【テンプレート付】スプレッドシートを用いたタスク管理表の使い方を解説 | Cone-os ナレッジ

【テンプレート付】スプレッドシートを用いたタスク管理表の使い方を解説

取締役 COO / デザイナー 湯淺春樹

個人においてもチームにおいても、効率的に仕事を進めて生産性を高めるには、やるべきタスクを管理し期日までに確実に実行することが大切です。

しかし、「タスクをどう管理すればいいかわからない」「エクセルやスプレッドシートで管理したいけど構築ができない」と感じられている方も多いのではないでしょうか。

本記事ではタスク管理のテンプレートをもとに、タスク管理の方法についてご紹介します。無料で活用いただける、以下のスプレッドシートを見ながら読み進めていただければと思います。

  • 【個人向け】タスク管理シート_テンプレートこちらから
  • 【チーム向け】タスク管理シート_テンプレートこちらから

※本テンプレートでは編集ができないため、実際に活用する場合は左上の「ファイル」タブから「コピーを作成」してご利用ください。

タスク管理とは?

そもそもタスクという英語を直訳すると「作業」「課題」「仕事」という意味であり、ビジネスにおいては「個々が行う最小単位の作業」のことを指します。タスク管理とは、この”タスク = 最小単位の作業”を可視化したうえで、確実に実行できるよう期日や想定される工数を管理することです。

ここではタスク管理の基本を理解できるよう、タスク管理の役割について、似た言葉の「プロジェクト管理」との違いについて解説します。

タスク管理の役割

タスク管理を行う大きな目的は「期日までに確実にタスクを実行するため」です。この目的を達成するために、タスク管理は以下の3つの項目を可視化する役割を担っています。

  1. 実行するべき”タスク”
  2. 完了させるべき”期日”
  3. 実行時に想定される”工数”

そもそも実行するべきタスクを可視化できていない場合、確実なタスク実行ができない可能性が高まる上に、期日を可視化できていないと対応遅れが生じる可能性もあります。

また、想定される工数を可視化できていなければ、3時間で完了すると思っていたタスクに5時間かけてしまい「他のタスクが実行できない・期日に遅れてしまう」といった事態を招いてしまいます。

タスク管理はこれらのリスクを低減するため、「タスク」「期日」「工数」を可視化する役割を担っています。

プロジェクト管理との違い

タスク管理に似た言葉で「プロジェクト管理」があります。プロジェクトという言葉を直訳すると「計画」という意味であり、ビジネスにおいては「何かしらの目的を達成するための大きな計画」のことを指します。

このプロジェクトには、最小単位の作業である”タスク”が複数包括されています。基本的にプロジェクトは複数メンバーによって構成されているため、プロジェクトを実行するためには各メンバーのタスクを期日までに確実に実行することが重要になります。

そのため「プロジェクト管理」は、「各メンバーのタスクと期日」を管理するためのものであり、” プロジェクト管理 = チーム全体のタスク管理”と捉えていただくと理解しやすいです。

タスク管理(個人のタスク管理)で実現できること

タスク管理によって「タスク」「期日」「工数」を可視化することで、以下の3つを実現することができます。

  1. タスク漏れの防止
  2. 期日までの確実なタスク実行
  3. タスクの優先順位付け

① タスク漏れの防止

他メンバーから依頼されたタスクを失念していて期日までに実行できなかった経験がある方も多いのではないでしょうか。対応策として依頼された時にノートや付箋、PC内にメモに残したりする方も多いと思いますが、常に目に触れる箇所に集約してなければ忘れてしまう可能性も高まります。

タスク管理を通して「実行するべきタスク」を同一箇所に一元集約・可視化することで、別タスクの確認・完了時に都度認識することができ、タスク漏れの防止に繋がります。

② 期日までの確実なタスク実行

また、依頼されたすべてのタスクを期日までに終わらせることばかりに集中してしまい、気づけば残業が続いてしまう、、必死に取り組んだものの期日に間に合わなかった、、という経験がある方も多いのではないでしょうか。

このように、タスクの工数を把握せずにタスクだけを実行していると、自身が対応できるキャパシティを超えてしまう可能性が高まります。このような事態を避けるために、タスク管理で「各タスクの工数」を可視化することで、自身のキャパシティに対して期日までに対応可能かの判断ができるようになります。

もし、依頼された期日までの対応が難しいと感じた場合は、あらかじめリソースが空いている他メンバーに協力を依頼したり、依頼者へ期日を伸ばせるかを相談するなどの対策を講じることができ、期日までの確実なタスク実行が実現できます。

