営業組織における情報共有方法。効率化ツール8選とエクセルでの方法も解説 | Cone-os ナレッジ

営業組織における情報共有方法。効率化ツール8選とエクセルでの方法も解説

代表 / マーケター / デザイナー 佐藤 立樹

営業組織では日々さまざまな情報が飛び交います。これまではその情報を各人が把握していればよかったかもしれませんが、昨今オンラインシフトなどにより営業組織全体での情報共有の重要性が増してきました。

営業組織内での情報共有をして成果を上げたい、その方法をもっとシームレスに、と考えてはいるものの「そもそもどんな情報を社内で共有すべきなのか」「効率的に共有する方法はないのか」という方も少なくないのではないでしょうか。

本記事では、営業組織内で共有するべき情報の紹介にはじまり、効率的に情報共有する方法を①ツールを導入して実施する方法と②エクセル(スプレッドシート)を活用して実施する方法の2つに分けて紹介しますので、参考にしてみてください。

営業組織内で情報共有を行う目的

営業現場では、それぞれの営業担当が多くの情報を扱うことになります。営業組織内で情報を共有したほうが良いのは感覚的に理解できるものの、具体的になぜなのか?

まずはその営業組織での情報共有の目的を3つ紹介します。

  • 組織全体で分析ができるようになる
  • 無駄なコミュニケーションが減る
  • 脱属人化につながる

組織全体で分析ができるようになる

これまで一人ひとりが保有していた顧客や案件に関する情報を全体で共有することで、各メンバーや組織の「商談数・商談化率」「受注数・率」などが見えるようになります。

営業プロセスごとの数値が可視化されることで、組織全体としてどこに課題があるのかが発見しやすくなり、営業活動の改善につなげられる、という点で情報共有が重要になります。

無駄なコミュニケーションが減る

日々の業務終了後の報告の場合、その報告があるまで状況がわかりません。また「聞かれたときに答える」といったコミュニケーションでは、聞く側と答える側のどちらも工数を割くことになるのに加え「あの件どうなってたっけ?」と再度確認の時間が必要になる可能性もあります。

常に顧客や案件情報が共有されており、必要なときに取りに行くという情報共有・取得スタイルを取ることで、こういった無駄なコミュニケーションが減ることになり、コア業務に集中できるようになります。

脱属人化につながる

成果が出ている営業担当がどのように営業をしているのか、はこれまで見えていませんでした。どんな資料を使っているのか・どんなフォローをしているのか、といった活動情報や成功事例などを全体で共有することで「だれもが成果の出せる営業組織」に変わってきます

情報共有とは単純な情報の共有だけではなく、こういった経験やノウハウといったものも含まれます。

営業組織内で共有するべき情報

では、実際どんな情報を共有すれば良いのか?営業組織内で共有するべき情報を以下5つ紹介します。

  • 案件情報
  • 顧客情報
  • 行動情報
  • 売上情報
  • ナレッジ・成功事例

案件情報

現在進行中の案件の、取引ステータス、提案した内容、金額などの商談に関する情報。また、商談に至っていない場合は、だれが・いつ・どのようにアプローチしているかの架電やメールの記録などのアプローチに関する情報も含まれます。

案件情報を共有することで、案件の優先順位の可視化や、担当者の引き継ぎにも役立ちます。また、記録を蓄積していくことで受注 / 失注分析で案件の詳細を確認することができ、商談や営業活動の改善に活用することも。

顧客情報

顧客情報とは、担当者の情報や、決裁者、過去の商談履歴、会社情報(従業員数・業界など)を指します。複数の担当者がいる場合は、会社に紐づけてコミュニケーション履歴や部署情報までの情報を管理します。

顧客情報が組織内で共有・管理できていれば、だれにどんなアプローチをすればいいのかがわかるため営業効率が向上します。また、決裁者ではなく担当者がわかっている場合、受注後の担当者サポートをスムーズに行うことができ顧客満足度向上につながります。

行動情報

行動情報とは、社内の営業メンバーの架電数やメール数などの行動に関する情報や、各営業が担当している顧客の案件進捗情報のことを指します。行動量に加え、各担当ごとの商談化率や受注率などを追うことで、行動に対してどれだけの結果が出ているのかという数値分析をすることができます。

全員が同じように成果を上げられるようになるためには、成果が出ているメンバーの行動数と行動の詳細を共有する必要があります。

売上情報

売上進捗や推移、着地見込みなどの売上情報。ヨミ案件数や着地見込みが営業組織全体で把握できていると「今月は売上が未達の可能性があるから、過去の温度感が高かった顧客に再度アプローチをしよう」などのアクションが取りやすくなります。

