6本以上の比較記事に載る会社は生成AIに「おすすめ」されやすい
生成AIで調べものをする人が増えるなか、「AIの回答に、自社の名前が出てくるようにするにはどうすればいい?」という相談が増えています。
対策としては「構造化データを入れる」「llms.txtというファイルを置く」などがよく語られます。ですがGoogleは公式ガイドで、「特別なファイルを置く必要も、コンテンツを分割する必要もない。構造化データも必須ではない」とはっきり書いています。つまり、何が効くのかはまだよくわかっていないのが実情です。
では、実際には何が効いているのか。
私たちが注目したのは、AIが「おすすめ」を答えるとき、どこを見て答えているのかという点です。もしAIが比較記事(「〇〇おすすめ10選」のような記事)を読んで答えているなら、比較記事によく載っている会社ほど、AIの回答にも出てきやすいはずです。
この仮説を確かめるため、BtoB向け8キーワードの比較記事58本に載っていた512社のデータと、生成AI4種類の「おすすめ」回答を照らし合わせました。
この記事は、次のいずれかに当てはまる方に向けて書いています。
- 比較記事への掲載を検討している
- LLMO対策として何から手をつけるか決めかねている
- 比較メディアを運営している
【調査概要】
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査対象 | BtoB8キーワードの比較記事58本に掲載された512社+AIのみが挙げた13社(計525社) |
| 調査期間 | 2026年8月19日〜8月20日 |
| 調査方法 | Google検索結果および生成AI4種(Gemini・Google AIモード・ChatGPT・Perplexity)の回答の独自集計 |
| 調査実施 | BtoBサービス比較メディア「slide lib」を運営する株式会社Cone |
調査サマリー:掲載データとAIの回答から見えた3つの事実
まず、今回の調査で明らかになった最も重要な3点を先にお伝えします。
1. 生成AIは、比較記事に載っている会社の中から「おすすめ」を選んでいた
生成AIに「〇〇のおすすめは?」と聞くと、返ってくるのは、比較記事によく登場している会社ばかりでした。AIが自分でゼロから会社を評価しているというより、比較記事を読んで、そこに載っている会社を答えているように見えます。
どのくらい「載っている会社ばかり」だったのか。イメージしやすいように、比較記事が10本あるとして数えてみます。AIが選んだ会社は、その10本のうち約7本に載っていました。一方、AIが選ばなかった会社は、10本のうち2本ほど。「たくさんの記事に載っている会社は選ばれ、あまり載っていない会社は選ばれない」というこの関係が、4つのAI(Gemini・Google AIモード・ChatGPT・Perplexity)すべてで共通していました。
2. カギは「載っているかどうか」ではなく「何本に載っているか」
比較記事にたった1本載せただけでは、AIの回答はほぼ変わりませんでした。1〜3本ではほとんど差がつかず、4本目を超えたあたりから急に選ばれやすくなります。そして6本以上に載っている会社は、6社のうち5社がAIに選ばれていました。
大事なのは「どこか1本のランキングに載ること」ではなく、「いくつもの記事に、くり返し載っていること」。1回載せて終わり、では届きません。
3. AIは「大手だから選んでいる」わけではなかった
「結局、有名な大手が選ばれているだけでは?」とも思えます。ですが、そうではありませんでした。
わかりやすいのが採用代行です。誰もが知る大手のマイナビは、4つのAIがそろって選びませんでした。一方、知名度でははるかに下回るマルゴトを、4つのAI全部が選んでいます。会社の大きさや知名度は、AIに選ばれるかどうかを決めていなかったのです。
念のため、サイトの強さ(ドメインの強さ)が同じくらいの会社どうしにそろえて比べてみても、結果は同じでした。AIが選んだのは、比較記事により多く載っている会社のほうです。
調査方法:何をどう数えたか
対象としたのは、次のBtoBの8キーワードです。
- SNS運用代行
- 動画制作会社
- ホームページ制作会社
- 営業代行会社
- 採用代行
- SFAツール
- 勤怠管理システム
- 電子契約サービス
やったことは、大きく3ステップです。
ステップ1|比較記事を集める
8キーワードそれぞれに「おすすめ」を付けて検索し、検索1ページ目に出てきた比較記事を、上から順に全部開きました(合計58本)。
ステップ2|載っている会社を書き出す
記事を1本ずつ見て、紹介されている会社を、載っている順番どおりに書き出しました(合計512社)。ここに、比較記事には載っていないのにAIが挙げた13社を足し、最終的に525社を調査対象としました。
ステップ3|「何本の記事に載っているか」を数える
会社ごとに、そのキーワードの比較記事のうち何本に登場したかを数えました。この記事では、これを掲載本数と呼びます。
たとえば勤怠管理システムの比較記事は全部で8本。この8本のうち「KING OF TIME」と「ジョブカン勤怠管理」は8本すべてに登場したので、掲載本数は8本。営業代行会社では「アイランド・ブレイン」が8本中7本に登場(掲載本数7本)、といった具合です。

