WordPressでCRM(顧客管理)を実現する方法。無料プラグインやツールも解説 | Cone-os ナレッジ

WordPressでCRM(顧客管理)を実現する方法。無料プラグインやツールも解説

Coneの中の人

WordPressを使ってサービスサイトやメディアを運営したものの、「みんなどうやって顧客を管理しているの?」とお悩みの方が多いのではないでしょうか?

当記事では、WordPressで顧客管理を行う上でありがちな以下について解説していきます。

  • WordPressで顧客管理を実現するには?
  • 一般的に普及している方法は?
  • どんなプラグインを使っているの?
  • 無料でできる方法を知りたい!

特に、最もメジャーな方法は、具体的に導入手順を解説しているので、ぜひ参考にしてください。それを踏まえた上で、あなたにとって最適な方法をお選びいただけると幸いです。

当記事では、ECサイト向けの顧客管理方法については解説しておりません。

WordPressで顧客管理を実現する方法は 2つ

WordPressで顧客管理を実現する方法は、大きく分けると以下の2つになります。簡単に表にまとめたので、あなたがどちらに属しているかをご確認ください。

プラグインを利用外部CRMサービスと連携
コスト無料
※中には有料アリ
有料
初期費用、サブスク費用など
機能少ない多い
サポートフォーラムのみメールサポートなど
※プランやサービスによって異なる
こんな人向け小〜中規模ビジネス向け
できるだけコストを抑えて
簡単に顧客管理を始めたい
中〜大規模企業向け
コストをかけてもいい
本格的な分析・管理機能が必要

上記は、大きく2つに分けた時の傾向をまとめたものです。利用するプラグインやCRMサービスによっては、例外もありますので、ご注意ください。

プラグインを利用する方法

プラグインは、WordPressサイトの機能を拡張できるツールのことです。管理画面から簡単にインストールでき、手軽に様々な機能を拡張できます。

プラグインを使う圧倒的なメリットは、「無料で使える」ところにあります。とりあえず試しに導入してみるか、が可能なんですよね。(大半が無料で、一部機能だけ有料で提供していることが多い)

ただし、機能が少ない、サポートが限定的といったリスクは存在するので、とにかくコストを抑えて簡単に始めたい、と考えている方におすすめします。

外部CRMサービスと連携する方法

こちらは外部CRMサービスを契約して、WordPressと連携する方法になります。お問い合わせフォームを例に挙げると、以下のフローがイメージしやすいかもしれません。

  1. CRMツール上でフォームを作成(埋め込みコード)
  2. WordPressサイトに埋め込みコードを貼り付け
  3. そのフォームから送信されたデータをCRMツール上で管理

安心して導入でき、機能やサポートが充実している点が、外部CRMサービスのメリットです。コストをかけれるなら、プラグインよりも外部CRMサービスを使った方が確実といえます。

WordPressで顧客管理を実現する最もメジャーな方法

それでは、WordPressサイトで簡単にできる顧客管理の方法を1つご紹介します。

今回ご紹介するのは、以下のプラグインを使った「お問い合わせ」の一元管理方法です。

Contact Form 7お問い合わせフォームの設置
Flamingoお問い合わせ内容を管理画面で管理

この2つを組み合わせることで、お問い合わせフォームの設置〜送られたデータ(顧客情報)の管理をWordPressの管理画面内で完結できるようになります。

また、この2つのプラグインを選んだのは、以下から非常に安心できると判断したためです。

  • 2つのプラグインの開発者は同じ(互換性◎)
  • 開発者は日本人
  • 日本語のドキュメントが充実している
  • どちらも有名なプラグインのため情報が多い
  • 長年アップデートを続けている

それでは実際に導入してみましょう。

Contact Form 7を導入してお問い合わせフォームを設置する

まずは「Contact Form 7」をインストールして、お問い合わせフォームを設置します。設置に必要な手順は以下になります。

  1. インストール&有効化
  2. お問い合わせフォームの作成
  3. メールの設定
  4. メッセージの設定
  5. お問い合わせフォームの設置

具体的な手順は以下の記事で解説してますので、ご覧ください。

他にもお問い合わせフォームプラグインは存在しますが、ネット上の情報量の多さや、外部CRMツールとの連携できる可能性を考慮すると、「Contact Form 7」を選ぶのが無難です。

