アノテーションツールおすすめ16選比較。無料OSSとの違い・選び方を解説
「AI開発の教師データを作りたいが、どのアノテーションツールを選べばいいかわからない」
「無料のOSSで十分なのか、有料ツールを入れるべきなのか判断できない」
アノテーションツールは、無料で使えるOSSから月額数万円規模のクラウドサービス、作業者の確保までセットで任せられる代行一体型まで幅広く、料金体系も大きく異なります。そのため「無料のOSSを入れたが、複数人で作業を分担する段階で品質が揃わなくなった」「有料ツールを契約したが、結局アノテーションする人が社内にいなかった」といったミスマッチが起こりがちです。
本記事では、アノテーションツールを4つのタイプに分類し、それぞれの選び方・費用相場・おすすめ16選を紹介します。ツールの料金表だけでは見えない「実質コスト」の考え方まで解説しているので、自社に最適なアノテーションツールを判断できる記事になっています。ぜひ最後までご覧ください。
アノテーションツールとは?手作業・代行との違い
アノテーションとは、画像・動画・テキスト・音声などのデータに「これは何か」を示すラベルを付け、AIの学習に使える教師データへ変換する作業です。アノテーションツールは、この作業を効率的に行い、複数人での分担・品質チェック・データの書き出しまでを支援するソフトウェアを指します。
AI開発では、モデルのアルゴリズムそのものよりも「学習させるデータの質と量」が精度を左右します。そのため、教師データをどう作るかが開発全体のボトルネックになりやすく、専用ツールの必要性が高まっています。
アノテーションの主な種類
アノテーションは、扱うデータと目的によって手法が分かれます。同じ画像でも、どの手法を使うかで作業時間もコストも大きく変わります。
| 手法 | 内容 |
|---|---|
| 画像分類(クラス分類) | 画像1枚に対して「犬」「猫」などのラベルを1つ付与 |
| バウンディングボックス | 対象物を矩形で囲み、位置とクラスを指定。物体検出モデルの基本形式 |
| セグメンテーション | 対象物の輪郭をピクセル単位でなぞる。矩形より精密だが工数は大きい |
| キーポイント(ランドマーク) | 関節・顔のパーツなど特徴点を打つ。姿勢推定や表情認識に使用 |
| 固有表現抽出(NER) | テキスト中の人名・地名・製品名などにタグ付け |
| 音声の文字起こし・話者分離 | 音声を書き起こし、話者やフィラーを区別してタグ付け |
| 3D点群アノテーション | LiDARで取得した点群に対して立体的に対象物を囲む。自動運転で使用 |
自社が必要とする手法が決まると、選ぶべきツールの候補は一気に絞り込めます。まずは「どのデータに、どの手法でラベルを付けるのか」を明確にしましょう。
手作業・自前実装・アノテーション代行との違い
アノテーションは、ツールを使わなくても進められます。ExcelやCSVでラベルを管理する方法もあれば、外部の代行会社にまとめて委託する方法もあります。それぞれの違いは次のとおりです。
| 手作業・自前実装 | アノテーションツール | アノテーション代行 | |
|---|---|---|---|
| 主な役割 | 少量データのラベル管理 | 作業画面・品質管理・書き出しの提供 | 作業者の確保から納品まで |
| 作業者 | 自社メンバー | 自社メンバー(または委託先) | 委託先の専任アノテータ |
| 向いている場面 | 数百件規模の検証 | 継続的にデータを作り続ける場合 | 社内に作業リソースがない場合 |
| 弱点 | 複数人での品質統一が困難 | 作業者は自社で確保する必要がある | 仕様の伝達コストがかかる |
数百件規模の検証であれば手作業でも進められますが、複数人で分担する段階に入ったらツールが必要になります。 一方で、ツールを導入しても作業者そのものは増えないため、作業リソースが確保できない場合は代行の検討が現実的です。本記事では、この「代行一体型」もタイプの1つとして紹介します。
AI開発そのものを外部に任せる選択肢と比較したい場合は、以下の記事も参考になります。
関連記事:AI受託開発会社おすすめ比較。費用相場と失敗しない選び方を解説
アノテーションツールでできること
アノテーションツールは「ラベルを付ける画面」だけを提供するものではありません。チームで作業を回し、学習データとして書き出すまでの機能が備わっています。代表的な機能は以下のとおりです。
| 機能 | 説明 |
|---|---|
| アノテーションエディタ | 矩形・ポリゴン・キーポイントなど手法別の描画ツール。ショートカットで高速入力 |
| 自動アノテーション(AIアシスト) | SAMなどの基盤モデルで下書きを自動生成し、人は修正のみを担当 |
| タスク管理・作業分担 | データをタスク単位に分割し、担当者へ自動で割り当て |
| レビュー・承認ワークフロー | 作業→レビュー→承認の多段階フローを設定し、差し戻しを記録 |
| 品質指標の可視化 | 作業者間の一致率、抜き取り検査の合格率、進捗をダッシュボード化 |
| データ管理・検索 | 未ラベルデータを含めて一元管理。条件検索やバージョン管理に対応 |
| 出力形式の変換 | COCO・YOLO・Pascal VOCなど学習フレームワークに合わせて書き出し |
| API・SDK連携 | 学習パイプラインやMLOps基盤とプログラムから接続 |
どの機能が必要かは開発体制によって変わります。少人数で試作段階ならエディタと出力形式があれば足りますが、継続的にデータを作り続けるならレビュー機能と品質指標の可視化が欠かせません。自社の運用規模から逆算して優先度を決めましょう。
アノテーションツールの得意なこと・苦手なこと
推薦に入る前に、アノテーションツールで解決できることと、ツールでは解決できないことを整理しておきます。
アノテーションツールが得意なこと
作業を「速く」「揃えて」「使える形で出す」のが得意です。
| スピード | 自動アノテーションと専用エディタで1件あたりの作業時間を短縮 |
| 品質の統一 | レビュー工程と一致率の可視化により、作業者ごとのばらつきを抑制 |
| 学習への接続 | COCO・YOLOなど主要形式での書き出しとAPI連携で、学習パイプラインへ直結 |
アノテーションツールが苦手なこと
一方で、データそのものや作業する人に関わる問題は、ツールでは解決できません。
| 作業者の確保 | ツールを入れてもアノテーションを行う人員は増えない |
| 仕様の言語化 | 「どこまでを対象物とするか」の判断基準は自社で定義する必要がある |
| ドメイン知識の補完 | 医療画像や製造現場など専門知識が必要な判定は、教育された作業者が前提 |
これらは、機能の多いツールに乗り換えても解決しません。アノテーションで失敗する原因の多くはツールではなく、仕様の曖昧さと作業リソースの不足にあります。 ツール選定と並行して、アノテーション仕様書の整備と作業体制の確保を進めましょう。
アノテーションツールの費用相場と「実質コスト」の考え方
アノテーションにかかる費用は、ツールの利用料だけでは決まりません。まずは提供形態別の相場を押さえたうえで、作業単価まで含めた見方を解説します。
提供形態別の費用相場
| 提供形態 | 初期費用 | 料金の目安 | 主な対象 |
|---|---|---|---|
| OSS(セルフホスト) | サーバー構築費のみ | 無料 | 少人数で小規模に検証したい開発チーム |
| クラウド(個人・小規模プラン) | 0円 | 月額3,000〜15,000円程度 | 数名でプロジェクト単位に使う場合 |
| クラウド(チーム・法人プラン) | 0〜数十万円 | 月額数万円〜数十万円 | 継続的に大量のデータを作る法人 |
| 代行一体型 | 0〜数十万円 | データ単位の従量課金 | 作業者の確保から任せたい法人 |
クラウド型には「ユーザー数課金」と「処理量に応じた従量課金」があり、作業人数が読める企業はユーザー数課金、データ量に波がある企業は従量課金が向いています。
作業単価の相場(データ種別ごと)
多くの比較記事はツールの月額料金しか扱いませんが、実務で総額を左右するのは作業単価のほうです。 ところが、アノテーション代行を提供する事業者のうち単価を公開しているところはごく一部にとどまります。
そこで単価を公開している事業者・情報源6件から作業単価を収集し、手法ごとにレンジとして集計しました。
| データ | 手法 | 単価のレンジ(編集部集計) |
|---|---|---|
| 画像 | 画像分類 | 1枚 5〜10円 |
| 画像 | バウンディングボックス(矩形) | 対象物1つ 5〜15円 |
| 画像 | ポリゴン(多角形) | 対象物1つ 15〜75円 |
| 画像 | セグメンテーション | 1枚 50〜500円 |
| 画像 | キーポイント(ランドマーク) | 1点 5〜10円 |
| 動画 | 動画分類 | 1本 20〜100円 |
| 動画 | バウンディングボックス | 対象物1つ 10〜100円 |
| テキスト | 文単位のタグ付け | 1文(140〜150字程度) 5〜30円 |
| テキスト | 単語単位のタグ付け | 1文 30〜60円 |
| 音声 | ケバ取り | 1分 100〜120円 |
| 音声 | 文字起こし | 1分 200〜250円 |
| 音声 | 整文 | 1分 300〜350円 |
※ 単価を公開している事業者・情報源が限られるため、6件の公開情報をもとに集計しています。実際の見積もりは対象物の複雑さ・数量・必要な業務知識・納期によって変動します。
集計してみると、同じ画像でも手法が変わるだけで単価が数倍から数十倍に跳ね上がることがわかります。矩形(5〜15円)を多角形(15〜75円)に変えるだけで約3〜5倍、セグメンテーション(50〜500円)まで踏み込むと10倍以上です。「画像1万枚」という規模だけで見積もりを取ると、この差で総額が大きくずれます。
また、外注する場合はこの作業単価に加えてプロジェクト管理費が乗ります。集計した情報源では、請負型契約で契約金額の10〜20%を管理費として見込むケースが一般的でした。
ツール料金だけで選ぶと失敗する理由
ここからが、多くの比較記事では触れられていない重要なポイントです。アノテーションツールを月額料金だけで比較すると、導入後に「思ったほど工数もコストも下がらない」と感じることになります。理由は、ツールを入れてもアノテーションする人の作業時間はゼロにならないからです。
たとえば画像10,000枚に対して1枚あたり平均3個のバウンディングボックスを付ける場合、外注単価15円で計算すると作業費だけで45万円になります。仮に月額3万円のツールを1年契約しても36万円ですから、作業費のほうがツール料金を上回る構造になります。自動アノテーションで作業量が半分になれば、その削減額はツール料金を大きく超えます。
つまりアノテーションの実質コストは、次の式で考える必要があります。
実質コスト = ツール利用料 + 作業単価 × 件数 + 確認・修正の人件費
無料のOSSを選べばツール利用料はゼロになりますが、自動アノテーションやレビュー機能が弱いぶん、作業単価と確認工数が膨らむことがあります。「ツールが安いか」ではなく「3項目の合計が安いか」で比較するのが、失敗しない費用の見方です。
有料ツール・代行に切り替えるべき分岐点
「無料のOSSで十分か、有料ツールや代行を導入すべきか」は、作業件数と作業人数で判断するのが基本です。作業者が1〜2名で、対象データも数千件程度であれば、CVATやLabel Studioの無料版で問題なく回せます。
しかし、作業者が3名以上に増えた時点で、品質のばらつきと進捗の把握が課題になります。 レビュー工程・一致率の可視化・タスク自動割り当てがないまま人数を増やすと、手戻りの確認工数が急増します。この段階を超えたら有料プランへの切り替えを検討しましょう。さらに、社内で作業者を確保できない場合や、専門知識が必要な判定を含む場合は、代行一体型のサービスが現実的な選択肢になります。
データ入力そのものを外部に任せる選択肢と比較したい場合は、以下の記事も参考になります。
関連記事:データ入力代行サービスおすすめ13選比較。選び方から正確で安いサービスの見極め方を解説
アノテーションツールを選ぶ際に確認すべき4つの比較ポイント
アノテーションツールはどれも同じではありません。扱うデータや開発体制に合わないものを選ぶと、機能が過剰になるか、逆に運用の途中で行き詰まります。選定時に確認すべきポイントは次の4つです。
- 対応データ形式とアノテーション手法
- 自動アノテーション(AIアシスト)の範囲
- 品質管理・進捗管理の仕組み
- 導入形態・セキュリティと外部連携
対応データ形式とアノテーション手法
最初に確認すべきは、自社が扱うデータ形式と手法にツールが対応しているかです。画像のバウンディングボックスであればほぼすべてのツールが対応していますが、動画のフレーム間トラッキング、3D点群、DICOM(医療画像)、時系列データとなると、対応するツールは限られます。
さらに近年は、LLM開発向けのRLHF(人間のフィードバックによる強化学習)や指示データ作成に対応するかどうかも分岐点になっています。画像認識向けのツールとLLM向けのツールでは、必要な画面設計がまったく異なるためです。
