WordPressとCMSの違いは?他社CMS4社との比較もご紹介!
自社メディアやホームページを作る際に耳にするのが「WordPress」や「CMS」です。
Webサイトの運営に関わったことがあれば、一度は聞いたことがある単語ですよね。ただし、解説を読んでもなかなか理解できない方が多いのではないでしょうか?
この記事では、
- WordPressやCMSとは何か?
- なぜWordPressは人気なのか?
- 他にどんなCMSがあって、どんな人におすすめか?
について分かりやすく解説していきますので、ぜひCMS選びの参考にしてください。
目次
WordPressとCMSの違いは?
まず最初に知っておきたいのは、WordPressはCMSの1種だということです。CMSは、ウェブサイトを管理するシステムのことで、WordPressはその中の1つにあたります。
CMS | ウェブサイトのコンテンツ(テキストや画像、デザインなど)を、 作成、編集、管理できるソフトウェアの名称 |
WordPress | CMSの1種。CMSの中で最も有名かつ人気のシステム |
CMSを身近なもので例えると、スマートフォンが分かりやすいかもしれません。スマホにも「iPhone」や「Galaxy」、「Google Pixel」など様々なデバイスが存在しますよね。
「WordPress」はスマホでいう「iPhone」的な位置づけになると考えてください。
CMSとは?わかりやすく解説
ブログやホームページを管理するシステムと解説しましたが、具体的にどんなことができるシステムなのでしょうか?
まずは以下の画像をご覧いただけるとイメージしやすいかもしれません。
こちらは、この記事の編集画面(WordPress)です。なんとMicrosoftの「Word」や「PowerPoint」などと同じような感覚で、Webページを作ることができるんですね。
CMSを使えば、このように直感的な操作でページを作成して公開できます。作成した記事は一覧で確認できますし、編集や削除なども簡単に行えます。
もし、CMSを導入していなければ、Webページを作成するのに、HTMLやCSS、JavaScriptなどのプログラミング言語を使って、以下のように書く必要があります。
これはエンジニアしかできませんし、更新・管理が非常に大変になりますよね。このようなWebページの作成・更新を誰でも可能にする機能を「CMS」が提供しています。
WordPressとは?
世界で最も有名な「CMS」です。どれくらい有名かというと、日本語を利用しているサイトの約8割が「WordPress」を利用するほどです。
WordPressは、ブログとしての利用イメージが強いですが、今はコーポレートサイトやニュースメディア、サービスサイトなど、あらゆるシーンで導入されています。
なぜこんなにも人気なのか?その特徴について解説していきます。
WordPressがCMSで人気な理由4つ
WordPressは、なぜこんなにも人気なのでしょうか?
一言でいうと、コストパフォーマンスが非常に高いからです。その具体的な理由を4つ順番に解説していきます。
- 無料で利用できる
- インターネット上に情報が豊富
- カスタマイズ性が高い
- 導入が簡単
無料で利用できる
WordPressを選ぶ最も大きな利点は、無料で利用できるオープンソースのソフトウェアであることです。
オープンソースとは
ソースコードを無償で公開しており、再使用や改変、再配布できるソフトウェアのこと
CMSの利用に関するコストがかからないので、初期費用をかけたくない個人や中小企業にとっては、非常に大きなメリットですよね。
ただし、サイト構築にあたって、サーバーやドメイン代、テンプレート料金は発生するので、0円でサイトを運営できる訳ではありません。仮に無料テーマを利用した場合でも、最低月額1000円程度はコストがかかることを覚えておきましょう。
インターネット上に情報が豊富
WordPressはシェア率が高く、利用ユーザーが多いため、チュートリアルやトラブルシューティングなど、様々な情報がインターネット上に集まっています。
もし操作方法などで困っても、ブログやYouTubeなどで簡単に解決方法を見つけることができるんですね。
また、サイト運営経験者であれば、大抵の場合WordPressを利用したことがあります。よって、ライターを雇ったり、社内の担当者が変わったとしても、本格的に教育する必要がないんですね。
仮に教育するとしても、分かりやすい操作方法がWeb上に転がっているので、そちらを見せれば社内でマニュアルを用意する手間も省けます。
