オウンドメディアの効果測定項目一覧と改善施策。費用対効果の考え方とツールも紹介 | Coneのコンテンツ制作所

オウンドメディアの効果測定項目一覧と改善施策。費用対効果の考え方とツールも紹介

代表 / マーケター / デザイナー 佐藤 立樹

オウンドメディアのPVは増えているのに、商談が増えていない。または、何の数字を報告すればいいのか決まっていない。そんな状態でお困りではないでしょうか。

原因の多くは、測定項目の不足ではありません。「自社にとっての効果」が定義されていないまま、測れる数字だけを集めてしまっていることです。 その状態では、数字が増えても打ち手が決まりません。

本記事では、オウンドメディアの効果の定義から、費用対効果の計算手順・測定項目10個と対応ツール・見るべき記事の絞り込み方・指標別の改善施策までを解説します。弊社が運営する本メディアのSearch Consoleの実データと、CTAの自社調査データもそのまま公開しています。

読み終えたときには、自社が「何を効果と呼び、どのツールで測り、次にどの施策を打つか」が1枚の表に収まっている状態を目指します。

本メディアを運営する株式会社Coneでは、BtoB企業向けの記事作成代行サービス「c-blog」を提供しています。効果測定の設計から記事制作までのご相談はこちらからどうぞ。

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オウンドメディアにおける「効果」とは?

オウンドメディアの効果とは、事業の課題が解決に向かったかどうかです。 アクセス数や検索順位は、それを間接的に示す代理指標にすぎません。

「効果測定が難しい」という相談を受けることがあります。ただ、話を聞いていくと、難しいのは測定ではありません。測る前提となる「自社にとっての効果」が定義されていないだけです。

効果が定義されていないメディアでは、次のような会話が起きます。

「先月はPVが前月比120%でした」

「それで、商談は増えたの?」

「……そこはまだ見ていません」

PV数は正しく測れています。それでも報告が成立しないのは、測った数字が事業課題に接続していないからです。効果測定という言葉に引っぱられて、数字を集める作業そのものが目的化した状態です。

効果測定の2種類の数字

まず、いま自社が見ている数字を2つに分けてください。

種類内容具体例
過程の数字読者がメディア上でどう動いたかを示す検索順位、クリック数、アクセス数、ページビュー、SNSシェア数
成果の数字事業が動いたことを示す資料ダウンロード数、問い合わせ数、商談数、受注数、指名検索数

過程の数字は、成果の数字を動かすための手段です。 過程の数字だけを追って報告すると、上の会話になります。

一方で、過程の数字を見る必要がないわけではありません。成果が出ていないときに、どこで止まっているかを特定できるのは過程の数字だけです。「成果の数字で評価し、過程の数字で原因を探す」この役割分担が効果測定の基本形です。

過程の数字と成果の数字は、必ずしも連動しません。 弊社が運営する本メディア「Coneのコンテンツ制作所」の実データで説明します。

特定期間での、クリック数上位40キーワードの内訳は以下のとおりです。

キーワードのタイプキーワードの例クリック数
パワポの操作方法を調べるKW「パワポ 行間」「パワポ 画像を丸く切り抜く」7,310
資料の中身・外注を検討する層のKW「営業資料 改善」「提案書 作り方」534
出典:弊社Cone運営「Coneのコンテンツ制作所」Google Search Consoleデータ

クリック数だけを見れば、前者が13倍以上の成果を出しています。しかし「パワポの行間を詰めたい人」は、資料作成を外注する人ではありません。

弊社の資料作成代行サービスの見込み顧客が検索するのは、後者の534クリック側です。ここでアクセス数を効果として報告してしまうと、「効果は出ている」という結論になり、改善する理由がなくなります。

アクセス数が増えたかではなく、会うべき相手に会えたかが効果です。 狙う読者層の決め方は以下記事で詳しく解説しています。

関連記事:オウンドメディア戦略の立て方。ターゲット別の戦術一覧付き

狙う読者層別|「効果が出た」と言える状態の基準

自社が狙う読者層によって、効果の定義は変わります。 BtoBの読者は、課題への近さで3つの層に分かれます。

狙う層効果の定義効果が出たと言える状態
潜在層覚えてもらえたか社名・サービス名の指名検索数が増えている
準顕在層接点をつくれたかお役立ち資料のダウンロード数が積み上がっている
顕在層商談をつくれたか問い合わせ・サービス資料DLから商談が発生している