確認すべきポイントは次の3つです。
- 現在扱うデータ形式と手法に対応しているか
- 将来追加する可能性があるデータ形式も同一ツールでカバーできるか
- 学習フレームワークが要求する出力形式(COCO・YOLOなど)で書き出せるか
自動アノテーション(AIアシスト)の範囲
自動アノテーションは、SAM(Segment Anything Model)などの基盤モデルを使ってラベルの下書きを生成し、人は修正だけを行う機能です。前述の実質コストの式でいえば「作業単価 × 件数」を直接圧縮する部分にあたるため、大量データを扱うほど効果が大きくなります。
ただし、自動アノテーションの効き方は手法によって差があります。セグメンテーションのように輪郭をなぞる作業では削減効果が大きい一方、専門知識に基づく分類では下書きの精度が上がらず、かえって修正に時間がかかることもあります。導入前に、自社のデータで実際に試せるかを確認しておきましょう。
また、自社で学習させたモデルを組み込んで下書きを生成できるかも重要です。プロジェクトが進むほど自社モデルの精度は上がるため、それを作業に還流できるツールほど後半の工数が下がります。
品質管理・進捗管理の仕組み
アノテーションの品質は、作業者が増えるほど揺らぎます。そのため、作業→レビュー→承認という多段階のワークフローを設定できるか、差し戻しの理由を記録できるかを確認しましょう。同じデータを複数人に割り当てて一致率を測る機能や、正解が分かっているデータを紛れ込ませて精度を測る抜き取り検査に対応するツールもあります。
進捗管理も同様に重要です。誰が何件処理し、どこで滞留しているかがダッシュボードで見えないと、納期の見通しが立ちません。
確認すべきポイントは次の3つです。
- 作業とレビューを分けた多段階ワークフローを組めるか
- 作業者ごとの処理件数・一致率・合格率を可視化できるか
- 権限をロール単位(管理者・作業者・レビュアー)で分けられるか
導入形態・セキュリティと外部連携
アノテーション対象のデータには、製造ラインの映像や医療画像、個人情報を含む書類など、社外に出せないものが少なくありません。クラウド型を使う場合はデータの保管場所と暗号化のポリシーを、社外に出せない場合はオンプレミス(自社サーバー設置)やVPC内での構築に対応しているかを確認します。
外部連携も忘れてはいけません。作成した教師データを学習パイプラインへ自動で流し込みたい場合は、APIやSDKでの接続、クラウドストレージとの連携に対応しているかが分かれ目になります。連携できないと、書き出しとアップロードを毎回手作業で行うことになり、効率化の効果が半減します。
生成AIの活用そのものを社内で進める体制づくりとあわせて検討したい場合は、以下の記事も参考になります。
関連記事:生成AI導入支援サービス15選比較。費用相場からタイプ別の選び方まで
アノテーションツールのタイプ別の選び方
アノテーションツールは、提供形態と支援範囲によって大きく4つのタイプに分類できます。ここではタイプごとの特徴と向いている企業を紹介します。
- OSS・無料型 | コストをかけずに小規模から検証したい場合
- 国産クラウド型 | 日本語サポートを受けながら社内チームで運用したい場合
- グローバル・MLOps統合型 | データ管理から学習まで一気通貫で整えたい場合
- 代行一体型 | 作業者の確保と品質管理まで外部に任せたい場合
① OSS・無料型 | コストをかけずに小規模から検証したい場合
OSS・無料型は、ソースコードが公開されており、自社サーバーやPCにインストールして無料で使えるアノテーションツールです。ライセンス費用がかからず、データを外部に出さずに運用できるため、機密性の高いデータを扱う場合にも適しています。
近年はOSSでもSAMなどの基盤モデルを組み込んだ自動アノテーションに対応しており、機能面で有料ツールに大きく劣ることはありません。一方で、サーバーの構築・保守は自社で行う必要があり、日本語のサポート窓口も基本的にありません。
このタイプの導入に向いている企業は以下になります。
- まずはコストをかけずにアノテーションを試したい開発チーム
- 社内にサーバー構築・保守ができるエンジニアがいる企業
- データを外部に出せず、自社環境内で完結させたい企業
| サービス名 | 詳細 | 料金 | タイプ | 備考 |
|---|---|---|---|---|
CVAT | 無料〜(有料は $33/月〜) | OSS・無料型 | 20以上の出力形式に対応。SAM 2/SAM 3を標準搭載 | |
Label Studio | 無料〜(有料は $99/月〜) | OSS・無料型 | 画像・音声・テキスト・時系列まで1つのOSSで対応 | |
LabelMe | 無料 | OSS・無料型 | pipで入る軽量ツール。テキストからの自動生成にも対応 | |
doccano | 無料 | OSS・無料型 | テキスト特化。固有表現抽出・要約タスクに強い |
② 国産クラウド型 | 日本語サポートを受けながら社内チームで運用したい場合
国産クラウド型は、日本企業が開発・提供しており、日本語のUIとサポート体制が整ったアノテーションプラットフォームです。仕様の相談から品質管理の設計まで日本語でやり取りでき、必要に応じてアノテーション代行やデータ提供も同じ窓口で依頼できます。
自動運転や製造業など、ドメイン知識が必要な領域での支援実績を持つサービスが多いのも特徴です。海外ツールと比べて導入時の翻訳コストや時差の問題が発生しないため、社内チームで運用しながら伴走支援を受けたい企業に向いています。
このタイプの導入に向いている企業は以下になります。
- 日本語のUI・ドキュメント・サポートを重視する企業
- アノテーション仕様の設計から相談したい企業
- ツール利用と代行を状況に応じて使い分けたい企業
| サービス名 | 詳細 | 料金 | タイプ | 備考 |
|---|---|---|---|---|
FastLabel | 要問い合わせ | 国産クラウド型 | 画像から3D点群・VLMまで対応。自動運転領域の実績が豊富 | |
Annofab | 要問い合わせ | 国産クラウド型 | 主要機能を無料で利用可能。AI専門家によるサポート付き | |
harBest | 要問い合わせ | 国産クラウド型 | 特許出願中のクラウドソーシング基盤で収集から一気通貫 |
③ グローバル・MLOps統合型 | データ管理から学習まで一気通貫で整えたい場合
グローバル・MLOps統合型は、アノテーションだけでなく、データの管理・キュレーション・モデル評価までを1つのプラットフォームで扱える海外発のサービスです。APIやSDKが充実しており、学習パイプラインへの組み込みを前提に設計されています。
画像・動画に加えてLiDARやDICOM、さらにRLHFや指示データ作成といったLLM向けの用途に対応する製品も増えています。多段階レビュー、一致率の算出、ロール管理といった品質管理機能も充実しており、大規模かつ継続的にデータを作り続ける開発体制に適しています。
このタイプの導入に向いている企業は以下になります。
- 学習パイプラインと連携して継続的にデータを更新したい企業
- 画像・動画に加えLLM向けデータも同一基盤で扱いたい企業
- 多人数・多拠点でアノテーションを分担する企業
| サービス名 | 詳細 | 料金 | タイプ | 備考 |
|---|---|---|---|---|
Labelbox | 無料〜(有料は $10/時〜) | グローバル・MLOps統合型 | 無料プランで最大30ユーザー・50プロジェクトまで利用可 | |
SuperAnnotate | 要問い合わせ | グローバル・MLOps統合型 | G2で最高評価。RLHF・RL環境まで対応するマルチモーダル基盤 | |
V7 | 要問い合わせ | グローバル・MLOps統合型 | DICOM・顕微鏡画像に対応。医療・ライフサイエンスに強い | |
Encord | 要問い合わせ | グローバル・MLOps統合型 | ECG・地理空間まで10種類のデータ形式をカバー | |
Roboflow | 無料〜(有料は $79/月〜) | グローバル・MLOps統合型 | ラベリングから学習・デプロイまで同一画面で完結 | |
Amazon SageMaker Ground Truth | 要問い合わせ | グローバル・MLOps統合型 | AWS上で学習基盤ごと構築したい場合の標準的な選択肢 |
④ 代行一体型 | 作業者の確保と品質管理まで外部に任せたい場合
代行一体型は、プラットフォームの提供と同時に、アノテーション作業を行う人員まで用意してもらえるサービスです。自社は仕様の提示と最終確認に集中でき、作業者の採用・教育・シフト管理といった運用負荷が発生しません。
クラウドソーシングで大量のワーカーを動員するタイプと、訓練された専任アノテータが担当するタイプがあり、求める品質と単価によって選び分けます。専門知識が必要な判定や、短期間で大量のデータを作る必要がある場合に有効です。
このタイプの導入に向いている企業は以下になります。
- 社内にアノテーション作業を行うリソースがない企業
- 短期間で大量の教師データを用意する必要がある企業
- 品質保証まで含めて外部に任せたい企業
| サービス名 | 詳細 | 料金 | タイプ | 備考 |
|---|---|---|---|---|
TASUKI Annotation | 要問い合わせ | 代行一体型 | ソフトバンク発。RAG用データの前処理まで対応 | |
ANNOTEQ | 要問い合わせ | 代行一体型 | マイクロタスク型クラウドソーシング連動。データ単位の従量課金 | |
Scale AI | 要問い合わせ | 代行一体型 | 生成AIの主要開発企業が採用するデータ基盤 |
AI開発そのものをパートナーと進めたい場合は、開発会社の比較もあわせてご覧ください。
関連記事:AI・人工知能開発会社20選比較!外注先の選び方と相場。
アノテーションツール16選一覧比較表
以下は、本記事で紹介するアノテーションツールの一覧比較表です。
| サービス名 | 詳細 | 料金 | タイプ | 備考 |
|---|---|---|---|---|
CVAT | 無料〜(有料は $33/月〜) | OSS・無料型 | 20以上の出力形式に対応。SAM 2/SAM 3を標準搭載 | |
Label Studio | 無料〜(有料は $99/月〜) | OSS・無料型 | 画像・音声・テキスト・時系列まで1つのOSSで対応 | |
LabelMe | 無料 | OSS・無料型 | pipで入る軽量ツール。テキストからの自動生成にも対応 | |
doccano | 無料 | OSS・無料型 | テキスト特化。固有表現抽出・要約タスクに強い | |
FastLabel | 要問い合わせ | 国産クラウド型 | 画像から3D点群・VLMまで対応。自動運転領域の実績が豊富 | |
Annofab | 要問い合わせ | 国産クラウド型 | 主要機能を無料で利用可能。AI専門家によるサポート付き | |
harBest | 要問い合わせ | 国産クラウド型 | 特許出願中のクラウドソーシング基盤で収集から一気通貫 | |
Labelbox | 無料〜(有料は $10/時〜) | グローバル・MLOps統合型 | 無料プランで最大30ユーザー・50プロジェクトまで利用可 | |
SuperAnnotate | 要問い合わせ | グローバル・MLOps統合型 | G2で最高評価。RLHF・RL環境まで対応するマルチモーダル基盤 | |
V7 | 要問い合わせ | グローバル・MLOps統合型 | DICOM・顕微鏡画像に対応。医療・ライフサイエンスに強い | |
Encord | 要問い合わせ | グローバル・MLOps統合型 | ECG・地理空間まで10種類のデータ形式をカバー | |
Roboflow | 無料〜(有料は $79/月〜) | グローバル・MLOps統合型 | ラベリングから学習・デプロイまで同一画面で完結 | |
Amazon SageMaker Ground Truth | 要問い合わせ | グローバル・MLOps統合型 | AWS上で学習基盤ごと構築したい場合の標準的な選択肢 | |
TASUKI Annotation | 要問い合わせ | 代行一体型 | ソフトバンク発。RAG用データの前処理まで対応 | |
ANNOTEQ | 要問い合わせ | 代行一体型 | マイクロタスク型クラウドソーシング連動。データ単位の従量課金 | |
Scale AI | 要問い合わせ | 代行一体型 | 生成AIの主要開発企業が採用するデータ基盤 |
本記事へご掲載をご希望のアノテーションツールは以下からお問い合わせくださいませ。
→掲載のお問い合わせはこちら:https://cone-c-slide.com/liblog/lp/
上記で自社に合うタイプの会社・サービスを絞り込みたい方は、以下の診断ツールで自社に合うタイプを確認してみてください。
自社に合うアノテーションツールタイプ診断
7つの質問に答えるだけで、自社に最適なアノテーションツールのタイプがわかります。
【OSS・無料型】のアノテーションツール
ライセンス費用をかけずに導入できる、オープンソースのアノテーションツールを4つ紹介します。
CVAT

