休眠顧客の掘り起こし。本当に使える3つの方法とポイント【例文付】 | Cone-os ナレッジ

休眠顧客の掘り起こし。本当に使える3つの方法とポイント【例文付】

代表 / マーケター / デザイナー 佐藤 立樹

一度接点を持ったものの、関係が遠ざかってしまった休眠顧客。新規での商談獲得が滞ってしまい「休眠顧客からなんとか商談を獲得できないか?売上を上げられないか?」と考えているマーケティング担当・営業担当の方も多いのではないでしょうか。

休眠顧客の掘り起こしは、広告などの新規開拓施策とは異なり、コストをそこまでかけずに通常にプラスαで商談数を増加させることができる有効な手段となり得ます。

しかし、なかなか簡単・単純なことではありません。単なる商談打診のメールを送付するだけでは商談化しません。これには頷いてくださる方も多いと思います。

本記事では、そんな一筋縄ではいかない休眠顧客の掘り起こしで「本当に使える3つの方法」を紹介しますので、お困りの方はぜひ最後までご覧ください。

休眠顧客とは?

企業によって、書籍によって、Web記事によって、BtoC/BtoBによって、休眠顧客の定義はさまざまです。本記事での休眠顧客とは、

BtoB領域において「一度商談を実施したことがある / 資料ダウンロードされたがそこから一度も商談化しなかった」というなんらかの接点を持ったものの、そこから興味を失ってしまった状態になった顧客

のことを指します。

休眠顧客の掘り起こしは結論「難しい」

この休眠顧客は、ID(名前・メールアドレス)を取得しているため、こちらからコミュニケーションを取ろうとすれば取ることができます。しかし、興味を失ってしまっている状態なのでメールや架電を実施してもなかなか反応を得ることができません

実際に、弊社が以前休眠顧客に一斉メールを送信したときの数値が下記になります。

上記項目は、

  • 購読中止した:迷惑だと思われてメール送信拒否
  • バウンス:メールアドレスが変わっている(転職など)でメールが届いていない

ということであり、掘り起こしがうまくいっていないのがわかると思います。この通り、多くの方のイメージ通り正直掘り起こしという施策は難しいのです。

たしかに、相手の立場になって考えてみると、一度資料請求をしただけの相手が久しぶりに連絡をしてきて、向こう都合で「商談をしたい」と言ってきたとしても、相手にしないですよね。メールの一斉送信ならまだよいですが、架電を1社1社かけて掘り起こしを実施する場合は、かける時間に対して得られる成果が少なすぎるため費用対効果が悪い施策と言えます。

そのため、やはり基本的に優先すべきは、Web広告やアウトバウンド営業での新規リード獲得です。その新規獲得が本当に頭打ちになった段階ではじめて休眠顧客の掘り起こしを検討しましょう。

3つの休眠顧客の掘り起こし方法(例文付)

新規リード獲得が頭打ちになった際の休眠顧客の掘り起こし。うまくいかないのが常のなかで、どのようにすれば商談化できるのか。

本セクションでは、弊社も実施して効果があった、以下の本当に使える3つの方法を紹介します。

1. インタビュー・導入事例の打診

一度商談をしたことがある見込み顧客に対しては、なんらかの記事の企画案をもとにインタビューの打診を行います。(一度受注して解約・疎遠になった顧客には導入事例打診を)

たとえば「〇〇業界の〜〜の活用術を記事にまとめたいのでお話を聞かせていただけませんか?」といったようなイメージ。そのインタビューの途中や最後に「現在でお困りのことはないですか?」などのヒアリングも入れておきます。そうして再度接点を持ち、インタビュー内でヒアリングした内容を解決できる提案を、別日にご案内します。

注意しておきたいのが「最初からインタビューと題した商談をしない」ことです。あくまでもインタビューがメインで、そのなかでヒアリングした顧客課題を解決できそうなら提案の可能性が生まれるだけという構図です。

