オウンドメディアからのコンバージョン最大化手法。ホワイトペーパーとの掛け算とは? | Coneのコンテンツ制作所

オウンドメディアからのコンバージョン最大化手法。ホワイトペーパーとの掛け算とは?

代表 / マーケター / デザイナー 佐藤 立樹

オウンドメディアの運用をしていてある程度アクセスは集まるようになったものの、問い合わせにつながらない・資料がダウンロードされないといった「オウンドメディア第二の壁」コンバージョン面でお悩みの方も少なくないと思います。

実際に、弊社Coneの本オウンドメディアも月間10万PVに達したところで同じように「アクセスは増えたのに事業貢献していないな」と感じた期間がありましたが、2種類の解決策を実施したことで大幅に改善することができました。

そこで本記事では、アクセスが増えてきたオウンドメディアがどのようにコンバージョン率を上げていくのか、増やしていくのかといったコンバージョン最大化の方法について解説していこうと思います。

そもそもアクセスが増えないといったアクセス面でお悩みの方は以下記事をご覧いただくか、弊社Coneが運営する記事作成代行サービス「c-blog」にお気軽にご相談ください。

関連記事:オウンドメディア運用マップ。成果を出すまでの3フェーズ別にポイント解説

オウンドメディアからの2種類のコンバージョンとCVR

コンバージョン率をどのように改善していくのかという手法の話をする前に、まずは「オウンドメディアのコンバージョン」とは何を指しているのか、という定義の話から始めようと思います。

オウンドメディアが成果を上げるためのコンバージョンには以下の2つの種類があります。

  • 1:間接コンバージョン
  • 2:直接コンバージョン

1:間接コンバージョン

間接コンバージョンとは、

  1. オウンドメディアの記事を読む
  2. サービスサイトでサービスについて知る
  3. お問い合わせ・資料DLフォームを送信する

と、まずはサービスサイトに誘導してから、サービスサイトからお問い合わせやサービス紹介資料のダウンロードが発生するという流れです。

間接コンバージョンは、サービスサイトに一度訪問してもらうので、サービス内容を詳しく知ってもらったうえでの商談につながりやすいコンバージョンが発生するという特徴があります。

一方で、サービスサイトを一度経由する「コンバージョンまでのステップが増える」ため、コンバージョン率が低くなるのがデメリット。コンバージョン率の相場は0.1%程度です。

2:直接コンバージョン

直接コンバージョンとは、

  1. オウンドメディアの記事を読む
  2. 資料DLフォームを送信する

と、オウンドメディアの記事から直接資料ダウンロードフォームを送信してもらうことで、コンバージョン発生という流れです。

直接コンバージョンは、記事内で資料について言及し、次の画面ですぐにダウンロードができるため、コンバージョン率が高いのが特徴です。コンバージョン率の相場は1%程度。

上図では、資料ダウンロードリンクを置いていますが、実際は「記事内にフォームを埋め込む」形式のほうがコンバージョン率は高くなります

しかし、サービスを詳しく知るステップがないため、商談から遠いリードの獲得になってしまうというデメリットがあります。

実際、弊社Coneのメディアも以下の通り「間接コンバージョン」よりも「直接コンバージョン」のほうがコンバージョン数が多くなっています。

  • サービスサイトでの問い合わせ(間接CV):約10件
  • オウンドメディア上での資料DL(直接CV):約10〜20件

オウンドメディアからコンバージョンを増やす方法

では、ここからはそのコンバージョン数を増加させて、オウンドメディアをリード獲得チャネルとして機能させる2つの方法を紹介していきます。

先程紹介した「2種類のコンバージョンをどうやって増やすのか」に焦点を当てます。本記事を読んでくれている方で、1つ前の見出しを読み飛ばしてしまった方は戻ってしっかり読み直していただけると理解が深まると思います。