画像・動画のアノテーションで世界的に広く使われている、オープンソースのアノテーションプラットフォームです。矩形・ポリゴン・マスク・スケルトン・タグ・トラックの作成に対応し、物体検出からセグメンテーション、姿勢推定、追跡まで幅広い手法をカバーします。
出力形式はCOCO・YOLO・KITTI・Cityscapes・Pascal VOCを含む20以上に対応しており、主要な学習フレームワークへそのまま接続できます。自動アノテーションではSAM 2・SAM 3・Ultralytics・Hugging Faceの各モデルに加え、自社で用意したカスタムモデルも利用できます。
提供形態は、ブラウザから登録なしで使えるCVAT Online、自社インフラで動かすCVAT Enterprise、完全無料のCVAT Communityの3種類です。無料プランは1〜2名・1プロジェクト・3タスクまでという制限があるため、本格運用時は有料プランかセルフホストを選ぶことになります。
| 対応データ形式 | 画像・動画。矩形/ポリゴン/マスク/スケルトン/トラックに対応 |
| 自動アノテーション | SAM 2・SAM 3・Ultralytics・Hugging Face・カスタムモデルに対応 |
| 品質・進捗管理 | 手動レビュー、Ground truth job、Honey pot による抜き取り検査 |
| 導入形態・連携 | クラウド(CVAT Online)/セルフホスト。20以上の出力形式 |
| 料金目安 | 無料プランあり。Solo $33/月〜、Team $33/ユーザー/月〜 |
Label Studio