ここを社内で合意しないまま走ると、評価がかみ合いません。潜在層に張っているメディアをCV数で評価すれば、当然ながら数字は出ません。 「成果が出ていない」のではなく「まだCVが出る段階の指標ではない」だけなのに、投資が止まります。

効果の定義は、次の3つを埋めれば決まります。スプレッドシートに1行で書いてください。

  1. 事業側の課題を書く(例:新規商談が月10件足りない)
  2. その課題のうち、オウンドメディアが担うパートを書く(例:発注先を探している層との最初の接点)
  3. どうなれば効果が出たと言えるかを書く(例:記事経由の問い合わせが月20件)

埋めると、次の1行になります。

「新規商談が月10件足りない」という課題に対し、オウンドメディアは発注先を探している層との最初の接点を担う。記事経由の問い合わせが月20件になったら効果が出たと言える。

この1行が書けていれば、次章以降で紹介する測定項目のうち、自社が見るべきものは自動的に絞れます。逆にこの1行がないまま測定項目を増やすと、数字は増えるのに判断ができない状態になります。

オウンドメディアの費用対効果の考え方

オウンドメディアの費用対効果は、ROIで判断します。 計算式は次のとおりです。

ROI(%)=(記事経由の売上 − 記事にかけた費用)÷ 記事にかけた費用 × 100

式そのものは広告と同じです。ただしオウンドメディアの場合、「売上」と「費用」の中身の作り方が広告と違います。 具体的には、CVを金額に換算する手間と、回収までの時間軸です。順に説明します。

  1. CV1件の価値を金額に換算する
  2. 記事制作費と社内工数を洗い出す
  3. 投資の回収期間を算出する

手順1:CV1件の価値を金額に換算する

オウンドメディアのCVは、その場では売上になりません。 資料ダウンロードや問い合わせから、商談・受注を経てはじめて売上になります。そのため、CV1件がいくらの売上に相当するかを先に決めます。

計算に必要な数字は4つです。すべて自社の実績値を使ってください。

#項目例取得元
①月間CV数50 件GA4のサンクスページ到達数
②商談化率20 %SFA・CRMの実績
③受注率25 %SFA・CRMの実績
④平均受注単価60 万円会計・請求データ

この場合、記事経由の売上は「50件 × 20% × 25% × 60万円 = 150万円」です。CV1件の価値は「150万円 ÷ 50件 = 3万円」になります。

このCV単価が出た時点で、以降の判断はすべて金額でできます。 資料ダウンロードが月10件増えれば、月30万円分の価値が増えたと言えます。

なお、売上ベースで計算するか粗利ベースで計算するかは、先に社内で決めてください。広告費と比較する場面では粗利ベース、経営報告では売上ベースが使われることが多く、混ぜると議論が止まります。

手順2:記事制作費と社内工数を洗い出す

費用は記事の制作費だけではありません。 見落としやすいのは社内工数です。

費用項目内容金額の目安
記事制作費(外注)構成・執筆・編集の外注費1本あたり5〜15万円
社内工数企画・確認・入稿・分析の人件費1本10時間 × 時給3,000円=3万円
ツール費順位計測・CTA計測・MAなど月0〜5万円

弊社の記事作成代行「c-blog」は1本10万円(ブログプラン)、月額20万円(メディアプラン)です。外注の相場感の目安として使ってください。

社内工数を入れずに計算すると、費用対効果は必ず良く見えます。 内製に切り替えた瞬間に数字が改善したように見えるのは、この計上漏れが原因です。

手順3:投資の回収期間を算出する

オウンドメディアの費用対効果は、単月では絶対に合いません。 記事が順位を獲得するまでに数か月かかるため、投資と回収の時期がずれます。

記事40本を12か月で制作した場合の試算です。

#項目値
①記事制作費(40本 × 10万円)400 万円
②社内工数(40本 × 3万円)120 万円
③投資合計(①+②)520 万円
④12か月後の月間CV数50 件
⑤CV1件の価値3 万円
⑥月間の売上換算(④×⑤)150 万円
⑦回収期間(③÷⑥)約 3.5 か月分

ここで注意すべきは、⑦の「3.5か月」は12か月目の水準が続いた場合の話だという点です。実際には1〜6か月目のCVはほぼゼロで、そこから積み上がります。投資開始から黒字転換までは、1年半〜2年で見るのが現実的です。