休眠顧客の中から「商談先」ではなく「インタビュー先」を探すようにしましょう。

インタビュー打診時のメール例文

株式会社〇〇
〇〇 さま

先日はお打ち合わせの機会をいただきありがとうございました。
株式会社Coneの〇〇です。

現在「(サービス名)の(事業者名)に聞く、事業拡大における最も効果があった施策」 という企画にてインタビューをさせていただきたく、〇〇様にご連絡させていただきました。

お忙しいところ大変恐縮ですが、 下記内容にてご検討いただけないでしょうか。

ーーーーーーーー
【インタビュー内容】
・事業内容について
・担当者さんのミッション、業務内容
・現在の顧客獲得施策について
・サービス開始直後の顧客獲得方法について
・今までで失敗した施策について
・失敗要因について
・今までで一番効果の出た施策について
・その施策を行う際のポイントについて
・今後の展望

【インタビューの目的】
サービスの開始から今に至るまでの軌跡をご紹介し、 今から〇〇関連のサービスを開始する事業者や、 売上が伸び悩んでる〇〇事業者に対して少しでも ヒントになるコンテンツを作成するため。

【掲載予定場所】
・弊社メディアにて公開(https://~~~~)
・弊社のメルマガ登録リストに一斉送信

【インタビュー方法】
オンライン(Zoom)にて行います。

【インタビュー参考】
サービスリリース直後は〇〇が鍵。〇〇サービス「△△」の「成果が出た施策の裏側」 (https://~~~~)
ーーーーーーーー

内容につきましてご質問などありましたら、 何なりとお申し付けください。 唐突なお願いで恐れ入りますが、何卒、 インタビューへのご協力お願いいたします。

導入事例打診時のメール例文

株式会社〇〇
〇〇さま

お世話になっております。
株式会社Coneの〇〇です。

表題の件、〇〇さまにご依頼させていただきたく、ご連絡させていただきました。

先日ご依頼いただいた〇〇サービス「△△」の本格的に業界1位を取りにいくためサービスの認知、権威性の拡大に力を入れていこうとなりまして、

お忙しいことは重々承知の上、弊社の導入事例にご出演・ご協力いただけないでしょうか。

具体的な事例イメージはこちら「簡易版(テキストリンク)」 / 「記事版(テキストリンク)」からご覧いただけます。

下記にて取材概要もまとめております。

掲載場所:弊社サービス〇〇の「ご利用事例部分」
取材場所:貴社オフィスを想定しています
取材時間:1時間程度
取材担当:〇〇、〇〇、〇〇
撮影:インタビュー中の様子と貴社エントランスにて撮影予定

また、取材の日時ですが、以下の日程のご都合はいかがでしょうか。

ーーー
XX月XX日(火):15時以降
XX月XX日(水):11~16時
ーーー

上記、ご都合合わない場合は別の日程も調整可能ですので、ご遠慮なくお申し付けください。お忙しいところ恐れ入りますが、何卒よろしくお願いいたします。

2. Facebook広告のカスタムオーディエンス

Facebook広告はFacebookにバナーを表示することができる広告ですが、カスタムオーディエンスという配信設定があり、休眠顧客の掘り起こしに活用できます。

カスタムオーディエンスとは、すでに自社ビジネスに何らかの接点があるユーザーに対して広告を配信できる機能のことです。たとえば、資料請求・ホワイトペーパー・サービス紹介資料のダウンロードをした休眠顧客を、Facebookにアップロードして広告の配信対象とすることができたりするわけです。

休眠顧客に自社からメールを送付しても反応がない場合が多いと思いますが、このカスタムオーディエンス設定で第三者的に自社の情報を流し、反応があったリストに対してアプローチをすると、反応率が大きく変わってきます

