建設業向け会計ソフトおすすめ12選比較。工事原価管理と経審対応での選び方まで
建設業の会計は、一般的な業種とは異なる独自の勘定科目と工事ごとの個別原価計算が前提となります。完成工事高・未成工事支出金・工事未払金などを正しく扱える会計ソフトを選ばないと、決算書類の作成や経営事項審査の対応に大きな手間が発生してしまいます。
しかし実際の選定では、
「自社の規模に合う会計ソフトがどれかわからない…」
「工事台帳や原価管理までクラウドでできるソフトはあるのか…」
「freeeやマネーフォワードなど汎用クラウドでも建設業に使えるのか…」
といった悩みを抱える経理担当者・経営者は少なくありません。
そこで本記事では、建設業の会計ソフトを「汎用クラウド型」「建設業特化クラウド型」「建設業特化パッケージ・ERP型」の3タイプに分類し、自社規模・原価管理の深さ・提供形態などから最適な1本が選べるように整理しました。
さらに、7問の診断ツールで自社に合うタイプをすぐに確認できるようにしています。建設業向けの会計ソフトをタイプ別に比較したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
そもそも建設業の会計ソフトとは?
建設業向け会計ソフトとは、建設業特有の勘定科目や工事ごとの個別原価管理に標準対応した会計システムのことです。一般的な会計ソフトと同じく仕訳・元帳・決算書類の作成を行いますが、それらに加えて建設業独自の処理を会計データと連動させて扱える点が大きな違いです。
建設業の会計は、一般的な販売業やサービス業と異なり、「工事の進行に応じて売上・原価を計上する」「工事ごとに費用を集計する」といった独自のフローが必要です。これらに対応していない会計ソフトを使うと、決算書作成や経営事項審査(経審)対応に多くの追加作業が発生してしまいます。
会計ソフト全般から建設業向けに選び直したいと考えている方は、汎用的な会計ソフトとの違いを把握してから比較するのがおすすめです。
関連記事:会計ソフトおすすめ16選比較。事業規模・目的別の失敗しない選び方を解説
建設業特有の勘定科目(完成工事高・未成工事支出金)
建設業の決算書類では、一般会計の「売上高」「売掛金」「仕掛品」などにあたる勘定科目が、建設業独自の名称に置き換わります。代表的なものは次のとおりです。
| 一般会計の勘定科目 | 建設業会計の勘定科目 |
|---|---|
| 売上高 | 完成工事高 |
| 売上原価 | 完成工事原価 |
| 売掛金 | 完成工事未収入金 |
| 買掛金 | 工事未払金 |
| 仕掛品 | 未成工事支出金 |
| 前受金 | 未成工事受入金 |
これらの勘定科目は、建設業法に基づく決算書類(財務諸表)の作成や、公共工事の入札に必要な経営事項審査の申請書類でも使用されます。建設業向け会計ソフトであれば、これらの勘定科目があらかじめ登録されており、追加設定の手間なく利用できるのが大きなメリットです。
工事ごとの個別原価計算が前提
建設業のビジネスは「一品一様」で、現場ごとに仕様も期間も異なるため、工事ごとに収支を集計する「個別原価計算」が前提となります。具体的には、材料費・労務費・外注費・経費の4区分で工事ごとに原価を積み上げ、完成時に「完成工事原価」へ振り替える処理が必要です。
また、工事の収益計上は「工事完成基準」と「工事進行基準(履行義務充足度に応じた計上)」の2つから選択する必要があり、進行基準を採用する場合は工事ごとの予算と実績から進捗率を計算する仕組みが求められます。これらの処理を会計データと自動連動できるソフトを選ぶことで、月次決算と工事ごとの収支把握を同時に進められるようになります。
建設業向け会計ソフトでできる業務
建設業向け会計ソフトでは、一般的な会計業務に加え、建設業ならではの帳票作成・原価管理まで一つのシステムで完結できます。主な機能は次のとおりです。
| 仕訳入力・元帳管理 | 振替伝票・現預金出納帳・元帳の作成。建設業特有の勘定科目に標準対応 |
| 工事台帳の作成 | 工事ごとの収支・原価明細を自動集計。仕訳入力から工事台帳へ自動転記 |
| 個別原価管理 | 材料費・労務費・外注費・経費の4区分での工事別集計と配賦 |
| 工事進行基準対応 | 予算と実績から進捗率を自動計算し、月次・年次で売上を計上 |
| 経営事項審査(経審)対応 | 建設業法に基づく財務諸表・経審用書類の自動作成 |
| 給与・労務との連携 | 給与システム・出面管理との連動による労務費の自動配賦 |
| 決算書・申告書類作成 | 法定の決算書類・税務申告書類の作成支援 |
