休眠顧客掘り起こしの教科書。失敗する原因と再商談化の手順【メール例文付】
「広告での新規リード獲得が頭打ちになってきた」「過去にやり取りした見込み顧客リストが社内に大量に眠っている」
そんなBtoB営業マネージャーの方が次に検討するのが、休眠顧客の掘り起こしです。
しかし実際にやってみると、メールを送っても反応がない・電話を架けても話を聞いてもらえないなど、思ったように成果が出ないケースがほとんど。休眠顧客の掘り起こしは「やり方を間違えると、ほぼ成果が出ない難しい施策」でもあります。
本記事では、これまで弊社が実際に取り組んできた経験と、上手くいかなかった事例も含めて、休眠顧客の掘り起こしを再商談化につなげるための「失敗する原因」「再商談化の手順」「メール例文」を一気通貫で解説します。
なお、休眠顧客の掘り起こしを最も効率的に進める方法のひとつが、送付した資料の閲覧シグナルをキャッチして、興味の高まった顧客にだけアプローチすることです。弊社が提供する資料トラッキングツール「slidemate」は、この再検討シグナルの可視化を月額1万円から実現できます。記事の中でも詳しく触れますので、興味のある方はあわせてご覧ください。
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休眠顧客とは?
企業によって、書籍によって、Web記事によって、BtoC/BtoBによって、休眠顧客の定義はさまざまです。本記事での休眠顧客とは、
かつては商談や取引などのやり取りを行っていたものの、現在は活発なやり取りが行われていない見込み顧客や、かつて商品・サービスを利用してくれていたが一定期間購入・利用がない顧客のことを指します。
ただ、ひと口に「休眠顧客」といっても、その背景は2タイプに分かれます。本記事で扱う休眠顧客の範囲を明確にしておきましょう。
| 失注顧客 | 商談はしたが、受注に至らなかった顧客 |
| 離反顧客 | 一度受注・取引したが、解約・取引が途絶えた顧客 |
それぞれ「過去に何らかの接点を持っているが、現在は能動的なコミュニケーションが取れていない顧客」という共通点があります。一方で、過去の接点の濃さや残っている情報量が異なるため、後述する掘り起こしのアプローチも変わってきます。
休眠顧客の掘り起こしのリアル
休眠顧客の掘り起こしを語る前に、まずは現実を直視しておきましょう。「休眠顧客に一斉メールを送れば、まあまあ商談が獲得できるだろう」と考えているなら、その期待値は今すぐ下げてください。
実際に弊社が、休眠顧客リストに対して一斉メールを送信したときの実数値が以下です。

上記項目は、
- 購読中止した:迷惑だと思われてメール送信拒否
- バウンス:メールアドレスが変わっている(転職など)でメールが届いていない
ご覧の通り、一斉送信メールで休眠顧客からダイレクトに商談が生まれるケースは、想像よりはるかに少ないのが実態です。相手の立場になって考えてみると、一度資料請求をしただけの相手が久しぶりに連絡をしてきて、向こう都合で「商談をしたい」と言ってきたとしても、相手にしないですよね。
つまり、休眠顧客の掘り起こしは「正しい手順を踏まないとほぼ成果が出ない難易度の高い施策」だと理解した上で始める必要があります。逆に言えば、失敗する原因と正しい手順さえ押さえれば、再商談化につなげることは十分に可能です。
ここから先で、その失敗する原因と再商談化の手順を順番に解説していきます。
休眠顧客の掘り起こしが失敗する2つの原因
休眠顧客の掘り起こしがうまくいかない原因は、大きく分けて「企業側の原因」と「顧客側の原因」の2つに分けて考えると整理しやすくなります。

企業側の原因|キープインタッチができていない
最も多い失敗パターンが、休眠状態になるまでの期間に「顧客との接点(キープインタッチ)」を作れていなかったというケースです。
商談後・取引後にしばらく音沙汰がなくなり、ある日突然「お久しぶりです。最近いかがでしょうか?」と連絡が来る。これでは顧客側からすると、「都合のいいときだけ連絡してくる会社」という印象になり、信頼関係を再構築するハードルが極端に上がります。
この状態で掘り起こしを実施しても、「忘れられている」「警戒される」「面倒に感じられる」という三重苦の中で営業しなければならず、当然成果は出にくくなります。
逆に、商談後・取引後も定期的にメルマガを送り続けたり、SNSや広告で接点を持ち続けていれば、いざ掘り起こしの連絡をしても「あ、いつもメール届いている会社の人ね」と受け入れてもらいやすくなります。
顧客側の原因|体制変化・ニーズ消滅・フェーズ変化
もうひとつの大きな原因が、顧客側の状況変化です。具体的には次のような状況が代表例です。
- 社内体制が変わって、当時の担当者が異動・退職している
