自分でやってみようとしています。そして自分で試してうまくいかなかったときに、問い合わせにつながる可能性があります。だからこそ、記事内にサービスサイトへのリンクを自然に配置し、「弊社でもサポートできます」と伝えておくことがポイントです。
クロージングキーワード
クロージングキーワードは、発注をほぼ決めたユーザーが、最後の判断のために検索する言葉です。「どこに依頼するか」を決めようとしています。
該当するキーワードは「記事作成 代行 相場」「コンテンツ制作 外注 おすすめ」「ホワイトペーパー 制作会社」などです。検索ボリュームは少ないですが、CV率は圧倒的に高くなります。料金プラン・比較表・導入事例を丁寧に載せ、サービスページや問い合わせボタンへの導線を明確に配置してください。
SEOキーワード選定の手順4ステップ
ここからは実際の手順です。前提知識で解説した「ツールで調べる」「3種類に分類する」を使いながら、次の4ステップで進めます。
- ターゲットを決める
- キーワードを洗い出す
- シートにまとめる
- キーワードを選定・絞り込む
この順番が重要です。 多くの企業がステップ2の「洗い出し」から始めてしまい、目的に合わないキーワードが大量に混ざったリストを作ってしまいます。
手順1:ターゲットを決める
キーワード選定は、リストを作る前に「誰に向けたメディアなのか」を決めるところから始まります。
ここが曖昧なまま洗い出しに進むと、集めたキーワードのどれを残すべきか判断できません。手順4の絞り込みで迷うのは、ほぼこの工程を飛ばしているためです。
手順1でやることは2つです。
- メディアで拾うターゲット層を決める
- 目的から逆算して最低基準数値を計算する
この2つが決まると、「狙うキーワードの種類」と「最低で何記事必要か」が同時に見えます。 前提知識で解説した3種類のキーワードを、ここで使います。
1-1:メディアでどのターゲット層を拾うかを決める
最初に決めるのは、メディアで「潜在層」を拾うのか「準顕在層」に絞るのかです。
ここが決まらないと、選ぶキーワードの種類が決まりません。前提知識で解説した3種類のキーワードと同じ考え方です。
準顕在層に絞ると決めたなら、アクセスキーワードは取りに行ってはいけません。 理由は2つあります。

1つ目は、キーワード難易度が高いことです。「オウンドメディアとは」のようなアクセスキーワードは検索ボリュームが大きく、大手メディアが上位を占めています。ドメインパワーの弱い立ち上げ期のメディアが上位表示するのは、現実的に難しいです。
2つ目は、購買から遠すぎることです。用語を調べている人が、その記事から問い合わせをすることはほぼありません。難易度が高く、CVにもつながらない。 つまり工数だけがかかって、当初の目的が達成できないキーワードなのです。
まずは「自社のメディアはどちらか」を1行で書き出してください。「認知は広告で取るので、メディアはCV獲得に絞る」でも構いません。ここを言語化しておくと、手順4の絞り込みで迷わなくなります。
1-2:そのターゲット層に対する「最低基準数値」を計算する
最低基準数値とは、目的を達成するために必要な検索ボリュームの合計と、そこから逆算した記事数のことです。使う計算式は次の1本だけです。
必要な検索ボリューム合計 = 目標セッション数 ÷ 想定クリック率 ÷ 上位表示達成率
想定クリック率は5%、上位表示達成率(リストのうち1〜10位に入る割合)は50%を仮の数値として置きます。実際の数値を持っていれば、そちらを使ってください。
■ 潜在層を拾う場合(月に1万人に知ってもらいたい)
| 目標セッション数 | 10,000/月 |
| ÷ 想定クリック率 5% | 200,000(必要な表示回数) |
| ÷ 上位表示達成率 50% | 400,000(必要な検索ボリューム合計) |
■ 準顕在層に絞る場合(月に10件のリードを獲得したい)
| 目標リード数 | 10件/月 |
| 目標セッション数 | 500(必要セッション数) |
| ÷ 想定クリック率 5% | 10,000(必要な表示回数) |
| ÷ 上位表示達成率 50% | 20,000(必要な検索ボリューム合計) |

