ホワイトペーパー量産のための体制づくりとは?苦しまずに量産するための4つの解決策 | Cone-os ナレッジ

ホワイトペーパー量産のための体制づくりとは?苦しまずに量産するための4つの解決策

代表 / マーケター / デザイナー 佐藤 立樹

株式会社Cone運営の資料作成代行サービスc-slideでは、これまでに累計850社以上の資料作成を支援しており、中でも7,8割がBtoBセールス・マーケティング関連の資料となっています。自社のホワイトペーパーはもちろん、顧客のホワイトペーパーに関しても、調査・構成・作成・分析・活用と幅広い面での支援、また支援実績数以上に数多くのご相談にも対応してきました。

実際にホワイトペーパー施策が走り出した段階で課題に挙がるのが「どうやって作り続ければ いいのか」「人手が足りない」というもの。外注するのも一つの手ですが、工夫があれば内製でも月1本程度は作成可能です。その内製の体制づくりと外注する場合のポイントも解説します。

2024年9月に佐藤がITmediaマーケティングに寄稿した記事です。
※ 出典:ホワイトペーパー制作が続かない! 苦しまず量産するため、どうすればいい?

ホワイトペーパー量産のポイント

ホワイトペーパー施策に取り組む企業にとっての難関が「継続」です。多くの企業がネタ切れや、優先度が低く他の業務に圧迫されて制作が止まってしまい、結果が出ないというケースに陥ります。

弊社が資料作成代行サービスを運営する中でも「ホワイトペーパーの制作が続けられない」という相談は非常に多くなっています。クライアントとの打ち合わせや現場の把握から、制作が止まる原因を4つ見つけました。

制作が止まる4つの原因は以下です。

  • ①意識不足:他の業務の優先度>ホワイトペーパー制作の優先度により更新が遅れる、止まる
  • ②継続力不足:タスク、スケジュール管理ができておらず更新が遅れる、止まる
  • ③ネタ切れ:作成する内容が定まっていないことにより更新が遅れる、止まる
  • ④制作力不足:シンプルなリソース不足により制作が遅れる、止まる

この4つの原因をどうやって解決し、ホワイトペーパー量産体制を構築していくのか。

それぞれの課題の解決策が以下の4つ。

①:組織意思としてコストをかける

まずはホワイトペーパー施策に対する意識の低さを改善するために、社内の意識改革から始める必要があります。

本来ホワイトペーパー施策に注力する目的は以下の通りです。

  • 潜在層リードを獲得して中長期的に商談化する
  • 取りこぼしたリードを商談に引き上げる

要するに、中長期的にではあるものの「売上をつくる」動きになります。

まだ課題感の強くない見込み顧客に対して「〇〇の改善方法〜〜選」などのコンテンツ自体が顧客の役に立つホワイトペーパーを制作し自社の信頼を獲得した後、顧客の課題が強くなったタイミングで自社を想起してもらい問い合わせを獲得する。”本来は獲得できなかったかもしれない層”を獲得できるのがホワイトペーパー施策です。

また、過去商談したものの失注になってしまった顧客に対して、彼らが必要な情報をホワイトペーパー化し配信、接点を維持しておくことで失注顧客も同じように第一想起から再商談化を図ることができます。

しかし、それを社内ミーティングなどで説明しても、目的やメリットを理解していないメンバーにはいまいちピンと来ません。

この社内のコンテンツへの投資の意識不足に最も効果的な対策が「コストをかける」ことです。具体的にはマーケティング予算の1/3程度はホワイトペーパーに充てる、くらいのイメージ。どれだけミーティングで重要性を説いてもあまり効果はありませんが、この「意思決定」は嫌でも社内にインパクトを与えることになります。

②:制作フローの定型化でペースをつくる

次は、継続力不足に対するアプローチです。ホワイトペーパー制作の意識が高くても「つくる」のは難しいため、一度ペースが乱れてしまうと更新が止まってしまいます。

そこで、組織内での「ホワイトペーパー制作フロー」を定型化します。企業によってフロー内の詳細タスクは変わってくるとは思いますが、例として弊社が支援した企業に提案したフローを紹介します。

1ネタ元収集・営業担当から収集
2企画・定例ミーティングで議論
・これまでのホワイトペーパーの配信結果の分析・共有
・テーマの決定
3構成・調査・構成作成と必要情報の調査
4制作・ホワイトペーパーのデザイン制作
・ホワイトペーパー設置ページのせしアク
・メルマガ送付文章のサック性
・Facebook高校バナーの作成 など
5配信・Facebook広告やメルマガで配信

まずは、毎週同じ日に顧客と接する営業担当から「顧客が知りたがっていたこと」「顧客に相談されたこと」を集めます。そこから定例ミーティングでどんなテーマで次のホワイトペーパーを作成するのかを議論しながら決定します。その際に、これまで配信してきたホワイトペーパーのCVRなどの結果を分析したりすることで「顧客が知りたいこと」の解像度を上げて企画に磨きをかけていきます。

定例ミーティングでテーマを決定したらホワイトペーパーの構成とそれに伴うアンケート調査などが必要な場合は迅速に実施し、デザインに起こしていきます。また、ホワイトペーパー施策はバナーや設置ページなどの準備も必要になるため、制作期間は長めに設定しておくと良いです。制作が完了したら配信して、そのホワイトペーパーの成績をモニタリングしていきます。