間接コンバージョンを増やす

まずは間接コンバージョンを増やす方法です。復習ですが、間接コンバージョンの流れは、以下のとおりでした。

  1. オウンドメディアの記事を読む
  2. サービスサイトでサービスについて知る
  3. お問い合わせ・資料DLフォームを送信する

つまり、コンバージョンを獲得するには「記事からのサービスサイトへの流入数」が変数になります。

記事からのサービスサイト流入数を増やす最も簡単な方法はCTAを最適箇所に配置していくことです。記事内に1つしかサービスサイトURLがない場合と、記事内に10個URLが配置されている記事では、もちろん後者のほうがサービスサイト流入数が多くなります。

次項ではそのCTAの設置方法について詳しく見ていきます。

直接コンバージョンを増やす

次に直接コンバージョンを増やす方法です。直接コンバージョンが発生する流れは以下のとおりです。

  1. オウンドメディアの記事を読む
  2. 資料DLフォームを送信する

記事からの資料ダウンロード数を伸ばす上で重要なことは「読者の心情を理解すること」です。急に「メンタル面かよ」と思うかもしれませんが本当なのです。

例えば、本記事を読んでくださっているあなたは「オウンドメディアのコンバージョン率を上げたい」と思って読み進めていると思います。本文を読んでいている中で「オウンドメディア運用代行10選」のようなホワイトペーパーが出てきてもダウンロードしようと思いませんよね

つまりはそういうことで、読者が次に気になることをホワイトペーパーの内容に内包して、CVポイントとして記事内に設置する必要があるのです。

次項ではそのホワイトペーパーの置き方と作り方について詳しく見ていきます。

1:サービスサイトへの流入を増やす(CTAを増やす)

まずは「間接コンバージョン」を増やすための最重要変数「サービスサイト流入数」を増やす方法です。サービスサイトへの流入数を増やすために鍵となるのがサービスサイトへのCTAです。

そのCTAですが、記事の最後に「サービスサイトはこちら」「お問い合わせはこちら」というリンクを設置しているメディアを多く見ます。しかし、それだけでは不十分なのです。

記事の最後の「まとめ」まで読む読者は非常に少ないのです。離脱率を測るヒートマップを確認してもかならずといっていいほど2桁を割ります。

そのため記事の最後にだけCTAを置いていると、途中で離脱した読者にサービスサイトへの誘導ができていない・その機会を逃している、ということになります。

そこで、弊社Coneがおすすめする3つのCTAの置き場所と、置いた後の改善施策について説明します。

リード文に設置する

まずはCTAをリード文に設置すること。

記事の冒頭、目次の前に、メディアの紹介と関連サービスのCTAを設置します。記事を読む前に、読者に「運営企業の〇〇はこんなサービスを運営していますよ」と自社サービスのPRを行います。

目的としては、途中で離脱する前に自社サービスを認知してもらうことですが、意外と「すでにサービスを探している層」も存在するため、この最初の場所にCTAを設置するだけでも効果が出る場合があります。

サイドバーに設置する

2つ目はサイドバーに、バナー形式でサービスサイトへのリンクを設置するというもの。リード文中などの「テキスト形式」であれば読み飛ばされて認知されない可能性もあります。

そのため、記事を読んでいる最中にも常に視界に入るように、本文とは別の場所に視覚情報としてのCTAを設置することで、CTAを認知する確率を上げることができます。

文脈上最適な場所に最適なCTAを設置する

最後は本文中にCTAを設置する方法。これを最後の「まとめ」や「最後に」だけに設置する企業が多いのですが、その数を文中で増やしていくイメージです。

記事の内容と関連性の高い箇所に、事例紹介や関連資料へのリンクなどを設置します。

例えば、【営業資料 作り方】の記事内に「商談後にスライドを数枚差し替えることで受注率が上がる」といった情報の下に『そのスライドを差し替えて受注率を向上させた事例があります』と自社の支援事例記事URLを設置するなど、して次に気になるであろうことをCTAとして設置するわけです。