Flamingoを導入してお問い合わせ内容を管理する

「Contact Form 7」の導入だけだと、お問い合わせ内容はメールボックスに届いて終わりです。「Flamingo」を導入すれば、届いたデータを以下のように管理画面で確認できるようになります。(メールアドレス毎の顧客リストも自動で作成されます。)

順番に設定していきましょう。

  1. インストールして「有効化」
  2. 受信メッセージの確認
  3. 注意点

インストールして有効化

プラグイン > 新規プラグインを追加の画面で、「Flamingo」と入力して検索します。

検索結果に「Flamingo」が表示されたら「今すぐインストール」を押して「有効化」を押します。

これでインストール完了です。

受信メッセージの確認

次にお問い合わせフォームから送信された内容を確認します。送信された内容は「Flamingo」を有効化していないと保存されません。

「Flamingo」を有効化した後にお問い合わせフォームを送信してみてください。その後、「Flamingo」 > 「受信メッセージ」を確認すると、送信された内容を確認できるようになります。

どのフォームからどんなお問い合わせが届いたのかを簡単に確認できます。また、件名をクリックすれば、以下のように様々なメタ情報も閲覧できます。

また、受信した内容はCSVファイルでエクスポートできますので、スプレッドシートで管理したり、データ移行する際にご利用ください。

利用する際の注意点

お問い合わせフォームのname属性(your-subject、your-name、your-email)を変更している場合は、カスタマイズしないと反映されません。

コンタクトフォーム設定の「その他の設定」で、以下のような形式でフィールドを追加してあげると、反映されるので、ぜひ試してみてください。

メールアドレスに表示させたいフィールド(例:the-email-field)
flamingo_email: “[the-email-field]”
送信者に表示させたいフィールド(例:the-name-field)
flamingo_name: “[the-name-field]”
件名に表示させたいフィールド(例:the-subject-field)
flamingo_subject: “[the-subject-field]”

また、Flamingoを利用すると、顧客データがWordPress上に保存されます。もし管理画面に侵入されると、これらのデータが流出するリスクがあるので、セキュリティ面にご注意ください。

WordPressサイト + スプレッドシートで顧客管理も可能

「Flamingo」は非常に導入が簡単ですが、プラグイン上で、顧客にステータスを割り振る、過去の情報と紐づける、メモを追加するなどの操作はできません。

WordPressの管理画面で顧客と問い合わせ情報を一元管理できるくらいしかメリットがありません。そこで、代わりによく使われるプラグインが、「CF7 Google Sheets Connector」です。

このプラグインを導入すれば、Googleアカウントと連携して、Contact Form 7お問い合わせ内容を自動でスプレッドシートに挿入できるようになります。

エクセルやスプレッドシートに慣れている方は、非常に管理しやすくなると思いますので、導入したい方は、以下の手順を参考に導入してみてください。(無料でお使いいただけます。)

  1. インストールして有効化
  2. Googleアカウントの連携
  3. スプレッドシートの準備
  4. フォームとシートを連携

インストールして有効化

プラグイン > 新規プラグインを追加の画面で、「CF7 Google Sheets Connector」と入力して検索します。

検索結果に「CF7 Google Sheets Connector」が表示されたら「今すぐインストール」を押して「有効化」を押します。

これでインストール完了です。

Googleアカウントの連携

次にプラグインとGoogleアカウントを連携していきます。プラグインインストール後は以下の画面に遷移するので、「スキップ」を押します。

以下の画面に遷移するので、「Sign in with Google」をクリックします。

Googleアカウントの選択画面に遷移するので、連携したいアカウントを選択し、ログインしてください。

ログインすると、以下の画面が表示されますので、以下2つにチェックを入れた後、「続行」を押してください。

「続行」を押すと、以下の画面に戻ってきます。コードが自動で入力されていますので、右側のボタン「Click here to Save Authentication Code」をクリックして保存しましょう。

これでGoogleアカウントとプラグインの連携は完了しました。

スプレッドシートの準備

最後にお問い合わせ内容を反映させるスプレッドシートを作成します。

連携したアカウントでスプレッドシートにログインして、新しいスプレッドシートを作成します。(タイトルは後で利用するので、分かりやすい名前にしてください。)