| 電子帳簿保存法・インボイス対応 | 改正電帳法・適格請求書(インボイス)への対応 |
すべての機能を使う必要はなく、自社の規模・既存システム・経審の必要性に応じて使う範囲を選ぶのが現実的です。たとえば個人事業主であれば仕訳入力と確定申告書類の作成までで十分ですが、公共工事を受注する中堅以上の建設会社であれば経審対応や原価管理の深さが必須となります。
なお、会計ソフトを導入したうえで「日々の記帳や経理業務までは社内で回せない」と感じる場合は、記帳代行や経理代行と組み合わせて運用するケースもあります。
関連記事:記帳代行サービス12選比較。費用相場から企業タイプ別の選び方まで解説
関連記事:経理代行サービスおすすめ20選!選定前にやるべき3つのことまで解説
建設業向け会計ソフトの費用相場
建設業向け会計ソフトの費用は、提供形態(クラウド/パッケージ)と対象規模で大きく変わります。タイプ別の費用感を整理すると次のとおりです。
| 提供形態 | 初期費用 | 月額/年額 | 主な対象 |
|---|---|---|---|
| 汎用クラウド型 | 0円 | 月額1,500円〜5,500円(個人)/月額3,000円〜10,000円(法人) | 個人事業主・一人親方・小規模工務店 |
| 建設業特化クラウド型 | 0〜10万円 | 年額10万円〜40万円 | 中小〜中堅工務店・建設会社 |
| 建設業特化パッケージ型 | 30万円〜100万円(買い切り) | 年額保守料 10万円〜30万円 | 中堅〜大手・専門工事業者・JV案件あり |
| 建設業ERP型 | 100万円以上(個別見積) | 個別見積 | 大手ゼネコン・複数拠点運用 |
汎用クラウド型は月額数千円から利用でき、青色申告や法人税申告まで対応できる一方、建設業特有の勘定科目や工事台帳はオプションやプラグインで補う必要があります。建設業特化型は導入費用は高くなりますが、工事原価管理や経審対応など建設業ならではの業務をまるごと自動化できる点が強みです。
費用シミュレーション(規模別の概算)
自社規模ごとの年間費用イメージを、提供形態別に試算しました。会計ソフトの選定時の予算検討にご活用ください。
| 規模・想定ケース | 推奨タイプ | 想定ソフト構成 | 年間費用の目安 |
|---|---|---|---|
| 個人事業主・一人親方 (年商3,000万円) | 汎用クラウド型 | freee/マネーフォワード/やよいの青色申告 | 約18,000円〜35,000円/年 |
| 小規模法人 (社員5名・年商1億円) | 汎用クラウド型 | freee法人・マネフォ法人 | 約50,000円〜80,000円/年 |
| 中小工務店 (社員10〜30名・年商3〜10億円) | 建設業特化クラウド型 | スイート建設会計・PCAクラウド建設業会計 | 約11万円〜25万円/年 |
| 中堅建設会社 (社員30〜100名・経審対応) | 建設業特化クラウド型/パッケージ型 | 勘定奉行クラウド[建設業編]・PCA建設業会計DX | 約25万円〜60万円/年 |
| 中堅以上・専門工事業者・JV案件あり | 建設業特化パッケージ・ERP型 | 建設大臣NX・MJSLINK DX 財務大将・どっと原価NEO | 初期80万円〜150万円+保守年20万円〜 |
| 大手ゼネコン・複数拠点 | ERP統合型 | ガリバー匠・MJSLINK DX 財務大将(複数拠点) | 個別見積(数百万円〜) |
工事原価管理や経審対応の必要性が高くなるほど、建設業特化型の費用対効果が高くなります。一方、確定申告や法人税申告までしか必要ない個人事業主・小規模法人であれば、汎用クラウド型でも十分に運用可能です。
建設業向け会計ソフトを選ぶ際の4つの比較ポイント
建設業向けの会計ソフトは「どれを選んでも同じ」ではありません。建設業特化機能の有無や提供形態の違いで、月次決算や経審対応のしやすさが大きく変わります。
ここでは、建設業向け会計ソフトを選ぶ際に必ず確認すべき4つのポイントを解説します。
- 建設業特有の勘定科目・帳票への標準対応
- 工事別原価管理機能の深さ(個別原価・配賦・経審対応)
- 提供形態(クラウド/インストール)と既存システムとの連携
- 料金体系と導入規模に対するフィット感
建設業特有の勘定科目・帳票への標準対応
最初に確認すべきは、完成工事高・未成工事支出金・工事未払金などの建設業特有の勘定科目に標準で対応しているかです。建設業向けに設計されたソフトであれば、これらの勘定科目があらかじめ登録されており、追加設定なしで仕訳入力を開始できます。