この計算をすると、「最低で何記事書かないといけないのか」が数字で見えます。 逆に、リストアップしたキーワードの合計ボリュームがこの基準に届いていなければ、目的は達成できません。手順4の最後で、この基準と照らし合わせます。
なお、この計算の精度は決して高くありません。
上位表示達成率50%という数値に根拠はありませんし、「上位表示できた」の中身が1位なのか10位なのかで、クリック数は大きく変わります。実際、FirstPageSageの2025年の調査(検索順位とクリック率(CTR)の関係|1位〜10位の最新データ)では、検索1位のクリック率が39.8%に対して、10位は1.6%です。約25倍の差があります。
弊社Coneが運営する本メディアのSearch Consoleデータでも、同じ傾向が出ています。
| 平均掲載順位 | クリック数の全体比 | 表示回数の全体比 |
|---|---|---|
| 1〜3位 | 69.9% | 29.1% |
| 4〜10位 | 29.1% | 56.0% |
| 11位以下 | 1.1% | 14.9% |
登録キーワードのうち約34%は11位以下ですが、そこから得られているクリックは全体の1.1%です。つまり、上位表示できなかったキーワードは、ほぼ存在していないのと同じです。
だからこそ、計算した記事数より多く書く必要が出てくる可能性は十分にあります。それでも、この計算をやる意味はあります。目的は正確な予測ではなく、「当たりをつける」ことです。 100記事なのか1,000記事なのかがわかるだけで、リストアップすべきキーワードの量も、必要な体制も判断できるようになります。
手順2:キーワードを洗い出す
手順1でターゲット層と最低基準数値が決まったら、次はその基準を満たすまでキーワードを洗い出します。
使うのは前提知識で紹介したSEOツールです。洗い出しの段階で、検索ボリュームとキーワード難易度も一緒にメモしておいてください。 手順1で計算した「必要な検索ボリューム合計」に届いているかを、後で判断するために必要になります。
洗い出しの方法は3つあります。
- 競合の獲得キーワードを調査する
- 問い合わせ・資料請求フォームからリストアップする
- 専門メディア・ウェビナーから洗い出す
2-1:競合の獲得キーワードを調査する
もっとも効率がいいのは、競合サイトがすでに獲得しているキーワードをそのまま調べる方法です。
自社と同じターゲットを狙う競合が上位表示できているキーワードは、「そのターゲットが実際に検索している言葉」が証明済みだからです。弊社ConeではAhrefs(エイチレフス)を使って、この調査をしています。
操作手順は次の通りです。
- Ahrefsにログインし、上部メニューの「Site Explorer」を開く
- 検索窓に競合サイトのドメイン(例:competitor.co.jp)を入力する
- 左メニューの「オーガニック検索」→「オーガニックキーワード」をクリックする
- フィルタで「Position(順位)1〜20」「Volume(ボリューム)10以上」を設定する
- 右上の「Export」でCSVをダウンロードする

これで、競合が上位20位以内に入っているキーワードが、検索ボリューム・難易度・順位つきで一覧になります。CSVをそのままスプレッドシートに貼り付ければ、手順3のシートの土台ができます。
競合は3〜5社分調べてください。1社だけでは、その企業固有の戦略に引っ張られたリストになります。
2-2:問い合わせ・資料請求フォームからリストアップする
ツールでは絶対に出てこないキーワードは、顧客と接している社内メンバーが持っています。
問い合わせフォームや資料請求フォーム(ホワイトペーパーのダウンロードを含む)には、相談内容が自由記述で入力されています。ここに書かれている言葉は、見込み顧客が自分の課題をどう表現しているかの一次情報です。営業・カスタマーサポート・ディレクターが商談で聞いている生の声も同じです。

