医療用AIおすすめ16選比較。薬事承認の有無から費用相場・選び方まで解説

「医療用AIを導入したいが、何がどこまでできるのか分からない」
「診断に使えるAIと、事務作業を減らすAIの違いが知りたい」
「結局いくらかかるのか、費用の目安が見えない」

医療機関で医療用AIの検討が始まると、必ずこの3つで止まります。

医療用AIと一口に言っても、薬事承認を受けて診断の補助に使える「プログラム医療機器」と、承認を必要としない「業務支援ツール」では、法的な位置づけも導入の進め方もまったく異なります。この違いを整理しないまま比較を始めると、検討が途中で止まってしまいます。

本記事では、医療用AIを4つのタイプに分けたうえで、主要16サービスの薬事承認の状況・対応業務・電子カルテ連携・費用を比較します。あわせて、診療報酬で費用の一部を回収できるケースや、導入に使える補助金までご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

医療用AIとは?ChatGPTなど汎用AIとの違い

医療用AIとは、診断の補助や医療機関の業務支援を目的として、医療領域に特化して開発されたAIの総称です。

検査画像から病変の候補を検出するもの、患者の回答に応じて問診を組み立てるもの、診察の会話からカルテの下書きを作るものなど、対象とする業務は幅広くあります。

ここで多くの医療機関が最初に抱くのが、「ChatGPTのような汎用の生成AIでは駄目なのか」という疑問です。主な違いを以下に整理しました。

医療用AI汎用の生成AI(ChatGPTなど)
開発の前提医療データで学習し、医療業務に特化一般的なテキストで学習し、幅広い用途に対応
診断への使用薬事承認を受けた製品は診断の補助に使用可診断の補助としての使用は想定外
患者データの扱い医療情報システムの安全管理に関するガイドラインへの準拠を前提に設計入力内容の扱いは利用規約次第。患者情報の入力は原則不可
既存システムとの接続電子カルテ・検査機器との連携を前提に設計個別に開発しない限り連携しない

最大の違いは、患者情報を扱えるかどうかです。汎用の生成AIに患者の氏名や病歴を入力する運用は、情報管理の観点から医療機関では取りにくく、そこが医療用AIを別に検討する理由になります。

医療用AIの得意なこと

医療用AIは、「量が多く」「型が決まっていて」「見落としが起きやすい」作業を支えるのが得意です。

得意なこと内容
大量データの走査検査画像や診療記録を短時間で一通り確認できる
定型文書の下書きサマリーや紹介状など、書式が決まった文書を素早く形にできる
記録の構造化会話や自由記述をSOAP形式・医療用語に整理できる

いずれも、人がやると時間はかかるが判断そのものは難しくない作業です。ここを任せることで、医師や看護師の時間を診療そのものに戻せます。

医療用AIの苦手なこと

一方で、最終的な判断と責任を伴う領域は苦手です。

苦手なこと内容
確定診断検出・鑑別の候補は出せるが、診断を確定させることはできない
例外的な症例への対応学習データに乏しい稀少疾患・非典型例では精度が落ちる
出力内容の正しさの保証生成された文書に事実と異なる記述が混じる可能性がある

これらはプロンプトの工夫で解消できる性質のものではありません。医療用AIの出力は必ず医師・看護師が確認し、最終的な判断は人が下す運用を前提にしてください。薬事承認を受けた画像診断支援AIであっても、位置づけはあくまで「診断の補助」です。

なお、医療用AIとは別に、院内の一般業務向けに生成AIの活用基盤を整えたい場合は、導入支援を専門とする会社に相談する方法もあります。進め方の全体像を先に把握しておきたい方は、以下の記事も参考にしてください。

関連記事:生成AI導入支援サービス15選比較。費用相場からタイプ別の選び方まで

医療用AIは「プログラム医療機器」と「業務支援ツール」に分かれる

医療用AIを比較するうえで、最初に押さえるべきなのが薬事承認の有無です。同じ「医療用AI」でも、薬機法上の位置づけによって、できることも導入の進め方も変わります。

プログラム医療機器(SaMD)業務支援ツール
薬機法上の位置づけ医療機器としての承認・認証が必要医療機器に該当しない
診断への使用診断の補助として使用できる診断の補助としては使用できない
主な対象画像診断支援、内視鏡の病変検出支援など問診、カルテ作成、文書作成、情報検索など
診療報酬加算の対象になる製品がある直接の加算対象ではない
導入時に確認すること承認番号、対応する検査機器、算定要件電子カルテ連携、患者データの取り扱い

重要なのは、業務支援ツールが劣っているわけではないという点です。両者は解決する課題がそもそも違います。読影の見落としを減らしたいならプログラム医療機器、記録や書類の時間を減らしたいなら業務支援ツールと、目的から入るのが正しい順序です。

なお、承認を受けていないAIを診断の補助として使うことは想定されていません。「この製品は診断に使えるのか」を、承認番号の有無で必ず確認してください。

医療用AIでできること

医療用AIが担える業務は、診療の前後に幅広く広がっています。代表的なものを整理しました。

業務AIが担う内容
画像の病変検出支援内視鏡・CT・MRIの画像から病変候補を検出し、読影医に提示
画像の鑑別診断支援検出した病変の性状を分類し、判断材料を提示
臓器の自動抽出・計測臓器の輪郭抽出、径の自動計測、経過比較の補助
WEB問診患者の回答に応じた質問の出し分け、緊急度の提示
電話の一次応答予約受付・用件の聞き取り、夜間や時間外の対応
カルテ下書きの作成診察の会話を要約し、SOAP形式の下書きを生成
音声入力医療用語辞書を使った記録・所見の音声入力
退院サマリーの作成電子カルテの記録から退院時要約の下書きを生成
診療情報提供書の作成紹介状・主治医意見書などの下書きを生成
院内記録の検索自然言語で電子カルテの記録を横断的に検索
臨床情報の参照薬剤情報・診療ガイドライン・医療計算ツールの横断検索

ここで大切なのは、すべてを1つのサービスで賄う必要はないという点です。画像診断支援AIは検査機器と一体で導入し、問診AIは受付に、文書作成AIは病棟にと、業務ごとに別のサービスを入れている医療機関がほとんどです。