- 事業フェーズが変わり、当時のサービスを必要としなくなった
- 別の重要プロジェクトが立ち上がり、それどころではなくなっている
- 競合他社サービスを既に導入してしまっている
これらは企業努力でコントロールできない部分が大きく、休眠期間が長くなるほど発生確率も上がります。「休眠してから半年以上経過した顧客は、企業側の状況がそもそも変わっている可能性が高い」と想定して、掘り起こし対象を絞り込むことが重要です。
休眠顧客の掘り起こしを成功させる3ステップの手順
ここからは、休眠顧客を再商談化につなげるための具体的な手順を解説します。手順は以下の3ステップで進めます。

STEP1|休眠顧客をセグメント分けする
最初のステップは、社内の休眠顧客リストを「同じ温度感・同じニーズの顧客ごとにグループ分け」することです。これをやらずに全員に同じメールを送ると、前述の「一斉送信メールの惨状」を再現してしまいます。
セグメント分けの軸は、最低でも以下の2軸を組み合わせます。
| ステータス | 失注顧客/離反顧客/受注済み顧客 |
| 業界 | 例:IT/食品/製造/コンサル… |
| 職種・部署 | 例:営業/マーケティング/経営企画… |
| 課題 | 例:業務効率化/コスト削減/売上拡大… |
たとえば「失注 × IT業界 × 営業組織立ち上げの課題」というセグメントを作れば、そのグループ全員に響くメッセージが書きやすくなります。「失注した理由」「当時のメインの会話テーマ」もCRM・SFAに残っていれば、セグメントの精度はさらに上がります。
セグメント分けの最終ゴールは、「このグループに送るメッセージは、これでいい」と明確に言える状態にすることです。
STEP2|セグメント別にメールを配信する
セグメント分けができたら、グループごとに最適化したメールを配信していきます。ここで重要なのは、いきなり商談打診のメールを送らないこと。
ベースとなる配信の比率は、情報提供メール:サービス情報メール = 5:5 を意識します。
| 情報提供メール | ・業界トレンド ・ノウハウ記事 ・調査レポート | 「役立つ会社」だと再認識してもらう |
| サービス情報メール | ・サービス資料 ・導入事例 ・機能アップデート | 「興味があれば検討してください」の案内 |
このバランスで配信を続けることで、「いきなり商談打診される警戒感」を回避しつつ、興味を持った顧客が自然に反応してくれる導線を作れます。
配信頻度の目安は、1セグメントあたり月1〜2回。多すぎると鬱陶しがられ、少なすぎると忘れられます。配信のたびに開封・クリック・URL遷移などの行動を計測し、次のステップで使えるよう蓄積していきます。
STEP3|顧客の反応に合わせて1to1メールを送る
ここが掘り起こしで最も成果を分けるステップです。
STEP2で配信したメールに対して、開封・URLクリック・資料DLなど何らかの反応をした顧客は、「再検討の温度感が上がっている顧客」です。このタイミングを逃さず、1to1のパーソナライズメールを送ります。
1to1メールでは、次の情報を必ず織り込みます。
- 顧客が直近で反応した行動(「先日◯◯資料をDLいただいたとのこと」)
- 過去の接点(「以前ご商談時に◯◯の課題をお話しいただきました」)
- 今回提供できる具体的な提案・コンテンツ(「貴社向けの提案書」「お役立ち資料」)
「自分のために送られたメールだ」と感じてもらえる粒度まで具体化することで、返信率は一斉メールとは桁違いに上がります。具体的なメール例文は本記事後半で紹介しますので、ぜひそのまま使ってみてください。
休眠顧客の掘り起こしで重要な2つのポイント
3ステップの手順に加えて、掘り起こし全体を通して意識しておくべきポイントが2つあります。これらを押さえないまま施策を回しても、成果は頭打ちになります。
ポイント①|キープインタッチ(忘れられない接点を作り続ける)
1つ目は、休眠顧客を「常に思い出してもらえる状態」に置き続けることです。
掘り起こし施策で最も多い勘違いが、「掘り起こしのときだけ集中アプローチすればよい」という発想。これは前述の通り失敗するパターンの典型です。休眠してから動き出すのではなく、休眠状態の間ずっとキープインタッチを続けることで、いざ商談打診したときの反応率が大きく変わります。
ポイント②|1to1アプローチ(ニーズに合わせて出し分ける)
2つ目は、画一的な一斉メールではなく、顧客一人ひとりのニーズに合わせて内容を出し分けることです。
「忙しいので一斉送信で済ませたい」という気持ちはわかりますが、休眠顧客の掘り起こしにおいては、これが最も効率の悪い選択です。なぜなら、一斉送信メールの反応率は0〜1%、よくて数%程度。10,000件送って商談1件取れるかどうか、というレベルだからです。