画像・音声・テキスト・動画・時系列まで、1つのツールで扱えるオープンソースのデータラベリングプラットフォームです。HumanSignal社が開発しており、Community Editionは無料で利用できます。
対応タスクは画像分類・物体検出・セマンティックセグメンテーションに加え、音声の文字起こしと話者分離、固有表現抽出、質問応答、PDF・画像のOCR、動画の物体追跡、時系列の分類まで広範囲に及びます。近年はRLHFやファインチューニング用データの作成、カスタムベンチマークによるLLM評価にも対応しています。
API・Python SDK・Webhookによってモデルと接続でき、リアルタイムの予測ストリーミングやアクティブラーニングの自動化も可能です。pip・Homebrew・Git・Docker経由でインストールでき、エンタープライズ版ではクラウド提供も選べます。
| 対応データ形式 | 画像・音声・テキスト・動画・時系列・PDF・マルチモーダル |
| 自動アノテーション | ML Backendで任意のモデルを接続。AI支援ラベリングに対応 |
| 品質・進捗管理 | エンタープライズ版でレビュー・権限管理・進捗ダッシュボードを提供 |
| 導入形態・連携 | セルフホスト(pip/Docker)/クラウド。API・SDK・Webhook連携 |
| 料金目安 | Community Edition 無料。Starter Cloud $99/月〜(追加ユーザー $49/月) |
LabelMe