この時間軸を経営層と共有できていないと、成果が出る直前に投資が止まります。実際、オウンドメディアは開始から半年以内に約65.5%が更新を停止しています。

オウンドメディアの費用対効果が合わないケースと判断基準

ただし、この計算はすべて「順位が取れた場合」の話です。 順位が取れなければ、記事は存在していないのと同じです。

弊社メディアの実データを見てください。

検索順位平均CTR対象キーワード数
1位38.0 %408
3位13.4 %128
5位6.1 %46
10位1.8 %3
出典:弊社Cone運営「Coneのコンテンツ制作所」Google Search Consoleデータ

1位と10位で、クリック率は約21倍違います。 10位でも「上位表示」ではありますが、費用対効果の計算に乗る流入にはなりません。

そのため、投資判断の前に必要な流入量から必要なキーワードの検索ボリュームを逆算しておきます。

必要な検索ボリューム合計 = 目標セッション数 ÷ 想定クリック率 ÷ 上位表示達成率

想定クリック率5%、上位表示達成率50%で計算すると、月10件のリードを獲得するには検索ボリューム合計20,000が必要という水準です。

自社が狙うキーワード群の合計ボリュームがこの水準に届かない場合、オウンドメディア以外の手段を先に検討してください。

費用対効果が合いにくいケース理由代替手段
3か月以内に商談が必要記事は順位獲得まで数か月かかる・リスティング広告
・外部メディアへの出稿 など
対象キーワードの
検索ボリュームが極端に小さい
上位表示しても流入が発生しない・展示会
・ウェビナー
・アウトバウンド施策 など
平均受注単価が低く
リピートもない
CV1件の価値が制作費を下回る・広告
・SNS など

費用対効果を測る前提として、記事の本数も必要です。 立ち上げ初期の最低ラインは30〜50本で、検索1〜10位のサイトは11位以降のサイトの約3.4倍の記事数を持っています(弊社Cone調べ)。10本の段階で費用対効果を計算しても、判断材料にはなりません。

記事数の考え方は以下記事で詳しく解説しています。

関連記事:オウンドメディア記事の作成方法。効果が出る記事数やリライト戦略まで解説

弊社Coneは、記事作成代行サービス「c-blog」を提供しています。そもそもオウンドメディアは自社のマーケティング施策として有効なのか?など、立ち上げや現在のメディアの運用状況の良し悪しがわからない、などお気軽に相談ください。

→ 記事作成代行サービス「c-blog」:サービスサイトへ

オウンドメディアの効果測定項目一覧と対応ツール

オウンドメディアで測る指標は、次の10個に整理できます。 全部を毎月追う必要はありません。前章で定義した「自社にとっての効果」に近いものから選んでください。

#測定項目何が分かるか数字の種類主に追う層対応ツール
①検索順位狙ったキーワードで戦えているか過程全層Search Console/Ahrefs
②クリック数・CTR検索結果で選ばれているか過程全層Search Console
③オーガニックトラフィック検索経由の流入がどれだけ積み上がったか過程潜在・準顕在Ahrefs/Search Console
④アクセス数 / ページビュー実際に何人が何ページ読んだか過程潜在GA4
⑤記事内コンバージョン数記事から直接、接点が取れているか成果準顕在・顕在GA4/formmate
⑥サービスサイト / CVページ訪問数記事から検討ページへ送り込めているか過程顕在ctaboard/GA4
⑦サイトコンバージョン数事業の成果につながっているか成果顕在ctaboard/GA4
⑧指名検索数社名・サービス名で思い出されているか成果潜在Search Console/Ahrefs
⑨記事引用数業界内で参照される存在になれているか成果潜在Ahrefs
⑩SNSシェア数検索以外の経路で広がっているか過程潜在X(旧Twitter)検索

表の「数字の種類」は、そのまま使い道の違いです。 成果の数字で評価し、過程の数字で原因を探します。

以下、項目ごとに測定手順を説明します。

①検索順位|狙ったキーワードで上位を取れているか

検索順位は、対策キーワードで自社の記事が何位に表示されているかを示す指標です。 オウンドメディアの流入は順位から始まるため、最初に確認します。

使うツール:Google Search Console(無料)/Ahrefs(有料)