カスタマイズ性が高い
無料のソフトウェアなら自由度が低いのでは?と思いますよね。実は、WordPressのカスタマイズ性は非常に高いです。逆にできないことを探す方が難しいかもしれません。
WordPressは単体ではなく、テーマ(テンプレート)やプラグインと呼ばれる拡張機能を使ってサイトを構築しています。このテーマやプラグインを組み合わせることで、ありとあらゆるWebサイトを構築できるようになっています。
テーマ | Webサイトの大まかなデザインと機能を持つテンプレート |
プラグイン | 機能を部分的に拡張できるツール 例)お問い合わせフォームを表示する など |
そのため、プログラマーじゃなくても、プラグインを追加するだけで機能を拡張できるんですね。
また、WordPressはシェア率の高さ故に、どのWeb制作会社にも依頼しやすいのも大きなメリットです。
導入が簡単
WordPressは、サーバーのインストールも非常に簡単です。今では、レンタルサーバーにWordPressの簡単インストール機能が備わっているので、1クリックで導入できるほどの手軽さです。
もともとWordPressをインストールするには、公式サイトからファイルをインストールして、自分でサーバーにインストールする必要がありました。
エックスサーバー等のレンタルサーバーを利用すれば、この手間を省けますので、初めての方は簡単インストールに対応しているサーバーを選ぶといいかもしれません。
簡単インストールに対応してないサーバーを選んだ場合は、自分でサーバーに設置する必要があります。
WordPressのデメリット3つ
ここまでWordPressの利点を解説してきましたが、いくつかデメリットも存在します。これらのデメリットが気になる方は別のCMSを利用することをオススメします。
- セキュリティの不安
- サポートが存在しない
- 表示速度が遅い
セキュリティの不安
CMSにWordPressを採用しない最も大きな理由がセキュリティへの不安です。ただ、これはWordPress自体がセキュリティに弱いという訳ではありません。
WordPress以外にもオープンソースのソフトウェアは、誰でもそのシステムの中身を閲覧できてしまいます。それにより、システムの脆弱な部分をハッカー達はいつでも見れるわけです。
これがセキュリティに弱いと呼ばれる所以なんですね。この対策として、WordPressは定期的にアップデートしますし、セキュリティを高めるプラグインなども用意されています。
それでも不安な方や、特に重要な顧客情報などを必要とする会員サイトなどは、他のCMSを選んだ方がよいでしょう。
サポートが存在しない
WordPressは世界中の人がボランティアで作成しているCMSになります。そのため、何かトラブルが起きた時の電話サポート等は存在しません。
もしトラブルが起きた際には、Web上の情報を探して自力で対応する形になります。(社内にエンジニアがいれば対応可能)
ただし、このトラブルは、WordPress本体というより、利用しているテーマやプラグインに起因するケースがほとんどです。
有料のテーマやプラグインを利用している場合は、サポートが存在するので、そちらを頼るとよいかもしれません。不安な方は、日本製のテーマを利用するとよいでしょう。
表示速度が遅い
WordPressは、Webページを動的に処理して表示する仕様となっています。(CMSの設定や表示タイミング等によって処理する内容が異なるため)
そのため、HTMLを使った静的なWebサイトよりも表示速度は遅い傾向にあります。
この対策としては、WordPressのプラグインで画像の軽量化やコード圧縮などを行うことで改善できますが、CMSとしての機能が必要ない場合は、必ずしもWordPressを導入する必要はないでしょう。
WordPress以外のCMSを4つご紹介
一般的なサイトを制作するにあたって、WordPressで大きな問題はありません。しかし、セキュリティやサポート面に関する不安が気になる方も多いでしょう。
そこで、WordPress以外に人気のCMSを4つご紹介します。基本的に費用がかかりますが、安心してお使いいただけるものを用意したので、ぜひ参考にしてください。
Shopify | 世界シェア2位 ネットショップに特化したクラウド型CMS |
Wix | 世界シェア3位 汎用的に使えるクラウド型CMS |
MovableType | パッケージ型CMSで国内導入シェア1位 |
Jimdo | 手軽に始めれるクラウド型CMS |
Shopify