まずは「どの業務にいちばん時間が取られているか」を特定し、そこから対象を絞ってください。

紙で受け取った書類のデータ化から手を付けたい場合は、医療用AIより先にAI-OCRを検討したほうが早く効果が出るケースもあります。

関連記事:AI OCRおすすめ19選を比較。費用相場・無料/買い切り・タイプ別の選び方まで解説

医療用AIの費用相場

医療用AIの費用は、どの提供形態を選ぶかで構造そのものが変わります。まずは3つの形態を整理します。

提供形態別の費用構造

検査機器組込型クラウド型院内設置・ハイブリッド型
代表的な用途画像診断・読影支援問診・受付・カルテ下書き病院全体の文書作成・情報検索
初期費用要問い合わせが中心0円〜数十万円数百万円規模
月額費用要問い合わせが中心数千円〜(アイブリーは3,980円〜)十数万円〜
費用の決まり方対応モダリティ・オプション単位施設単位・ID単位の月額病床規模と接続する電子カルテに応じた個別見積もり
導入までの期間数週間〜(機器との接続確認が必要)即日〜数週間1ヶ月〜
診療報酬での回収対象になる製品がある対象外対象外
向いている施設内視鏡・CT/MRIの検査件数が多い病院診療所・クリニック病棟を持つ中〜大規模病院

画像診断支援AIは、公式サイトに価格を掲載しているメーカーがほとんどありません。対応する検査機器やオプション機能の組み合わせで金額が変わるため、見積もり前提と考えてください。

医療用AIの費用を左右する3つの要因

同じ「医療用AI」でも、次の3点で見積額が大きく変わります。

1. 診療報酬で費用の一部を回収できるか

医療用AIのなかには、診療報酬の加算対象になっているものがあります。代表的なのが「病変検出支援プログラム加算」です。

内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(K721)において、病変検出支援プログラムを用いて実施した場合、60点を所定点数に加算できます(令和6年6月新設、令和8年6月1日施行の現行告示でも継続)。大腸内視鏡の件数が多い施設では、この加算が導入コストの一部を相殺します。

また、令和8年度診療報酬改定では、医師事務作業補助体制加算の施設基準に生成AIの活用が組み込まれました。生成AIを活用した医療文書等の作成補助システムを組織的に導入すると医師事務作業補助者の配置人数を1.2人として算入でき、音声入力システムなどを併せて活用する場合は1.3人として算入できます。文書作成AIの導入が、間接的に加算のグレードに効いてくる構図です。

2. 電子カルテとの接続方式

医療用AIの見積もりで見落とされやすいのが、本体価格とは別に発生する電子カルテ側の接続費用です。

CocktailAIは公式サイトで初期費用・月額費用を明示していますが、「サーバー費用、電子カルテ側接続費用、ネットワーク設定費用は別途」と注記しています。一方でGaiXer Medical AgentはCSVファイル等による連携でベンダーを問わず対応でき、OPTiM AI ホスピタルは対応電子カルテへの開発実装を無償で提供しています。

接続方式が「標準連携」か「個別開発」かで、初期費用は数十万円単位で変わります。見積もりを取る際は、必ず自院の電子カルテの機種を先に伝えてください。

3. 患者データを院内に置くかクラウドに置くか

患者データの置き場所も費用に直結します。院内にAIの実行環境を置く場合はサーバーの調達費用が発生し、クラウドに置く場合は月額に含まれます。

OPTiM AI ホスピタルはオンプレミスLLMとクラウドLLMを組み合わせたハイブリッド構成を採用し、国内リージョンのデータセンターのみを使用したうえで、入力データをAIの学習に利用せずクラウド上にも保持しないと公表しています。セキュリティ要件を上げるほど費用は上がるため、自院がどこまで求めるかを先に決めておくことが重要です。

料金表だけで比べると失敗する理由

医療用AIには、導入しても必ず人の確認工数が残るという特性があります。診断の確定も診療録の記載も、最終的な責任は医師にあるためです。

そのため、比較すべきは月額料金ではなく実質コストです。

実質コスト = ライセンス料 + 電子カルテ接続費用 + AIの出力を確認・修正する時間の人件費

月額が安くても、出力の精度が低くて全文を書き直しているなら、確認工数の人件費が膨らんで逆転します。逆に月額が高くても、下書きの修正が数か所で済むなら実質コストは下がります。

トライアルで確認すべきは「使えるかどうか」ではなく、「1件あたり何分の確認で済むか」です。この数字を取らずに契約すると、導入後に効果が測れなくなります。

導入規模別の年間費用イメージ

実質コストの考え方をもとに、規模別の費用感を整理しました。以下は公式サイトに金額を掲載しているサービスの実額をもとにした試算で、前提条件を変えれば金額は変わります。

施設規模想定する構成年間費用の目安
無床クリニック(1施設)電話対応AIまたはWEB問診AIを1〜2種類約5万円〜(アイブリー3,980円/月から算出)
100床規模の病院文書作成AI+問診AI個別見積もり。多くが要問い合わせ
300床以上の病院院内設置型の医療文書生成AI初年度 約418万円/次年度以降 約198万円(CocktailAIの初期220万円+月額16.5万円で算出)

では、この費用は人件費換算で回収できるのでしょうか。

退院サマリーの作成が月100件、1件あたり30分かかっているとします。医師の時給を8,000円と仮定すると、この作業には月40万円・年間480万円分の時間がかかっている計算です。

OPTiM AI ホスピタルの公表事例では、織田病院で退院時看護サマリーの作成時間を54.2%削減しています。同じ削減率で試算すると、年間約260万円分の時間が浮くことになります。

これを上表の300床規模のケースと並べると、次のようになります。

  • 月160件を超える規模なら、初年度から人件費換算で回収できる計算
  • 月80件を超える規模なら、2年目以降は回収圏に入る計算

つまり、医療文書生成AIは文書の作成件数が一定量を超えて初めて投資回収が成立するタイプの投資です。稟議を通す際は、自院の月間文書件数と1件あたりの作成時間をまず実測してください。この2つの数字がないと、費用対効果を説明できません。

医療用AIを選ぶ際に確認すべき4つの比較ポイント

医療用AIは機能一覧を並べても違いが見えにくいサービスです。以下の4点で比較してください。

  • 薬事承認・法的位置づけ
  • 対応業務
  • 電子カルテ・院内システム連携
  • 医療情報の取り扱い・セキュリティ

薬事承認・法的位置づけ

最初に確認すべきは、そのAIが薬事承認を受けたプログラム医療機器なのか、承認を必要としない業務支援ツールなのかです。

診断の補助として使いたい場合、承認を受けていない製品は選択肢になりません。承認番号が公表されているか、自院が使いたい検査部位・モダリティがその承認の範囲に入っているかまで確認してください。EndoBRAIN-EYEのように、シリーズ製品ごとに承認番号が分かれているケースもあります。

一方、文書作成や問診が目的であれば承認は不要です。この場合に確認すべきは承認番号ではなく、後述する電子カルテ連携とデータの取り扱いになります。

確認すべきポイントは次の3つです。

  • 承認番号・認証番号が公表されているか
  • 自院が使いたい部位・モダリティが承認の範囲に含まれているか
  • 診療報酬の加算対象になる製品か

対応業務

次に見るのが、そのAIがどの業務のどこまでを担うかです。

同じ「文書作成AI」でも、日々のカルテ(SOAP)の下書きに強い製品と、退院サマリーや診療情報提供書といった病棟の文書に強い製品では、設計思想が異なります。前者は診察室での使用を、後者は電子カルテに蓄積された記録の集約を前提にしています。