Pythonのパッケージとして手軽に導入できる、画像アノテーション向けの軽量オープンソースツールです。pip install labelme だけで使い始められ、サーバー構築を必要としません。GPL-3.0ライセンスで公開されています。
ポリゴン・矩形・円・直線・ポイントの描画に加え、動画のアノテーションや画像単位のフラグ付け(分類)にも対応します。書き出しはVOC形式(セマンティック/インスタンスセグメンテーション向け)とCOCO形式、JSON形式に対応しています。
自動アノテーションではSAM・EfficientSAMによる点からポリゴン・マスクへの変換に加え、YOLO-WorldやSAM3を使ったテキストからの自動生成にも対応しています。なお、PythonやQtの環境構築なしで使えるスタンドアロン実行ファイル版は買い切りの有料オプションです。
| 対応データ形式 | 画像・動画。ポリゴン/矩形/円/直線/ポイント/画像フラグ |
| 自動アノテーション | SAM・EfficientSAM、YOLO-World・SAM3によるテキストからの生成 |
| 品質・進捗管理 | チーム向けのレビュー・進捗管理機能は非搭載 |
| 導入形態・連携 | ローカルインストール(pip)。VOC・COCO・JSON形式で出力 |
| 料金目安 | 無料(GPL-3.0)。スタンドアロン実行ファイル版のみ買い切り有料 |
doccano