最後に、同じ8キーワードを4つの生成AIにも質問しました。質問文はすべて「〇〇のおすすめを教えて」でそろえ、AIが挙げた会社を記録しています。
生成AIの「おすすめ」は、比較記事に載っている会社から選ばれていた
ここからが結果です。
525社を、AIが選んだ会社と、選ばなかった会社の2グループに分け、それぞれが「平均で何本の比較記事に載っていたか」を出しました。それを4つのAIごとにまとめたのが、下のグラフです。

青い棒(AIが選んだ会社)とグレーの棒(選ばなかった会社)の高さの差が、そのまま「載っている本数の差」です。たとえばGoogle AIモードでは、選ばれた会社が平均4.89本なのに対し、選ばれなかった会社は1.65本。約3倍の開きがあります。そしてこの差は、4つのAIすべてで同じ向き(約2〜3倍)に出ました。
AIごとに、中の仕組みも参照する情報源も違うはずです。それでも4つとも同じ結果になったということは、AIが比較記事を読んで、その中から会社を選んでいるということになります。
多くのAIに選ばれる会社ほど、比較記事の掲載本数が多い
次に、4つのAIの回答を重ねてみます。「その会社を、4つのうちいくつのAIが選んだか」で分けて、それぞれの平均掲載本数を出したのが下のグラフです。

4つとも選んだ会社は平均6.36本。3つなら5.10本、2つなら4.27本と、選んだAIが多い会社ほど、掲載本数がきれいに増えていきます。1つのAIだけが選んだ会社は1.96本、どのAIも選ばなかった428社は1.52本でした。
AIごとに、仕組みも参照する情報源も違うはずです。それでも回答は同じ会社に集まり、その集まり方が掲載本数と連動しているという結果となりました。
比較記事は「4本目」の掲載から効き始める
では、掲載本数が増えると、AIに選ばれる会社はどれくらい増えるのか。掲載本数の区分ごとに「いずれかの生成AIに選ばれた会社の割合」を出しました。今回いちばん意外だったのが、この結果です。

掲載1〜3本では7.4%どまり。ところが4〜5本で54.7%に跳ね上がり、6本以上では85.2%(およそ6社に5社)に達します。1〜3本まではほぼ横ばいで、効き始めるのは4本目から、という階段状の変化でした。
つまり効いていたのは、比較記事1本の「載った・載っていない」ではなく、「何本の記事に載っているか」。1本載せて終わりでは、AIの回答はほとんど変わらないということです。
自社サイトが弱い分野ほど、比較記事が効く
平均だけでは実態が見えないので、8キーワードごとの内訳も見てみます。AIが選んだ会社/選ばなかった会社の平均掲載本数を、差(倍率)の大きい順に並べました。

差が最も大きかったのは勤怠管理システムで3.3倍、次いで電子契約システム3.1倍、営業代行3.0倍と続きます。一方、最も小さかったのはホームページ制作会社の1.1倍。ここだけ、AIが選んだ会社と選ばなかった会社の掲載本数がほとんど変わりませんでした。
実際、ホームページ制作会社では、AIが選んだ16社のうち7社が、比較記事に1本も載っていない会社でした。制作会社は自社サイトが強く、制作実績や事例記事を自前で豊富に持っているため、比較記事を経由しなくてもAIに名前が届きやすいのだと考えられます。
逆に言えば、自社サイトだけではAIに届きにくい分野ほど、比較記事の効果は大きくなるということ。今回でいえば、SFAツール・勤怠管理システム・電子契約サービスがこれに当てはまりました。
記事の「前半」に載っている会社ほど、AIに選ばれやすい
載っている本数だけでなく、記事の中での位置にも同じ傾向が出ました。各社が記事の中で上から何番目に紹介されているかを調べ、掲載社数で割って「記事のどのあたりに載っているか」を0〜100%で表しました(0%=先頭、100%=最後)。

AIが選んだ会社は平均41%地点、選ばなかった会社は58%地点。8キーワードすべてで、AIが選んだ会社のほうが記事の前半に載っていました。
AIの回答の中での順番も同じです。4つのAIすべてで、最初に挙げた会社の平均掲載本数は5.5〜5.8本と、4番目以降に挙げた会社(3.0〜4.3本)を上回りました。さらに8キーワード中4〜5キーワードでは、AIが最初に挙げた会社が、そのキーワードで最も多くの記事に載っている会社と一致していました。
「知名度が高いから」では説明できなかった
ここまでの結果には、「結局、有名な会社だから記事にもAIにも出ているだけでは?」という反論が考えられます。掲載本数は結果にすぎず、本当の原因は知名度かもしれない、という見方です。
そこで、外注・代行系の4キーワードにしぼり、65社の知名度をドメインランク(DR。サイトの強さを示す指標で、数字が大きいほど強い)で調べて比べました。