再コンバージョン顧客の商談打診メール例文

株式会社〇〇
〇〇 さま

先日はお打ち合わせの機会をいただきありがとうございました。
株式会社Coneの〇〇です。

この度は、資料請求いただきありがとうございます。

前回は△△ごろに貴社組織内で〇〇という課題について議論されていたかと思いますが、
今回も同じような課題感でしょうか。

30分ほどオンラインにて直接お話させていただくことも可能です。
ご希望の場合は、以下のリンクからご都合の良い時間帯をご予約いただけますと幸いです。

■ 打ち合わせ予約リンク
https://~~~
(約1分で日程調整可能です)

お打ち合わせでは、以下の内容を想定しております。
・貴社の〇〇課題のヒアリング
・サービス内容と提供フローの説明
・貴社と類似事例のご紹介

ぜひ一度貴社の課題解決に向けたディスカッションの機会を頂戴できればと存じます。

ご不明点ございましたらお気軽にご連絡くださいませ。
お手数おかけいたしますが、今後ともなにとぞよろしくお願いいたします。

3. MA・メール配信ツールの活用

MAツールやメール配信ツールは、配信先をセグメントごとに分類してメールを送信することができます。休眠顧客リストを業界や課題などで切り分け、セグメントごとに適したメールの内容を送付します。次は、そのメールを開封したり、メール内URLをクリックした顧客のみに、次のメールを送信し、それを繰り返すことでどんどん「再度興味を持ち始めてくれている休眠顧客」のリストができあがるため、ここに商談打診をする、という流れです。

ただ、そのリストを精査する際は業界や役職などの属性的な情報に加え、「商談時なにを課題だと発していたのか」「なにが原因で失注になったのか」などの定性的な情報も考慮に入れる必要があったり、送付するメール内容やコンテンツを戦略を立てて作成する必要があるため、工数がかかる施策です。

コンテンツ配信時のメール例文

〇〇株式会社
〇〇さま

お世話になっております。
株式会社Coneの〇〇です。

先日は弊社の〇〇に関する資料をダウンロードいただき、ありがとうございます。
本日はダウンロードいただいた資料と近しいテーマの資料を公開しましたので、
〇〇さまにご関心をもっていただけるのではないかと思い、ご案内させていただきました。

弊社の〇〇の制作実績 直近100社の成果を取りまとめた調査でございます。

成果を上げている企業様のうち「〇〇という項目を〇〇に挿入している」という回答が80%を超えている、など成果が上がる〇〇の傾向がわかる調査となりました。

調査結果をまとめた資料をメールに添付しておりますので、よろしければご覧ください。

また「〇〇の情報が知りたい」などございましたら、
ご連絡いただけますと最新情報や弊社の考察などお伝えできるかと思いますので お気軽にご連絡くださいませ。

商談打診時のメール例文

〇〇株式会社
〇〇さま

お世話になっております。
株式会社Coneの〇〇です。

先日は弊社の〇〇をお問い合わせいただき、誠にありがとうございました。

その後弊社では、〇〇(会社名)さまと類似の状況だった〇〇社にご導入いただいた経緯、 また社内展開後のお話を導入事例として公開いたしました。(メールに添付しておりますので、ご覧ください)

また、その後、弊社では〇〇の領域においてお伝えできるノウハウも増えてきました。
〇〇について詳しくお話することも可能です。

もしご興味ございましたら、ぜひ一度サービス詳細や他社様の事例等について 30分ほどでご案内させていただくお時間をいただけないでしょうか。

※下記URLからオンラインMTGのご予約が可能です。
https://~~~~~

ぜひご検討のほどよろしくお願いいたします。

休眠顧客の掘り起こしは「中長期」かつ「工数のかかる」施策だということを理解したうえで進めていきましょう。

休眠顧客の掘り起こしで重要なポイント

休眠顧客の掘り起こしを実施するうえで重要なポイントが2つあります。

  • 適切なタイミング×適切なコンテンツ
  • 手間がかからないこと

適切なタイミング×適切なコンテンツ

「MAツール・メール配信ツールの活用」部分で説明したとおり、休眠顧客の掘り起こしはセグメント分けとそのセグメントに応じたメッセージが非常に重要です。つまり、興味を再度持ち始めてくれている顧客が知りたいことを提供すること。