WordPressの次にシェアの高く、ネットショップの作成に特化したCMSです。今は国内人気も上がってきており、利用しているサイトは増えている状況です。
ShopifyもWordPressと同じように豊富なデザインテーマが用意されているので、比較的簡単に構築やカスタマイズが可能となっています。
WordPressには、ネットショップに必要な機能が備わっていません。実装するにもプラグインを利用する必要があるため、ECサイトを構築したい方には非常にオススメです。
用途 | ECサイト |
タイプ | クラウド型 |
サポート | ライブチャット(24時間) |
費用 | 月額3650円〜 |
Wix
世界で3番目に使われているCMSです。WordPressと違って、ユーザーがドラッグ&ドロップで直感的にコンテンツを配置できるのが大きな特徴です。
一応、無料で使えますが、成約が多いため、有料プランでの利用が前提となります。
また、WordPressよりもセキュリティは強いですが、SEOに弱く、高度なカスタマイズには向いていないという短所もあります。
用途 | Webサイト全般 |
タイプ | クラウド型 |
サポート | メールサポート(24時間) |
費用 | 無料利用可能 有料プラン:月額1200円〜 |
MovableType
商用パッケージCMSで2015年から国内導入シェア1位を誇るCMSです。日本人向けに作られたCMSのため、管理画面がシンプルで分かりやすいと定評があります。
月額費用が必要なため、WordPressよりもコストがかかりますが、セキュリティやサポート面が充実しているので、安心して運用したい方には最適です。
また、WordPressと異なり、オリジナルデザイン前提で作成するのも特徴の1つです。
用途 | Webサイト全般 |
タイプ | パッケージ型 |
サポート | メールサポート |
費用 | 月額5,500円〜 |
Jimdo
ドイツのウェブサイト作成サービスです。Wixのように直感的な操作でサイトを作成できます。専門的な知識がなくても作れるので、初心者でも扱いやすい特徴があります。
ただし、高度なカスタマイズには不向きなので、比較的規模の小さいサイトをスピーディに作成するのに向いています。無料で利用できますが、独自ドメインで運用するためには、有料プランに移行する必要があります。
用途 | Webサイト全般 |
タイプ | クラウド型 |
サポート | メールサポート(平日: 10:00-18:00) |
費用 | 無料利用可能 有料プラン:月額990円〜 |
WordPressには2種類あるので注意
ここまで様々なCMSをご紹介しましたが、実はWordPressには「WordPress.org」と「WordPress.com」の2種類が存在することを覚えておいてください。
WordPress.org | WordPress.com |
---|---|
無料 | 無料(有料プランあり) |
サポート無し | サポート有り |
インストール型 | クラウド型 |
一般的にWordPressと呼ばれるのは「WordPress.org」のことです。(この記事で取り上げているのも「WordPress.org」です)
WordPress.comは、「Wix」や「Jimdo」と同じようにクラウド型で動作します。独自ドメインを利用するためには、有料プランに移行する点も非常に似ていますね。
また、国内で販売されている有料テンプレートの大半が「WordPress.com」に対応していないので、ご注意ください。
まとめ
WordPressとCMSの関係性や様々な種類について解説しました。
一般的なWebサイトをコストを抑えて構築するのであれば、WordPressを導入すれば間違いないでしょう。(後から機能を追加して育てやすいため)
メリット | デメリット |
---|---|
・無料で利用できる ・インターネット上に情報が豊富 ・カスタマイズ性が高い ・導入が簡単 | ・セキュリティの不安 ・サポートが存在しない ・表示速度が遅い |
逆にネットショップや顧客情報を扱うような会員サイトを作成するのであれば、WordPress以外のCMSを利用するのもオススメです。
Shopify | ネットショップに特化したクラウド型CMS |
Wix | 汎用的に使えるクラウド型CMS |
MovableType | 汎用的に使えるパッケージ型CMS |
Jimdo | 手軽に始めれるクラウド型CMS |
個人的には、ネットショップ等のECサイト以外であれば、WordPressで十分対応できると考えています。あとは社内の要件に応じて決めるとよいですね。