  1. Search Consoleを開き、左メニューの「検索パフォーマンス」をクリックする
  2. グラフ上部の「平均掲載順位」のタブをクリックしてオンにする
  3. 下部の「ページ」タブで対象キーワードを検索し、平均掲載順位を記録する

これで記事単位で順位の計測が可能です。(ただ、記事数が少ないなら、シークレットモードでブラウザで目視確認でもかまいません)

Ahrefsを使う場合は、ランクトラッカーに対策キーワードを登録すると毎日自動で記録されます。競合サイトの順位も同時に並べられるため、キーワードが数十個を超えたら移行を検討してください。

②クリック数・CTR|検索結果で選ばれているか

クリック数は検索結果からクリックされた回数、CTRは表示回数に対するクリックの割合です。 タイトルと説明文が検索意図に合っているかが分かります。

使うツール:Google Search Console(無料)

  1. 「検索パフォーマンス」で「表示回数」と「平均CTR」と「平均掲載順位」のタブをオンにする
  2. 「ページ」タブを表示回数の多い順に並べる
  3. 「順位は高いのにCTRが低いページ・キーワード」を探す

判断の基準になるのが、順位別の平均CTRです。弊社メディアの実データでは1位38.0%・3位13.4%・5位6.1%でした。 3位なのにCTRが5%なら、順位ではなくタイトルに原因があります。

③オーガニックトラフィック|検索経由の流入がどれだけ積み上がったか

オーガニックトラフィックは、広告を除いた検索経由の流入量です。 メディア全体の資産がどれだけ積み上がったかを見るときに使います。

使うツール:Ahrefs(有料)/Google Search Console(無料で代用可)

  1. AhrefsのSite Explorerに自社ドメインを入力する
  2. 「Overview」画面の「Organic traffic」グラフで、右肩上がりになっているかを見る
  3. 無料で代用する場合は、Search Consoleの「検索パフォーマンス」でクリック数の推移を見る

Ahrefsの数字は検索ボリュームと順位からの推定値です。 社内報告には実測値であるSearch Consoleを使い、Ahrefsは競合との比較に使ってください。

④アクセス数 / ページビュー|実際に何人が何ページ読んだか

アクセス数(UU)は記事を読んだ人数、ページビュー(PV)は閲覧されたページの総数です。 検索・SNS・メルマガを含めた実測値が分かります。

使うツール:GA4(無料)

  1. GA4の「レポート」→「イベント」→「page view」を開く
  2. 「イベント数」(PV)と「総ユーザー数」(UU)を確認する

アクセス数の多さは、事業成果とは連動しません。 第1章のとおり、増えているのが見込み顧客ではない層である可能性があります。

⑤記事内コンバージョン数|記事から直接、接点が取れているか

記事内コンバージョン数は、記事に置いたフォームやホワイトペーパーから発生した資料ダウンロード・問い合わせの件数です。 どの記事が接点を生んでいるかが分かります。

使うツール:GA4(無料)/フォームツール(formmateなど)

  1. フォーム送信後に表示されるサンクスページのURLを確認する
  2. GA4の「管理」→「イベント」でそのページの表示を「キーイベント」として登録する
  3. 「探索」→「経路データ探索」でサンクスページを起点に逆方向をたどり、直前に見ていた記事を特定する

記事ごとにフォームを分けて、”埋め込み”設置しておくと、この作業が不要になります。 フォームツールの管理画面で送信数を見るだけで、記事別の件数が分かります。弊社のフォームツール「formmate」は、送信後のサンクスページで日程調整まで完結させる設計です。

⑥サービスサイト / CVページ訪問数|記事から検討ページへ送り込めているか

サービスサイト / CVページ訪問数は、記事を読んだ人がサービス紹介ページや問い合わせページまで進んだ件数です。 CVが伸びない原因を「導線」と「フォーム」に切り分けられます。

使うツール:ctaboard(無料プランあり)/GA4

  1. ctaboardにサイトURLを登録し、発行されたスクリプトをサイトのフッターに1行貼る
  2. 測りたいボタンのリンク先URL(サービスサイト・問い合わせページ)を入力する
  3. 翌日から、記事別にCTAの表示回数・クリック数・クリック率・到達率を確認する

見るのはクリック率と到達率の2つです。 クリックされているのに到達していない場合、原因はCTAではなくリンク先にあります。GA4で代用する場合は、「探索」→「経路データ探索」でサービスサイトのURLを起点に流入元の記事をたどります。

