11のセールスコンテンツの役割 | Cone-os ナレッジ

コンテンツセールスの進め方

02 11のセールスコンテンツの役割

営業担当による成果のばらつきを防ぐために、フォロー業務を人のスキルに任せるのではなく「見込み顧客が知りたい情報別に資料コンテンツを作成し、知りたいタイミングで送付する」コンテンツセールス。

最適な情報を統一されたフォーマットで伝えることができるため、人による成果のブレや追いかけ漏れを防ぐことができます。

その「適切なコンテンツを、適切なタイミングで」見込み顧客に届けて成果を上げる、という考え方のもとで、営業活動の検討プロセスすべてのフェーズごとに必要な資料を揃えていくと11の資料が必要になります。

紹介するBtoBセールスが用意するべき11の資料は以下のとおりです。

揃えていく順序は以下のとおりです。対面接点(商談)から改善して、不足しているコンテンツの制作を進めていきます。

商談を獲得するための資料

まずは、インサイドセールスなどが活用する商談を獲得するための資料です。

サービス紹介資料(送付用)

制作できるメンバーが限られている場合は、ダウンロード用の資料と同じものでも良いですが、余裕があれば「送付用」に調整されたサービス紹介資料を用意しましょう。

「送付用」とは、見込み顧客ごとに都度カスタマイズした資料のことです。たとえば、人材紹介業界の担当者の資料請求が発生したら、事例ページを人材紹介企業の事例に変更し、見込み顧客用に調整したサービス紹介資料を送付します。

業界別・課題別 サービス紹介資料

上記の送付用のサービス紹介資料は、ダウンロード用のサービス紹介資料を少し調整したものになりますが、この「業界別・課題別 サービス紹介資料」は、構成からガラッとその業界・課題別に変更したもののことを指します。

サービス紹介資料(送付用)の構成例業界別 サービス紹介資料の構成例
・サービス概要
・〇〇が解決する課題
・サービスの特徴
・事例(人材紹介業界の事例に変更)
・サービス概要(人材紹介業界用)
・人材紹介業界における△△の課題
・人材紹介業界における△△の原因
・〇〇の解決方法(人材紹介業界用)
・サービスの特徴人材紹介業界の支援事例

上記のように、特定の顧客セグメントに特化した資料構成になります(※ 利用方法や機能が多く解決策がイメージしづらいSaaSなどのプロダクトでこの資料を作成すると効果があります)。

ただ、作成しても使わないといったケースも有り得るため、リード情報を多数保有していて、特定の業界やニーズのターゲットに絞り込んで顧客拡大したいといった営業戦略がある場合に着手することをおすすめします。

業界別・課題別 事例集

同様に、業界別・課題別に事例ページを蓄積していき、それをひとつにまとめた資料のことです。フォローする顧客の業界や課題に合わせて適切な事例集を送付することで、商談化が期待できます。

サービス紹介資料よりも、より検討に近い(スコアが高い)見込み顧客に送付するものになります。

商談「中」に活用する資料

次は、商談中に投影して活用する資料です。

営業資料

商談中に見込み顧客に見せながらディスカッションする営業資料は大きく3種類あります。

1.アウトバウンド営業資料

未接点の企業にアプローチをして獲得した最初のアポイントで活用する営業資料です。商談相手は自社商材への興味度合いや検討度合いが低い場合があるため、最初に「実績」や「会社概要」などの信頼性の高いページを用意する必要があります。

また「商談相手の課題を深堀り、自社サービスで解決できるかもしれない」と思ってもらうことが重要なので、通常のサービス紹介資料と比較して「課題を示唆するページ」や「ヒアリングを実施するページ」が必要になります。

参考記事:営業資料の作り方と必須4ページ。構成やデザインも解説(テンプレート付)

2.インバウンド営業資料

サービスページからの問い合わせや資料請求から、アポイントが設定されたときに利用する資料です。この資料が「ダウンロードしたサービス紹介資料と同じ」ものになっているケースをよく見ますが、それでは見込み顧客側に発見がありません。

せっかくアポイントが獲得できたのに「すでに知っていることだった」という商談になってしまう状況を防ぐためにも、ヒアリングに特化した構成にするようにしましょう。

参考記事:全101ページにおよぶ、c-slideのインバウンド特化型営業資料を徹底解説

3.提案資料

最後に提案資料です。これは一次商談で受注にならない「リードタイムが長い商材」の場合必要になる資料です。

上記アウトバウンド営業資料やインバウンド営業資料は「1対N」のどの見込み顧客に対しても同じ説明・ヒアリングをする資料でしたが、その一次商談でヒアリングした内容を踏まえて、提案内容を作り込み、その見込み顧客のために(1対1)持っていくための資料がこの提案資料です。

参考記事:提案書の書き方を解説!伝わる構成やデザインもご紹介(テンプレート付)