それなら、反応が見られた数件〜数十件の顧客にだけ1to1メールを書くほうが、絶対的な工数も、商談化の確率もはるかに高くなります。
「セグメント分け+一斉メール」で温度感の高い顧客をあぶり出し、「1to1メール」で再商談化に持ち込む。この2段構えが、掘り起こしの基本戦略です。
そもそも休眠化させないための4つの施策(キープインタッチ)
ここまでで何度も触れた「キープインタッチ」について、具体的にどのような施策で実現できるのかを4つ紹介します。この4つを日常運用に組み込めていれば、そもそも掘り起こしに苦労する状態にはならないのが理想です。
- メール配信(メルマガ・ステップメール)
- リターゲティング広告
- オウンドメディア運用(SEO)
- 顧客のチャットツールに入る(+α)
施策①|メール配信(メルマガ・ステップメール)
最も基本かつ低コストで実施できるのが、メール配信です。月1〜2回のメルマガで業界トレンド・自社の最新動向・ノウハウ記事などを定期配信し、顧客のメールボックスに自社の名前を残し続けます。
ポイントは、「売り込み色を極力消すこと」。9割は役立つ情報、1割だけサービスの軽い告知、くらいの比率がちょうど良いです。売り込みばかりだとすぐに購読中止されるため、長期で接点を維持するなら情報提供メインに振り切るのが正解です。
施策②|リターゲティング広告
メールよりも積極的に「思い出してもらう」効果を狙えるのが、リターゲティング広告です。代表的なのが、Facebook広告のカスタムオーディエンス機能。
自社サイト訪問者・資料DL者・商談済み顧客などのリストをFacebookにアップロードすると、その顧客がFacebookを見たときに自社の広告が表示されます。「メールは届いていないかもしれないが、SNSのタイムラインで自社のロゴが目に入る」という、第三者的な接点を作れるのが強みです。
メールで反応がない休眠顧客でも、広告経由でサービスサイトに再訪問してくれるケースは少なくありません。
施策③|オウンドメディア運用(SEO)
中長期で見たときに最も投資対効果が高いキープインタッチが、オウンドメディアの運用です。
自社メディアで「営業」「マーケティング」「営業資料の作り方」などのテーマで記事を公開し、検索エンジンからの流入を獲得します。すると、過去に商談した休眠顧客が業務中に検索した際、「あれ、この会社、昔資料請求したな」と思い出してくれるきっかけになります。
オウンドメディアは新規リード獲得施策としても機能するため、「新規獲得」と「休眠顧客の掘り起こし」の二兎を追える点が大きなメリットです。
オウンドメディアの立ち上げ方法については、オウンドメディア立ち上げ手順完全版。KW選定から構築まで(テンプレート付)で詳しく解説しています。
施策④|顧客のチャットツールに入る(+α)
少し変則的ですが、強力なキープインタッチが「顧客の社内チャットツール(Slack・Teamsなど)に入れてもらう」という方法です。
商談時や受注時に「貴社のSlackにゲストとして招待していただけませんか?導入支援やご質問対応をSlackで行えるとスムーズです」と依頼し、顧客の業務空間に入り込みます。これができると、顧客が日常業務で自社の存在を毎日目にする状態になるため、休眠化そのものを防ぐ強力な施策になります。
すべての顧客で実現できる施策ではありませんが、特に重要顧客・継続接点を持ちたい顧客には積極的に提案する価値があります。
掘り起こしの確率を上げるメール例文【1to1アプローチ】
ここからは、実際に1to1メールを送る際に使えるメール例文を紹介します。2つのパターンを用意しましたので、状況に応じて使い分けてください。
ただ、「セグメント配信→反応アリ顧客」に「個別の提案書or情報提供資料を作成する」ことが前提です。
商談打診メール|提案書送付パターン
休眠顧客の中でも、メール開封・URLクリック・資料DLなど明確な再検討シグナルが見られた顧客に対して送るメールです。「貴社向けに考えた提案書」を送付することで、商談につながる確率を高めます。
件名:【〇〇に関する施策のご提案】株式会社〇〇 山田
株式会社〇〇
〇〇さま
ご無沙汰しております。
株式会社Coneの〇〇です。
先日、弊社のサービス資料を再度ご覧いただいたとのこと、誠にありがとうございます。
以前ご商談させていただいた際、貴社では「〇〇」という課題を抱えていらっしゃるとお伺いしておりました。
あれから弊社でも〇〇領域での支援実績が増え、当時お話しした内容よりも、より貴社の状況にフィットするご提案ができるのではと考え、ご連絡いたしました。
簡単な提案書を作成しましたので、添付資料をご一読いただければ幸いです。
▼ご提案書(PDF)
[添付ファイル または リンク]