汎用の会計ソフトでも勘定科目を追加すれば仕訳自体は可能ですが、決算書類のひな型が一般会計向けのため、建設業法に準拠した財務諸表や経審用書類を手動で組み直す手間が発生します。経営事項審査を受審する予定がある建設会社や、複数の公共工事を受注している会社は、建設業特化型を選ぶことで申請業務の負荷を大きく下げられます。
確認すべきポイントは次の3つです。
- 完成工事高・未成工事支出金などの勘定科目が標準で登録されているか
- 建設業法に基づく財務諸表(完成工事高内訳表・工事原価報告書など)が自動作成できるか
- 経営事項審査の決算書類に対応しているか
工事別原価管理機能の深さ(個別原価・配賦・経審対応)
次に重要なのが、工事ごとの個別原価管理をどこまで自動化できるかです。建設業では現場ごとに材料費・労務費・外注費・経費の4区分で原価を積み上げる必要があり、ソフトの原価管理機能の深さによって月次決算や工事収支把握のスピードが変わります。
汎用クラウド型でも「タグ」や「プロジェクト機能」を使えば工事ごとの収支集計はできますが、配賦処理(共通費や間接費を工事に按分する処理)や工事進行基準の進捗率自動計算までは標準では対応していません。一方、建設業特化型では工事台帳と仕訳が一体化しており、伝票を1回入力するだけで工事台帳と元帳の両方へ自動転記される仕組みが整っています。
確認すべきポイントは次のとおりです。
- 工事ごとに材料費・労務費・外注費・経費の4区分で原価集計できるか
- 共通費・間接費の自動配賦(多段階配賦含む)に対応しているか
- 工事進行基準・工事完成基準どちらにも対応しているか
- 出面(でづら)データから労務費を自動転送できるか
提供形態(クラウド/インストール)と既存システムとの連携
会計ソフトは、クラウド型とインストール型(パッケージ型)で運用スタイルが大きく異なります。クラウド型はインターネット環境があれば複数拠点・複数現場からアクセスでき、法改正対応も自動アップデートされます。インストール型は自社サーバー・PCで運用するためセキュリティ管理がしやすく、買い切り型を選べば長期利用時のコストを抑えられる場合があります。
加えて、給与システム・販売管理システム・勤怠管理システムなど、すでに自社で使っている基幹システムとの連携可否も重要です。中堅以上の建設会社では会計と給与・販売管理を別々のシステムで運用しているケースが多く、データ連動できないと二重入力が発生します。
確認すべきポイントは次の3つです。
- 現場・複数拠点からアクセスする必要があるか(クラウド推奨)
- 既存の給与・販売管理・勤怠管理システムと連携できるか
- 法改正(電帳法・インボイス)への自動対応があるか
料金体系と導入規模に対するフィット感
最後に確認すべきは、自社規模に対して料金体系が適切かです。年商1億円未満の個人事業主が中堅向けのパッケージ型を導入してもオーバースペックですし、逆に経審対応が必要な中堅建設会社が汎用クラウド型だけで運用すると、決算期に大量の手動作業が発生します。
料金の比較軸は、月額・年額・初期費用の3点に加えて、ユーザー数(同時アクセス数)・サポート費用・カスタマイズ費用まで含めて考える必要があります。特にパッケージ型の場合は買い切り価格に加えて保守料・バージョンアップ料が発生するため、5年〜10年の総額で試算するのがおすすめです。
確認すべきポイントは次のとおりです。
- 年間トータルコスト(保守・サポート含む)が予算に収まるか
- ユーザー数や同時アクセス数の上限に余裕があるか
- 法改正対応・サポート対応の費用が別途発生しないか
なお、会計ソフトの導入と並行して経理担当の体制を強化したい場合は、CFO代行や経理代行サービスと組み合わせる選択肢もあります。
関連記事:CFO代行サービス10選比較。費用相場からフェーズ別の選び方まで解説
建設業向け会計ソフトの選び方
建設業向け会計ソフトは、自社規模・建設業特化機能の必要性・原価管理の深さによって最適解が大きく変わります。ここでは建設業向け会計ソフトを3つのタイプに分類し、特徴と向いている企業をご紹介します。
- 汎用クラウド型 | 個人事業主・一人親方など小規模事業者の場合
- 建設業特化クラウド型 | 中小〜中堅工務店・建設会社の場合
- 建設業特化パッケージ・ERP型 | 中堅以上・専門工事業者の場合
まずは、以下の診断ツールで自社に合うタイプを確認してみてください。
Q1 / 事業規模
あなたの会社の規模に最も近いのはどちらですか?