⑦サイトコンバージョン数|事業の成果につながっているか

サイトコンバージョン数は、サービスサイト側で発生した問い合わせ・資料請求・無料登録などの件数です。 オウンドメディアの効果測定で、最終的な評価に使う指標です。

使うツール:ctaboard(無料プランあり)/GA4

  1. サンクスページのURLをCV地点として登録する(ctaboardはURL登録のみで、GTM・GA4連携は不要)
  2. GA4でも同じサンクスページをキーイベントに設定し、二重で数字を持つ
  3. 月次で「CV総数」と「記事経由の内訳」の2つを記録する

フォームが外部ドメインにある場合、URLでは計測できません。 その場合は、フォームツール側の送信数を正の数字として扱ってください。

⑧指名検索数|社名・サービス名で思い出されているか

指名検索数は、社名やサービス名そのものが検索された回数です。 読者が自社を覚えていて、能動的に探した数を示します。

使うツール:Google Search Console(無料)/Ahrefs(競合比較に使用)

  1. 「検索パフォーマンス」の「クエリ」タブで、フィルタに社名・サービス名を入力する
  2. 期間を「過去16か月」に広げ、表示回数とクリック数の推移を見る
  3. 競合の指名検索数は、AhrefsのKeywords Explorerに競合の社名・サービス名を入力して月間ボリュームを確認する

自社名の検索は1位で表示されるため、見るべきは表示回数の伸びです。 潜在層に張っているメディアでは、CV数よりも先にこの数字が動きます。

⑨記事引用数|業界内で参照される存在になれているか

記事引用数は、自社の記事が他サイトから引用・リンクされた数です。 調査データやテンプレートを公開している記事に集中して発生します。

使うツール:Ahrefs(有料)/Google検索(無料で代用可)

  1. AhrefsのSite Explorerに自社ドメインを入力し、「Backlinks」を開く
  2. リンク元ドメイン数(Referring domains)の推移と、リンクされているページを確認する
  3. 無料で代用する場合は、Googleで調査名や記事タイトルを引用符付き(”〜”)で検索し、言及しているページを探す

引用が増えるとドメインの評価が上がり、他の記事の順位も上がりやすくなります。 直接のCVにはつながらないため、中長期の投資として測ってください。

⑩SNSシェア数|検索以外の経路で広がっているか

SNSシェア数は、記事がX(旧Twitter)などでシェアされた回数です。 検索順位が付く前の立ち上げ期に、記事の需要を確かめる指標として使えます。

使うツール:X(旧Twitter)検索(無料)/GA4

  1. Xの検索窓に記事URLをそのまま貼り付けて検索する
  2. 「最新」タブで、引用しているポストとその反応数を確認する
  3. GA4の「レポート」→「集客」→「トラフィック獲得」で、Organic Socialの流入数を見る

SNSで直接確認するのは公開直後(24〜72時間)だけで十分です。 数字の振れ幅が大きいため、KPIには置かず参考値として扱ってください。

オウンドメディアの効果測定に応じた改善方法

効果測定の目的は、次にやる施策を1つに決めることです。 どの数字が悪いかによって、打つべき施策は変わります。

落ちている指標症状打つ施策
①検索順位記事はあるが10位以内に入らないリライト
②クリック数・CTR順位は取れているのにクリックされないタイトル改善
③オーガニックトラフィック順位もCTRも悪くないのに流入が伸びないキーワード選定
④アクセス数 / PV1記事だけ読まれて離脱している内部リンク設計
⑤記事内CV数フォームまで来て送信されないEFO(入力フォーム最適化)
⑥CVページ訪問数記事は読まれるがCTAが押されないCTA最適化
⑦サイトCV数CVページには来ているのにCVしないサイト改善・LPO
⑨記事引用数他サイトから参照されない調査コンテンツ制作

⑧指名検索数と⑩SNSシェア数に、単独の改善施策はありません。 指名検索数は上記すべての結果として増える指標、SNSシェア数は参考値だからです。この2つを直接動かそうとすると、施策が広告出稿やSNS運用に飛んでしまい、メディアの改善から離れます。

①検索順位|リライトで10位以内に押し上げる

最初に手をつけるのは、11〜20位の記事です。 圏外の記事を上げるより、あと一歩の記事を10位以内に入れるほうが、少ない工数でクリック数が増えます。

  1. Search Consoleの「クエリ」タブで、平均掲載順位11〜20位のキーワードを抽出する
  2. そのキーワードで検索し、上位10記事の見出しを一覧化する
  3. 自社記事にない論点を見出しとして追加し、公開日を更新する

順位を上げる価値は、クリック数の差で判断してください。弊社メディアの実データでは、1位のCTRが38.0%、5位が6.1%、10位が1.8%でした。 10位から3位に上がるだけで、クリック数は約7倍になります。

