ホワイトペーパーの作り方と施策フローを全解説。企画・制作・配信・商談化のコツまで
ebookやお役立ち資料とも呼ばれるホワイトペーパーは、潜在層のリード獲得や商談獲得に有効なマーケティング施策のうちの一つで、昨今多くの企業が取り組みはじめています。
しかし、営業資料やサービス紹介資料などのように一定の型があるわけではないので、「どんな内容にすればいいの?」とか「テーマは決まったけど作り方はがわからない」などお困りの方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ホワイトペーパーの作り方から、配信・商談化のコツまで施策の全体像まで解説します。
空欄に情報を埋めながら作成できるホワイトペーパーのテンプレート(pptxで保存可)も添付していますので、ぜひ今後のホワイトペーパー作成に役立てていだけると幸いです。
また、商談化するホワイトペーパーの制作・運用を外注したい場合は、まずは以下からサービス資料をダウンロードしてみてください。
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目次
そもそもホワイトペーパーの役割とは?
そもそもホワイトペーパーとは、見込み顧客に有益な情報(課題解決の方法やノウハウ等)を提供する資料のこと。
では、なんのために見込み顧客に「役に立つ情報」を提供するのか。
基本的には「リード獲得」と「リード育成(商談化)」です。
リード獲得
ホワイトペーパーの最も一般的な目的であるリード獲得。見込み客に有益な情報(課題解決の方法やノウハウ等)を提供する代わりに、フォームにリード情報(メールアドレスや名前、電話番号、会社名、会社規模など)を入力し送信してもらいます。
獲得したリードに対して、メルマガ等で継続的なコミュニケーションを続け、適切なタイミングで商談打診することで商談化・成約を目指すことになります。
「リード獲得」するための方法例は以下
- オウンドメディアの記事に設置する
- Webサイトに設置する
- Facebook広告で配信する
商談化
2つ目は、ホワイトペーパーを見込み顧客にメールで送付し、商談を設定するための使い方。見込み顧客が知りたい情報をホワイトペーパーにまとめて、ハウスリスト(獲得済みのリード)に送付し、反応があった見込み顧客に対して商談打診します。
「商談化」するための方法は以下
- インサイドセールス or マーケティングが、対象セグメントのハウスリスト(未商談・失注顧客)にメールで一斉送信する
ホワイトペーパー施策で陥りがちな勘違い
ホワイトペーパーに取り組む企業は、送付して反応があれば商談化するだろう、のように考えてしまいがちですが、実際はそんなにすぐに成果がでるものではありません。
商談化するかどうかは、「①:見込み顧客の状態」と「②:提供するコンテンツの種類」に左右されます。
①見込み顧客の状態とはつまり、「サービスに興味を持っているかどうか」です。お役立ち資料をダウンロードしたものの、サービス自体に興味がないという見込み顧客にいくらアプローチしても商談化しないのは容易に想像がつくと思います。
②商談化に影響を与えるもうひとつの要素である「提供するコンテンツの種類」とはなんなのか?
商談化までの流れを考えるとわかりやすいかもしれません。
サービスに興味を持つ前段階の「解決策を知りたいという欲求に回答できる」コンテンツが商談化しやすいホワイトペーパーなのです。
ホワイトペーパーの種類
ホワイトペーパーの種類といえば一般的には下記のようなものがイメージできるかと思います。(このタイプわけについてはこちらの記事で解説しています)
- ノウハウ系
- 入門系
- 導入事例系
- 調査系
- サービス紹介系
- セミナーレポート系
しかし、上記のようなホワイトペーパーのタイプ分けで認識してしまうと、「とりあえずホワイトペーパーをつくろう、どのタイプにしよう」という”目的の伴わない自己満足のホワイトペーパー”になってしまいがちです。
そこで弊社が提案するホワイトペーパーの種類が以下になります。BtoBのバイヤージャーニーに基づいた考え方です。
1:問題認識コンテンツ
問題認識段階では、見込み顧客は自分が直面している問題には気づいていますが、まだ具体的な解決策を探しているわけではありません。
この時点で見込み顧客は問題をより深く理解しようと情報を収集している段階なので、「〇〇システムとは?」や「〇〇基礎知識ガイド」などの初歩的なコンテンツが最適な情報提供となります。
幅広い見込み顧客にリーチできる代わりに、ニーズが具体的ではないためすぐに商談化するわけではないのがこのホワイトペーパーのタイプ。MAツールなどでナーチャリングの仕組みが整っている場合はこのタイプの制作でリード獲得数の最大化を図りましょう。
