SEO記事の構成・原稿・管理のテンプレートを公開。使い方と活用方法まで解説

「読者にとって価値のあるコンテンツ」とは何かを言語化することはできますか?
正解は、記事を読む前と読んだ後で、読者の「できること」に変化を生み出すものです。つまり、読者が抱える疑問や課題を解消し、「できなかった」ことを「できるようになった」状態へと導く記事が本当に価値のあるコンテンツと言えるでしょう。
しかし、現在上位表示されている記事を読んでも「できるようになった!」と言えるものは少ないと思います。
そこで本記事では、「読者にとって価値のあるコンテンツ」を生み出すための手順や、それぞれの手順で使用できる3つの無料テンプレートの具体的な使い方を解説します。
「これからSEO記事作成を始める方」はもちろん、「記事作成の効率を上げたいと考えている方」や「読者に本当に役立つ記事を作成したい方」にもおすすめの内容となっているので、ぜひ最後までご覧ください。
弊社Coneでは、記事作成代行サービス「c-blog」を運営しています。記事作成でお困りの際はお気軽にご相談ください。
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目次
記事作成の基本的な手順
SEO記事を作成する際には、「読者にとって価値のあるコンテンツ」を体系立てて届けることが何より重要です。そのためには、思いつきだけで原稿を書き始めるのではなく、次のような手順に沿って進めて行きましょう。
ここでは、記事作成の基本的な手順を解説します。
- ゴールを設定する(差分を明確にする)
- 記事の構成を立てる
- 原稿を書く
- 記事を管理する
※ それぞれのテンプレートの紹介・使い方については、次章以降で詳しく解説します。
1. ゴールを設定する(差分を明確にする)
記事作成で最初に行うべきことは、「読者が記事を読んだあとに何ができるようになっているか」という“ゴール”を明確にすることです。
これを私たちは「差分」と呼んでいます。

差分とは、読者が記事を読む「前」と「後」で、できること・理解できることにどんな変化があったかを示すものです。
たとえば、「卵焼き 作り方」と検索する人は、卵焼きをうまく作れない・作り方を知らない状態にあります。そんな人に向けて、卵焼きの手順を丁寧に紹介する記事があれば、読んだ後には「卵焼きが作れるようになった」という変化が起きます。
このとき生まれた「できなかった」ことが「できるようになった」その変化こそが、「差分」ということになります。
この差分を見つけるためには、「競合調査」「KW調査」「ユーザー調査」が必要になります。
手段 | 目的 | |
---|---|---|
競合記事の分析 | 上記10記事を確認する | 読者の想定リテラシーを把握する |
KW分析 | ツールを使用し関連KWを洗い出す | 読者の想定ニーズを導き出す |
ユーザー調査 | 実際に聞く・見に行く | 想定ではなく、「読者が本当に求めていること」を探す |
この差分の考え方が整っていないと目的がブレるため、良い構成を作ることはできません。
2. 記事の構成を立てる
差分が決まったら、いよいよ記事の構成を考えていきます。ここで多くの人がやりがちなのが、いきなりH2・H3レベルまで細かく構成を作り始めることです。
一見効率的に見えるこの方法ですが、実は全体の流れを見失いやすく、結果として時間がかかる原因にもなります。構成をつくるときに最初にやるべきことは、ざっくりとした記事全体の流れを整理することです。
なので、まずは「構成の構成を作る」ということから始めましょう。
たとえば、以下のようなことを整理します。
- 差分を埋めるために、どんな情報が必要か?
- どんな順番で伝えると読者にとって自然か?
この段階では、まだ細かい見出しや内容まで決める必要はありません。あくまで「読者にとってわかりやすい流れ」を先に考えることが目的です。
実際のテンプレートでは、簡易版構成作成欄を設けています。記事全体の流れが整理できたら、次に詳細な構成(H2・H3など)を作っていきます。
この段階でようやく、
- どの見出しで何を伝えるのか
- 各セクションに何を盛り込むか
といった内容を詰めていきます。
ちなみに、詳細構成を作っていく中で、最初に考えた簡易構成の流れが変わることもあります。それはむしろ自然なことで、入れたい情報が明確になることで構成が最適化されたというサインです。
構成を立てるときは、いきなり詳細に入らず、まずは全体の流れ(構成の構成)をつくる → 詳細化するという2段階のステップを意識しましょう。これにより、読者にとって自然な流れの記事が作れるだけでなく、執筆の効率も大きく上がります。
最後にタイトルをつけます。タイトルのポイントは
- タイトルが、記事内容の要約になっているようにする
- タイトルが見きれないように、28文字〜35文字程度でおさめる
- 左側に対策キーワードを入れる
- 単純に読みたくなるタイトルか?を確認する
です。
記事構成の立て方の詳細は以下の記事にて詳しく解説しているので、気になる方は合わせてご覧ください。
関連記事:SEO記事構成の作り方12ステップ完全版。テンプレート・チェックリスト付
「記事構成シートテンプレート」の使い方を先に確認した方は、以下のリンクをクリックすると確認できます。
「記事構成シートテンプレート」の使い方までジャンプ
3. 原稿を書く
構成シートが完成したら、実際に原稿を書いていきます。原稿執筆に使うドキュメントツールはGoogleドキュメントを利用する方が多いと思いますが、Notionの方が公開時の記事の見た目と近い形で原稿を執筆することができるため、弊社ではNotionを使用しています。
原稿を執筆する際のポイントは以下の記事にて詳しく解説しているので、気になる方は参考にしてみてください。
関連記事:最高の記事コンテンツは「指」単位の行動まで書いてくれている。
関連記事:SEO記事作成で「オリジナリティ」を出す5つの方法
原稿を書き終えたら、以下の項目で原稿をチェックしましょう。
- 構成シートの「内容・備考」に記載している内容は記載しているか
- 差分は満たせているか
- 競合記事では満たせていないニーズは満たせているか
- 各種キーワードを見出し(h2,3,4)に適切に入れられているか
- オリジナリティは出せているか
また、文章だけの記事になってないかも注意すべきです。読者は意外と文章を読んでいません。
なので、以下のポイントも確認しましょう。
- 適切な箇所にボールドをつけているか
- 並列情報などは箇条書きや表を使用しているか
- 適宜図解や画像などのキャプチャを使用しているか
特に、表やキャプチャは画面占有率が多いため、1~2スクロールごとに入れることで読者の手を止めさせることができます。
「原稿テンプレート」の使い方を先に確認した方は、以下のリンクをクリックすると確認できます。
「原稿テンプレート」の使い方までジャンプ
しかし、伝えたいことを図解することは簡単ではありません。
そこで弊社では以下でパワーポイントのデザイン集を用意しています。お困りの際は参考にしてみてください。
また、パワーポイントで使用できる素材集も販売しているので、図解作成を効率化したい方はご活用ください。