たとえば、次のような声はキーワード候補になります。
| 顧客の生の声 | キーワード候補 |
|---|---|
| 何から手をつければいいか分からない | 「オウンドメディア 立ち上げ 手順」 |
| 他社の事例を参考にしたい | 「コンテンツマーケティング 成功事例」 |
| 提案資料を1枚にまとめたいけどコツはある? | 「提案資料 1枚 まとめ方」 |
| 資料を外注したいけど、どの範囲までやってくれるの? | 「資料作成 代行 業務範囲」 |
やることは3ステップです。
- 直近3〜6か月分の問い合わせフォームの自由記述欄を、スプレッドシートにコピーする
- 頻出している困りごとを、検索窓に入力される形の言葉に言い換える
- ラッコキーワードやAhrefsに入力して、実際に検索されているか・ボリュームがあるかを確認する
3の確認は必ず行ってください。 顧客の言葉は貴重ですが、そのままでは検索されていない表現であることも多いです。ボリュームがゼロなら、記事にしても流入は生まれません。
営業日報・カスタマーサポートの問い合わせ履歴・商談メモも同じ使い方ができます。よく出てくるフレーズをメモしておくと、それがそのままキーワードのヒントになります。
2-3:専門メディア・ウェビナーから洗い出す
自社の脳みそでは思いつかない切り口は、業界の専門メディアとウェビナーに落ちています。
自社サービスを起点に考えると、キーワードの発想はどうしてもサービス名の周辺に閉じてしまいます。弊社Coneの場合も、記事作成代行サービスなら「SEO〜」「記事作成〜」の組み合わせばかりを考えてしまいがちです。
そこで、見込み顧客が読んでいる専門メディアを見ます。マーケティング商材ならMarkeZine、HR系なら日本の人事部などが該当します。
たとえば専門メディアに「記事をホワイトペーパーに転用してリード獲得につなげる」という特集が載っていたとします。ここから気づけるのは、オウンドメディアの担当者とホワイトペーパーの制作担当者は、同じ人であることが多いという事実です。課題が隣接しているのです。

そうなると「ホワイトペーパー 作り方」といったキーワードも、自社の見込み顧客が検索する言葉としてリストに入ってきます。サービス起点では出てこなかった候補です。
また、競合が開催しているウェビナー、見込み顧客が参加しているウェビナーのタイトルを確認するのも一つの手です。「いまその業界で何が語られているか」がそのまま出ています。
ここで出てきた言葉も、必ずSEOツールで検索ボリュームを確認してからリストに加えてください。トレンドワードは検索ボリュームがまだ育っていないことも多いためです。 ボリュームがゼロに近い場合は、リストには残しつつ優先度を下げる判断をします。
手順3:シートにまとめる
手順2で洗い出したキーワードは、まだバラバラのリストです。次はこれをスプレッドシートに整理します。
この作業を丁寧にやるかどうかで、後の「執筆する順番」と「内部リンクの設計」が決まります。 シートがないまま執筆に入ると、書きやすい記事から手をつけることになり、成果が出るまでの時間が伸びます。

→ 記事管理シート(Googleスプレッドシート) :※ 無料でコピーできます
シートに持たせる列は、最低でも次の5つです。
| キーワード | Ahrefsなどツールでのキーワード |
| 検索ボリューム | Ahrefsなどツールの数値 |
| キーワード難易度 | Ahrefsの「KD」の数値 |
| キーワード種類 | アクセス/ナーチャリング/クロージング |
| カテゴリ | 自社観点での分類(後述) |
順番に解説します。
3-1:検索ボリュームと難易度を記載する
まず、洗い出したすべてのキーワードに検索ボリュームとキーワード難易度を入れます。
この2つの数値は、次の2つの判断に使います。
- 検索ボリューム:手順1で計算した「必要な検索ボリューム合計」に届いているかの判断
- キーワード難易度:立ち上げ期のメディアで上位表示を狙えるかの判断

難易度の目安は、メディアのドメインパワーによって変わります。立ち上げ期であれば、まずは難易度が低いキーワードから着手するのが現実的です。
3-2:キーワードの種類を記載する
次に、1つひとつのキーワードを「アクセス」「ナーチャリング」「クロージング」の3種類に分類します。
前提知識で解説した3分類をそのまま使います。判断基準は「このキーワードで検索している人は、いまどの検討段階にいるか」です。