また、先述の行動情報と合わせて確認することで、どの担当の売上が大きくなっていて、その理由や原因はなんなのか、といった営業組織のスキル標準化にも役立ちます。

ナレッジ・成功事例

組織内でうまくいった営業活動のフローや営業方法といった事例の情報、業界や課題別に用意した統一された営業資料などのナレッジなどの共有も重要です。

「受注前にひとつサポートのステップを追加したことで受注率が上がった事例がある」「この業界ではこのニーズが高いため、資料にこのスライドを挿入してこういう使い方をした方が良い」などの情報を共有することで、営業組織全体のスキルの標準化につながります。

効率的な営業活動を行うための情報共有方法(ツール編)

上記紹介したような情報を共有することで具体的にどのような効果があるのかを理解しておきましょう。目的を明確にしたうえでツールを導入することで営業活動の効率化や成果の向上を図ります。

以下4つの解決策とおすすめのツールを紹介します。

  • SFA / CRM・DSRを導入する
  • メールからチャットツールへ
  • 商談や打ち合わせには商談解析AIツールを
  • 脱属人化はセールスイネーブルメントツール

SFA / CRM・DSRを導入する

案件情報や顧客情報を常に共有している状態にするにはSFAやCRMの導入を検討しましょう。また、顧客の検討状況の可視化にはDSRも有効です。SFAでは見えない「どの顧客がなにに興味を持っていて、どれくらいの検討度なのか」が推測でき、社内に共有することができます。

Mazrica Sales(SFA / CRM)

引用:Mazrica Sales公式サイト

営業活動に必要な顧客、案件、行動、名刺などのすべての情報を一元管理できる国産のSFA/CRM。各営業担当の案件の進捗状況がカンバン形式でわかりやすいのが特徴。

また、売上進捗や推移、着地見込みなどの数値データがわかりやすくダッシュボードに可視化されており本来カスタマイズしないといけないレポートも、初期設定で搭載済みのため、使い始めからかんたんな数値分析を始められます。

  • 料金:110,000円 / 月(※ グロースプラン:10人のユーザーを含む)

Dealpods(DSR)

引用:DealPods公式サイト

検討に必要な情報をひとつのWebページにまとめて顧客に共有し、共有したページの閲覧データから顧客の興味関心や検討度が見えるツール。

SFAは社内の情報共有・管理に留まっていましたが、社外コミュニケーションまで可視化し、社内メンバーで共有することができる、社内の行動改善<社外の成果向上向けのツールになっています。

  • 料金:システム利用料(要問い合わせ)+5,000円 / ユーザー(※ Proプラン)

メールからチャットツールへ

社内がメールでコミュニケーションを取っている場合はチャットツールの導入を検討しましょう。メールとLINEを比較するとわかりやすいと思いますが、メールとチャットでは特性上コミュニケーションのスピードがまるで違います。ビジネスではスピードが求められる以上、社内コミュニケーションはチャットが適しています。

Slack

引用:Slack公式サイト

全世界でトップシェアを誇るチャットツール。テーマごとにチャンネルを作成できるのが特徴のひとつで、1つのチャンネルで同一テーマの会話が進行するため、メールだと「どこでどんなコミュニケーションをしたのか」を探すのに苦労していたものを、すぐに見つけることができます。

また、他のSaaSツールとの連携が豊富なため(たとえば、日程調整ツールで打ち合わせが予約された際にチャンネルに通知など)様々なツールの通知を統一したいといった場合におすすめのチャットツールです。

  • 料金:月額925円~/ID(※ プロプラン)

Chatwork

引用:Chatwork公式サイト

全世界の次は国内トップシェアのチャットツールの紹介です。中小企業をメインに導入され、国内で圧倒的な利用率を誇るため、取引先がChatworkを導入している可能性も高く、社外とのやりとりもChatworkで行うことができる可能性があります。

また、UIもLINEライクとなっており使いやすいのが特徴で、LINE同様グループの作成もできます。また、タスク管理機能も内包されており、社内でのタスク管理も同一プラットフォーム上で実施可能。

  • 料金:月額700円 / ユーザー(※ ビジネスプラン)

商談や打ち合わせには商談解析AIツールを

架電や商談内容の共有をスムーズに行うためのツールが商談解析ツールです。架電・商談内容をAIが自動で議事録化してくれるため、都度議事録をとったり調整したりする必要がなく、情報共有の工数減・スピードUPが見込めます。