自院で最も時間を取られている業務を1つ特定し、その業務が公式サイトの機能一覧に明記されているかを確認してください。「医療文書全般に対応」といった表現だけの場合、自院の帳票が対象に入っているかは問い合わせが必要です。

確認すべきポイントは次の3つです。

  • 効率化したい業務が公式に明記されているか
  • 対応する帳票・文書の種類が具体的に示されているか
  • 診療科ごとの対応差があるか

電子カルテ・院内システム連携

医療用AIの定着を左右するのが、電子カルテとの連携方式です。

連携がなければ、AIの出力を人がコピー&ペーストで移す作業が残り、削減できるはずの時間が戻ってきません。逆に電子カルテの画面からワンクリックで呼び出せる設計であれば、日常業務の動線を変えずに使えます。

多くのサービスは「すべての電子カルテと連携可能」と表現していますが、具体的な機種名を公表しているかどうかで確度は変わります。OPTiM AI ホスピタルはシーエスアイのMI・RA・Isシリーズ、ALYアシスタントはCSI・SSI・セコムの電子カルテと、対応実績を機種名で公表しています。

確認すべきポイントは次の3つです。

  • 自院の電子カルテの機種名が対応実績に含まれているか
  • 電子カルテ画面から直接呼び出せるか、別画面での操作になるか
  • 連携の追加開発費が発生するか

医療情報の取り扱い・セキュリティ

最後に、患者データをどこに置き、AIの学習に使われないかを確認します。

医療機関が確認すべきなのは、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」(いわゆる3省2ガイドライン)への準拠と、入力データの学習利用の可否の2点です。ユビーAI問診とメルプWEB問診は3省2ガイドライン準拠を公式に明記しており、GaiXer Medical Agentは入力データを追加学習に使用しない設定であることを公表しています。

明記していないサービスが直ちに危険というわけではありませんが、院内の情報システム部門の承認を得る段階で必ず問われる項目です。公式サイトに記載がない場合は、導入検討の早い段階で書面での回答を求めてください。

確認すべきポイントは次の3つです。

  • 3省2ガイドラインへの準拠が公式に明記されているか
  • 入力データがAIの学習に使われない設定になっているか
  • データの保管先が国内リージョンか

医療用AIの選び方

医療用AIは、「診断を補助したいのか、業務時間を減らしたいのか」から入ると迷いません。そのうえで、業務時間を減らしたい場合は、どの場面かでさらに分かれます。

ここでは医療用AIを以下の4つのタイプに分類し、それぞれの特徴と向いている医療機関をご紹介します。

  1. 画像診断・読影支援型 | 検査画像の見落としを減らし、読影の負担を軽くしたい場合
  2. 問診・受付AI型 | 来院から診察開始までの受付・問診の負担を減らしたい場合
  3. カルテ・医療文書作成型 | 日々のカルテ入力・記録の時間を減らしたい場合
  4. 院内業務・臨床支援AI型 | 退院サマリーなど病院全体の文書業務と情報検索をまとめて効率化したい場合

1. 画像診断・読影支援型 | 検査画像の見落としを減らし、読影の負担を軽くしたい場合

内視鏡やCT・MRIの検査件数が多く、読影の負担と見落としのリスクを同時に下げたい医療機関に向いています。

このタイプは薬事承認を受けたプログラム医療機器であり、診断の補助として正式に使用できます。検査中にリアルタイムで病変候補を提示するもの、撮影後の画像から臓器を自動抽出して所見作成を助けるものなど、支援するタイミングが製品ごとに異なります。

導入時に重要なのは、自院の検査機器と接続できるかです。内視鏡AIは対応するスコープやビデオシステムが型番単位で決まっているため、機器の更新計画とあわせて検討してください。大腸内視鏡では診療報酬の加算対象になる製品もあり、検査件数が多いほど費用面でも有利になります。

このタイプの医療用AIは、以下のような課題を抱える医療機関に特に向いています。

  • 内視鏡・CT・MRIの検査件数が多く、読影医の負担が慢性化している
  • 見落としリスクの低減を、体制ではなく仕組みで担保したい
  • 診療報酬の加算取得もあわせて検討している
サービス名 詳細 料金 タイプ 備考
EndoBRAIN シリーズ
要問い合わせ
画像診断・読影支援型
大腸SaMDとして初めて診療報酬加算60点の対象になった内視鏡AI
gastroAI model-G3
要問い合わせ
画像診断・読影支援型
早期胃がんの検出に特化し、下部消化管・胸部X線まで広げた専業メーカー
AI-Rad Companion
要問い合わせ
画像診断・読影支援型
CTとMRを1つのクラウド基盤で横断解析するマルチモダリティ型
SYNAPSE SAI viewer
要問い合わせ
画像診断・読影支援型
読影ビューワ自体をAI化し、臓器抽出から所見文作成支援まで担う

このタイプの医療用AIを見る ⇩

2. 問診・受付AI型 | 来院から診察開始までの受付・問診の負担を減らしたい場合

外来の患者数に対して受付スタッフが足りず、待ち時間と受付業務の負担が課題になっている医療機関に向いています。

このタイプは、患者が来院する前や待合室でスマートフォン・タブレットから回答してもらい、その内容を医療用語に変換してカルテに送るのが基本的な流れです。AIが回答内容に応じて次の質問を出し分けるため、紙の問診票より情報の粒度が上がります。電話の一次応答をAIが担う製品もあり、こちらは診療時間外の予約受付まで自動化できます。

薬事承認は不要な業務支援ツールですが、患者の症状情報を扱うためセキュリティ要件は厳しく見てください。導入のハードルが低く、クリニック単位でも始めやすいのがこのタイプの利点です。

このタイプの医療用AIは、以下のような課題を抱える医療機関に特に向いています。

  • 外来の受付・問診で待ち時間が慢性的に発生している
  • 紙の問診票の転記に時間を取られている
  • 診療時間外の電話対応まで含めて負担を減らしたい
サービス名 詳細 料金 タイプ 備考
ユビーAI問診
要問い合わせ
問診・受付AI型
患者ごとにAIが質問を出し分け、カルテ下書きまで自動生成
WEB問診 Symview
要問い合わせ
問診・受付AI型
予診票・オンライン資格確認・ビデオ通話まで標準機能に内包
メルプWEB問診
要問い合わせ
問診・受付AI型
現役医師が開発。問診結果をSOAP形式に変換してカルテへ送信
アイブリー
3,980円〜 / 月
問診・受付AI型
公式サイトで月額を明示。夜間の予約電話までAIが会話で受付