潜在課題 事例資料

潜在課題 事例資料とは「今後、発生するかもしれない課題を示唆、解決策を提示」するための資料のことです。かんたんにはアップセル・クロスセルのための資料ということ。

「この発注 or 契約後に、“おそらく”このような課題が出てくるので、弊社はこのような解決策を持っていますよ」ということを説明する資料になります。次の図は「貴社と同じようなクライアントは、このような経路をたどって弊社を活用していますよ」と示したスライドです。

受注がほぼ確定している確認段階や、ほかの決裁者が商談に出てきた際に活用することでアップセル・クロスセルが期待できます。

業界別・課題別 営業資料

こちらは、業界別・課題別 サービス紹介資料でも解説したのと同様、それの営業資料verです。通常の営業資料ではなく、業界や課題に応じて個別で資料を作成し、活用することで特定の業界・課題の受注率向上が期待できます。

商談「後」で活用する資料

商談後に、検討を前に進め受注を手繰り寄せる資料が「社内検討用資料」と「課題解決用資料」のふたつです。

社内検討用資料

一次商談でも二次提案でも、その商談後すぐに送付し、見込み顧客側の社内稟議で活用してもらうための資料のことです。これも、営業資料と考え方は同じで、商談で活用した資料をそのまま送付してしまうと、発見がありません。

社内検討用資料には、

  • 商談で見込み顧客からもらった質問とその回答
  • 商談中に話していたプランに絞ったシミュレーションや今後の進め方
  • 見込み顧客に合わせた事例の追加
  • 自社サービスを検討するにあたって必要な情報や知識の提供

などのページを、商談中に活用した資料に差し込んだものを送付しましょう。比較検討勝率の向上が期待できます。

参考記事:商談後の送付で比較検討の勝率が上がる「社内検討用資料」とは? 挿入必須の4スライドも解説

課題解決用資料

社内検討用資料は「検討を進めようとしている顧客」向けに作成します。しかし、そもそも検討してくれているかどうかわからない場合もあります。その場合は、顧客が抱えている課題をサービスではなく「お役立ち情報」で解決できるように情報をまとめた「課題解決用資料」を送付します。

たとえば、そもそもどうやって検討を進めれば良いのかわからないという顧客もいるかもしれません。その場合は「検討の進め方」というコンテンツを。

ほかには、たとえば弊社の場合だと「営業資料でつくってほしいスライドを用意するのに時間がかかる」というお客様に、営業資料の骨子をイメージできるように「訴求点の整理方法と資料構成への落とし込み方」という方法を資料にまとめて送付しています。

参考記事:顧客フォロー業務(後追い営業)とは?受注率UPの3つの方法とメール例文

受注・契約後に活用する資料

最後に、受注・契約後に継続してクライアントと連絡を取る営業担当やカスタマーサクセス部が活用する資料です。

キックオフ資料

比較的リードタイムの長いBtoBビジネスでは、導入前後で担当者が異なる場合があるため、導入後に認識の「ズレ」が生じる可能性があります。キックオフミーティングで「認識のすり合わせ」「期待値の調整」「コミットメント向上」ができ、成果を出せば、単発商材ではリピート獲得、月額商材では解約率低下につながります。そのキックオフミーティングで利用するのがキックオフ資料です。

  • 導入の目的と現状について
  • 推進体制の構築
  • スケジュールの決定

 などの決定事項をクライアントとともに決定し、ネクストアクションを決めて両社で実行していくことで「放ったらかし」状態を防ぐことができます。

参考記事:LTV向上に役立つキックオフ資料の作り方・使い方

定例ミーティング資料 / 振り返りミーティング資料(納品資料)

定例ミーティング資料とは、月額サービスや、高単価SaaSなどのサポートとして実施する定例ミーティングの際に活用する資料。レポートの報告や、改善のためのディスカッションを記録していくために活用し、解約率の低下を図ります。

一方で、振り返りミーティング資料とは、単発のサービスやコンサルティングサービスの場合に活用する資料です。コンサルティングなら支援終了時、単発サービスなら一度納品してから「〇〇ヵ月後」などに日付を設定し、ミーティングを実施。数ヵ月後にともに成果を確認し合い、成果が出ていてクライアントの満足度が高ければ、このミーティングと資料を起点に追加発注などが期待できます。

継続提案資料

最後に継続提案資料です。前回まで(契約期間中)のプロジェクト内容を整理し、次回のプロジェクトの提案を実施することが目的です。単発のサービスの場合は、追加発注の営業資料という認識でさらなる提案を持っていくための資料となります。

高単価SaaSなどは契約期間の終了前にクライアントとミーティングを設定し、これまでの成果数値の振り返りと更新以降の改善提案を持っていくための資料。クライアントに成果を再認識してもらい、今後のさらなる成果を期待してもらうことで、解約防止を図ります。