4. 記事を管理する
最後に、文章の校閲だったり、齟齬がないかどうかを確認してWordPressに入れて公開します。
公開後に記事のリライト(順位を上げるために内容やタイトルをブラッシュアップすること)がしやすいように、「対策キーワード」「構成担当者」「原稿担当者」などをスプレッドシートに整理しておきます。
記事管理スプレッドシートは、もちろんご自身で作成することも可能ですが、弊社が普段使用しているものをテンプレートとしてを用意していますので、ステータス等は自社用にカスタマイズしてご活用ください。
「記事管理シート」の使い方を先に確認した方は、以下のリンクをクリックすると確認できます。
「記事管理シート」の使い方までジャンプ
構成テンプレートの使い方 & ダウンロード
構成テンプレートの中身は以下になります。
- 競合調査
- KW分析(KW = キーワード)
- ユーザー調査
- 構成作成
この流れで情報を埋めていくだけで適切な構成を立てることができます。

以下では使い方を詳しく解説していきます。
構成の立て方をより詳しく確認したい方は以下の記事にて同様のテンプレートを使用しながら解説しています。気になる方はご覧ください。
関連記事:SEO記事構成の作り方12ステップ完全版。テンプレート・チェックリスト付
1. 競合調査

まずは現状上位表示されている競合の記事を確認し、「読者のリテラシー」を把握します。普段使用している検索エンジンで対象のキーワードを検索してください。
検索上位記事を5〜10記事ほど読み、それぞれの記事で気になった見出し(自社記事の参考となる見出し)をB列の「順位」ごとにそれぞれ抽出していきます。
見出しが全て出せたら、「どんな人がどんな情報を求めているのか」という想定の読者リテラシーを考えましょう。