ケース別の具体的なやり方は以下記事で解説しています。

②クリック数・CTR|タイトル改善で検索結果から選ばれる

対象は「10位以内に入っているのにCTRが低い記事」です。 順位が原因ではないため、リライトしても改善しません。

  1. 対策キーワードを、タイトルの19字目までに言い切る
  2. 全体を28〜32字に収める(PCは平均29.0字で切られる)
  3. 数字か読者の属性を足して、誰向けの記事かを明示する

弊社での改善例です。会社紹介資料の記事は「3つの目的別」という数字を足してCTRが8.9%から13.0%(1.5倍)になりました。オンボーディング資料の記事は「新入社員の即戦力化に役立つ」と読者を名指しして、クリック数が2か月で12回から1,367回に増えています。

同じ1位でも、CTRは7.3%と63.2%で8倍以上の差が出ます。 詳細は以下記事をご覧ください。

③オーガニックトラフィック|キーワード選定で母数を増やす

順位もCTRも問題ないのに流入が伸びない場合、原因は狙っているキーワードの母数不足です。 記事の質ではなく、選定の問題です。

  1. 目標セッション数を、想定クリック率(5%)と上位表示達成率(50%)で割り戻す
  2. 出てきた「必要な検索ボリューム合計」と、現在狙っているキーワードの合計を比べる
  3. 足りない分を、同じ読者層の別キーワードで埋める

必要な検索ボリューム合計 = 目標セッション数 ÷ 想定クリック率 ÷ 上位表示達成率

この式で計算すると、月10件のリードを獲得するには検索ボリューム合計20,000が必要になります。 手元のキーワードが合計3,000しかないなら、リライトを何本やっても目標には届きません。

キーワードの洗い出し方は以下記事で解説しています。

④アクセス数 / ページビュー|内部リンク設計で次の記事へ送る

PVをUUで割った数が1.2を下回っている場合、読者は1記事だけ読んで離脱しています。 記事を増やす前に、いまある記事をつなぐほうが先です。

  1. GA4でアクセス数の多い記事を上位10本抽出する
  2. 各記事から「次に読ませたい記事」を1本決める(潜在層の記事なら準顕在層の記事へ)
  3. 本文中で話題が接続する位置にリンクを置く

リンクを記事末にまとめて置くのは避けてください。 読者は最後まで読まずに離脱するため、本文の途中に置いたほうがクリックされます。

内部リンクは、圏外の記事をGoogleに認識させる打ち手としても機能します。段階的な導線の作り方は「オウンドメディアのコンバージョンを改善する4ステップ。CVR目安と導線設計を徹底解説」で解説しています。

⑤記事内コンバージョン数|EFOでフォームの離脱を止める

埋め込みフォームに到達しているのに送信されない場合、原因はフォームです。 フォーム完了率が20〜40%を下回っていたら、ここがボトルネックです。

  1. 入力項目を、氏名・メールアドレス・電話番号・問い合わせ内容の4つまで絞る
  2. 自由入力の欄を、選択式(ラジオボタン・プルダウン)に変える
  3. 確認画面を省略し、1画面で送信できるようにする

弊社で最も効果が大きかったのは、2の「選択式に変える」でした。 回答率が上がるうえに、集まったデータをそのまま分析に使えます。

残りの改善項目は以下記事にまとめています。

⑥サービスサイト / CVページ訪問数|CTA最適化でクリック率を上げる

記事は読まれているのにCTAが押されない場合、変えるのは位置ではなく文言です。 これは弊社の調査データではっきり出ています。

  1. CTAを最低3箇所(リード文の下・H2の直前・本文末)に置く
  2. 文言を「送信」から「まずは相談してみる」のような行動ベースに変える
  3. 記事の内容に合ったCTAに差し替える(記事のテーマとCTAの資料を一致させる)

弊社の調査では、CTAの文言を変更した担当者は26.9%と最も少ない一方、商談化率30%以上を達成した割合は57.2%でした。最多だった位置・設置箇所の変更(61.5%)は達成率31.2%で、文言変更のほうが1.83倍の達成率です。