Q2 / 建設業特化機能の必要性
会計ソフトに求める機能として、どちらに近いですか?
Q3 / 工事原価管理の深さ
工事ごとの原価管理について、どちらを求めますか?
Q4 / 提供形態
ソフトの提供形態として、どちらを希望しますか?
Q5 / 関連業務との統合
会計以外の業務システムとの関係として、どちらに近いですか?
Q6 / 料金感
導入コストについて、どちらに近いですか?
Q7 / サポート・カスタマイズ
ベンダーのサポートについて、どちらに近いですか?
1. 汎用クラウド型 | 個人事業主・一人親方など小規模事業者の場合
汎用クラウド型は、freee・マネーフォワード・弥生など主要クラウド会計ベンダーが提供する一般業種向けの会計ソフトを指します。月額数千円から導入でき、銀行口座やクレジットカードの自動取り込みによる仕訳作業の効率化が大きな強みです。建設業特化の勘定科目はオプションやカスタム設定で追加し、工事ごとの原価はタグやプロジェクト機能で集計します。
このタイプの会計ソフトに向いている企業は以下になります。
- 個人事業主・一人親方として青色申告で確定申告まで完結したい
- 年商1億円未満の小規模法人で経理担当が兼任
- 経営事項審査の受審はなく、工事原価管理も簡易で十分
特に月額コストを抑えながら経理のクラウド化を進めたい小規模事業者におすすめのタイプです。
2. 建設業特化クラウド型 | 中小〜中堅工務店・建設会社の場合
建設業特化クラウド型は、建設業向け勘定科目・工事台帳・経審対応を標準搭載しながらクラウドで利用できる会計ソフトです。PCA・OBC(勘定奉行)など老舗ベンダーがクラウド版として提供しており、複数現場・拠点からアクセスできる利便性と建設業特化機能の両立が特徴です。
このタイプの会計ソフトに向いている企業は以下になります。
- 法人で社員数10〜100名前後の中小〜中堅工務店・建設会社
- 経審決算書類・工事台帳・原価管理までソフトで自動化したい
- 複数現場や拠点からクラウドで会計データにアクセスしたい
「建設業に対応したソフトをクラウドで運用したい」「経審対応も含めて会計をDX化したい」というニーズを持つ企業に最適なタイプです。
3. 建設業特化パッケージ・ERP型 | 中堅以上・専門工事業者の場合
建設業特化パッケージ・ERP型は、会計・原価管理・給与・販売管理まで統合運用できる、建設業向けの基幹システムです。インストール型・買い切り型を中心に、自社サーバー運用・カスタマイズ・JV案件管理・多段階配賦など、中堅以上の建設会社が必要とする高度な機能を備えています。
このタイプの会計ソフトに向いている企業は以下になります。
- 社員数50名以上・複数の公共工事や専門工事を抱える建設会社
- 会計・原価・給与・販売管理を統合運用したい
- JV(共同企業体)案件・高度な原価配賦・自社カスタマイズが必要
「複数業務を統合した基幹システムとして運用したい」「業界知見のあるSEに伴走してほしい」といったニーズを持つ建設会社におすすめのタイプです。
おすすめの建設業向け会計ソフト一覧比較表
以下は、本記事で紹介する建設業向け会計ソフトの一覧比較表です。
| サービス名 | 詳細 | 料金 | タイプ | 備考 |
|---|---|---|---|---|
freee会計 | 月額1,628円〜 | 汎用クラウド型 | 自動仕訳と銀行連携で経理初心者でも扱いやすい | |
マネーフォワード クラウド会計 | 月額1,408円〜 | 汎用クラウド型 | 個別原価オプションで現場別の収支管理が可能 | |
やよいの青色申告 オンライン | 年額11,500円〜 | 汎用クラウド型 | 初年度無料プランあり、個人事業主の青色申告に強い | |
PCAクラウド建設業会計DX | 年額約16万円〜 | 建設業特化クラウド型 | 建設業勘定科目・経審対応・工事進行基準まで標準搭載 | |
勘定奉行クラウド | 年額約33万円〜 | 建設業特化クラウド型 | 多段階配賦・労務費の自動配賦に強い | |