分類に迷うキーワードは、実際に検索して上位記事を見てください。さまざまなキーワードがタイトルに含まれていたらアクセスキーワード。発注前の検討段階らしきニーズならクロージングキーワード。それ以外はナーチャリングキーワードです。
| タイトル | キーワード種類 |
|---|---|
| 「〇〇とは?基礎知識・立ち上げ方法・KPI設定方法まで」 「〇〇のメリット。取り組む順番解説と事例紹介」 | アクセス |
| 「〇〇の相場。外注する際の注意点」 「〇〇サービス15選比較。料金体系と選び方」 | クロージング |
| それ以外 | ナーチャリング |
3-3:カテゴライズしてまとめる
キーワード種類の分類は「読者の検討段階」による分類です。それに対してカテゴライズは「自社のどの目的に紐づく記事なのか」による分類です。この2軸が揃うと、記事ごとのゴールとCTAが自動的に決まります。

カテゴライズの軸の例を紹介します。
| 軸 | 分け方 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 事業別 | 事業・サービスライン単位で分ける | 複数事業を運営している企業 |
| CVポイント別 | ホワイトペーパーDL/サービスサイト訪問 /事例集DL/問い合わせ | CVゴールが複数ある場合 |
| ターゲット別 | 役職・業種・企業規模で分ける | ターゲットが複数セグメントにまたがる場合 |
| テーマ(トピック)別 | 「SEO」「ホワイトペーパー」など テーマ単位で分ける | 内部リンク設計を重視する場合 |
| 着手フェーズ別 | 第1四半期/第2四半期など 着手時期で分ける | 記事数が多く、実行計画に落としたい場合 |
弊社Coneでは「事業別」でまとめています。 記事作成代行・資料作成代行・Web制作と事業が分かれており、事業ごとにCVゴールとサービスサイトが違うためです。事業別に分けておくと、そのままメディアのカテゴリ構造としても使えます。
カテゴライズがそのまま内部リンクの設計図になります。
同じカテゴリのキーワードは、読者の関心が隣接しています。つまり内部リンクを貼るべき相手です。カテゴリごとに「軸になるまとめ記事」を1本決め、そこに同カテゴリの記事からリンクを集める設計にしてください。
手順4:キーワードを選定・絞り込む
手順3でシートが完成したら、最後に絞り込みます。
洗い出したキーワードをすべて書くわけではありません。 この工程の目的は2つです。1つはカニバリゼーション(記事同士の共食い)を防ぐこと。もう1つは、メディアの目的に合わないキーワードを落とすことです。
作業は次の3つです。
- 検索意図が同じキーワードを統合・削除する
- メディアの目的に合わないキーワードを削除する
- 最初に設定した「最低基準」を満たしているか確認する
4-1:検索意図が同じキーワードを統合・削除する
まず、検索意図が重複しているキーワードを1本に統合します。
同じ検索意図のキーワードを別々に残すと、似た内容の記事が2本できます。工数が二重にかかるうえ、Googleからの評価も分散し、どちらも上位表示できない状態になりかねません。
判定方法はシンプルです。
- シートのキーワードを1つずつGoogleの検索窓に入力する
- 上位10記事のタイトルとURLを確認する
- 別のキーワードの検索結果と見比べ、同じ記事が並んでいるかを見る
たとえば「資料作成 ai」と「資料作成 ai 無料」で検索し、上位に同じような記事が表示されるなら、この2つは検索意図が同じと判断できます。

同じと判断したら、検索ボリュームが大きい方を残し、小さい方は削除します。 削除ではなく「統合」として扱い、残したキーワードの記事内で、削除したキーワードの内容もカバーする形にしてください。
シートには「統合先」の列を作り、どのキーワードにまとめたかを記録しておくと、執筆時に見出しへ反映しやすくなります。カニバリゼーションが起きる仕組みそのものについては、後の「注意点」で解説します。


4-2:メディアの目的に合わないキーワードを削除する
次に、手順3で入れた「キーワード種類」と「カテゴリ」の2つの列を使って、目的に合わないものを落とします。

削除の基準は2つです。
1つ目は、キーワード種類による削除です。 手順1で「準顕在層に絞る」と決めたメディアなら、アクセスキーワードは全カットします。検索ボリュームが大きくても残しません。難易度が高く、CVから遠いキーワードだからです。