ご興味をお持ちいただけそうでしたら、30分ほどオンラインで詳細をご案内させていただきたく存じます。
下記URLよりご都合の良い日程をご選択ください。
▼日程調整リンク
https://〜〜
引き続き、こういったサービスに関する情報にとどまらず、〇〇様が必要としている情報をまとめて共有させていただこうと思っております。今後とも何卒よろしくお願いいたします。
このパターンのポイントは、「再検討シグナル → それを察知してすぐ提案書を送る」というスピード感です。顧客が興味を持っているタイミングを逃さず提案書まで届けることで、商談化の確率が大きく上がります。
情報提供メール|お役立ち資料送付パターン
商談打診はまだ早い、もう少し関係を温めたい休眠顧客に対して送るメールです。「貴社の課題に役立つ可能性のあるお役立ち資料」を送付することで、関係を再構築しつつ、自然な接点を作り直します。
件名:【業界レポート「〇〇の最新動向」のご案内】株式会社〇〇 山田
株式会社〇〇
〇〇さま
ご無沙汰しております。
株式会社Coneの〇〇です。
以前、貴社の〇〇という課題についてご商談させていただいた際のお話を思い出し、ご連絡いたしました。
このたび弊社にて、〇〇領域に関する最新の動向と、実際に成果が出た企業の事例をまとめたレポートを公開いたしました。
貴社の現状にも参考になるのではと思い、〇〇さまにご案内させていただきます。
▼レポート資料
[添付ファイル または DLリンク]
主な内容は以下の通りです。
・〇〇業界における直近のトレンド
・成果が出た企業の共通施策
・明日から取り入れられる実践ポイント
ご一読いただき、もし「もう少し詳しく話を聞きたい」「自社で活用するならどうすべきか相談したい」などございましたら、お気軽にご返信ください。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
このパターンでは、メール内のお役立ち資料DLや返信が新たな再検討シグナルになります。反応があれば、次は提案書送付パターンへ進む、という二段構えで進めていくのが効果的です。
なお、商談打診や提案資料を送るシーン全般のノウハウは、インサイドセールスのメール例文集。コツは商談打診しないことでも詳しく解説しています。
工数を抑えて休眠顧客の掘り起こしを成功させる方法
ここまで読んでいただいた方は、すでにお気づきかもしれません。休眠顧客の掘り起こしを成功させるには、「いかに温度感の高い顧客を見つけられるか」が勝負になります。
セグメント分けして一斉メールを送り、反応があった顧客に1to1メールを送る。この流れの中で、「反応があった顧客」をどれだけ精度高くキャッチできるかが、商談化率を左右します。
しかし現実問題、メールの開封・クリック・サイト再訪などのシグナルを人力で1件ずつ追うのは、相当な工数がかかります。さらに、「資料を送ったあと、その資料がいつ・誰に・どこまで見られているか」までは、通常のメール配信ツールでは追えません。
ここで活用できるのが、資料トラッキングツール「slidemate」です。
slidemateは、休眠顧客に送付した資料(PDF・スライド)の閲覧行動を可視化できるツール。たとえば次のようなシグナルが、リアルタイムで通知されます。
- 送付した資料が初めて開かれたタイミング
- 資料のどのページを何秒見たか
- 資料をシェアした場合の、共有先での閲覧状況
- 一度閉じた後の再閲覧シグナル
- 閲覧トリガーからAIがフォロー文面を作成
まとめ
最後に、本記事のポイントを振り返ります。
本記事で扱った休眠顧客は、「失注顧客」「離反顧客」の2タイプ。一斉送信メールで掘り起こそうとすると、購読中止やバウンスばかりで成果が出ないのが現実です。
掘り起こしが失敗する原因は、企業側の「キープインタッチ不足」と顧客側の「体制・ニーズ・フェーズ変化」の2つ。これを踏まえた上で、再商談化につなげる手順は次の3ステップでした。
- 休眠顧客をセグメント分けする(過去の接点 × 業界・課題)
- セグメント別にメールを配信する(情報提供:サービス情報 = 5:5)
- 顧客の反応に合わせて1to1メールを送る(提案書送付/お役立ち資料送付)
そして、掘り起こし全体を通して大切なポイントが「キープインタッチ(忘れられない接点)」と「1to1アプローチ(ニーズに合わせる)」の2つです。
掘り起こし作業を効率化するには、「資料の閲覧シグナルをキャッチできる仕組み」を持つことが現実解です。資料トラッキングツール「slidemate」は月額1万円から導入でき、無料トライアルも用意しています。休眠顧客の掘り起こしを本格化させたい方は、ぜひ一度ご覧ください。
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