③ タスクの優先順位付け

タスク管理で「工数」を可視化し、自身のキャパシティと照らし合わせることでタスクの優先順位付けも実現することができます。

自分の1日の工数キャパシティが「8時間」にも関わらず、洗い出した1日のタスクが10時間だとすべてのタスクに対応することはできません。

この場合、期日を軸にタスクの優先順位を付け、期日が遠いタスクから明日以降のタスクに調整することで、想定工数を自身の1日のキャパシティ内に収めることができます。

タスク管理を通して各タスクの工数を可視化・把握し、自分のキャパシティ内にタスクを収めようとすると、必然的に優先順位を付けざるを得ない状況になります。

プロジェクト管理(チームのタスク管理)で実現できること

プロジェクト管理は個人のタスク管理ではなく、チームのタスク管理の役割を担っているため、リスト形式ではなくガントチャート形式で管理を行います。ガントチャートを用いて「各メンバーのタスク」と「各タスクの進捗」を可視化することで以下の2つを実現することができます。

  1. 進捗確認の工数削減
  2. プロジェクトの進行遅れの防止

① 進捗確認の工数削減

チームのタスク管理は、各メンバーが並行して実行するタスクが多いため、個人に比べて各タスクの進捗を管理することが難しくなります。関わる人数が2~3名の場合は各メンバーにタスクの進捗を都度確認しても大した工数にはなりませんが、5名以上が関わる場合は都度確認することは大きな負担になってしまいます。

プロジェクト管理を行い、各メンバーのタスクと進捗を可視化・一元管理することで、都度メンバーに確認する必要がなくなり、進捗の確認工数を削減することができます。

② プロジェクトの進行遅れの防止

複数メンバーでプロジェクトを進めていると、あるメンバーの対応漏れや体調不良などによる対応遅れによってプロジェクト全体の進行が遅くなることもあり得ます。

プロジェクト管理で事前に全体のタスクの洗い出しを行っておくことで、あるメンバーの対応漏れや対応遅れが生じた場合でも、他タスクの期日の調整や着手の順番の調整でプロジェクトの進行遅れを防ぐことができます。

【無料テンプレート】タスク管理スプレッドシート

個人向け、チーム向けに分けてタスク管理シートのテンプレートを用意しましたので、以下スプレッドシートにアクセスしてご活用ください。

  • 【個人向け】タスク管理シート_テンプレートこちらから
  • 【チーム向け】タスク管理シート_テンプレートこちらから

※本テンプレートでは編集ができないため、活用する場合は左上の「ファイル」タブから「コピーを作成」してご利用ください。

ここでは、個人向けのタスク管理、チーム向けのタスク管理で必要な項目についてご紹介します。

【個人向け】タスク管理シート(To Doリスト)

個人向けタスク管理シートで記載するべき内容は以下の項目です。

タスク実行予定のタスクを記載
タスクジャンル「営業」「制作」など、各タスクのジャンルを記載
期日タスクを終わらせるべき期日を記載
実施予定日タスクを実施する予定の日にちを記載
想定工数1つのタスクを完了させるまでに要するであろう時間を記載
完了有無実施完了後は「済」に変更

To Doリストのようなイメージでタスクを記載し、期日や実施予定日、想定工数を明記します。各タスクの完了有無も記載することで、視覚的に残りのタスクの数を認識することができます。

【チーム向け】タスク管理シート(ガントチャート)

チーム向けタスク管理シートで記載するべき内容は以下の項目です。

プロジェクト開始日プロジェクト全体の開始日を記載(ガントチャートの始点)
プロジェクト終了日プロジェクト全体の終了予定日を記載(ガントチャートの終点)
タスク実行予定のタスクを記載
タスクジャンル「デザイン」「開発」など、各タスクのジャンルを記載
担当者各タスクを実行するプロジェクトメンバー名を記載
着手日各タスクの着手日を記載
完了予定日各タスクの完了予定日を記載
進捗状況進捗を可視化できるよう、「作業中」「調整中」「完了」から選択

チーム向けのタスク管理シートでは、プロジェクト全体の進捗を管理することが重要なため、各タスクの進捗状況をしっかりと記載するようにしましょう。期日までに対応できているかどうかの把握ができるよう、チーム全体への周知を徹底して活用しましょう。

【個人向け】タスク管理シートの使い方

先ほどアクセスいただいたテンプレートをもとに、個人向けタスク管理シートの使い方について解説します。

1. 日付の設定

まずはシート右上の日付を指定してください。ここで記載した日付をもとに「工数管理状況」の日付が表示されます。

「工数管理状況」欄では2週間分の工数状況が表示される仕様になっています。工数状況を週次で把握するためにも、記載する日付は月曜日の日付を記載するのがよいでしょう。

2. タスクジャンルの設定

次に各タスクに紐づくタスクジャンルの選択を可能にするため、画面左上の「ジャンル」にタスクジャンルを記載してください。B5からB13までに記載した項目が、B16以降のタスク記載欄のジャンル部分で選択することができるようになります。