このタイプの医療用AIを見る ⇩

WEB問診システムに絞って比較したい場合は、AI以外の選択肢も含めた専門記事があります。

関連記事:web問診システムおすすめ比較15選。タイプ別の選び方と費用相場まで解説

電話の一次応答だけを切り出して自動化したい場合は、医療に限らないボイスボット全般から選ぶ方法もあります。

関連記事:ボイスボットおすすめ14選比較。タイプ別の選び方から費用相場まで解説

3. カルテ・医療文書作成型 | 日々のカルテ入力・記録の時間を減らしたい場合

診察中のカルテ入力に時間を取られ、患者と向き合う時間が削られている医療機関に向いています。

このタイプは、診察の会話を録音してAIが要約しSOAP形式の下書きを作るものと、医療用語辞書を使って音声をそのまま文字にするものに分かれます。前者は入力そのものをなくす発想、後者はタイピングを音声に置き換える発想で、診療科や医師の使い方によって向き不向きが分かれます。

導入効果を左右するのは、下書きの修正にかかる時間です。同じ「SOAP自動生成」でも、診療科の用語にどこまで対応しているかで修正量は大きく変わります。トライアルでは必ず自院の診療科の症例で試してください。

このタイプの医療用AIは、以下のような課題を抱える医療機関に特に向いています。

  • 診察中のカルテ入力で患者を待たせている
  • カルテの記載が診療後に残り、残業の原因になっている
  • 手術記録・所見など、長文の記載が多い
サービス名 詳細 料金 タイプ 備考
AmiVoice Ex7
要問い合わせ
カルテ・医療文書作成型
診療科別の医療専用音声認識辞書を揃えた音声入力の定番
CocktailAI
初期 220万円〜/月額 16.5万円〜
カルテ・医療文書作成型
特許取得のテンプレート方式。公式サイトで初期・月額を明示
MEDISMA AIクラーク
要問い合わせ
カルテ・医療文書作成型
診察の会話を録音するだけでSOAP形式の下書きを自動作成
ユビー生成AI
要問い合わせ
カルテ・医療文書作成型
カルテ情報を一括集約し、IC記録から退院サマリーまで生成

このタイプの医療用AIを見る ⇩

会議の音声から議事録を作る仕組みは一般業務でも普及しており、院内会議の記録から試したい場合はこちらも参考になります。

関連記事:AI議事録自動作成ツール13選比較。無料から本格導入まで選び方も解説

4. 院内業務・臨床支援AI型 | 退院サマリーなど病院全体の文書業務と情報検索をまとめて効率化したい場合

病棟を持ち、退院サマリーや診療情報提供書の作成が積み上がっている中〜大規模病院に向いています。

このタイプは電子カルテのデータベースに接続し、蓄積された記録から必要な情報を集約して文書の下書きを作ります。1件ごとの入力支援ではなく、病院全体の文書業務をまとめて軽くするのが目的です。自然言語で院内の記録を横断検索できる製品もあり、過去症例の確認にかかる時間も削減できます。

一方で、電子カルテとの接続が前提になるため導入の難易度は上がります。対応電子カルテの機種、接続にかかる開発費、患者データの保管方式の3点を、情報システム部門を交えて早い段階で確認してください。導入までに1ヶ月以上を見込む必要があります。

このタイプの医療用AIは、以下のような課題を抱える医療機関に特に向いています。

  • 退院サマリー・診療情報提供書の作成が滞留している
  • 複数診療科・複数病棟にまたがって文書業務を効率化したい
  • 患者データを院内に保持したまま生成AIを使いたい
サービス名 詳細 料金 タイプ 備考
OPTiM AI ホスピタル
要問い合わせ
院内業務・臨床支援AI型
オンプレとクラウドのハイブリッドLLM構成で院内保持に対応
GaiXer Medical Agent
要問い合わせ
院内業務・臨床支援AI型
CSV連携でベンダーを問わず導入でき、1ヶ月半で稼働可能
ALYアシスタント
要問い合わせ
院内業務・臨床支援AI型
電子カルテ端末から自然言語で院内の記録を横断検索できる
HOKUTO
医師は無料(法人利用は要問い合わせ)
院内業務・臨床支援AI型
薬剤情報・UpToDate・医療計算ツールを横断検索できる臨床支援アプリ

このタイプの医療用AIを見る ⇩

医療用AIおすすめ16選一覧比較表

以下は、本記事で紹介する医療用AIの一覧比較表です。

サービス名 詳細 料金 タイプ 備考
EndoBRAIN シリーズ
要問い合わせ
画像診断・読影支援型
大腸SaMDとして初めて診療報酬加算60点の対象になった内視鏡AI
gastroAI model-G3
要問い合わせ
画像診断・読影支援型
早期胃がんの検出に特化し、下部消化管・胸部X線まで広げた専業メーカー
AI-Rad Companion
要問い合わせ
画像診断・読影支援型
CTとMRを1つのクラウド基盤で横断解析するマルチモダリティ型
SYNAPSE SAI viewer
要問い合わせ
画像診断・読影支援型
読影ビューワ自体をAI化し、臓器抽出から所見文作成支援まで担う
ユビーAI問診
要問い合わせ
問診・受付AI型
患者ごとにAIが質問を出し分け、カルテ下書きまで自動生成
WEB問診 Symview
要問い合わせ
問診・受付AI型
予診票・オンライン資格確認・ビデオ通話まで標準機能に内包
メルプWEB問診
要問い合わせ
問診・受付AI型
現役医師が開発。問診結果をSOAP形式に変換してカルテへ送信
アイブリー
3,980円〜 / 月
問診・受付AI型
公式サイトで月額を明示。夜間の予約電話までAIが会話で受付
AmiVoice Ex7
要問い合わせ
カルテ・医療文書作成型
診療科別の医療専用音声認識辞書を揃えた音声入力の定番
CocktailAI
初期 220万円〜/月額 16.5万円〜
カルテ・医療文書作成型
特許取得のテンプレート方式。公式サイトで初期・月額を明示
MEDISMA AIクラーク
要問い合わせ
カルテ・医療文書作成型
診察の会話を録音するだけでSOAP形式の下書きを自動作成
ユビー生成AI
要問い合わせ
カルテ・医療文書作成型
カルテ情報を一括集約し、IC記録から退院サマリーまで生成
OPTiM AI ホスピタル
要問い合わせ
院内業務・臨床支援AI型
オンプレとクラウドのハイブリッドLLM構成で院内保持に対応
GaiXer Medical Agent
要問い合わせ
院内業務・臨床支援AI型
CSV連携でベンダーを問わず導入でき、1ヶ月半で稼働可能
ALYアシスタント
要問い合わせ
院内業務・臨床支援AI型
電子カルテ端末から自然言語で院内の記録を横断検索できる
HOKUTO
医師は無料(法人利用は要問い合わせ)
院内業務・臨床支援AI型
薬剤情報・UpToDate・医療計算ツールを横断検索できる臨床支援アプリ