  • ネタ元収集日:1週目の火曜日
  • 定例ミーティングでのテーマ決定:1週目の水曜日
  • 制作・準備:1週目の木曜日〜4週目の金曜日
  • 配信:次の月の1週目の月曜日

と、タスクの分解をして定型のペースをつくることで、進捗管理や分析業務が行いやすくなり効率的な制作と施策実施が可能になります

③:ネタ切れになりそうになったときの3つのヒント

一度ネタが切れてしまうとペースが乱れ更新がストップしてしまう、という経験をしたことがあるマーケティング担当者も少なくないと思います。営業担当に顧客の相談や質問からネタを集めてもらっていたとしても、ネタが切れる場合があります。

ネタ切れになりそうになったときの3つのコツを紹介します。

  • サービス紹介資料の切り出し
  • ウェビナー資料のホワイトペーパー化
  • オウンドメディアの記事内容を変換

【1】サービス紹介資料の切り出し

サービス紹介資料の事例部分を切り出して事例集としてホワイトペーパーを作成します。例えば、ターゲットがコンサル業界の場合は、自社サービスのコンサル業界の事例を集めた資料。ターゲットが競合製品との違いが気になっている場合は、競合比較表やカオスマップなどの資料。など、既存の資料からターゲットが知りたい情報のみを抽出してホワイトペーパー化します。

弊社が支援した株式会社Sales Marker様では、サービス紹介資料の事例部分を展開して既存リードの掘り起こしとFacebook広告に活用するなど、スピーディな制作を実現しています。

出典:資料作成代行サービスc-slide「マーケティングコンテンツ大量生産による商談数増加」

【2】ウェビナー資料のホワイトペーパー化

過去に開催した獲得したいターゲット向けのウェビナー資料をホワイトペーパー用に調整します。ウェビナー資料は「見る・聞く」用の構成で、ホワイトペーパーは「読む」用の構成にする必要がありますが、ウェビナーはすでに「顧客が知りたがっていること」が内容になっているためテーマ出しとしては最適です。ウェビナー中に出た質問と回答などをホワイトペーパーに追加すると、ウェビナーを受講した方にも有効なコンテンツになります。

Sales Marker様の支援中にも、ウェビナー資料を大量にホワイトペーパー化し、再利用することで効率良くマーケティング施策として機能しています。

出典:資料作成代行サービスc-slide「マーケティングコンテンツ大量生産による商談数増加」

【3】オウンドメディアの記事内容を変換

ウェビナーを数多く開催していない企業もあると思います。その場合はオウンドメディアで公開している記事をホワイトペーパー化します。ターゲット向けの記事があれば、その内容を膨らませてホワイトペーパー化することができます。

弊社が支援したメグリ株式会社様では、公開済みの記事の内容をホワイトペーパー化。メルマガで配信し、ホットリード化した顧客に対してアプローチをかけることで商談化する、という流れを小さい制作工数で実現しています。

出典:資料作成代行サービスc-slide「記事からのホワイトペーパー制作体制を確立し、スムーズな施策実施を実現。」

④:ホワイトペーパーはフォーマット化しておくことで制作スピードを上げる

最後に、制作リソース不足にいかにして対処するのかについて紹介します。まずは会社の資料全体のフォーマットを統一しておくことが、制作スピード向上には絶対条件です。

資料ごとにフォーマットが統一されていなければ、資料内の要素の使いまわしができず毎回ホワイトペーパーを作り直す必要が生じます。しかし、資料の大枠のデザインや要素がシンプルなデザインで統一されていると、一から制作する必要がなく、各資料の要素をコピー&ペーストするだけで資料が完成するため、制作時間を短縮することができます。

また、ホワイトペーパーは30P内の5〜10P弱の冒頭やサービス紹介部分は毎回同じものを使い回す、などもできるためフォーマットを整えておくことは非常に有効です。

ホワイトペーパーの基本構成は以下の通り。

セクション目安ページ数詳細
表紙1pホワイトペーパーのタイトル
はじめに1p内容の概略や読むメリットを記載
コンテンツ(中身)10-20pダウンロードする顧客が知りたいこと
サービス紹介3-5p自社サービスや自社の紹介
CTA1p次のアクションの提示

また、上記基本構成を踏まえたホワイトペーパーのテンプレートを下記記事よりダウンロードできるため、そのまま編集してご利用ください。

→ 参考記事:ホワイトペーパーの作り方5ステップと基本構成(テンプレート付)

とはいえ、制作段階は時間がかかる工程ですので「制作のみ」外注を依頼してみるのも良いと思います。

前編・後編と2つの記事でホワイトペーパーの基本的な考え方と使い方、続け方について解説してきました。本連載がマーケターの疑問や課題を解決できるヒントになることを願っています。

代表 / マーケター / デザイナー

佐藤 立樹

立命館大学在学中に、ベンチャー2社でインターンを経験し、卒業と同時に株式会社Coneを設立。資料作成代行サービス「c-slide」を運営。リリース後1年半で支援企業300社を突破。セールス/マーケ領域の資料が得意。

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