スイート建設会計 | 年額11万円〜 | 建設業特化クラウド型 | 中小企業向けにコストを抑えた建設業特化クラウド | |
弥生会計 オンライン | 年額30,800円〜 | 建設業特化クラウド型 | 業種別テンプレートで建設業勘定科目に対応 | |
建設大臣NX | 80万円〜 | 建設業特化パッケージ・ERP型 | 出面管理・経審・進行基準まで一気通貫 | |
勘定奉行11 | 38万円〜 | 建設業特化パッケージ・ERP型 | OBCのオンプレ版。中堅以上の業務量に対応 | |
MJSLINK DX 財務大将 | 要問い合わせ | 建設業特化パッケージ・ERP型 | プロジェクト管理・建設業会計基準に対応 | |
どっと原価NEO | 要問い合わせ | 建設業特化パッケージ・ERP型 | 工事原価管理特化・進行基準と原価回収基準に対応 | |
ガリバー匠 | 要問い合わせ | 建設業特化パッケージ・ERP型 | 建設業ERP。原価・財務・給与・JV管理を一元化 |
【汎用クラウド型】の建設業向け会計ソフト
汎用クラウド型の建設業向け会計ソフトは次の3社です。
freee会計

自動仕訳と銀行連携で、経理初心者でも建設業の会計をクラウドで完結できる会計ソフトです。銀行口座・クレジットカード・電子マネーを連携すると取引明細が自動取得され、AIが仕訳候補を提案します。日々の入力時間を大幅に短縮できる点が個人事業主・小規模法人から支持されています。
建設業向けには「タグ機能」や「プロジェクト機能」で現場ごとに収支を集計でき、未成工事支出金などの勘定科目もカスタマイズで追加可能です。確定申告書・青色申告決算書・法人税申告書の作成まで対応しているため、税理士に依頼せずに自社完結したい一人親方や小規模事業者にとって導入のハードルが低いソフトといえます。
| 提供形態 | クラウド型 |
| 建設業特化機能 | タグ・プロジェクト機能で工事別管理。勘定科目は追加カスタマイズ可能 |
| 工事原価管理 | プロジェクト別の収支集計に対応。配賦・経審対応はオプション |
| 料金目安 | 個人事業主:月額1,628円〜/法人:月額4,180円〜 |
マネーフォワード クラウド会計

「マネーフォワード クラウド個別原価」と組み合わせることで、現場別の原価管理までクラウドで完結できる会計ソフトです。会計データと銀行・クレカ連携の正確さに定評があり、確定申告・法人税申告まで対応しています。
建設業向けの強みは、オプションの「マネーフォワード クラウド個別原価」を追加することで工事別の収支管理ができる点です。また同社のクラウドサービス群(給与・経費・請求書・勤怠など)と連携することで、給与・経費・販売管理まで一気通貫でデジタル化できます。バックオフィス全体をクラウド化したい個人事業主・中小法人におすすめです。
| 提供形態 | クラウド型 |
| 建設業特化機能 | 勘定科目の追加で対応。建設業向けテンプレートは標準では非搭載 |
| 工事原価管理 | 「マネーフォワード クラウド個別原価」連携で工事別収支管理が可能 |
| 料金目安 | 個人事業主:月額1,408円〜/法人:月額4,378円〜 |
やよいの青色申告 オンライン

個人事業主・一人親方の青色申告に特化した、業界シェアの大きいクラウド会計ソフトです。シンプルな入力画面と青色申告に必要な決算書類の自動作成が特徴で、はじめてクラウド会計ソフトを使う個人事業主でも操作に迷いにくい設計になっています。
法人向けには「弥生会計 オンライン」が用意されており、業種別テンプレートで建設業の勘定科目にも対応できます。初年度無料プランや低価格プランが充実しているため、年商規模が小さい一人親方・個人事業主にとって導入コストの低さは大きな魅力です。
| 提供形態 | クラウド型 |
| 建設業特化機能 | 個人事業主向け。法人版は業種別テンプレートで建設業に対応 |
| 工事原価管理 | プロジェクト・タグ単位の集計に対応。詳細な配賦は非対応 |