テンプレートのデフォルトでは、「営業資料 作り方」というKWで作成した例が入っているので、参考にしてみてください。
2. KW分析

「想定の読者リテラシー」が出せたら、次に記事内に入れ込むべきキーワードを洗い出します。ここで確認するキーワードは以下になります。
サジェストキーワード | Googleなどの検索窓に入力した際に自動で表示される関連候補キーワード |
再検索キーワード | ユーザーが最初の検索後に、情報が足りず改めて検索し直す際に使うキーワード |
競合獲得キーワード | 競合他社が上位表示や集客に成功しているキーワード |
このキーワードはGogleなどの検索エンジンだけでも出すことはできますが、このテンプレートでは効率化するためにそれぞれツールを使用して抜き出します。

それぞれURLを用意してるので、クリックするとツールへ移動します。以下ではそれぞれのツールの使い方や、テンプレートへの反映方法を解説します。
2-1 サジェストキーワード|ラッコキーワード

まずはサジェストキーワードを見つけるために「ラッコキーワード」を活用します。検索窓に対象のキーワードを入力し検索します。(今回は「営業資料」で検索)

検索をかけると上記のようにサジェストキーワード一覧が出てきます。この出てきたキーワードを全てドラックで選択してコピーします。

コピーができたら構成シートに戻り、D列の「キーワード」の下にペーストします。
2-2 再検索キーワード|再検索キーワード調査ツール【LSIキーワード】

再検索キーワードは柏崎剛氏が開発したツールで検索をかけます。まず「調査するキーワード」に該当するキーワードを入力します。
次に「パスワード」ですが、画面を下にスクロールするとパスワードの記載元が載っているので、リンクをクリックすることで確認することができます。

Twitter(X)で確認すると以下のようなツイートを確認することができます。

ここの最新パスワード部分をコピーし、ツールのパスワードにペーストして検索をかけます。
検索し画面を下にスクロールすると以下のような「再検索キーワードの重複調査」というのが出てきます。

この部分の「全キーワードコピー」というオレンジのボタンをクリックします。

コピーができたら、構成シートへ戻り「F9」のセルにペーストします。
2-3 競合獲得キーワード|ruri-co

最後に競合の記事が獲得しているキーワードを検索します。検索窓に対象のキーワードを入力し検索をかけてください。検索すると以下のような画面が出てきます。

ここで主に確認するのは「キーワード」「検索ボリューム」「類似率」の3つです。それぞれの説明は別の記事で詳しく解説しているので、気になる方はご自身で調べてみてください。
ここでは「類似率」が50%までの「キーワード」と「検索ボリューム」をコピーしてください。

コピーができたら構成シートの「I10」のセルにペーストします。
2-4 キーワードを選定する

上記3つのキーワードが出せたら、記事で対策するキーワード候補を「キーワード(黄色)」に抽出します。例えば、「出現回数が多いキーワード」や「使用できそうなキーワード」などを選定します。
2-5 キーワードから想定される読者ニーズを洗い出す

上記で抽出したキーワード候補から考えられる読者のニーズを作成します。こちらも構成シート内にデフォルトで入っているので参考にしてみてください。
3. ユーザー調査

次にユーザー調査を行います。先ほどはキーワードから想定されるニーズを洗い出しましたが、キーワードから読者ニーズを予測するのには限界があります。単語だけで人の本当の悩みを見抜くのは難しく、予測は外れることも多いからです。
だからこそ、「予測」に頼るだけでなく、「実際に話を聞いて確かめる」ことが大切です。例えば、過去の読者や顧客にインタビューして、当時どんな悩みや課題があったかを直接聞くといったことを行うことで、本当のニーズを掴むことができます。
もしインタビューが難しい場合は、以下のような代替手段も有効です。
- お問い合わせフォームの内容を確認する
- アンケート・調査サービスを使って聞いてみる
- SNSで回答を募る投稿をする
- クラウドソーシングで意見を集める
- 他社事例記事から読者の悩みを探る
こうした工夫で、無理なく「真実のニーズ」に近づくことができます。なので、ここではこうした調査で得た事実をもとに「読者に提供すべき情報」を記入してください。
4. 構成作成

最後に構成を立てていきます。画面右の黄色い部分にはこれまでのシートで設定した「リテラシー」「ニーズ」「キーワード候補」が自動で反映されます。

これらの情報をもとにまずは「上記を達成するための情報」を洗い出します。

次に上段で解説した「構成の構成」を作成し、完成したら画面右の詳細な構成を作成していきます。

ここではH2やH3の見出しはもちろん、中身に入れる情報やCTA / CVポイントも整理することができます。構成が全て立てれたらシートの一番右には確認用のチェックリストも用意してるのでご活用ください。