左のグラフのとおり、DRが近い会社どうしで比べても、AIが選んだ会社のほうが掲載本数は多いまま。逆に掲載本数のほうをそろえると、DRの差は消えます(掲載4本以上の30社では、AIが選んだ会社のDRは平均51.3、選ばなかった会社は54.4と、むしろ選ばれなかった側がわずかに高いほどでした)。
右のグラフはもっと直接的です。「AIに選ばれること」との関係の強さ(相関係数。1に近いほど強い)は、掲載本数が0.50、ドメインの強さ(DR)は0.32。掲載本数のほうが、知名度よりもAI選出と強く結びついていました。
いちばんわかりやすいのが採用代行です。
- マイナビ:DR92・掲載5本 → 4つのAIがそろって選ばなかった
- パーソルキャリア:DR71・掲載5本 → 選んだAIは1つだけ
- マルゴト:DR41 → 4つのAIすべてが選んだ
知名度で大きく上回るマイナビが選ばれず、下回るマルゴトが全AIに選ばれる。AIに選ばれるかどうかは、ドメインを強くする話とは別物だと言えます。
まだ説明できていないことが3つある
一方で、今回の枠組みでは説明できないことも3つ残りました。
1. 掲載4本以上でも、どのAIにも挙がらなかった会社が28社あった
Adobe Acrobat Sign(7本)、レコル(6本)、楽楽勤怠(6本)などです。掲載は「入場券」に近く、持っていれば必ず入れるわけではない、ということです。
2. 掲載が少なくても挙がる会社があった
掲載1本以下でAIに挙がった7社の平均DRは50.4、挙がらなかった24社は32.0でした。たとえば採用代行のリクルートはDR83で掲載1本。名前そのものが十分に強ければ、掲載は要らないと考えられます。
3. 掲載0本なのに挙がった会社が13社あった
このうち8社は、ChatGPTだけが挙げたものでした。ChatGPTは、比較記事以外のページも参照していると思われます。
結論:生成AIは「比較記事への掲載」を手がかりに会社を選んでいる
前置きとして、今回は因果関係までは切り分けていません。「掲載が増えたからAIに挙がった」のか、「いい会社だから掲載もされAIにも挙がった」のかは、区別できていません。新しく掲載されてからAIに挙がるまでの時間も、1時点の計測なのでわかりません。
それでも、次の3点は事実として確認できました。
- 知名度(ドメインの強さ)をそろえても、掲載本数の差は残った
- 掲載本数が増えると、あるところ(4本目あたり)から急にAIに挙がりやすくなった
- 4つのAIで、傾向の向きがそろった
この3つは、AIが会社を選ぶときの手がかりとして、「比較記事に載っていること」そのものを使っている可能性を示しています。
なお、人間の側でも同じ構図が確認されています。過去の調査「BtoBサービス導入検討者の85%が「複数の比較記事に載っているサービス」を信頼する」では、複数の比較記事で同じサービスが紹介されていたとき、85.4%の導入検討者が「信頼・興味が高まった」と回答しました。人もAIも、複数の記事に載っていることを信頼のシグナルとして扱っているのかもしれません。
あなたのサービスは、AIが読む比較記事に載っていますか?
まずは今すぐ、生成AIに「(自社サービスのカテゴリ)のおすすめを教えて」と聞いてみてください。そこに自社の名前がなければ、AIが読んでいる比較記事に、自社が載っていない可能性があります。
slide libは、弊社Coneが運営するBtoBサービスの比較メディアです。

「〇〇おすすめ〇選」の形でタイプ別に分類した比較記事を多数制作しており、今回の8キーワードもすべてカバーしています。検索1ページ目に出ている記事も多く、今回集計した58本の中にもslide libの記事が含まれています。
今回の調査対象キーワードに対応する記事は以下になります。
| SNS運用代行 | 記事はこちら |
| 動画制作会社 | 記事はこちら |
| Web制作会社(ホームページ制作) | 記事はこちら |
| 営業代行会社 | 記事はこちら |
| 採用代行(RPO) | 記事はこちら |
| SFAツール | 記事はこちら |
| 勤怠管理システム | 記事はこちら |
| 電子契約システム | 記事はこちら |
掲載料金は月額3万円(複数記事への掲載は月額5万円〜)です。
念のためもう一度お伝えすると、今回の調査でわかったのは「相関」までです。「比較記事に載せればAIに挙がる」と言い切ることはできません。言えるのは、AIが挙げた会社は比較記事に多く載っていて、その差はドメインの強さでは説明できなかった、というところまでです。
そのうえで、次のいずれかに当てはまる方は、一度ご相談ください。
- LLMO対策として、何から手をつけるか決めかねている
- 比較記事に1本は載っているが、掲載本数を増やしたい
- 自社サービスが、どの記事のどのタイプに入るのか知りたい
まずは、いま自社がどの記事に載っていて、合計で何本になっているのかを、一緒に確認するところから始めましょう。