上記で自社に合うタイプの会社・サービスを絞り込みたい方は、以下の診断ツールで自社に合うタイプを確認してみてください。

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    【画像診断・読影支援型】の医療用AI

    初めに、画像診断・読影支援型の医療用AIを紹介します。いずれも薬事承認を受けたプログラム医療機器です。

    EndoBRAIN シリーズ(サイバネットシステム株式会社)

    引用:サイバネットシステム

    大腸内視鏡の病変検出から鑑別診断までをシリーズで揃えたプログラム医療機器です。名古屋大学の技術を基盤に、サイバネットシステムが薬機法承認の取得と実装開発を担い、オリンパスが販売しています。

    シリーズはEndoBRAIN、EndoBRAIN-EYE、EndoBRAIN-X、EndoBRAIN-Plus、EndoBRAIN-UCで構成され、病変の検出支援、NBIによる腫瘍鑑別診断支援、潰瘍性大腸炎の診断支援と、それぞれ担う役割が分かれています。

    特筆すべきは診療報酬上の評価です。内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術において病変検出支援プログラム加算60点の対象となっており、大腸SaMDとして初めて加算を獲得しました。検査件数が多い施設ほど、導入コストを回収しやすい構造になっています。

    薬事承認・法的位置づけプログラム医療機器
    EndoBRAIN-EYEは承認番号30200BZX00208000/クラスⅡ管理医療機器
    病変検出支援プログラム加算60点の対象
    対応業務大腸内視鏡の病変検出支援、NBI腫瘍鑑別診断支援、潰瘍性大腸炎の診断支援
    電子カルテ・院内システム連携オリンパス社製の汎用大腸内視鏡に対応
    医療情報の取り扱い・セキュリティ要問い合わせ
    料金要問い合わせ

    gastroAI model-G3(株式会社AIメディカルサービス)

    引用:AIメディカルサービス

    上部消化管内視鏡での早期胃がん検出に特化したプログラム医療機器です。内視鏡AIを専業とするAIメディカルサービスが開発しています。

    検査中の画像から、隆起型・平坦型・陥凹型の早期胃癌と腺腫を検出候補として提示します。発見が難しいとされる早期胃がんに焦点を当てている点が、汎用の画像診断AIとの違いです。

    同社は上部消化管だけでなく、下部消化管の大腸ポリープ検出支援、胸部X線読影支援と胃内視鏡の撮影網羅性評価を行うクラウド型サービスまでラインナップを広げています。内視鏡から始めて対象領域を広げたい施設にとって、同一メーカーで揃えられる点は運用上の利点になります。

    薬事承認・法的位置づけプログラム医療機器
    gastroAI model-G3は承認番号30800BZX00135000
    下部消化管はEIRL Colon Polyp(30400BZX00259000)
    対応業務上部消化管内視鏡での早期胃がん・腺腫の検出支援
    シリーズで大腸ポリープ検出支援、胸部X線読影支援にも対応
    電子カルテ・院内システム連携オリンパス製 EVIS X1(CV-1500)/EVIS LUCERA ELITE(CV-290)に対応
    医療情報の取り扱い・セキュリティクラウド型のgastroBASE screening Xは3省2ガイドラインに準拠と記載
    専用線・専用機器は不要
    料金要問い合わせ

    AI-Rad Companion(シーメンスヘルスケア株式会社)

    引用:シーメンスヘルスケア

    CTとMRIを1つのクラウド基盤で横断的に解析するマルチモダリティ型のプログラム医療機器です。

    胸部CT、脳MR、前立腺生検ガイダンス、放射線治療計画向けの臓器輪郭描画と、対象領域ごとに製品が分かれており、必要なものを選んで追加できます。放射線治療計画向けのOrgans RTはDICOM-RTSSに対応しており、輪郭描画の下書きをそのまま治療計画装置へ渡せます。

    拡張機能はセキュアなクラウド環境「teamplay digital health platform」を介して提供されます。モダリティごとに別のAIを導入するのではなく、1つの基盤に集約したい施設に向いた設計です。

    薬事承認・法的位置づけプログラム医療機器
    AI-Rad コンパニオン 承認番号30200BZX00202000、CT 認証番号302AABZX00047000、MR 認証番号302AABZX00092000、Organs RT 認証番号302AABZX00093000
    対応業務胸部CTの解析、脳MRの解析、前立腺生検ガイダンス、放射線治療計画向けの臓器輪郭描画
    電子カルテ・院内システム連携teamplay digital health platform経由で提供
    Organs RTはDICOM-RTSSに対応
    医療情報の取り扱い・セキュリティセキュアなクラウド環境(teamplay)で提供
    料金要問い合わせ

    SYNAPSE SAI viewer(富士フイルム株式会社)

    引用:富士フイルム

    読影ビューワそのものをAI化したプラットフォーム型の製品です。個別の検出AIを追加するのではなく、日常的に使う読影画面の中にAI機能が組み込まれています。

    CT・MRI画像からの臓器自動抽出を土台に、肺結節検出CAD、肋骨骨折検出、肝臓の性状分析と所見文の作成支援、腹部大動脈の自動計測、椎体高さの自動計測などをオプションとして追加できます。

    「病変を見つける」だけでなく「所見を書く」工程まで支援対象に含めている点が特徴で、読影レポート作成の時間短縮まで視野に入れている施設に向いています。

    薬事承認・法的位置づけプログラム医療機器
    本体 FS-V686型 認証番号231ABBZX00028000、肺結節検出 FS-AI688型 承認番号30200BZX00150000、肋骨骨折検出 FS-AI691型 承認番号30300BZX00244000
    対応業務CT・MRIの臓器自動抽出、肺結節・肋骨骨折の検出、肝臓性状分析と所見文作成支援、腹部大動脈・椎体高さの自動計測
    電子カルテ・院内システム連携要問い合わせ
    医療情報の取り扱い・セキュリティ要問い合わせ
    料金要問い合わせ

    【問診・受付AI型】の医療用AI

    次に、問診・受付AI型の医療用AIを紹介します。いずれも薬事承認を必要としない業務支援ツールです。

    ユビーAI問診(Ubie株式会社)

    引用:Ubie

    患者の回答内容に応じてAIが次の質問を出し分ける問診特化型のサービスです。

    紙の問診票やWEB問診フォームとの違いは、質問が固定ではない点にあります。主訴と回答の組み合わせからAIが質問を組み立てるため、症状に応じた深さの情報を来院前に取得できます。取得した内容はカルテの下書きとして即時生成されるため、受付での転記作業が発生しません。