| 料金目安 | セルフプラン:年額11,500円/ベーシック:年額22,000円(初年度無料あり) |
【建設業特化クラウド型】の建設業向け会計ソフト
建設業特化クラウド型の建設業向け会計ソフトは次の4社です。
PCAクラウド建設業会計DX

完成工事高・未成工事支出金などの建設業勘定科目があらかじめ登録されており、経審対応までクラウドで完結できる会計ソフトです。PCAは中小企業向け業務ソフトの老舗ベンダーで、PCA建設業会計シリーズは中小〜中堅建設会社で長年使われてきた実績があります。
クラウド版である「PCAクラウド建設業会計DX」では、工事進行基準・工事完成基準・原価回収基準のいずれにも対応し、請負工事の経過措置などの会計基準にも追随します。また「PCA給与」「PCA販売」などの同社シリーズと連動できるため、会計・給与・販売を同一ベンダーで統一したい中小〜中堅建設会社に適したクラウド会計ソフトです。
| 提供形態 | クラウド型/パッケージ型の両方を提供 |
| 建設業特化機能 | 建設業勘定科目・経審決算書類・工事台帳に標準対応 |
| 工事原価管理 | 工事別原価・配賦・進行基準/完成基準/原価回収基準に対応 |
| 料金目安 | 年額約16万円〜(システム構成・ユーザー数で変動) |
勘定奉行クラウド

OBC(オービックビジネスコンサルタント)が提供する建設業向けクラウド会計ソフトで、労務費の自動配賦と多段階配賦に強みを持つ会計システムです。給与システムや勤怠システムの日報データを取り込むだけで労務費を自動で工事ごとに配賦でき、現場ごとの人件費把握が一気に効率化されます。
工事の基本情報(工期・住所・請負金額など)はExcelファイルから一括取り込みが可能で、共通費・間接費の多段階配賦にも対応します。工事台帳・一覧表・集計表・推移表など豊富な原価帳票で工事別の収支を多角的に分析したい中堅建設会社におすすめです。
| 提供形態 | クラウド型 |
| 建設業特化機能 | 建設業勘定科目・経審対応・工事進行基準/完成基準に対応 |
| 工事原価管理 | 労務費の自動配賦・多段階配賦・豊富な原価分析帳票 |
| 料金目安 | 年額33万円〜(利用人数・オプションで変動) |
スイート建設会計

建設業独特の勘定科目に対応しながら、年額11万円〜で導入できる中小企業向けの建設業特化クラウド会計ソフトです。工事ごとに仕訳・台帳作成・原価集計・財務諸表作成が行え、工事進行基準や間接工事費の配賦にも対応しています。
完全クラウド型のため、初期費用とサーバー費用を抑えつつ建設業会計をスタートできます。「建設業特化クラウドを試したいが、PCAや奉行はオーバースペック」と感じる中小工務店や、年商数億円規模の建設会社にとって導入しやすい価格帯が大きな強みです。給与計算・出面管理機能と連動できる点もポイントです。
| 提供形態 | クラウド型 |
| 建設業特化機能 | 建設業勘定科目・工事進行基準・間接工事費配賦に対応 |
| 工事原価管理 | 工事ごとの仕訳・台帳・原価集計・財務諸表まで一気通貫 |
| 料金目安 | 初年度を除き年額110,000円〜(次年度以降のサブスクリプション料) |
弥生会計 オンライン

業界シェアの大きい弥生会計のクラウド版で、業種別データテンプレートを使うことで建設業の勘定科目に対応できる会計ソフトです。未成工事受入金・未成工事支出金など建設業独自の勘定科目があらかじめ用意されたテンプレートを選択するだけで、建設業向けの仕訳入力が可能になります。
弥生会計はパッケージ版(弥生会計 25 プロフェッショナル)とオンライン版の両方が提供されており、自社の運用スタイルに合わせて選択できます。個人事業主の弥生会計から法人化に伴って継続利用したい企業や、青色申告ユーザーから経理体制を法人向けに拡張したい企業にとって移行コストの低さがメリットです。
| 提供形態 | クラウド型/パッケージ型(弥生会計 25)の両方を提供 |
| 建設業特化機能 | 業種別テンプレートで建設業勘定科目に対応 |