コンバージョンが取れる記事を増やす

上記3つの最低限の置き場所にCTAを設置できたら、次にやるべきことは「計測」です。すでにコンバージョンを獲得できている記事を特定し、さらに注力するという戦略です。

ある記事から、サービスサイトへの流入が多かった場合、その記事はコンバージョンに貢献している可能性が高いと言えます。そのサービスサイト流入が多い「ある記事」を特定することができれば、以下2つのステップで流入数を増加させることができます。

  • 1:そのサービスサイト流入が多い記事からの流入数を増やす(垂直増加)
  • 2:同じような記事を執筆・公開することで同じく流入を発生させる(水平増加)

【1】の「垂直増加」は単純にサービスサイトURLを記事内に増やしましょう、というものです。サービスサイト流入が多いということは、その記事を読む人の中に、記事を読んで自分で解決したいというニーズとは別で「自分でできそうにないなら依頼してもいいかも」という顧客層が多いということです。

そのため、サービスサイト流入が多くなっている記事内にCTAを増設すると、読者の邪魔になるリスクも最小限でサービスサイト流入数を増加させることができる可能性が高くなります。

【2】の「水平増加」は同じような記事をつくれば、同じようにサービスサイト流入が増える、というものです。例えば、「営業資料 作り方」で成果が出ているのであれば、「研修資料 作り方」や「中期経営計画 作り方」といったキーワードでもサービスサイト流入が期待できる可能性がある、ということです。

弊社Coneは記事作成代行サービスを運営しており、コンバージョンが取れる記事の特定から新規記事執筆までを代行することができます。お気軽にご相談ください。
⇒ 記事作成代行サービスc-blog:サービスサイトへ

2:オウンドメディアからホワイトペーパーDLを増やす

次に「直接コンバージョン数」を増やす方法を説明します。直接コンバージョンは記事を読んでいる人に「記事の内容に沿った、次に気になるコンテンツを提供すること」でコンバージョンを獲得する手段です。

そして、その次に気になるコンテンツが「サービスに関連するもの」でないと商談につながる良いリードを獲得することができません

そのため、「記事を読む→サービス関連情報が気になる→資料をダウンロードする」を生むためのスムーズな動線を敷く必要があります。

そのコンバージョンまでのスムーズな動線の引っ張り方を紹介してきます。

CVが上がる記事を選定する

まずはホワイトペーパーのダウンロードCTAを設置する、対象となる記事を決める作業です。基準は「アクセスがある」&「依頼が来そうな」記事です。

たとえば、弊社Cone(資料作成代行サービス運営)の事例だと、以下のような特定の仕方になります。

「パワポ 比較表」「営業資料 作り方」という2つの記事が上位表示を獲得できているアクセスが稼げている記事でした。その2つだと「パワポ 比較表」はただ自社事業に関連性があるだけ(=アクセスキーワード)ですが、「営業資料 作り方」は読者が自分で解決できない場合に発注が起こる可能性がある記事(=ナーチャリングキーワード)です。

そのため、ホワイトペーパーを設置するのは「営業資料 作り方」の記事の方だということになります。

上記で少し出てきたナーチャリングキーワード・クロージングキーワードについては以下記事で言及していますのでそちらをご覧ください。

関連記事:オウンドメディア運用マップ。成果を出すまでの3フェーズ別にポイント解説

参考:

  • アクセスキーワード:ただ自社事業に関連するキーワード
  • ナーチャリングキーワード:内製でできるようになるためのキーワード
  • クロージングキーワード:サービス導入で課題解決になるキーワード

記事の文脈に合わせた資料を設置する

ホワイトペーパーを設置する記事が選定できたら、設置するホワイトペーパーを作成します。

ここでの注意点は2つあります。1つ目は「ノウハウ系をつくらない」こと。2つ目は「記事ごとに設置する資料を変える」ことです。

1つ目の「ノウハウ系をつくらないこと」から説明します。ホワイトペーパーを作成しよう、となると多くの人が作りたくなるのが「〇〇の活用方法とは?」「〇〇基礎知識ガイドブック」のようなコンテンツですよね。