構成作成時に活用できるこのテンプレート(スプレッドシート)は、以下URLから無料でDL / コピーできますので、ご自由にご利用ください。

原稿テンプレートの使い方 & ダウンロード

おそらく、多くの方は原稿の執筆をGoogleドキュメントで作成すると思いますが、弊社ではNotionの使用を推奨しています。なぜなら、Notionの方が公開時の記事の見た目と近い形で原稿を執筆することができるため、公開後のイメージがつきやすいという特徴があります。

Notionの原稿テンプレートは以下から「複製」して利用することができます。
必ず自社のNotionにコピーしてから作成してください。
原稿の書き方に関しては、以下の記事にて詳しく解説しているので、気になる方は合わせてご覧ください
関連記事:SEO記事の原稿の書き方5法則。仕組みさえわかれば誰でもわかりやすい文章がかける
記事管理シートの使い方 & ダウンロード

執筆・公開した記事はスプレッドシートにまとめて管理しましょう。今回用意したテンプレート内には「キーワード」や「検索vol」はもちろん、担当者や構成・原稿のリンクを挿入できる欄も用意しているため、事細かく記事単位で管理することができます。
もし不要な場合は削除するなり名前を変えるなど、カスタマイズして使用できるようにしてるので、ご自身にあった管理ができます。
記事管理シートは以下から使用できます。
必ず自社のGoogleドライブにコピーを作成して使用してください。
良い記事の書くためのポイント
ここまで「記事作成の手順」や「テンプレート」について解説してきました。これで記事を書けるようにはなったかと思います。最後に、「良い記事にするためのポイント」について説明します。
ポイントは以下2つです。
- ネットに落ちていない情報を入れる
- 「保存」したいと思う内容を入れる
ネットに落ちていない情報を入れる
記事を書くときは「オリジナリティを出しましょう」と言われることが多いと思います。しかし、読者はオリジナリティを求めているわけではなく、「〇〇できるようになる」ことを記事に求めているだけなので、無理やりオリジナリティっぽいことを入れても良い記事にはなりません。
なぜ自社独自のオリジナリティが必要だ!と言われるかというと、現状の上位記事では「読者が〇〇できるようになっていない」からです。
読者が〇〇できるようになるために、どんな情報が必要なのかを考えたときに「Web上に落ちていない自社にしかない情報」が”結果的に”必要になります。
読者のニーズを満たすための、情報や経験(ノウハウ)が自社内にないかを探してみましょう。自社にしかないものが見つかればそれが「ネットに落ちていない情報」となります。
「保存」したいと思う内容を入れる
読者が保存(ブックマーク)したいと思う内容を記事内に入れ込むのも効果的です。たとえば、本記事でも採用している「〇〇のテンプレート」が該当します。
保存したいと思うような内容は「シェアがされやすく」「再度訪問されやすい」コンテンツになります。そのため、普通の記事に比べてアクセス数が多くなり記事の評価があがりやすくなります。
土台となる考え方はこちらも同じで、読者は〇〇できるようになる記事を求めているため、テンプレートやチェックリストは「真似すればできるようになる」コンテンツが評価されやすくなるのも頷けるはずです。
まとめ
この記事では記事の手順やそれぞれの手順で使用できるテンプレートについて解説してきました。
- ゴールを設定する(差分を明確にする)
- 記事の構成を立てる
- 原稿を書く
- 記事を管理する
それぞれのテンプレートは以下のNotionにまとめています。
⇒ 記事執筆テンプレート
弊社Coneでは、実際に上記の流れでテンプレートを使用し記事を作成しています。この方法でオウンドメディアを運営しています。2023年に運用を開始し、現在(2025年7月時点)では月間73,000を超える自然検索トラフィックと、15万人以上の訪問者を安定的に集めるメディアへと成長しています。
そこから毎月30件以上の問い合わせにつながっており、営業活動の主軸を担う存在となっています。

実際に記事の中身を見ていただくと、読者のニーズをしっかりと捉えて自社にしかない情報を出しているのがよくわかると思います。
良い記事を書くためのポイントは以下の2つです。
- ネットに落ちていない情報を入れる
- 「保存」したいと思う内容を入れる
どんな記事にも共通することなので、これを意識するだけで読者に刺さる良い記事を作成することができるでしょう。
弊社Coneでは記事作成代行サービス「c-blog」の運営も行っています。構成の作成や原稿の作成はもちろん、キーワード設計などの戦略の部分からCTAなどのCV設計までまるっと対応しています。記事作成でお困りの際はお気軽にご相談ください。