テキストのアノテーションに特化した、MITライセンスのオープンソースツールです。画像や動画は扱えませんが、そのぶん自然言語処理の用途に絞って画面が最適化されています。
対応タスクはテキスト分類、シーケンスラベリング、シーケンス・ツー・シーケンスの3種類です。具体的には感情分析のラベル付け、固有表現認識(NER)のタグ付け、テキスト要約の正解データ作成といった用途に使われます。
日本語の情報も比較的多く、チャットボットや文書分類のモデルを社内で開発する場合の入口として選ばれています。Dockerで構築でき、ライセンス費用は一切かかりません。
| 対応データ形式 | テキストのみ。分類/シーケンスラベリング/シーケンス・ツー・シーケンス |
| 自動アノテーション | 標準の自動アノテーション機能は非搭載 |
| 品質・進捗管理 | プロジェクト単位のメンバー管理と進捗表示に対応 |
| 導入形態・連携 | セルフホスト(Docker等)。JSON・CSV形式で出力 |
| 料金目安 | 無料(MITライセンス) |
【国産クラウド型】のアノテーションツール
日本語のUIとサポートを備え、仕様設計から相談できる国産のアノテーションプラットフォームを3つ紹介します。
FastLabel

プロダクトとプロフェッショナルサービスの両輪でAI開発のデータ課題を支援する、国産のアノテーションプラットフォームです。FastLabel株式会社が提供し、自動運転(AD/ADAS)やカメラ(AF/AE)などの技術開発を進めるエンタープライズ企業を中心に支援実績を持ちます。
対応データ形式は画像・動画・3D点群・VLM・音声・テキストと幅広く、あらゆる非構造化データをワンストップでカバーします。プロダクトはデータマネジメントツール、アノテーションツール、MLOpsツールの3種類で構成され、「FastLabel Data Factory」としてデータセット準備からモデル学習までを一気通貫で実行できます。
アノテーション代行、権利クリアなデータセットの提供、Instruction Tuningデータやマルチモーダル RAG用データの作成、モデル開発支援まで同一の窓口で依頼できるのも強みです。生産管理の概念をもとに設計した独自の品質管理プロセスにより、デリバリー品質を担保しています。
| 対応データ形式 | 画像・動画・3D点群・VLM・音声・テキスト |
| 自動アノテーション | FastLabel Data FactoryのAI機能によるアノテーションの自動化 |
| 品質・進捗管理 | 生産管理の概念に基づく独自の品質管理プロセスで品質を担保 |
| 導入形態・連携 | クラウド。データ管理・アノテーション・MLOpsツールを提供 |
| 料金目安 | 要問い合わせ |
Annofab

AI・機械学習の専門家によるサポートが付く、国産のアノテーションプラットフォームです。株式会社来栖川電算が提供し、Data-Centricなアプローチを実務で推進してきた知見がツールに反映されています。
対応データは画像・地図・3次元・表・時系列・映像・音声・言語と多岐にわたります。高速で正確なエディタ、品質保証ワークフロー、API/CLIによるMLOps統合、アクセス権限管理によるセキュリティを備え、ほとんどの機能を無料で利用できると公式に明示している点が特徴です。
アノテーションサービスも提供しており、クラウドソーシングではなく、来栖川電算およびパートナー企業のなかから科学的アプローチで選抜・訓練された経験豊富なアノテータが作業を担当します。アノテータのパフォーマンスはAnnofab上で常時モニタリングされ、専門家の分析と指導によって継続的に改善される仕組みです。
| 対応データ形式 | 画像・地図・3次元・表・時系列・映像・音声・言語 |
| 自動アノテーション | カスタマイズ可能なエディタとMLOps統合により自動化を支援 |
| 品質・進捗管理 | 品質保証ワークフロー。アノテータのパフォーマンスを常時モニタリング |
| 導入形態・連携 | クラウド。API/CLIによるMLOps統合、アクセス権限管理 |
| 料金目安 | 要問い合わせ(ほとんどの機能を無料で利用可能と公式に明記) |
harBest

特許出願中の独自クラウドソーシングシステムを備えた、データ収集からアノテーションまで一気通貫で対応する国産プラットフォームです。株式会社APTOが提供しています。
データの収集、アノテーション、モデル開発、評価までをカバーし、AI開発の課題設定からプロジェクト全体の設計までを支援します。タスクの分解、作業マニュアルの作成、アノテーターのクラス分けといった運用設計まで含めて相談できるのが特徴です。
品質は独自のユーザ評価システムによって担保され、多数のワーカーが並行して作業するため、データ収集にかかる時間も短縮できます。料金は案件ごとの個別見積もりとなっており、公式サイトでは「一概に料金を明示できない」と案内されています。
| 対応データ形式 | 画像・動画・テキストなどの非構造化データ(データ収集にも対応) |
| 自動アノテーション | 多数のワーカーによる並行作業でスピードを担保 |
| 品質・進捗管理 | 独自のユーザ評価システムとアノテーターのクラス分けで品質を担保 |
| 導入形態・連携 | クラウド。特許出願中のクラウドソーシングシステムを利用 |
| 料金目安 | 要問い合わせ |
【グローバル・MLOps統合型】のアノテーションツール
データ管理から学習・評価までを1つの基盤で扱える、海外発のアノテーションプラットフォームを6つ紹介します。
Labelbox

画像・動画からRLHFまで、8種類のデータに対応するマルチモーダルなAIデータプラットフォームです。無料プランでも最大30ユーザー・50プロジェクトまで利用でき、小さく始めやすい料金設計になっています。
対応するのは画像(物体検出・分類・セグメンテーション)、動画(アクション認識・キャプション・物体検出)、テキスト(分類・固有表現認識)、PDF文書(分類・OCR・固有表現認識)、音声(分類・文字起こし)、地理空間画像、マルチモーダルチャット(SFT・RLHF)、RLHF(LLM評価・優先度ランキング)の8種類です。
基盤モデルまたはファインチューニング済みモデルによる自動ラベリングと、自然言語検索によるデータキュレーションに対応します。多段階のワークフロー設定、自動品質管理、AIフィードバックの統合により、大規模プロジェクトでも品質を維持できる設計です。
| 対応データ形式 | 画像・動画・テキスト・PDF・音声・地理空間・マルチモーダルチャット・RLHF |
| 自動アノテーション | 基盤モデル/ファインチューニング済みモデルによる自動ラベリング |
| 品質・進捗管理 | 多段階ワークフロー、自動品質管理、AIフィードバックの統合 |
| 導入形態・連携 | クラウド。データキュレーションとリアルタイム協業に対応 |
| 料金目安 | 無料プランあり(最大30ユーザー・50プロジェクト)。Starterは $10/時〜 |
SuperAnnotate

RL環境やRLHFを含む、あらゆるモダリティを1つのエディタで扱えるAIデータインフラです。レビューサイトG2で4.9の評価を獲得し、データラベリング部門で最高評価を獲得しています。
RLHFの選好ランキング、SFTデータの作成、エージェントの実行ログレビュー、RAGの評価、カスタム検証器を備えたRL環境まで対応します。画像はピクセル単位、動画はフレーム単位、音声は波形単位のツールを備え、既存のモダリティに当てはまらない場合はドラッグ&ドロップで独自のエディタを組み立てられます。
GPT・Claude・Gemini・Llama・Mistralなど任意のモデルを接続し、事前ラベリング、アノテーターの支援、ルーブリック評価に使えるのが大きな特徴です。作業者間の一致率、ハニーポット、LLMによる判定、専門家の抜き取り検査を組み合わせた品質管理を、オーケストレーション機能で自動的に適用できます。
| 対応データ形式 | 画像・動画・音声・LiDAR・RL環境・RLHF・カスタムモダリティ |
| 自動アノテーション | GPT・Claude・Gemini等を接続した事前ラベリングとAI判定 |
| 品質・進捗管理 | 一致率・ハニーポット・LLM判定・専門家監査。カスタムダッシュボード |
| 導入形態・連携 | クラウド。モデル非依存の接続層とワークフロー自動化に対応 |
| 料金目安 | 要問い合わせ(Starter/Pro/Enterpriseの3プラン) |
V7