CTAがクリックされた理由の第1位は「自社の課題と合致していたから」(47.6%)でした。位置を動かすより、記事の課題とCTAの中身を揃えるほうが効きます。

BtoBのCTA改善については以下記事で詳しく解説しています。

⑦サイトコンバージョン数|サイト改善・LPOでCVRを引き上げる

CVページへの訪問数は増えているのにCVが増えない場合、改善対象は記事ではなくサイト側です。 どこで落ちているかを、上から順に特定します。

  1. ファーストビューの離脱率を見る(60〜75%以上なら、ファーストビューを改善する)
  2. スクロール率が急落するセクションを探す(あれば、その構成を改善する)
  3. フォーム完了率を見る(20〜40%以下なら、⑤のEFOに戻る)

改善後の判断基準として、業界別のCVR目安を置いてください。

BtoB SaaS2.0〜3.5%
コンサル・代行サービス1.5〜2.5%
製造業0.8〜1.5%

施策の一覧は以下記事にまとめています。

⑨記事引用数|調査コンテンツ制作で引用される側になる

引用が発生しないのは、記事に「その会社しか出せない数字」がないからです。 解説記事は、他社の記事でも代替できるため引用されません。

  1. 自社が持っているデータを棚卸しする(顧客アンケート・受注データ・自社メディアの実測値)
  2. 調査期間・対象・n数を明記して、記事として公開する
  3. プレスリリースで配信し、業界メディアが引用できる状態にする

弊社は「BtoBサイトのCTAに関する調査」を、n数と調査期間を明記して公開しています。 本記事でも自社のSearch Consoleデータを引用しているとおり、数字は他社が引用できる形にしておくことが前提です。

調査型以外のオリジナルコンテンツの型(ブックマーク型・テンプレート型・裏側型)は「オウンドメディア運用の成功法則」で解説しています。

特に注意して見ておくべき測定対象記事

とはいえ、全記事を毎月見るのは、現実的に不可能です。 記事が30本あるメディアで前章の10指標を追うと、毎月300個の数字を眺めることになります。50本なら500個です。

だから、見る対象を記事単位で絞ります。注目するのは、次の3タイプだけです。

注目する記事見つけ方やること
①アクセス数が多い記事Search Consoleでクリック数の上位10本勝っているタイトルの型を他の記事に移植する
②サイトクリック数が多い記事ctaboardでCTAクリック率の上位10本効いている導線の型を他の記事に移植する
③CV数が多い記事GA4で記事別のCV数の上位10本同じ読者層の類似記事を作って面で増やす

この3タイプは「うまくいっている記事」です。 前章の改善方法が「落ちている数字を直す」作業だったのに対し、この章は「勝っている記事の型を他に広げる」作業です。

そして、3つの上位10本は一致しません。 アクセスが多い記事がCVを生んでいるとは限らず、CVを生んでいる記事のアクセスは少ないことのほうが多いです。だから3つを別々に見ます。

①アクセス数が多い記事|勝っているタイトルの型を他の記事に移植する

アクセス数が多い記事は、まずCTRを確認してください。 アクセスが多い理由が「順位が高いから」なのか「タイトルが強いから」なのかで、やることが変わります。

  1. Search Consoleの「ページ」タブでクリック数の上位10本を出す
  2. 各記事の平均掲載順位と平均CTRを並べる
  3. 順位に対してCTRが高い記事だけを抜き出す

抜き出した記事のタイトルには、共通の型があります。 数字が入っている、読者を名指ししている、記号で区切っている。この型を、まだCTRが低い記事のタイトルに移植します。

判断の基準は順位別のCTRです。弊社メディアの実データでは、1位の平均が38.0%、3位が13.4%でした。同じ1位でも7.3%と63.2%で8倍以上の差が出るため、勝っているタイトルはそれ自体が資産です。

なお、アクセス数が多い記事を「増やすべき記事」と判断するのは危険です。 第1章のとおり、集まっているのが見込み顧客ではない層である場合、タイトルの型だけを借りて、記事の量産対象にはしないでください。

②サイトクリック数が多い記事|効いている導線の型を他の記事に移植する

サイトクリック数が多い記事は、CTAの「位置」ではなく「文脈」を見てください。 どの話題の直後にCTAが置かれているかが、クリック率を決めています。

  1. ctaboardでCTAクリック率の上位3記事を出す(GA4なら「経路データ探索」でサービスサイトへの流入元記事を特定する)
  2. 各記事のCTA文言と、その直前の1文をシートに書き出す
  3. 他の記事の同じ文脈位置に、同じ組み合わせを移植する