    セキュリティ面では3省2ガイドラインに準拠したクラウドサーバーを利用し、ISMS認証を取得しています。導入前の院内説明会と当日の操作サポート、導入後の専属担当による支援まで公式に明記されており、院内でのIT導入に不安がある施設でも進めやすい体制が整っています。

    薬事承認・法的位置づけ医療機器としての記載なし。業務支援ツール
    対応業務来院前・待合室でのWEB問診、患者ごとの質問出し分け、カルテ下書きの即時生成
    電子カルテ・院内システム連携すべての電子カルテと連携可能
    連携後はボタン一つで問診画面を起動
    医療情報の取り扱い・セキュリティ3省2ガイドラインに準拠したクラウドサーバーを利用
    ISMS認証取得。個人情報をデータとして保持しない
    料金要問い合わせ

    WEB問診 Symview(株式会社レイヤード)

    引用:レイヤード

    問診に加えて、予診票・オンライン資格確認・ビデオ通話までを標準機能に含む多機能型のWEB問診システムです。

    問診の入力補助にとどまらず、来院前後の患者接点をまとめて1つのシステムで扱える設計になっています。標準機能にはラベル機能、スコアテスト、OCR機能、シェーマ、患者サイン、画像アップロード、多言語対応、メッセージ配信などが含まれ、オプションで電子同意書や療養計画書にも対応します。

    カルテ自動化AI「Voice Chart」と連携させると、問診内容と診察の会話を統合して電子カルテのSOAPを自動作成できます。問診から記録までを1社で揃えたい施設に適した構成です。

    薬事承認・法的位置づけ業務支援ツール
    対応業務WEB問診、予診票、オンライン資格確認、ビデオ通話、OCR、多言語対応、メッセージ配信
    オプションで電子同意書・療養計画書・カルテ自動化AI連携
    電子カルテ・院内システム連携クラウド・オンプレミスいずれの電子カルテとも連携可能
    予約システム・オンライン診療とも連携
    医療情報の取り扱い・セキュリティJIS Q 27001:2025認証を取得(認証番号MSA-IS-661)
    料金要問い合わせ

    メルプWEB問診(株式会社flixy)

    引用:メルプWEB問診

    現役医師が開発し、問診結果をSOAP形式・医療用語に自動変換して電子カルテへ送るWEB問診システムです。

    患者が入力した平易な言葉を医療用語に変換したうえでSOAP形式に整え、ワンクリックで電子カルテに送信できます。転記だけでなく「書き換え」の手間まで削減できる点が、他のWEB問診との違いです。

    機能面では、緊急度表示、ワクチン問診、スタッフ問診、多言語WEB問診、紙資料を取り込むメルプOCRなどを備えています。セキュリティは3省2ガイドライン準拠、SSL通信、AWS利用、ISMS取得を公式に明記しており、問診票のデジタルデータが安全管理ガイドラインに準拠した形で原本化される点も公表されています。

    薬事承認・法的位置づけ業務支援ツール
    対応業務WEB問診の作成・表示カスタマイズ、緊急度表示、ワクチン問診、スタッフ問診、多言語問診、OCRによる紙資料の取り込み
    電子カルテ・院内システム連携ほぼすべての電子カルテと連携可能
    問診結果をSOAP形式に変換してワンクリックで送信
    医療情報の取り扱い・セキュリティ3省2ガイドライン準拠、SSL通信、AWS利用、ISMS(ISO27001)取得
    問診票のデジタルデータを安全管理ガイドライン準拠で原本化
    料金要問い合わせ

    アイブリー(株式会社IVRy)

    引用:IVRy

    電話の一次応答をAIが会話で担う対話型音声AIです。問診ではなく、その手前の「電話がつながらない」という課題に対応します。

    診療予約の日時や氏名までAIが会話で聞き取り、夜間・早朝の予約電話も受け付けます。営業電話はAIの側で完結させるため、スタッフが取り次ぐ必要がありません。通話内容はAIが自動要約するため、折り返しが必要な用件も把握しやすくなります。

    本記事で紹介する16サービスのうち、公式サイトで月額を明示している数少ないサービスです。フリープランから始められるため、まず小さく試したいクリニックに向いています。

    薬事承認・法的位置づけ業務支援ツール
    対応業務電話の一次応答、会話による診療予約の受付、夜間・早朝の対応、営業電話の一次対応、通話内容のAI自動要約
    電子カルテ・院内システム連携医療向けページに具体的な連携先の記載なし
    医療情報の取り扱い・セキュリティ通話データを暗号化して保管
    ISO/IEC 27001およびISO/IEC 27017認証、ISMS-ACクラウドセキュリティ認定を取得
    料金3,980円〜/月 (電話番号維持費と従量利用料金は別途)
    ※無料プランあり(30着電まで)

    【カルテ・医療文書作成型】の医療用AI

    次に、カルテ・医療文書作成型の医療用AIを紹介します。

    AmiVoice Ex7(株式会社アドバンスト・メディア)

    引用:アドバンスト・メディア

    診療科別の医療専用音声認識辞書を揃えた、医療向け音声入力の定番サービスです。

    放射線科、薬剤部、整形外科、眼科、病理、リハビリテーション、精神科、歯科など、診療科ごとに辞書を用意しており、専門用語の認識精度を確保しています。看護記録、診療記録、手術記録、入退院サマリー、診療情報提供書、SOAPと、記録の種類を問わず音声で入力できます。

    同社の公式リリースによると、AmiVoice Ex7とAmiVoice iNote/iNote Liteの合計で20,000施設を突破しています(2026年6月9日付)。導入形態はオンプレミス型と自社データセンター型を選べるため、患者データを院内に留めたい施設にも対応できます。

    薬事承認・法的位置づけ業務支援ツール
    対応業務看護記録・診療記録・手術記録・入退院サマリー・診療情報提供書・SOAPの音声入力
    診療科別の医療専用辞書に対応
    電子カルテ・院内システム連携メーカーを問わず各種電子カルテシステムに対応
    医療情報の取り扱い・セキュリティAmiVoice iNoteは院内サーバー設置、iNote Liteは同社データセンターに保管
    料金要問い合わせ

    CocktailAI(フィッティングクラウド株式会社)

    引用:フィッティングクラウド

    特許取得のテンプレート方式で、診療録から医療文書を生成するサービスです。生成AIに自由に書かせるのではなく、テンプレートに沿って必要な情報を診療録から抽出する設計になっています。

    画像・動画・音声のファイル解析とOCR機能も備えており、電子カルテに蓄積された記録以外の情報も文書生成の材料にできます。連携先は、ファインデックス社製のDocuMaker version 3、CocktailAI Bar、C-Scan、Claioと機種名で公表されており、順次拡大予定と記載されています。