| 工事原価管理 | プロジェクト・部門単位での収支集計に対応 |
| 料金目安 | セルフプラン:年額30,800円/ベーシック:年額44,000円〜 |
【建設業特化パッケージ・ERP型】の建設業向け会計ソフト
建設業特化パッケージ・ERP型の建設業向け会計ソフトは次の5社です。
建設大臣NX

応研が提供する建設業向け会計システムで、出面管理・経審対応・工事進行基準まで一気通貫で運用できる会計ソフトです。振替伝票を1回入力するだけで工事台帳・工事一覧表などの工事関連帳票と、元帳・試算表などの経理帳票が自動作成されます。
現場別の工事原価を試算表形式で確認できるほか、工種別の予算と実績を月次で比較する機能、共通費の自動配賦、経営事項審査のシミュレーション機能も搭載されています。「給与大臣NX」との連携で出面日報からの労務費転送も自動化できるため、給与・人件費まで含めた建設業向け基幹システムとして運用できます。
| 提供形態 | パッケージ型(スタンドアロン/ネットワーク/ERP構成) |
| 建設業特化機能 | 出面管理・経審シミュレーション・工事進行基準/完成基準 |
| 工事原価管理 | 共通費の自動配賦・工種別予算と実績比較・現場別試算表 |
| 料金目安 | 80万円(税抜)〜/スタンドアロン |
勘定奉行11

OBCの建設業向けパッケージ型会計ソフトで、中堅以上の業務量に対応した会計システムです。クラウド版と同じく建設業勘定科目・工事原価管理・労務費の自動配賦に対応しながら、インストール型(オンプレ)として自社サーバー運用が可能です。
「クラウドではなく自社サーバーで運用したい」「カスタマイズや既存基幹システムとの連携が必要」というニーズを持つ中堅以上の建設会社に向いています。OBCの販売パートナー網が全国に整備されており、業界知見を持つSEによる導入支援・カスタマイズが受けられる点も特徴です。
| 提供形態 | パッケージ型(オンプレ/スタンドアロン/ネットワーク) |
| 建設業特化機能 | 建設業勘定科目・経審対応・工事台帳 |
| 工事原価管理 | 労務費自動配賦・多段階配賦・豊富な原価分析帳票 |
| 料金目安 | 38万円〜(構成・ユーザー数で変動) |
MJSLINK DX 財務大将

ミロク情報サービスが提供する中小企業向け基幹システム「MJSLINK DX」の財務会計モジュールで、建設業会計基準に対応した会計システムです。事業部・部門会計・セグメント管理・プロジェクト管理に対応しており、建設業を含む特殊業種の会計処理にも標準で対応します。
工事別の原価管理に加え、実行予算管理に基づく業績比較データの自動作成にも対応しているため、工事ごとの予算と実績を経営層がリアルタイムに把握したい中堅以上の建設会社に向いています。販売・購買・給与など他モジュールと組み合わせることで、建設業向けの統合基幹システムとして運用できる点が強みです。
| 提供形態 | パッケージ型(オンプレ/クラウド構成も選択可) |
| 建設業特化機能 | 建設業会計基準・プロジェクト管理・予算実績比較 |
| 工事原価管理 | 実行予算管理・配賦・部門別/プロジェクト別の原価集計 |
| 料金目安 | 要問い合わせ(システム構成・モジュール数で個別見積) |
どっと原価NEO

建設ドットウェブが提供する建設業向け原価管理システムで、工事進行基準・原価回収基準にも対応した会計ソフトです。工事登録時に売上基準を「進行基準」に設定すると進捗率の自動計算や年次・月次での売上処理・収益確認が可能になります。
見積作成・予算管理・発注管理・原価集計・支払管理・勤怠連動など、工事原価管理に必要な機能を幅広く搭載しており、出来高査定報告書の作成にも対応します。財務会計機能との連携も可能で、原価管理を中心に建設業の基幹業務を整えたい中小〜中堅建設会社・専門工事業者におすすめです。
| 提供形態 | パッケージ型(オンプレ/クラウド構成も選択可) |
| 建設業特化機能 | 工事進行基準/完成基準/原価回収基準に対応 |