先述の通り、弊社の調査では、CTAがクリックされた理由の第1位は「自社の課題と合致していたから」(47.6%)でした。つまり効いている導線は、読者の課題を言い当てた直後にCTAが置かれています。

出典:株式会社Cone「BtoBサイトのCTAに関する調査」(2025年11月7日〜10日実施/CTAクリック経験者64名・BtoBサイト運用者37名)

移植するのは文言と配置の組み合わせで、CTAの資料そのものではありません。 記事のテーマと合わない資料を置くと、クリック率は下がります。

③CV数が多い記事|同じ読者層の類似記事を作って面で増やす

CV数が多い記事は、直すのではなく「増やす」対象です。 その記事にCVが集まっているのは、読者の状態とサービスが噛み合っている証拠だからです。

  1. GA4でCV数の上位3記事を出し、それぞれの対策キーワードを並べる
  2. 3つのキーワードの共通点(読者の層・抱えている課題)を1行で書く
  3. 同じ層のキーワードをサジェスト・関連キーワードから10個出し、制作リストに入れる

このとき、記事タイプ別のCVR目安と照らし合わせてください。

記事タイプCVRの目安
記事LP型3.0〜7.0%
事例紹介型2.0〜4.0%
お役立ち・解説型0.5〜1.5%
コラム型0.1〜0.5%

CVが集まっている記事のタイプが分かれば、次に増やすべき記事のタイプも決まります。 事例紹介型でCVが出ているなら、事例を増やすのが最短です。

この3タイプを、月1回それぞれ上位10本だけ確認してください。 全記事を見る運用は続きませんが、30本のリストを見る運用なら続きます。

さいごに

オウンドメディアの効果測定は、数字を集める作業ではありません。事業の課題に対して、次にどの施策を打つかを1つに決める作業です。

本記事の要点を整理します。

章結論
効果とは効果は事業課題が動いたかどうか。過程の数字で原因を探し、成果の数字で評価する
費用対効果CV1件を金額に換算し、社内工数まで含めた費用と比べる。黒字転換は1年半〜2年で見る
測定項目10個のうち、自社が定義した効果に近いものだけを追う。無料の2ツールで大半は測れる
見るべき記事全記事は見ない。アクセス上位・サイトクリック上位・CV上位の3リストだけを見る
改善方法落ちている指標ごとに施策は1つに決まる。指名検索数とSNSシェア数は直接動かさない

まだ何も測っていない場合、着手する順番は次の3つです。

  1. Google Search ConsoleとGA4を導入する(この2つで①〜⑤と⑦⑧が測れる)
  2. 「事業課題/メディアが担うパート/効果が出たと言える状態」を1行で書く
  3. 翌月から、アクセス上位・サイトクリック上位・CV上位の各10本だけを確認する

この3つが回り始めてから、有料ツールを検討してください。 記事単位でCTAの表示回数・クリック率・到達率を見たい段階になったら、弊社が提供するCTA計測ツール「ctaboard」が使えます。サイトのフッターにスクリプトを1行貼るだけで、翌日から記事別のデータが見られます。無料プランがあるので、まずは既存のCTAの計測から試してください。

CTA計測ツール「ctaboard」を無料で試す
→ https://ctaboard.com/

そして、効果測定で分かるのは「どの記事を増やすべきか」までです。 そこから先の、記事を作り続ける工程が最も重くなります。

弊社Coneが提供する記事作成代行サービス「c-blog」では、月間20万PVを超える本メディアの運用ノウハウをもとに、キーワード設計から記事制作、記事ごとのホワイトペーパー・CTA設計までを一貫して支援しています。

効果測定の設計から見直したい場合も、まずはサービス資料をご覧ください。

記事作成代行「c-blog」のサービス資料をダウンロードする
→ https://cone-c-slide.com/see-sla/download/c-blog/

代表 / マーケター / デザイナー

佐藤 立樹

立命館大学在学中に、ベンチャー2社でインターンを経験し、卒業と同時に株式会社Coneを設立。資料作成代行サービス「c-slide」を運営。リリース後1年半で支援企業300社を突破。セールス/マーケ領域の資料が得意。

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