そして、以下のように必要なフィールド名を入力します。

dateフォームが送信された日付(共通)
timeフォームが送信された時間(共通)
your-name
your-email
your-subject
your-message
お問い合わせフォームに利用している各フィールドのname属性
your-〇〇はデフォルトのフィールド値
カスタマイズしている場合は、自分で設定した値を利用する

これでスプレッドシートを作成できました。

この画面はそのままで使うので、タブを閉じないでくださいね。

フォームとシートを連携

最後に作成したシートをフォームに連携させていきます。

連携させたいフォームの編集画面を開き、「Google Sheets」タブを開きます。すると、4つの入力欄が表示されるので、こちらを順番に埋めていきます。

Google Sheet Nameスプレッドシートのタイトル
Google Sheet IDスプレッドシートのID
URLの以下の【】部分を入力してください。
https://docs.google.com/spreadsheets/d/【ここがID】/edit?hl=ja&gid=0
Google Sheet Tab Nameスプレッドシートのタブの名前
Google Tab IDスプレッドシートのタブのID
URLの以下の【】部分を入力してください。
https://docs.google.com/spreadsheets/d/シートID/edit?hl=ja&gid=0gid=【ここがID】

この4つを入力して「保存」すると、連携は完了です。試しにお問い合わせフォームから送信してみてください。以下のように反映されていたらOKです。

この方法は、WordPressの顧客管理で非常にメジャーなやり方ですので、ぜひ真似してください。

他のCRM(顧客管理)プラグインは?選ぶ際の注意

ここまで、プラグインを使った王道の顧客管理方法について紹介しました。

もっと顧客を一元管理できる高機能なプラグインはないの?そろそろスプレッドシートから卒業したい!と思う方が多いのではないでしょうか。

残念ながら、存在するが、実用的でないものが多いのが現状です。

そもそも、高機能なCRMプラグインと言われているものは大半が外部CRMツールとの連携を前提としたものになります。これだとプラグインとして利用するメリットがほとんどありません。

入念に探せば、CRMツールとの連携がない、無料で使える高機能なプラグインがあるのかもしれません。もし探される場合は、以下のプラグインを選ぶ際に注意すべきポイントをご確認ください。

知名度が低いのはNG利用者が少ないので、情報量も少ない
様々なリスクが高い
更新されていないのはNG更新されていないと使えなくなる可能性が高い
更新がストップすると完全終了
ドキュメントがなければNGサポートが無いので、困った時はドキュメントが頼り
特に海外製プラグインはドキュメントがあるか確認
日本語対応じゃなければNG日本語に対応していないと様々な面で困る可能性が高い
英語が得意であれば問題無し

これらを満たしていれば、実用的に利用可能と判断できますので、導入を検討してみても良いでしょう。

ただし、プラグインを利用する時は、テーマとの互換性を考えなければいけません。もし、インストールして有効化した時にエラーが発生したり、サイトの表示が崩れたりした場合は、必ず利用するのをやめてください。

知名度が低いプラグインはNG

プラグインを選ぶ際、知名度が低いものを選ぶのは避けましょう。知名度が低いと、利用者も少ないので、以下のリスクが急増します。

  • 情報が少ない(操作方法やトラブル対策が分からない)
  • フォーラムへのバグの報告が少ない(トラブルが起きやすい)
  • 開発の更新が遅い(バグの対応が遅い、最悪開発終了の可能性)

プラグインを探していると、こんな高機能なものが無料で使えるの?と驚くようなものも存在します。どれだけコスパが良くても、知名度が低いと、導入後に困ることが非常に多いのでご注意ください。

知名度が高いかどうかの基準としては、検索エンジンで調べた時に日本語の情報が出てくるかどうかで考えると良いかもしれません。

更新頻度が低いプラグインはNG

最終更新日が古く、長期間アップデートされていないプラグインは避けましょう。

WordPressでサイトを運営している以上、WordPress本体やPHPのバージョンは必ず最新版にアップデートしていく必要があります。このバージョンの互換性を維持するために、プラグインも定期的に更新しなければいけません。