タスク記載時にジャンルを設定しておくことで、左上で「各ジャンルの総工数」「全体工数に占める割合」を可視化することができます。

全体工数に対する各ジャンルの割合可視化することで、例えば「営業」をミッションとしている人が、資料作成などの「制作」に多くの時間を割いている場合は「制作」のタスクを積極的に減らし、コア業務である「営業」に工数を割ける状況を作るなどの対策を打つことが可能になります。

3. タスク・期日の記載

タスクジャンルの設定が終われば、実行するべきタスクと期日を記載していきます。各ジャンルの工数割合を可視化するために、タスク記入後はジャンルの記載も忘れずに行いましょう。

4. 想定工数・実施予定日の記載

タスクと期日を設定した後は、想定工数と実施予定日を記載していきます。

想定工数は基本的に「2時間」以内に収まる形で設定しましょう。タスクは工数が大きいほど着手するハードルが高まります。着手ハードルが高まるとどうしても後回しになってしまうので、期日までに確実に実行するためにも2時間以上かかりそうなタスクは、さらにタスクを細分化して記載するようにしましょう。

実施予定日は、直近のタスクを瞬時に理解することができるよう、「当日は赤色」「翌日はオレンジ色」で表示される仕様になっています。

想定工数と実施予定日を記載すれば、「工数管理状況」に自動的に合計工数が反映されます。合計した工数が個人のキャパシティを超えないよう、各日の合計工数が「10時間」を超える場合は赤字で記載される仕様になっています。

実施予定日の設定の際は、合計工数がキャパシティを超えていないかを確認しながら設定するようにしましょう。赤字で記載されるキャパシティを変更したい場合は、以下のように「条件付き書式」から変更することが可能です。

5. 実施有無・工数着地の記載

実施予定日にタスクを実行し、完了すれば実施有無を「済」に変更します。「済」に変更されたタスクは自動的にグレーアウトする仕様になっているため、残タスクを可視化することができます。

また、「タスクを完了するまでに何時間かかったか」も記載するようにしましょう。誰でも最初から各タスクの工数を狂いなく設定することはできません。想定工数の設定精度を高めるために「想定」と「着地」を記録し、次週以降の工数設定に活かすようにしてください。

6. 重要タスク・定常タスク・将来タスクの記載

また、必須ではありませんが「重要タスク」「定常タスク」「将来タスク」の3つのタスクを記載できる欄を設けています。

重要タスク実施予定タスクの中でも優先順位高く着手するべきタスクを記載
定常タスク毎日行うタスクや毎週行うタスクを記載
将来タスク期日が決定していないタスクや中長期で実施予定のタスクを記載

想定よりも早くタスクが完了してリソースが余っている場合は「重要タスク」内のタスクを優先的に着手してみるとよいでしょう。また、ヌケモレがないようにルーティン業務を「定常タスク」に記載したり、期日のないタスクは忘れてしまいがちなので「将来タスク」に記載したり、メモのようなイメージで活用すると効果的です。

【チーム向け】タスク管理シートの使い方

先ほどアクセスいただいたテンプレートをもとに、チーム向けタスク管理シートの使い方についても解説します。

1. プロジェクト名・開始日・終了日の記載

まずはプロジェクト名とプロジェクト開始日、終了予定日を記載してください。

プロジェクトの開始日はガントチャートの始点となり、終了予定日はガントチャートの終点となります。プロジェクト進行時に終了予定日の変更等が合った場合は忘れずに「終了日」を変更するようにしましょう。

2. タスクとタスクジャンルを記載

プロジェクトを推し進めるために必要なタスクを洗い出し、タスク欄に記載してください。各タスクがどの工程のタスクに当たるのかを把握するためにも、タスクジャンルは忘れずに記載するようにしましょう。

3. 各タスクの担当者・着手日・完了予定日を記載

タスクの記載が完了すれば、各タスクの担当者を設定してください。また、各タスクの着手日を設定することで指定の日付が塗りつぶしされます。完了予定日まで設定すると、タスクごとに色付けがされるため、スケジュールを視覚的に把握することができます。

4. 各タスクの進捗状況を記載

各タスクに着手した後は進捗状況を記載してください。状況を「完了」にすると該当するタスクがグレーアウトする仕様になっています。

デフォルトで「作業中」「調整中」「完了」の3つを設定してますが、より詳細の進捗を管理したい、項目を変えたい場合は以下のように「編集ボタン」をクリックすると変更が可能です。

スプレッドシートでタスク管理を行う際の3つのコツ

タスク管理の目的は「期日までに確実にタスクを実行すること」です。ここでは、タスク管理表をより効果的に活用し、タスク管理の目的の達成に近づくための3つのコツを紹介します。