2:課題解決コンテンツ
次は、見込み顧客が問題を認識し、それに対する解決策に興味を持ち始めた段階に提供するコンテンツです。この時点で見込み顧客は「自身の課題を解決する最適な方法はなんなのか?」を知りたがっているため、自社サービスがメインのコンテンツではなく、自社サービスを含めた解決策がメインになる「〇〇の効果的な活用方法」や「〇〇が△△%向上した事例」などのコンテンツが最適な情報提供となります。
その中で自社サービスが最適だと判断してもらえれば商談につながる可能性があります。しかし、解決策の候補は自社サービスだけではなく「内製」なども見込み顧客の頭の中にはあるため、商談化率はそこまで高くはならないことに注意しましょう。
3:サービス概要コンテンツ
自身の課題を解決する方法として「内製」や「時期再検討」などの選択肢ではなく、自社サービス・製品と同じカテゴリの製品・サービスの検討をし始めた段階に提供するコンテンツがこの「サービス概要コンテンツ」です。
これは単純に自社製品・サービスに関する情報が整理された「〇〇の活用事例集5選」や「〇〇サービス紹介資料」などの資料コンテンツになります。ホワイトペーパーのDLから「ある程度短期での効率的な商談化」を目指したい場合は、このタイプのホワイトペーパーを制作し商談化数の最大化を図りましょう。
4:サービス検討コンテンツ
最後に、見込み顧客が製品やサービスの発注・契約を検討する段階に提供するホワイトペーパーのタイプです。具体的には、見込み顧客の状態が「直接話を聞いてみよう」だったり「導入しよう」といった状況で提供するコンテンツです。
「XX場面の〇〇ツールの活用方法」や「貴社の〇〇シミュレーション」などの概ね1to1の情報提供にあたり、特定の見込み顧客が社内で検討を進めるために制作するホワイトペーパーです。
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上記4タイプを一般的なホワイトペーパーのタイプ分類と照らし合わせると下記のようになります。
一般的なWPの種類 | Cone提案のWPの種類 | 見込み顧客の状態 |
---|---|---|
・入門系 ・調査系 | 1:問題認識 | 自分が直面している問題には気づいているが、 まだ具体的な解決策を探していない段階 |
・ノウハウ系 ・導入事例系 | 2:課題解決 | 問題を認識し、それに対する 解決策に興味を持ち始めた段階 |
・サービス紹介 ・導入事例系 | 3:サービス概要 | 自社サービス・製品と同じカテゴリの 製品・サービスの検討をし始めた段階 |
・セミナーレポート系 | 4:サービス検討 | 製品やサービスの発注・契約を検討する段階 |
つまり、「調査系のホワイトペーパーを作成・配信したものの商談が増えない」といった悩みは当然で、商談化を目的とするなら「課題解決コンテンツ」や「サービス概要コンテンツ」の類のホワイトペーパーを制作しなければならいないのです。
もし、本記事を読んでもどのホワイトペーパーを制作すればわからないといった場合は、こちら(資料作成代行サービスc-slideサイト)からお気軽にご相談ください。どんな内容で制作すべきかからサポートさせていただきます。
ホワイトペーパー施策の全体像
「ホワイトペーパー制作」は施策のなかのひとつの業務に過ぎません。ホワイトペーパーを作成する前に、ホワイトペーパー施策の全体像を把握しておく必要があります。
企画から配信、商談化までは約1ヶ月を見積もり、スケジュールを決めましょう。
ホワイトペーパーは1本作成して配信して終わり。ではなく、勝ちパターンを発見できるまである程度やり続けることが重要になります。一回で顧客の課題にドンピシャで刺さる・かつ自社の課題(リード獲得・商談獲得)を解決できるホワイトペーパーを作成できることは稀です。
- リード獲得・商談獲得のためのホワイトペーパーの企画、制作
- 目的達成のための最適なチャネルでの配信
- 顧客アクションに合わせた適切なフォロー
を1サイクルとして、このサイクルを繰り返すことで効率よく商談化する鉄板のパターンを見つけます。
このサイクルのすべてをまるっと運用できる「商談化ホワイトペーパー制作・運用支援」を提供していますので、内製でできる自信がないといった方はお気軽にご相談ください。
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ホワイトペーパーの作り方
全体の流れがわかったところで、実際にホワイトペーパーを作成する手順を解説していきます。
- ホワイトペーパーのテーマを決める(企画)
- 構成を立てる・デザインに起こす(制作)
1:ホワイトペーパーのテーマを決める(企画)