2つ目は、カテゴリの件数による削除です。 カテゴライズした結果、キーワードが数本しかないカテゴリは、そのカテゴリごとカットします。
理由は、そのテーマについての専門性を担保できないためです。1〜2記事しかないテーマでは、読者の疑問を最後まで解決できません。Googleからも「このサイトはこのテーマの専門ではない」と判断され、上位表示は望めません。読者に価値提供ができないなら、書くべきではないという判断です。

上記だと「コンテンツマーケティング 戦略」にあたります。
4-3:最初に設定した「最低基準」を満たしているか確認する
最後に、絞り込み後のシートで検索ボリュームを合計し、手順1で計算した最低基準を満たしているかを確認します。
手順1で、目標セッション数や目標リード数から「必要な検索ボリューム合計」を逆算しました。その数値と、いま残っているキーワードのボリューム合計を比べます。
やることは1つです。スプレッドシートの検索ボリュームの列合計を出し、基準値と見比べてください。
届いていない場合は、手順2の洗い出しからやり直します。 ここで妥協して執筆に入ると、書き切ったあとに「記事は増えたのに目標に届かない」という結果になります。
追加の洗い出しでは、まだ調べていない競合サイトを増やす、専門メディアの切り口を広げる、といった方法が有効です。手順2の3つの方法のうち、着手していないものが残っていないか確認してください。
これでキーワードリストが完成します。あとは優先度の高いキーワードから執筆に入ります。
SEOキーワード選定時の注意点
キーワード選定で成果を落としやすいポイントが3つあります。
- カニバリゼーションを避ける
- 用語説明系のキーワードはもう狙わない
- 最初の1回で終わらせない
カニバリゼーションを避ける
カニバリゼーションとは、自社の記事同士が同じキーワードで競合してしまう状態です。
これが起きると、記事の質が高くても順位は伸びません。Googleが「どちらの記事を検索結果に出すべきか」を判断できなくなるためです。結果として、両方の記事が中途半端な順位に留まります。被リンクや内部リンクの評価も2記事に分散します。
弊社Coneの本メディアでも実際に起きました。 「SEO記事 書き方」を狙った記事と「SEO記事 構成」を狙った記事で検索意図が重なってしまい、現在は前者を「SEOライティング」寄りの内容へずらすリライトを進めています。キーワード選定の時点で気づいていれば、リライトの工数はかからなかったという反省です。
| 狙ったキーワード | URL | 検索結果 | 状態 | 改善 |
|---|---|---|---|---|
| seo記事 書き方 | seo-writing/ | seo-structure/(seo記事 構成) | 狙った記事が出ていない | seo ライティングに対策KWを変更 |
| seo記事 構成 | seo-structure/ | seo-structure/(seo記事 構成) | 狙った記事で出ている | seo 書き方を内包 |
これを選定の段階で防ぐには、Ahrefs(エイチレフス)の**「親キーワード(Parent Topic)」**を使うのが確実です。
親キーワードとは、そのキーワードで1位のページが「より検索ボリュームの大きい、どのキーワードでも1位を取っているか」をAhrefsが判定して表示する項目です。つまり親キーワードが同じキーワードは、Googleが「1つのページで両方に答えられる」と判断している証拠になります。
操作手順は次の通りです。
- Ahrefsの「Keywords Explorer」を開く
- 検索窓にキーワードを改行区切りで一括入力する(一度に数百件まで可能)
- 一覧の「Parent Topic」列を確認する
- 親キーワード列を昇順ソートする
- 親キーワードが同じキーワードをグルーピングし、1記事に統合する