    本記事の16サービスのうち、初期費用と月額費用の両方を公式サイトに掲載している数少ないサービスです。3省2ガイドライン準拠を明記し、診療録データをクラウド側で蓄積・二次利用しないことも公表しています。

    薬事承認・法的位置づけ業務支援ツール
    対応業務テンプレートを用いた診療録からの医療文書生成
    画像・動画・音声のファイル解析、OCR
    電子カルテ・院内システム連携ファインデックス社製 DocuMaker version 3/CocktailAI Bar/C-Scan/Claioに対応
    他システムへ順次展開予定
    医療情報の取り扱い・セキュリティ3省2ガイドライン準拠を明記
    診療録データのクラウド側での蓄積・二次利用は行わないと公表
    料金初期費用 220万円〜/月額利用費 16.5万円〜
    ※サーバー費用、電子カルテ側接続費用、ネットワーク設定費用は別途

    MEDISMA AIクラーク(株式会社HERO innovation)

    引用:HERO innovation

    診察時の会話をAIが要約し、SOAP形式の下書きを作成するクリニック向けのサービスです。

    録音ボタンを押すだけで、要約とSOAP形式での出力までが自動で完了します。医療用語への変換機能を搭載しており、話し言葉のままではなくカルテに載る表現に整えたうえで出力されます。

    カルテ作成業務を「タイピング」から「確認・調整」へ転換することを明確に打ち出しており、診察中の入力に時間を取られている診療所に適しています。音声認識も医療用語に特化して調整されています。

    薬事承認・法的位置づけ業務支援ツール
    対応業務診察の会話の録音・要約、SOAP形式での下書き作成、医療用語への変換
    電子カルテ・院内システム連携電子カルテ入力を支援する設計
    医療情報の取り扱い・セキュリティ情報セキュリティ方針を公開
    料金要問い合わせ

    ユビー生成AI(Ubie株式会社)

    引用:Ubie

    電子カルテと連携し、患者情報をワンクリックで集約して医療文書を生成する病院向けサービスです。同社のAI問診が外来を対象とするのに対し、こちらは病棟の文書業務を対象としています。

    対応する文書はIC記録、医師入院サマリー、退院サマリー、申し送りサマリー、手術記録、症状詳記と幅広く、診察音声のテキスト化にも対応します。散在する患者情報を集める工程そのものをAIが担うため、「材料を集めてから書く」という文書作成の前半をまるごと短縮できます。

    公式サイトによると、大学病院を含む60病院以上の導入実績があります。入力データはオープンな学習に利用しないこと、専属担当者による継続サポートも明記されています。

    薬事承認・法的位置づけ業務支援ツール
    対応業務IC記録、医師入院サマリー、退院サマリー、申し送りサマリー、手術記録、症状詳記の作成支援、診察音声のテキスト化
    電子カルテ・院内システム連携電子カルテと連携し、患者情報をワンクリックで集約
    医療情報の取り扱い・セキュリティISO認証取得。入力データをオープンな学習に利用しない
    料金要問い合わせ

    【院内業務・臨床支援AI型】の医療用AI

    最後に、院内業務・臨床支援AI型の医療用AIを紹介します。

    OPTiM AI ホスピタル(株式会社オプティム)

    引用:オプティム

    オンプレミスLLMとクラウドLLMを組み合わせたハイブリッド構成が特徴の、病院特化型AIサービスです。

    対応する文書はJ-OSLER病歴要約、看護サマリー、IC要約、カルテAIサマリー、診療情報提供書、主治医意見書と広く、設定時刻に患者情報をもとに看護サマリーを自動生成する申し送り支援まで備えています。電子カルテの画面からワンクリックで文書を生成できる導線が用意されています。

    セキュリティ面の情報開示が本記事の16サービスのなかで最も具体的です。MDS(製造業者による医療情報セキュリティ開示書)とSDSを提供し、国内リージョンのデータセンターのみを使用、入力データはAIの学習に利用されずクラウド上にも保持されないことを公表しています。患者データを院内に保持したまま生成AIを使いたい病院に適した構成です。

    薬事承認・法的位置づけ業務支援ツール
    対応業務J-OSLER病歴要約、看護サマリー自動作成、ボイスレコーダーAI要約、IC AI要約、カルテAIサマリー、診療情報提供書・主治医意見書の作成支援
    電子カルテ・院内システム連携シーエスアイ MI・RA・Is/AZシリーズ・PXシリーズに対応
    開発実装は無償提供。電子カルテ画面からワンクリックで生成
    医療情報の取り扱い・セキュリティオンプレミスLLM+クラウドLLMのハイブリッド構成
    MDS・SDSを提供。国内リージョンのみ使用
    入力データは学習に利用されずクラウド上に保持しない
    料金要問い合わせ

    GaiXer Medical Agent(株式会社メディカルAIソリューションズ)

    引用:メディカルAIソリューションズ

    大学病院との共同で設立された会社が提供する、医療文書生成AIです。株式会社FIXERと藤田学園の100%子会社が共同で設立し、現場での運用を前提に開発されています。

    電子カルテに表示された「サマリー生成」ボタンをクリックするだけで、患者基本情報や診療記録から必要なデータを抽出し、数秒で退院時サマリーの下書きを作成します。対応文書は退院サマリー、看護サマリー、診療情報提供書、退院時指導書で、電子カルテの音声入力にも対応します。

    導入面での強みは連携方式です。CSVファイル等による連携でベンダーを問わず対応でき、導入期間は1ヶ月〜1ヶ月半が目安と公表されています。電子カルテの機種で選択肢が狭まりにくい点が、他の院内基盤型との違いです。

    薬事承認・法的位置づけ業務支援ツール
    対応業務退院サマリー、看護サマリー、診療情報提供書、退院時指導書の作成支援、電子カルテの音声入力(多言語翻訳に対応)
    電子カルテ・院内システム連携CSVファイル等による連携で、ベンダーを問わず対応可能
    導入期間は1ヶ月〜1ヶ月半が目安
    医療情報の取り扱い・セキュリティセキュアな通信環境で提供
    利用時のデータはAIの追加学習に使用しない
    料金要問い合わせ

    ALYアシスタント(株式会社ALY)

    引用:ALY

    文書生成に加えて、電子カルテの記録を自然言語で横断検索できる点が特徴のAIアシスタントです。

    数クリックで電子カルテの記録を参照して医療文書のドラフトを作成するほか、電子カルテの端末から自然言語で院内の記録を検索できます。退院サマリー、看護サマリー、リハビリテーションサマリーに対応し、主治医意見書と診療情報提供書も提供予定と公表されています。音声文字起こし機能、ケアプラン作成支援版も追加されています。