まずはホワイトペーパーを作成する目的を決めましょう。目的によって作成するホワイトペーパーが変わってくるからです。
冒頭で説明したホワイトペーパーの目的をおさらいします。
リード獲得 | Web上で見込み客に有益な情報を提供する代わりに、フォーム入力という形でにリード情報を獲得する。 |
リード育成 (商談化) | 獲得済みの見込み客に有益な情報を提供し、サービスの認知・興味度を引き上げ商談を獲得する。 |
以下がホワイトペーパーを作成する目的とそれに対応する作成すべきホワイトペーパーの種類です。
次にターゲットに応じて、作成するホワイトペーパーのテーマの方向性を決めましょう。
たとえば、自社がマーケティング支援を提供している会社で、次に獲得したい顧客層が「大手企業」だったとします。
ホワイトペーパー施策に取り組む目的が「リード獲得」「リード育成(商談化)」、それぞれのホワイトペーパーの内容例は自ずと下記のように決まってきます。
2:構成を立てる・デザインに起こす(制作)
テーマが決定できたら構成の作成に取り掛かります。
ホワイトペーパーは、その内容によって細かい構成やページ数等が異なるため、一定の型を作りにくいですよね。そこで、以下ホワイトペーパーの「基本」となる構成を参考に構成を立ててみてください。
セクション | 目安ページ数 | 詳細 |
---|---|---|
表紙 | 1p | ホワイトペーパーのタイトル |
はじめに | 1p | 内容の概略や読むメリットを記載 |
コンテンツ(中身) | 10-20p | ダウンロードする顧客が知りたいこと |
サービス紹介 | 3-5p | 自社サービスや自社の紹介 |
CTA | 1p | 次のアクションの提示 |
構成の作成に用いるツールは何でも良いですが、弊社ではNotionもしくはスプレッドシートにまとめていきます。
最後に、作成した構成をもとにデザインの作成をします。内容・構成が見込み顧客にとって適切だったとしても、デザインが良くなければ「読んでもらえない」可能性があります。
デザイン制作が苦手だという方のために、ホワイトペーパーのテンプレートを用意しています。
下記リンクよりpptx形式でダウンロードができますので、そのまま編集してご利用ください。テキストリンクをクリックするとダウンロードが開始されます。
自分で制作するのは時間がない、という場合はお気軽にご相談ください。(→ 資料作成代行サービスc-slide:サービスサイト)
【Tips】ホワイトペーパー制作ショートカット術
とはいえ、毎回細かく決めたり作ったりする時間がないという方もいらっしゃると思います。そこで、ちょっと楽できるTipsを「リード獲得」「リード育成」向けにそれぞれひとつずつ紹介します。
- 1:オウンドメディアの記事から制作(目的:リード獲得)
- 2:事例切り分け集(目的:リード育成)
1:オウンドメディアの記事から制作(目的:リード獲得)
リード獲得のためのホワイトペーパーの最も重要なポイントは、見込み顧客が興味のある / 課題に抱えているテーマを捉えていること。
自社のオウンドメディアで「アクセスやCVを多数生み出している記事」はつまり、見込み顧客が興味を示し課題に抱えていることを解決している可能性が高いコンテンツなのです。
テーマ作成に困った際は、自社のオウンドメディアの記事をもとにホワイトペーパーへ展開すれば、構成とライティングの工数を大幅に削減することができます。
2:事例切り分け集(目的:リード育成)
リード育成のためのホワイトペーパーは、基本的に商談を獲得するためのフックのコンテンツとして用いられることが多いのが特徴。そして、それでいて絶対に外れを引かないのがこの「事例集」です。
事例を「業界別」「課題別」等、さまざまな切り口で分類しひとつにまとめるだけで、複数のホワイトペーパーが完成します。
自分たちの頭の中からテーマをひねり出すよりも圧倒的に見込み顧客が知りたがっているのがこの「他社でうまくいった事例」なのです。
上記Tipsを含め、ホワイトペーパーを量産するコツは下記記事で解説しています。
関連記事:ホワイトペーパー量産のための体制づくりとは?苦しまずに量産するための4つの解決策
ホワイトペーパー制作後の配信方法
ホワイトペーパーが完成したら当初設定した目的に応じて配信します。
- リード獲得
- Facebook広告出稿
- ホワイトペーパーが解決する課題ワードでリスティング広告出稿
- 資料掲載サイトへの出稿・設置
- オウンドメディアの記事のCTAとして設置
- 問い合わせフォーム / SNSでの配布
- プレスリリース配信
- リード育成
- 営業が個別で該当顧客に送付
- メルマガ一斉送信
リード獲得が目的の場合、特に①Facebook広告配信と②オウンドメディアの記事のCTAとして設置が、効率の良いリード獲得施策となり、弊社も実施しています。