用語説明系のキーワードはもう狙わない
「〇〇とは」「〇〇 意味」といった用語説明系のキーワードは、リストアップの段階から外してください。
理由はAI Overview(AIによる検索結果の要約)です。用語の意味を調べるだけの検索は、AI Overviewの回答で完結します。検索ユーザーは意味だけ知って、記事には流入せずに離脱します。
この傾向はデータでも裏づけられています。
| 調査 | 内容 |
|---|---|
| Pew Research Center (2025年) | AI要約が表示された検索でリンクがクリックされたのは8%。 AI要約がない検索では15%(米国成人900人・68,879件の検索を分析) |
| Ahrefs (2025年) | AI Overviewが表示されるキーワードでは、 上位ページの平均CTRが34.5%低下(30万キーワードを2024年3月と2025年3月で比較) |
Pewの調査では、AI要約内に引用されたリンクがクリックされた割合は、全訪問のわずか1%でした。表示回数は取れても、クリックにはつながらないのです。
用語説明系のキーワードは検索ボリュームが大きく、リストに入れたくなります。しかし前述の通り、手順1で計算した「必要な検索ボリューム合計」を、流入に結びつかないキーワードで埋めても意味がありません。
潜在層を狙う方針であっても、用語説明系は選ばないでください。 同じ潜在層向けなら、「オウンドメディア 立ち上げ 手順」のように、読者が手を動かす目的で検索するキーワードを選びます。手順や事例を求める検索は、AI Overviewの数行では完結しないためです。
| 選ばない | 選ぶ |
|---|---|
| 「オウンドメディアとは」 | 「オウンドメディア 立ち上げ 手順」 |
| 「SEO 意味」 | 「SEO 内部対策 やり方」 |
| 「ホワイトペーパーとは」 | 「ホワイトペーパー 作り方 テンプレート」 |
参考:
Do people click on links in Google AI summaries? | Pew Research Center
AI Overviews Reduce Clicks by 34.5% | Ahrefs
最初の1回で終わらせない
キーワード選定は、一度やって終わりの作業ではありません。定期的なメンテナンスが必須です。
理由は2つあります。
1つ目は、想定と実績が必ずズレるからです。 手順1で計算した最低基準を満たしていても、実際にどれだけ上位表示できるか、どれだけ流入が発生するか、どれだけCVにつながるかは、書いてみないとわかりません。想定より上位表示できなければ、計算した記事数より多く書く必要が出てきます。
2つ目は、検索されるキーワードそのものが変わり続けるからです。 ユーザーのニーズは日々変わります。新しいキーワードが生まれ、以前は検索されていたキーワードのボリュームが落ちていきます。1年前に作ったリストは、1年後には実態と合っていません。
キーワードリストは「作る資料」ではなく「更新し続ける資料」です。 ここまで解説した4ステップは、半年ごとに繰り返す前提で回してください。
SEOキーワード選定を外注している企業こそ成果を出している
ここまで4ステップと注意点を解説しました。ただし、この工程をすべて自社だけで回すのは、現実的にかなり難しいのが実情です。
Ahrefsのような有料ツールの契約が必要になり、競合調査から絞り込みまでの工数もかかります。さらに、注意点で解説した通り、リストは半年ごとに更新し続けなければなりません。
実際、成果を出している企業ほど、この上流工程を外部に任せています。弊社Coneが実施したオウンドメディア運営の外注実態調査では、次の傾向が出ました。
| 項目 | 成果が出ている企業 | 成果が出ていない企業 |
|---|---|---|
| 運営体制 | 50%以上が「ハイブリッド型(内製+外注)」 | 44.2%が「完全社内運営」 |
| 月額の外注費用 | 月50〜100万円が最多 | 月5〜10万円が最多 |
さらに成果を出している企業と、成果が出ていない企業が外部委託している業務を見てみると