しかし、そういったノウハウ系のホワイトペーパーは悲しい哉、ダウンロードされたところで、商談につながる可能性が非常に低いのです。

理由は、読者は「コンテンツの内容が知りたくてダウンロードしている」のでサービス紹介されても興味が沸かないからです。

どういった姿勢でダウンロードしてもらうのがベストなのか。

それは、「サービス導入で解決できるかもしれない」という動機でダウンロードしてもらうことです。要するにサービス紹介資料を作りましょう、という単純な答えになります。

ここから2つ目の「記事ごとに設置する資料を変える」というポイントについて、下図を用いて説明します。

記事が「営業資料 作り方」の場合、単に資料作成代行サービスのサービス紹介資料を設置するだけではなかなかダウンロード数は伸びません。

実際、弊社Coneが上記のような状況でした。そこでそのサービス紹介資料を「営業資料支援実績・作成支援フロー」という資料に変えてみたところダウンロード数が改善しました。

つまりは、読者が気になっている対象に応じてサービス紹介資料の切り口を変えましょう、ということです。

整理すると、

  • ノウハウ系は商談につながらないので作成せず、サービス紹介資料を作成
  • その設置するサービス紹介資料は、記事の文脈に応じて切り口を工夫

することで、ダウンロード数・率を改善することができるということです。

埋め込みフォームを設置する

記事内のCTAとしてホワイトペーパーが設置できたら次にできる工夫が「記事内に資料DLフォームを埋め込む」という施策です。

通常、

  • オウンドメディアの記事
  • 資料ダウンロードページでフォーム送信

と2つのステップを踏んでコンバージョンが発生します。

埋め込みフォームを活用すれば、

  • オウンドメディアの記事内でフォーム送信

とひとつのステップで完了するため、読者の手間が少なくコンバージョン率が改善します。

ホワイトペーパー(≒サービス紹介資料)を作成・設置できて、ある程度コンバージョンが発生しだしたらこういった工夫をしてみるのも良いと思います。

しかし、埋め込みフォームは記事内画面の大部分を占有してしまうため、読者の途中離脱を引き起こしてしまう可能性があるため、おすすめはリード文などの最初とまとめ部分などの最後の2箇所にとどめておくことです。

弊社Coneは記事作成代行サービスc-blogを運営しており、記事作成とともにホワイトペーパーの作成まで代行し、CV最大化を支援しています。お困りの方はお気軽にご相談ください。
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まとめ

本記事では、オウンドメディアにおけるコンバージョン最大化の方法について解説しました。主なポイントは以下の通りです。

  • まずはサービスサイト流入を増やすためにCTAを設置する
  • ノウハウ系ではなく、サービス紹介資料を記事の文脈に合わせて作成
  • 記事内に埋め込みフォームを適切に配置することでコンバージョン率を向上

以上、「サービスサイト流入を増やす」「ホワイトペーパーDLを増やす」の2つの視点でCVを最大化させることを考えてみてください。

最後に、本メディア運営企業である株式会社Coneは、オウンドメディアを含むコンテンツマーケティングの支援を行っています。

キーワード調査から記事作成、効果測定、ホワイトペーパーの制作、ナーチャリングまで、一貫したサポートを提供しています。もし、オウンドメディアの運用に課題を感じている場合は、お気軽にご相談ください。

  • 記事作成代行サービスc-blog:こちらから

代表 / マーケター / デザイナー

佐藤 立樹

立命館大学在学中に、ベンチャー2社でインターンを経験し、卒業と同時に株式会社Coneを設立。資料作成代行サービス「c-slide」を運営。リリース後1年半で支援企業300社を突破。セールス/マーケ領域の資料が得意。

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