医療画像や顕微鏡画像など、専門性の高いビジュアルデータのアノテーションに強いプラットフォームです。画像・動画に加え、DICOM・NIfTIといった医療画像形式、顕微鏡画像、PDF、建築図面まで扱えます。
自動アノテーションではSAM 2とAuto-Annotateにより、CT画像の病変や製造ラインの物品といった複雑な対象のセグメンテーションを高精度で実行します。動画のオブジェクト追跡を自動化するAuto-track、類似オブジェクトを一括で検出するLabel similar objectsも備え、繰り返し作業を大きく削減できます。
品質管理では、複数のラベラーに同じデータを割り当てて評価するConsensus機能、人とAIの性能を盲検で比較するモデル・イン・ザ・ループに対応します。条件付きロジックによって適切な担当者へデータを自動でルーティングでき、すべての操作は詳細なログとして記録されます。
| 対応データ形式 | 画像・動画・DICOM・NIfTI・顕微鏡画像・PDF・建築図面 |
| 自動アノテーション | SAM 2によるAuto-Annotate、Auto-track、類似オブジェクトの一括検出 |
| 品質・進捗管理 | Consensusによるラベラー評価、モデル・イン・ザ・ループ、操作ログ |
| 導入形態・連携 | クラウド。条件付きロジックによる自動ルーティングに対応 |
| 料金目安 | 要問い合わせ(無料枠あり) |
Encord

10種類のデータ形式をカバーする、マルチモーダル対応のアノテーションプラットフォームです。テキスト・音声・動画・画像・ドキュメント・LiDAR・DICOM・地理空間・HTML・ECG(心電図)に対応し、対応範囲の広さで際立っています。
画像ではバウンディングボックス・ポリライン・ポリゴン・キーポイント・ビットマスクに対応します。動画はフレーム分割を行わずに時間軸を保持したまま扱えるビデオネイティブ設計のため、長尺の映像でも連続性を失いません。医療画像では多断面ビューを備えた3Dアノテーションに対応します。
自動アノテーションはSAM 2をネイティブに統合しているほか、GPT-4o・LLaMa 3.2・Gemini 1.5 Flashなどのモデルとも連携できます。品質管理はカスタマイズ可能な多段階レビューワークフロー、ロールベースのアクセス管理、進捗と作業者パフォーマンスを追跡するリアルタイムダッシュボードで構成されています。
| 対応データ形式 | テキスト・音声・動画・画像・ドキュメント・LiDAR・DICOM・地理空間・HTML・ECG |
| 自動アノテーション | SAM 2をネイティブ統合。GPT-4o・LLaMa 3.2・Gemini 1.5 Flashと連携 |
| 品質・進捗管理 | 多段階レビューワークフロー、ロールベース管理、リアルタイムダッシュボード |
| 導入形態・連携 | クラウド。マルチモーダルなアノテーションレイアウトをカスタマイズ可能 |
| 料金目安 | 要問い合わせ(Starter/Team/Enterpriseの3プラン) |
Roboflow

ラベリングからモデル学習・デプロイまでを同一画面で完結できる、コンピュータビジョン向けのプラットフォームです。これまでに75万件以上のデータセットと5億7,500万枚以上の画像がラベル付けされた実績を持ちます。
自動アノテーションは3種類あります。Meta AIのSegment Anything 2を活用してワンクリックでポリゴンを生成するSmart Polygon、カスタムモデルを使って作業時間を最大95%削減するLabel Assist、最新の基盤モデルで数千枚を数分で処理するAuto Labelです。対応する手法は物体検知・インスタンスセグメンテーション・キーポイント検出・画像分類です。
チーム機能では、管理者・ラベラー・レビュアーのロールベースアクセス制御、アノテーション履歴の管理と過去バージョンへの復元、リアルタイムのコミュニケーション機能を提供します。無料プランは月15クレジット・2ユーザーまで利用でき、Coreプランは年払いで月額79ドルです。
| 対応データ形式 | 画像・動画。物体検知/セグメンテーション/キーポイント/分類 |
| 自動アノテーション | Smart Polygon(SAM 2)、Label Assist、Auto Labelの3機能 |
| 品質・進捗管理 | ロールベースアクセス制御、履歴管理と復元、進捗の可視化 |
| 導入形態・連携 | クラウド。学習・デプロイまで同一プラットフォームで完結 |
| 料金目安 | 無料プランあり(月15クレジット・2ユーザー)。Core $79/月〜(年払い) |
Amazon SageMaker Ground Truth

AWS上で学習基盤ごと構築したい場合に、標準的な選択肢となるデータラベリングサービスです。Amazon SageMakerの一機能として提供され、AWSの各種サービスとシームレスに連携します。
すでにAWSでデータを管理し、SageMakerでモデルを学習させている企業であれば、データの受け渡しにかかる手間がほとんど発生しません。S3上のデータをそのままラベリング対象にでき、作成した教師データも同じ環境内で学習に使えます。
一方で、単体のアノテーションツールとして見ると、日本語のUIやサポートは他の国産サービスに劣ります。AWS前提の開発体制がすでにある企業に向いており、そうでない場合は他のツールのほうが導入は容易です。
| 対応データ形式 | 画像・動画・テキスト・3D点群など(AWSの提供機能に準拠) |
| 自動アノテーション | 機械学習による自動ラベリング機能を提供 |
| 品質・進捗管理 | ワークフローの構築と管理、作業者の割り当てに対応 |
| 導入形態・連携 | クラウド(AWS)。S3・SageMakerなどAWSサービスと連携 |
| 料金目安 | 要問い合わせ |
【代行一体型】のアノテーションツール
プラットフォームの提供と同時に、アノテーション作業を行う人員まで確保できるサービスを3つ紹介します。
TASUKI Annotation