成果を出している企業は「記事を書く作業」だけを外注しているわけではないという事実です。分析や戦略設計といった上流工程こそ、外部の知見を入れています。キーワード選定は、まさにこの上流工程にあたります。
外注する場合の費用相場は次の通りです。
| 業務範囲 | 費用相場(月額) |
|---|---|
| 戦略設計・企画立案 | 30〜100万円 |
| SEO記事制作 | 3〜10万円/1記事 |
| サイト設計・構築 | 50〜200万円 |
| 運用・分析・改善 | 20〜80万円 |
より詳しい調査結果と業務範囲の切り分け方は、こちらの記事で解説しています。
「記事を書く工数がない」ではなく「どのキーワードを狙うべきか判断できない」が課題であれば、キーワード選定の段階から相談するのがもっとも成果に近い選択です。
SEOキーワード選定から支援した事例
弊社Coneが提供するBtoB記事作成代行サービス「c-blog」では、記事の執筆だけでなく、キーワード選定・メディア設計の段階から支援しています。実際の事例を3社紹介します。
CLINKS株式会社:メディア立ち上げから半年で2万トラフィックを突破
アプリ・Webシステム開発、企業DX支援、法人向け生成AIチャットサービス「ナレフルチャット」を提供する企業です。
課題は、自社メディアでの認知拡大とリード獲得が必要にもかかわらず、社内にSEOの知見がなかったことです。ホワイトペーパーを外注する際の工数負担も大きく、コンテンツマーケティング全般を支援できるパートナーを探していました。
支援内容は、メディア立ち上げ初期からの戦略設計と、毎月のSEO記事作成の継続支援です。ホワイトペーパー制作、プレスリリース施策、内部リンク対策まで一貫して伴走しました。
成果として、メディア立ち上げから約半年で2万トラフィックを突破。納品記事の7割以上が検索結果1ページ目に表示されています。
株式会社Sales Marker:オーガニック流入5倍、テンプレート記事から月10件のCV
Web検索行動から購買意欲の高い見込み顧客を特定する、インテントセールスSaaS「Sales Marker」を提供する企業です。
課題は、オウンドメディアからの潜在リード獲得チャネルが構築できていなかったことです。ホワイトペーパーとウェビナーが主体で、記事は内製体制が整わず、外部ライターに依頼しても成果が出ていませんでした。
支援内容は、提案段階からの課題分析と戦略立案です。比較検討キーワードを軸に据えつつ、Excelテンプレートというコンバージョンポイントを作成し、記事に組み込みました。社内の知見をヒアリングし、独自ナレッジを記事に反映しています。
成果として、オーガニックトラフィックが約1,200から6,000へと5倍に増加。テンプレート記事から月10件程度のコンバージョンが発生しています。
RECERO株式会社:積み上げられる領域から優先し、受注に貢献
BtoB/SaaS領域を中心に営業・マーケティング支援を展開し、インサイドセールス支援サービス「セルメイト」を提供する企業です。
課題は、社内にSEO・コンテンツマーケティングの知見とリソースが不足していたことです。広告や展示会は短期的なリード獲得に有効な一方、中長期的に資産として蓄積される集客チャネルが必要でした。
支援内容は、インサイドセールス領域に特化したSEO記事の継続制作です。「着実に順位を積み上げていける領域から優先的に押さえる」という中長期を見据えた方針で、狙う領域を絞り込みました。本記事の手順1・手順4で解説した考え方そのものです。
成果として、インサイドセールス系キーワードで複数の記事が1ページ目上位(2位・5位など)を獲得。直近2か月で複数案件の受注に貢献しています。
さいごに
SEOキーワード選定は、記事を書き始める前に終わらせておくべき最重要工程です。本記事で解説した内容を、あらためて整理します。
| 工程 | やること |
|---|---|
| 前提知識 | ツールで調べる/3種類(アクセス・ナーチャリング・クロージング)に分類する |
| 手順1 | 拾うターゲット層を決め、最低基準数値を計算する |
| 手順2 | 競合・問い合わせフォーム・専門メディアから洗い出す |
| 手順3 | ボリューム・難易度・種類・カテゴリをシートにまとめる |
| 手順4 | 検索意図の重複と目的外のキーワードを削除し、最低基準を確認する |
ここを飛ばして記事を書き始めると、300記事書いても目的に届かないという結果になります。 逆に、選定が正しければ100記事で成果が出ます。
まずは手順1の「拾うターゲット層を決める」だけでも、今日スプレッドシートに書き出してみてください。そこが決まれば、狙うべきキーワードの種類は自動的に絞られます。
「自社の場合、どのキーワードから狙うべきか判断がつかない」という段階であれば、弊社Coneにご相談ください。 キーワード選定から記事の執筆・改善まで、一貫して支援します。