| 工事原価管理 | 見積・予算・発注・原価集計・支払管理まで一気通貫 |
| 料金目安 | 要問い合わせ(規模・モジュール数で個別見積) |
ガリバー匠

あさかわシステムズが提供する建設業向けクラウドERPで、原価・財務・給与・JV管理まで一元化できる建設業基幹システムです。各モジュールが連動し、リアルタイムに経営情報を把握できる点が特徴です。建築・土木・電気・水道・ガス・空調・内装・プラント・塗装など多様な工事業種で導入実績があります。
建設業会計に準拠した正確な経理処理で、早期決算予測が可能です。建設業・工事業を熟知したシステムエンジニアが在籍するトップクラスのサポート体制が整っており、業界知見のあるSEに伴走しながら基幹システムを構築したい中堅以上の建設会社に最適な選択肢です。
| 提供形態 | クラウド型(建設業向けERP) |
| 建設業特化機能 | 建設業会計基準・JV管理・経審対応 |
| 工事原価管理 | 原価・財務・給与・JV管理の一元運用と早期決算予測 |
| 料金目安 | 要問い合わせ(規模・モジュール数で個別見積) |
建設業向け会計ソフトのよくある質問
Q. freeeやマネーフォワードなど汎用クラウド会計ソフトでも建設業に使えますか?
A. 個人事業主・一人親方や小規模法人で、青色申告・法人税申告までしか必要ない場合は十分に使えます。タグやプロジェクト機能で工事ごとの収支集計も可能です。ただし、未成工事支出金などの勘定科目の自動仕訳や、経営事項審査用の決算書類の自動作成は標準では対応していないため、経審を受審する中堅以上の建設会社では建設業特化型を選ぶことをおすすめします。
Q. クラウド型とパッケージ型はどちらがおすすめですか?
A. 複数現場・拠点からアクセスする運用や、法改正への自動対応を重視するならクラウド型がおすすめです。自社サーバー運用・カスタマイズ・既存基幹システム連携を重視する中堅以上の建設会社にはパッケージ型が向いています。最近はクラウド版・パッケージ版の両方を提供するベンダーも増えており、自社運用スタイルに合わせて選択できます。
Q. 経営事項審査(経審)に対応した会計ソフトはどれですか?
A. 建設業特化型のソフト(PCAクラウド建設業会計DX・勘定奉行クラウド[建設業編]・建設大臣NX・MJSLINK DX 財務大将など)は経審決算書類の作成に標準対応しています。経審のシミュレーション機能まで備えるソフト(建設大臣NXなど)を選ぶと、申請前に評点を試算できるため受審準備が効率化されます。
Q. 個人事業主の一人親方ですが、白色申告でもクラウド会計ソフトは必要ですか?
A. 白色申告でも記帳が必要なため、クラウド会計ソフトの導入は記帳・帳簿作成の負担軽減につながります。やよいの青色申告 オンラインや freee会計には白色申告にも対応したプランがあり、月額数百円〜数千円で導入できます。将来的に青色申告(特別控除65万円)への切り替えを検討している場合は早めの導入がおすすめです。
Q. 会計ソフトを導入しても経理が追いつかない場合はどうすればよいですか?
A. 記帳代行や経理代行と組み合わせる方法があります。日々の仕訳入力・領収書整理は外部に委託し、自社では経営判断に必要な月次決算の確認だけを行う運用が可能です。給与計算が特にボトルネックになる場合は、給与計算アウトソーシングを別途検討するのも有効です。
関連記事:給与計算アウトソーシング21選比較。規模別費用相場から4タイプの選び方まで解説
まとめ
建設業向け会計ソフトは、自社規模・建設業特化機能の必要性・原価管理の深さによって最適解が大きく変わります。個人事業主・一人親方であれば汎用クラウド型、中小〜中堅工務店であれば建設業特化クラウド型、中堅以上の建設会社・専門工事業者であれば建設業特化パッケージ・ERP型を選ぶのが基本となります。
まずは、自社に合ったタイプを把握することが重要です。まだ診断ツールを試していない方は、ぜひ「建設業向け会計ソフトの選び方」セクションの診断ツールから確認してみてください。