ソフトバンク発の、高品質なデータ作成・構造化サービスです。教師データの作成に加え、RAG(検索拡張生成)のためのデータ前処理にも対応しており、社内AIの回答精度向上を目的とした用途にも使われています。
近年は画像認識モデル向けの教師データだけでなく、社内文書を生成AIに読ませるための構造化・整形といったニーズが増えています。TASUKI Annotationはこの領域までカバーしているため、画像認識と生成AIの両方の案件を同じ窓口で相談できます。
大手通信キャリア発のサービスであるため、セキュリティ要件や契約面での社内稟議が通しやすい点も、法人利用では実務的なメリットになります。
| 対応データ形式 | 画像・動画・テキストなど(RAG用の文書データ前処理にも対応) |
| 自動アノテーション | 作業者による対応が中心。詳細は要問い合わせ |
| 品質・進捗管理 | 高品質なデータ作成・構造化を掲げた品質管理体制 |
| 導入形態・連携 | クラウド。教師データ作成とRAGデータ前処理に対応 |
| 料金目安 | 要問い合わせ |
ANNOTEQ

マイクロタスク型のクラウドソーシングと連動した、学習データ作成用のアノテーションサービスです。株式会社ユニメディアが提供しています。
対応するデータは画像・動画・音声・テキスト・手書き文字と幅広く、画像分類、バウンディングボックスによる物体検出、セグメンテーションによる領域抽出、自然言語分類、音声の文字起こし、動画の音声判定まで対応します。手書き文字を扱える点は、帳票や申込書のデータ化を伴うプロジェクトで有効です。
料金はデータ単位の従量課金となっており、案件規模に合わせて対応する形式です。公式サイトには見積例のみが掲載されており、具体的な単価は個別相談となります。
| 対応データ形式 | 画像・動画・音声・テキスト・手書き文字 |
| 自動アノテーション | マイクロタスク型クラウドソーシングによる人手での作業が中心 |
| 品質・進捗管理 | タスクを細分化し、クラウドソーシングと連動して品質を管理 |
| 導入形態・連携 | クラウド。画像分類・物体検出・領域抽出・文字起こしに対応 |
| 料金目安 | 要問い合わせ(データ単位の従量課金) |
Scale AI

世界の主要な生成AI開発企業が採用する、大規模なAIデータプラットフォームです。公式サイトでは「世界の主要な生成AIモデル開発企業の90%がScaleを利用している」と掲げられています。
提供するのはScale Data Engine、Scale GenAI Portfolio、Scale Donovanの3つのプロダクト群です。研究・医療・エネルギー・防衛・ロボティクス・自動運転といった幅広い産業で採用されており、大規模かつ専門性の高いデータ作成に対応します。
自社の作業者だけでは対応しきれない規模のデータを、品質を保ちながら短期間で用意したい場合に選択肢となります。一方で、日本法人経由の対応や日本語ドキュメントは限られるため、小規模プロジェクトでは国産サービスのほうが進めやすいでしょう。
| 対応データ形式 | 画像・動画・テキストなど(生成AI向けデータ作成に対応) |
| 自動アノテーション | Scale Data Engineによるモデルを活用したデータ作成 |
| 品質・進捗管理 | 大規模プロジェクト向けの品質管理体制を提供 |
| 導入形態・連携 | クラウド。データソーシングからモデル評価まで対応 |
| 料金目安 | 要問い合わせ |
アノテーションツールのよくある質問
Q. 無料のOSSと有料のアノテーションツールはどう使い分ければよいですか?
作業人数と件数で判断します。作業者が1〜2名で数千件程度であれば、CVATやLabel Studioの無料版で十分です。作業者が3名以上に増え、品質のばらつきや進捗の把握が課題になった段階で、レビュー機能と品質指標の可視化を備えた有料プランへ切り替えるのが現実的です。
Q. アノテーションツールを導入すれば作業工数はゼロになりますか?
いいえ。自動アノテーションで下書きを生成できても、その結果を人が確認・修正する工程は残ります。特に専門知識が必要な判定では自動化の効果が限定的です。ツール利用料に加えて、作業単価×件数と確認・修正の人件費まで含めて費用を見積もりましょう。
Q. 社外に出せないデータを扱う場合、どのツールを選べばよいですか?
自社サーバーで動かせるOSS(CVAT Community、Label Studio Community Edition など)や、オンプレミス・VPC内での構築に対応したサービスを選びます。クラウド型を使う場合は、データの保管場所と暗号化のポリシー、アクセス権限の設定範囲を導入前に確認しましょう。
Q. 紙の帳票をAIに読み取らせたい場合もアノテーションツールが必要ですか?
読み取りモデルを自社で開発する場合は教師データの作成が必要になりますが、既存のAI-OCR製品を導入すれば学習済みのモデルをそのまま使えます。まずは既製品で要件を満たせるかを確認するほうが、費用も期間も抑えられます。
関連記事:OCRソフトおすすめ15選比較。AI-OCRとの違いから選び方まで解説
まとめ
本記事では、アノテーションツールの選び方・費用相場・おすすめ16選を、4つのタイプに分けて紹介しました。アノテーションツールはツールの月額料金だけで選ぶと、作業単価と確認工数で結局割高になることがあります。「ツール利用料+作業単価×件数+確認・修正の人件費」という実質コストの視点で、自社に合うタイプを見極めましょう。
まずは以下のタイプから、自社の目的に合うものを選びましょう。
| OSS・無料型 | コストをかけずに小規模から検証したいタイプ |
| 国産クラウド型 | 日本語サポートを受けながら社内チームで運用したいタイプ |
| グローバル・MLOps統合型 | データ管理から学習まで一気通貫で整えたいタイプ |
| 代行一体型 | 作業者の確保と品質管理まで外部に任せたいタイプ |
まずは、自社に合ったタイプを把握することが重要です。まだ診断ツールを試していない方は、ぜひ「アノテーションツール16選一覧比較表」の下にある診断ツールから確認してみてください。本記事が、最適なアノテーションツール選びの一助になれば幸いです。