ACES Meet

引用:ACES Meet公式サイト

“商談”内容の議事録をAIが文字起こししてくれるツール。文字起こしだけではなく、要約しすべてを読まなくていいように、かつAIがBANT情報まで抽出してくれるため、社内での振り返りやネクストアクションの設定・改善がしやすくなります。

また商談相手の「顔向き」「話し方」「会話の割合」などを解析し、なにに興味を持っていたかまでAIがはじき出してくれるため商談の質の向上を図ることも可能。

  • 料金:問い合わせ

Miitel Phone

引用:Miitel Phone公式サイト

“架電”をAIが音声解析してくれるツール。トップセールスの話し方の特徴を分析し可視化してくれるため、アプローチの質向上に寄与します。情報共有の面に関しては、SFA/CRMとの連携により入力の手間を削減。

また、一人ひとりの架電数・通電数・商談化数などの数値の可視化もできるため、組織単位での数値分析まで可能で、インサイドセールスのアプローチ業務の効率化と標準化を実現できるツールとなっています。

  • 料金:5,980円 / ID

脱属人化はセールスイネーブルメントツール

営業組織のスキルの脱属人化=みんなが売れるようになる、にはセールスイネーブルメントツールの導入を検討しましょう。使う資料の管理や使い方の共有や、各営業担当の成績や数値管理・分析などが可能です。

Knowledge Work

引用:Knowledge Work公式サイト

社内の資料コンテンツの管理・共有から教育プラグラムの構築が可能なセールスイネーブルメントツール。営業資料・動画・過去の提案書などをひとつのクラウドに整理することができ、自社で設定したカテゴリでフィルタリングをかけ即座に検索することができるため、資料探索時間の削減になります。

また、資料を社外に共有した際は、閲覧データまで追うことができるため、どの資料のどの部分が刺さっているのかを分析することができ、コンテンツ改善の実施から営業組織の脱属人化を図れるツールになっています。

  • 料金:要問い合わせ

SALESCORE

引用:SALESCORE公式サイト

SFAと連携しさまざまなデータを取得することで営業組織の行動改善につなげるツール。ナレッジの共有面ではなくKPI管理や行動管理などの数値という面で、営業組織の脱属人化にアプローチしているツールです。

また、UIは直感的な使い慣れたエクセル / スプレッドシートのような画面、かつ一度に複数のデータをまとめて入力することができるため、入力の効率化という点でも優れているツールとなっています。

  • 料金:要問い合わせ

効率的な営業活動を行うための情報共有方法(エクセル編)

営業組織における情報共有ツールを紹介しましたが、ツールの導入が難しい場合はエクセルやスプレッドシートでも効率的な情報共有は可能です。

しかし、最適化され開発されたツールとは異なり、自社でのカスタマイズが必要だったり、共有性が高くない点には注意が必要です。

今回は、弊社が別メディアで提供している「売上・案件管理」と「商談管理」の2つのスプレッドシートのテンプレートを紹介します。コピーしてすぐに使えますので、自社で使えそうであれば参考にしてみてください。

売上・案件管理

提供するシートでは「売上実績」「売上目標」「目標と現状の乖離状況」「原価」「販管費」が可視化できるようになっており、

  • 案件管理シート
  • 売上管理シート

が内包されています。

以下記事にて詳細解説とテンプレートを配布しています。(個人情報入力不要)

【テンプレート付】Googleスプレッドシートを用いた売上管理の方法を解説

商談管理

こちらのシートでは「商談情報に関する項目」「商談相手の基本情報に関する項目」「ネクストアクション」「数値分析」が可視化できるようになっています。

以下記事にて詳細解説とテンプレートを配布しています、(個人情報入力不要)

エクセルを用いた商談管理のコツ【すぐに使えるテンプレート付き】

まとめ

今回は営業組織における情報共有の方法をツール(外部)とエクセル(内製)に分けて解説しました。自社の課題感や費用に合わせて解決策を選びましょう。

また、「エクセル」では、

  • 売上・案件管理
  • 商談管理

上記2つの効率化しかできませんが、もし情報共有の目的が「営業組織の脱属人化」の場合に限っては、弊社は「営業資料を改善することでみんなが売れるようになる」支援を提供していますので、お気軽にご相談ください。

⇒ Cone-os「営業プロセス標準化支援」サービスページ

代表 / マーケター / デザイナー

佐藤 立樹

立命館大学在学中に、ベンチャー2社でインターンを経験し、卒業と同時に株式会社Coneを設立。資料作成代行サービス「c-slide」を運営。リリース後1年半で支援企業300社を突破。セールス/マーケ領域の資料が得意。