もっといえば、興味の段階別にコンテンツを出し分ける必要があるということ。

まだ興味を失っている状態の人には問い合わせ時の課題に応じたお役立ち情報を。再度興味を持ち始めた段階の人には次に気になることのセミナー案内を。もう一度サービス紹介資料をダウンロードした人には商談打診を。

といったように、見込み顧客にとって適切なコンテンツを適切なタイミングで提供していくことが重要になります。

弊社Coneでは、商談動画を送付いただければ商談相手が課題に感じていることを解決する資料を作成してお戻しするサービスを提供しています。休眠顧客にどんなコンテンツを送付すればよいかわからないという方は、お気軽にご相談ください。
→ Cone-os:課題解決用コンテンツ作成支援

手間がかからないこと

何度でもお伝えしますが、休眠顧客の掘り起こしは基本的に「中長期」で「工数のかかる」施策で、費用対効果が合わないと感じた場合は、即刻新規リード獲得の施策を優先したほうが良いです。

逆に言うと、工数をほとんどかけずに割と短期で成果が出るなら、優先して実施すべき施策となり得ます。

それは「すでに再度興味を持ってくれている顧客がわかり」「追いかけの工数がかからないこと」が重要。弊社は現在そのツールを開発中ですので、しばらくお待ちいただけますと幸いです。どんなサービスなのか気になるという方は一度ご連絡くださいませ。

手間がかかるなら一石二鳥の施策を

上記で解説した3つの方法を実施する際、どうしても手間がかかってしまう場合は「手間がかかっても良い施策と併用」するようにしましょう。

つまりは、オウンドメディアの運用となります。Facebook広告のリターゲティングと似ていて、メールではない別の接点で自社のことを思い出してもらう施策となります。

オウンドメディアの運用は、自社メディアにて記事を公開し、それがGoogleなどの検索エンジンの上位に表示されるようにすること。

たとえば弊社だと、資料作成代行サービスを運営していて、自社メディアで「営業資料」や「会社紹介資料」、「提案資料」などをテーマに記事を公開しており、その記事が検索エンジンの上位に表示されています。その記事に流入してきた休眠顧客が「そういえば昔このサービスの資料請求したな」と思い出してくれることで、再度問い合わせを獲得できる、という流れになります。

このオウンドメディアの運用は、通常「自社を知らいない」潜在層に対して記事を通してノウハウを提供することで、中長期的に問い合わせを獲得するコンテンツマーケティングの施策のひとつです。それを休眠顧客の掘り起こし施策として捉えて、2つの目的で実施することで「手間がかかってもよい施策」として実施することができます。

オウンドメディアの立ち上げ、運用については以下記事で詳しく解説していますので、気になった方はそちらをご覧ください。

まとめ

今回は、休眠顧客の掘り起こしで本当に効果が出る3つの方法を紹介しました。

  1. 導入事例・インタビューの打診
  2. リターゲティング広告
  3. MA・メール配信ツールの活用

それでも、やっぱり工数がかかってしまう・費用対効果が合わないという方は、オウンドメディアの運用で「潜在リードの獲得」と「休眠顧客の掘り起こし」の2つの目的で総合的な工数を低減しながら施策を実施していきましょう。

当メディアを運営する株式会社Coneは、休眠顧客の掘り起こしにも活用できる資料コンテンツの制作や、オウンドメディアの運用を支援しています。どんなメール・どんな資料を送付すればいいのかわからないという方は、一度お気軽にご相談ください。

→ Cone-os:BtoBコンテンツセールス・マーケティング支援

代表 / マーケター / デザイナー

佐藤 立樹

立命館大学在学中に、ベンチャー2社でインターンを経験し、卒業と同時に株式会社Coneを設立。資料作成代行サービス「c-slide」を運営。リリース後1年半で支援企業300社を突破。セールス/マーケ領域の資料が得意。

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