そのため、プラグインの更新がおろそかだと、セキュリティホールの発生に繋がったり、エラーで出て使いものにならなくなる可能性があるんですよね。

最悪の場合、更新が止まってしまい、自分で解決するしかなくなるので、更新頻度はプラグインを選定する上で必ず気をつけておきたいポイントです。

ドキュメントがないプラグインはNG

運営者のWordPressの知識や経験に左右されますが、プラグインの操作マニュアルやFAQなどのドキュメントが存在しない場合、導入を諦めた方が良いです。

設定画面だけで操作方法が分かるレベルなら問題ありませんが、高機能なプラグインだと操作方法が分からず、自力で解決できない可能性があるからです。

プラグインには基本的にサポートが存在しないため、最終的には、公式ページのフォーラムで聞くしかありません。このフォーラムも基本的には英語でやり取りが必要になりますし、必ず返ってくる保証もありません。

よって、高機能なプラグインは特に、ドキュメントがあった方が助かることが多いです。

日本語対応してないプラグインはNG

これは英語が苦手な人ほど注意してほしいのですが、操作画面が日本語に全く対応していないプラグインはできる限り避けた方が無難です。

日本語に対応していないと、この設定がどういう意味なのか?全く分かりません。また、翻訳してもどんな機能か推測できないケースもあります。

できる限り、日本人が開発しているプラグインを選ぶと、設定画面やドキュメントも日本語で確認できますし、フォーラムも日本語でやり取りできるので安心です。

また、メジャーなプラグインは、善意で日本人が翻訳を用意してくれることもあります。

本格的に運用するならCRM(顧客管理)ツールが無難

ここまで、プラグインを使って、お金をかけずに顧客を管理する方法をお伝えしました。プラグインを使うなら、スプレッドシートで管理するのが最もコストパフォーマンスが高い選択肢になります。

しかし、メールマーケティングや高度な分析機能を利用したい場合、どうしてもプラグインだけでは実現するのが難しいんですよね。

実現できたとしても、複数のサービスやツールをうまく組み合わせる必要がありますので、最初からCRMツールを導入した方が確実なんですよね。

以下はどれもフリープランがありますので、一度お試しいただき、現状の顧客管理と比較してみると良いかもしれません。

  • formrun
  • Hubspot
  • Tayori

formrun

お問い合わせフォームをツール上で作成し、WordPressサイトに埋め込んで利用できます。予約管理や資料請求、アンケートなど、様々なタイプのフォームを簡単に作成できます。

現在、フリープランが用意されており、フォーム1つ、回答数は30件、保存容量は100mbまで利用できるようです。一度お試しいただくと良いかもしれません、

Hubspot

インバウンドマーケティングに強みを持つ、オールインワン型のCRM/MAツールです。顧客管理、メールマーケティング、チャットボット、マーケティングオートメーションなど幅広く対応できる強みがあります。

こちらも無料お試しプランがあるので、操作方法など確認すると良いかもしれません。また、HubspotはConact Form 7と連携できるプラグインもあるので、移行を考えている方にも良いかもしれません。

Tayori

PR TIMESが提供する問い合わせ管理・FAQ・アンケート作成サービスです。シンプルなUIで、フォーム作成から問い合わせ対応、FAQページ作成まで一括管理が可能です。

こちらもフリープランがあり、フォーム、FAQ、アンケートをそれぞれ1つまで作成可能となっているので、ぜひ試してみてください。

まとめ

WordPressで顧客管理をする場合、選択肢は以下の2つになります。

プラグインを利用する簡単な顧客管理を無料で行いたい
外部CRMツールを利用するお金はかかるが高度な顧客管理を行いたい

とにかくコストを抑えて始めたい方は、当記事でご紹介した「Contact Form 7」を利用した方法を選ぶと良いでしょう。

使い慣れたスプレッドシートで管理できるので、簡単かつ自由度の高い管理が可能です。

逆に、この方法だと足りない方、より高度な機能が必要な方は、外部CRMツールを検討しましょう。より高度なCRMプラグインもありますが、日本のサポートが存在するCRMサービスの方が安心です。

また、フリープランが用意されているので、一度試してみて、自分の事業に合っているか、使いやすいかなどを判断してから決めるのが最も確実ですね。

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