    対応する電子カルテはCSI社のMI・RA・Is、ソフトウェア・サービス(SSI)、セコム・ユビキタス電子カルテと機種名で公表されており、複数ベンダーとの協議も進めているとしています。「文書を書く」だけでなく「過去の記録を探す」時間も削減したい病院に向いています。

    薬事承認・法的位置づけ業務支援ツール
    対応業務退院サマリー・看護サマリー・リハビリテーションサマリーの作成支援、電子カルテ記録の自然言語検索、音声文字起こし
    電子カルテ・院内システム連携CSI社 MI・RA・Is/ソフトウェア・サービス(SSI)/セコム・ユビキタス電子カルテに対応
    医療情報の取り扱い・セキュリティ病院内データに安全に接続
    料金要問い合わせ

    HOKUTO(株式会社HOKUTO)

    引用:HOKUTO

    医師個人が無料で使える臨床支援アプリです。院内システムとして導入するのではなく、医師が自分の端末に入れて使う点が他の3サービスと異なります。

    薬剤情報、UpToDate、診療マニュアルを横断して検索でき、一般名・製品名のどちらでも引けます。抗菌薬の投与量計算やクレアチニンクリアランス計算など、500以上の医療計算ツールも無料で利用できます。GPT-4を活用し、患者への説明内容の考案支援や、キーワードからの論文抽出にも対応しています。

    公式サイトには「本製品は疾病の診断・治療・予防を目的としたプログラムではありません」と明記されており、位置づけは情報提供ツールです。予算をかけずに臨床情報の検索時間から削減したい場合の入口として使えます。

    薬事承認・法的位置づけ疾病の診断・治療・予防を目的としたプログラムではない
    対応業務薬剤情報・UpToDate・診療マニュアルの横断検索、500以上の医療計算ツール、最新医学情報の配信、患者説明の考案支援
    電子カルテ・院内システム連携医師個人の端末で利用するアプリ
    医療情報の取り扱い・セキュリティISO/IEC 27001認証を取得(登録番号IS 762662、2022年5月11日取得)
    料金要問い合わせ

    医療用AIの導入に使える補助金・支援制度

    医療用AIの導入費用は、公的な補助制度で軽減できる場合があります。医療機関が使える代表的な制度は次の2つです。

    制度名対象補助率補助上限額
    デジタル化・AI導入補助金2026(通常枠)従業員300人以下の医療法人。診療所も対象1/2以内(要件充足で2/3以内)450万円(下限5万円)
    医療分野における業務効率化・職場環境改善支援事業ベースアップ評価料を届け出ている病院4/51施設あたり8,000万円

    デジタル化・AI導入補助金2026は、旧IT導入補助金が名称変更されたものです。医療法人・社会福祉法人は「常時使用する従業員の数が300人以下」であれば対象となり、資本金要件はありません。補助対象はソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)、導入関連費で、事前に事務局の審査を受けて登録されたITツールのみが対象となります。導入したい医療用AIが登録済みかどうかを、必ず先に確認してください。

    医療分野における業務効率化・職場環境改善支援事業は、補助率4/5・上限8,000万円と規模が大きく、実施要綱に「生成AIを活用した各種業務支援サービス(AI問診や文書自動作成支援等)」が対象として明示されています。ソフトウェア・サービスの利用料も最大12か月分が対象です。ただし対象は病院に限られ、診療所は対象外である点にご注意ください。

    いずれの制度も申請には期限と要件があります。導入時期を決める前に、制度のスケジュールを先に確認しておくことをおすすめします。

    医療用AIのよくある質問

    医療用AIの検討時に、医療機関からよく寄せられる質問をまとめました。

    Q. 医療用AIは診断を確定できますか?

    できません。薬事承認を受けたプログラム医療機器であっても、位置づけは「診断の補助」です。病変候補の提示や性状の分類までがAIの役割で最終的な診断は医師が行います。この前提は、承認を受けていない業務支援ツールでも同じです。

    Q. ChatGPTを医療業務に使ってはいけないのですか?

    患者情報を入力する使い方は避けるべきです。汎用の生成AIは入力内容の扱いが利用規約に依存するため、医療情報の安全管理という観点で運用が成り立ちません。医療用AIは3省2ガイドラインへの準拠を前提に設計されており、この点が最大の違いです。患者情報を含まない一般的な調べ物であれば、汎用AIでも問題は生じにくいといえます。

    Q. 医療用AIの導入で診療報酬は増えますか?

    製品によっては加算の対象になります。内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術における病変検出支援プログラム加算(60点)が代表例です。また令和8年度診療報酬改定では、生成AIを活用した医療文書作成補助システムの組織的な導入が医師事務作業補助体制加算の施設基準に組み込まれ、配置人数の算入が柔軟化されました。算定要件は施設基準の届出を伴うため、詳細は厚生労働省の通知をご確認ください。

    Q. 電子カルテがなくても導入できますか?

    サービスによります。問診AIや電話対応AIは電子カルテがなくても導入できますが、退院サマリーや診療情報提供書を生成する院内基盤型は、電子カルテのデータを参照するため連携が前提です。まずは電子カルテ連携が不要なタイプから始め、効果を確認してから範囲を広げる進め方が現実的です。

    Q. 導入までにどれくらいの期間がかかりますか?

    タイプによって差があります。クラウド型の問診AI・電話対応AIは即日〜数週間、院内基盤型は1ヶ月以上が目安です。GaiXer Medical Agentは1ヶ月〜1ヶ月半を公表しています。画像診断支援AIは検査機器との接続確認が必要なため、機器の更新計画とあわせて逆算してください。

    まとめ

    医療用AIは、まず「薬事承認を受けたプログラム医療機器」なのか「業務支援ツール」なのかを切り分けることから始まります。診断の補助に使いたいのか、業務時間を減らしたいのかで、選ぶべき製品はまったく変わります。

    そのうえで、以下の4タイプから自院に当てはまるものを見極めてください。

    • 検査画像の見落としを減らしたい場合 → 画像診断・読影支援型
    • 受付・問診の負担を減らしたい場合 → 問診・受付AI型
    • 日々のカルテ入力の時間を減らしたい場合 → カルテ・医療文書作成型
    • 病院全体の文書業務と情報検索を効率化したい場合 → 院内業務・臨床支援AI型

    費用面では、月額料金だけで比較せず、電子カルテ接続費用とAI出力の確認工数まで含めた実質コストで判断することが重要です。自院の月間文書件数と1件あたりの作成時間を先に実測しておくと、投資回収の説明がしやすくなります。

    まだ診断ツールを試していない方は、ぜひ「医療用AI16選一覧比較表」の下にある診断ツールから、自院に合うタイプを確認してみてください。

    既製のサービスでは自院の運用に合わない場合、AIを独自に開発するという選択肢もあります。開発を外注する場合の費用感を知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

    関連記事:AI・人工知能開発会社20選比較!外注先の選び方と相場。

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