  1. ゴールから逆算してタスクに落とし込む
  2. 工数が2時間以内に収まるまでタスクを細分化する
  3. 実施しながら想定工数の精度を高める

① ゴールから逆算してタスクに落とし込む

何事も目の前のことに集中しすぎると「手段の目的化」が生じてしまいます。タスクも同様に、常に目的・ゴールを意識することができていなければ「タスクを消化することが目的」になってしまいがちです。

このような事態を避けるために、タスク設定時は必ずゴールから逆算してタスクに落とし込むようにしましょう。例えば「営業資料の改善」というタスクの場合、以下のようにゴールから逆算して「営業資料の改善」タスクを設定するようにしましょう。

② 工数が2時間以内に収まるまでタスクを細分化する

先述の通り、タスクは工数が大きいほど着手するハードルが高まり、ハードルが高いタスクは後回しになってしまいがちです。このような事態を避け、期日までに確実にタスク実行できるように各タスクの工数が2時間以内に収まるように細分化しましょう。

先程の「営業資料の改善」タスクの場合、以下のようにタスクを細分化することができます。

このように2時間以内に収まるようにタスクを細分化することでタスク管理を行いやすくなる上に、各タスクの着手ハードルを下げることができるため、期日までの確実なタスク実行を実現しやすくなります。

③ 実施しながら想定工数の精度を高める

タスク管理の始めたては誰しも工数を想定するのは難しく感じます。最初から完璧な工数想定をする必要はなく、想定工数と工数着地の乖離を記録しながら「仮説 → 検証」の確認を行うようにしましょう。

この確認を繰り返し、想定工数のズレが生じにくくなれば、他メンバーからタスクを依頼された際にその場でタスクを実施できるか否かの判断を行うことができるようになります。

おまけ|ルーティン業務のタスク管理術

日次や週次で行う定常業務(ルーティン業務)のタスク管理を行う場合、タスク管理表ではなくツールを活用した方が効率的にタスクを実行することができます。

ルーティン業務のタスク管理には「formwork」というステップフォーム式タスク実行ツールがおすすめです。ルーティン業務のフローに基づいてステップ形式でワークフローを作成し、ステップごとに期日と担当者を設定するだけで利用することができます。

引用:formwork

ルーティン業務の流れをステップ式のフォームに

まずはGoogleフォームのような感覚で、普段の業務の流れをもとにステップ形式のワークフローを作成します。フォームの回答項目はもちろん、文章や画像を挿入することもできるため、具体的な手順や視覚的な説明もステップの中で完結することが可能です。

担当者・期日を決めて実行

ワークフローが完成した後は、各ステップの担当者とタスクの期日を設定するだけで完了です。期日が迫ると担当者に自動で通知されるため、「あのタスクどうなった?」などのコミュニケーションも不要です。

また、タスク実行時はステップ内の説明に沿ってフォーム送信・完了するだけなので、タスクに関わる各メンバーに説明することなく実行することができます。

カンバン方式でタスク進捗を可視化

また、管理画面から各ワークフローのタスク進捗をカンバン方式で確認することができます。タスク進捗はフォームのステップが完了されると自動でボードが動くため、手動で動かす必要はありません。

このように「formwork」を活用することで、ルーティン業務の確実なタスク実行と進捗管理を実現することができます。

まとめ

本記事ではタスク管理の役割からプロジェクト管理との違い、個人向けタスク管理で必要な項目、チーム向けタスク管理で必要な項目について解説しました。

ここまでタスク管理表のテンプレートにアクセスせずに読み進めた方は以下からスプレッドシートにアクセスが可能です。

  • 【個人向け】タスク管理シート_テンプレートこちらから
  • 【チーム向け】タスク管理シート_テンプレートこちらから

※本テンプレートでは編集ができないため、実際に活用する場合は左上の「ファイル」タブから「コピーを作成」してご利用ください。

本テンプレートを用いてタスク管理を行う際は以下の3つのポイントを意識して実施しましょう。

  1. ゴールから逆算してタスクに落とし込む
  2. 工数が2時間以内に収まるまでタスクを細分化する
  3. 実施しながら想定工数の精度を高める

タスク管理は期日までの確実なタスク実行を実現するだけではなく、各タスクの無理のないスケジューリングやタスクの優先順位付けにも役立ちます。

本記事が少しでもみなさんのタスク管理に役立てばうれしく思います。

取締役 COO / デザイナー

湯淺春樹

映像制作会社にて法人営業やディレクター、広告運用を経験した後、株式会社オリエンタルランドにて商品販売管理を経験。2021年に株式会社CONEの取締役/COOに就任し、資料作成代行サービス「c-slide」を立ち上げ、リリース1年で200社以上の企業の資料作成を支援。