ホワイトペーパー配信後の商談化のコツ
ホワイトペーパー配信の目的は、リード獲得・リード育成いずれにしろ最終的には「商談獲得」です。そこで、本章ではホワイトペーパー配信後の商談化のコツを紹介します。
本記事冒頭で、ホワイトペーパーから商談化するかどうかは「①:見込み顧客の状態」と「②:提供するコンテンツの種類」に左右される、とお伝えしました。
先述のホワイトペーパーの作り方のステップを踏んでいれば「②:提供するコンテンツの種類」はクリアです。
つまり「自社サービスに興味を持ってくれているかどうか」さえわかれば商談化する可能性があるということ。
自社サービスに興味を持ってくれているかどうかを把握する方法として、以下のようなものがあります。
- ダウンロード後にフォームで回答を回収する
- ダウンロード後に架電して状況をヒアリングする
弊社は以前まで上記のようにフォームで回答を回収し、その回答に合わせてセールスメールのアプローチ方法を調整していました。
現在は、弊社開発の自動商談獲得ツールcontentsworkを用いて、ダウンロード後の顧客行動に合わせて自動で商談打診を行うことにより、ホワイトペーパーから商談を獲得しています。
↓
弊社の検討度可視化クラウド「contentswork」では、ダウンロードの際に「サービス導入に興味があるかどうか」の初期回答を回収できます。
また、顧客の閲覧行動に合わせた自動商談打診機能があり、工数を削減しながら商談化率向上が実現できますので、ご興味がある方は一度覗いてみてください。
ホワイトペーパー制作の外注にかかる費用
ホワイトペーパー施策は外注・代行会社に依頼するのもひとつの手です。理由は2つ。
- 人手・時間が足りず施策が実行できない
- 制作代行のみならず配信・商談獲得まで依頼できる支援会社もある
ここまで、ホワイトペーパーの企画・制作から配信・商談化のコツまで解説してきましたが、ホワイトペーパー施策には非常に多くのタスクが発生する上に、「DL数/商談化数を最大化するをコンテンツを作り込む」のには、ノウハウとリソースが必要だということがご理解いただけたと思います。
その時間が取れなかったりノウハウ不足の場合は、弊社でなくとも(もちろん弊社にご相談いただけると嬉しいですが)、代行会社などの外注を活用するのも本気でおすすめします。
実際に代行会社に依頼する場合にかかる金額の目安としては、
外注パターン | 支援範囲 | 金額 |
---|---|---|
制作代行 | ・調査~分析 ・構成~デザイン | ¥10,000~ / P もしくは、20~30万円 / 本 |
定常支援 | 上記に加え ・広告運用代行 ・商談獲得代行 | 月額20〜30万円 |
実際、弊社が支援させていただいた企業も外注を活用することで成果をあげています。
ホワイトペーパーの作り方に関するよくある質問
最後にホワイトペーパーを作るときによくある質問と回答をまとめておきます。
Q1. ホワイトペーパーは何枚くらいがいいですか?
特に決まりはないですが、20枚程度を目安に作成すると良いです。枚数が少なすぎると満足度が低くなる傾向があります。
Q2. どんなテーマで作成すればいいですか?
顧客課題に応じたテーマで作成します。リード獲得には知識系統、商談化が目的ならノウハウ系統、成約が目的なら事例やサービス関連情報系統です。
Q3. ネタ切れしてしまうのですが、どうしたらいいですか?
商談録画から課題を抽出して作成、もしくは既存で公開しているオウンドメディアの記事内容からCTAとして最適なテーマでの作成をベースにするとネタ切れを起こすことはありません。また、ウェビナー資料や登壇イベント資料からの横展開なども有効です。
Q4. だれがつくるのが普通ですか?営業ですか?マーケターですか?
営業担当が商談をしながら、顧客課題に合わせたコンテンツを制作するのは難しい場合が多いため、基本的にはマーケターが作成するようにします。また、うまくいっている企業はホワイトペーパーを含めたコンテンツ制作担当を置いているケースもあります。
まとめ
今回は、ホワイトペーパーの作り方と全体像を解説しました。
ぜひ、本記事で解説したポイントを抑えてホワイトペーパーを作成し、貴社の売上向上にお役立てください、
最後に、本メディアを運営する株式会社Coneは、資料作成代行サービス「c-slide」を運営しています。ホワイトペーパーの企画段階や戦略段階からご相談いただけますので、ホワイトペーパーでお困りごとがある方は、お気軽にご相談ください。
\ホワイトペーパーの支援事例も掲載しています/
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