創業期から”営業”ではなく”コンテンツ”に投資する理由。グロースソイルのコンテンツセールス | Cone-os ナレッジ

創業期から”営業”ではなく”コンテンツ”に投資する理由。グロースソイルのコンテンツセールス

代表 / マーケター / デザイナー 佐藤 立樹

2024年1月に創業した、BtoB企業のコンテンツマーケティングを支援する株式会社グロースソイル。

創業直後は顧客獲得に悩み、あらゆる手段を駆使して顧客開拓をする企業が多い中で、グロースソイルはブログを中心としたコンテンツ発信に重きを置いています。一見、軌道に乗ってから潜在層向けにはじめる施策のように思えるコンテンツ発信になぜ初期から取り組むのか、どのようにして結果に繋げているのかという疑問を、代表の岩野さんに聞いてみました。

本記事は、コンテンツを効果的に営業活動に活用している企業へのインタビュー企画「コンテンツセールス特集」です。自社でこんな使い方をしているよ!という方はぜひ佐藤(@rk310117)まで!

岩野 航平 さん(画像左)
株式会社グロースソイル 代表取締役 事業会社やマーケティングコンサルティング会社で、約5年間コンテンツマーケティングを経験。2024年1月、「受注拡大」に焦点を当てたコンテンツマーケティング支援を提供する会社『株式会社グロースソイル』を設立。

ひとりの悩みを解決するコンテンツは強い力を持つ

  • 今年の1月に創業されたと思うのですが、どういった経緯だったのでしょうか。

昨年の夏ごろから起業準備を始め、市場調査の一環としてマーケターが集まるオフラインイベントに通い、各社のマーケターのお話を聞いて回りました。

皆さまのお話を伺うなかで、「リード獲得は上手くいっていても、その後の商談創出や受注獲得まで繋げられていない企業は多い」ということに気付いたんです。

そんな悩みを抱えたマーケターが多い一方、商談獲得・受注獲得まで踏み込んで支援できるコンテンツ制作会社はほとんどありません。

そこで、集客だけでなく、受注まで寄与するコンテンツマーケティングを支援できる会社を作りたいと思い、グロースソイルを創業しました。

  • コンテンツを通じて受注を獲得したという実体験はありますか?

前職で自社のマーケティングとインサイドセールスを兼任していたとき、大手医療機器メーカーのマーケティング部長の方と継続的に連絡を取っていました。ある程度関係値は築けているものの、なかなか契約に至らないという状況が続いていました。

そこで、その方から聞いた悩みをもとにウェビナーを企画し「この間おっしゃってたことについてのウェビナーを企画したので、ぜひ来てください」とお誘いしました。その後まもなく、その方はご契約に至りました。また、そのセミナーを通じて別の受注も発生しました。

このときに、多くの人が見えない悩みに対してコンテンツを企画するよりも、ひとりの課題を解決できるコンテンツをズバッとつくって届けたほうが、ビジネスにちゃんとつながるな、と感じました。それから、SEOなどの見る人が多いところから企画するコンテンツではなく、「だれか」のためにつくるコンテンツを研究して、それを提供するために立ち上げたのがグロースソイルなので売上を上げる部分は強いと思っています。

「だれかに聞かれたこと」をブログで回答する

  • グロースソイルさんは、創業当初からブログを書き続けていますよね?これも顧客起点の考え方なんですか?

そうです。グロースソイルでは現在20本以上のコンテンツを公開(※ 24年9月時点)しているのですが、すべて「だれかに聞かれたこと」を起点に企画しています。

オフラインイベントでマーケターの方から質問されたこと、コンテンツマーケティングをご支援しているお客様から聞かれたこと、などをもとに企画しています。そして、質問を受けた翌週には記事を公開し、その人に送るようにしています。早い時は翌日に送っていることもあります。

  • 翌日ですか!?すごいスピード

そうですね(笑)

こういったスピード感のある1to1のメッセージはとても喜ばれますね。でもこれは結構合理的で、その場で感じた課題だったり疑問って、1ヶ月もしてしまうと別の課題のほうが大きくなってたりすることあるじゃないですか。ひとりの課題を解決するんだから、やっぱり鮮度も重要だなと思います。

グロースソイルの戦略としては、アウトバウンド営業をせず、ブログやウェビナーなどを通じてお問い合わせを生み出したうえで営業するというインバウンド戦略を取っているので、コンテンツを作るということは経営上最優先事項としています。

  • 創業期は、泥臭く営業をするイメージなんですが、コンテンツに注力しているんですね。

単純に、僕が営業が苦手っていうのがあるかもしれないです(笑)

実際、聞かれたことをブログにして公開しているだけですが、この『原点回帰で考える「コンテンツマーケティング」とは』という記事を読んで問い合わせをしてくれた方もいて、ひとりに刺さるコンテンツは同様の悩みを持っている人にも刺さるんだなということを改めて実感しています。

  • それすごくよくわかります。

何の役割を持つコンテンツなのか?を把握しておく

  • 刺さるコンテンツとは、どのように考えると良いですか?

まずは何の役割を持つコンテンツを作ろうとしているのか、を自分で理解しておくといいと思います。例を2つ上げるとすれば、「お客様の意思決定を後押しするコンテンツ」と「お客様の疑問に答えるコンテンツ」。

お客様の意思決定を後押しするコンテンツは、サービスを利用することで成果を上げた顧客事例だったり、成果を上げられるロジックを説明した資料だったり、お客様の発注に向けた不安を払拭するためのコンテンツです。

一方で、お客様の疑問に答えるコンテンツは、直接サービスのことを伝えるのではなく「〇〇をどうすればいいのかわからない」といった疑問に対して「こうすれば解決できますよ」といたお役立ち情報をまとめたコンテンツのこと。MAでのシナリオメールや、インサイドセールスでのフォローで活用することが多いです。

発注を検討しているお客様には、意思決定を後押しするコンテンツを。まだ発注段階ではないが、何らかの悩みを抱えているお客様には疑問に答えるコンテンツを。というように、そもそもお客様の状態に合わせてコンテンツを用意するという視点が大切です。

  • 疑問に答えても発注してもらえなかったら一緒じゃない?と思う方もいると思うのですが、その辺はどうでしょう?

実際そうではないんです。そのコンテンツを送付しようがしまいが、そのお客様はおそらくまだ発注しません。来たるべく発注するタイミングになったときに、第一に思い出してもらうためにも信頼獲得が大事です。そのためのお役立ちコンテンツになります。

情報提供を通じて一定の信頼を寄せている営業担当者・サービスと、そうでない営業担当者・サービスを比較したとき、前者を選ぶのは当然の流れかなと思います。

  • そうですね。ありがとうございます!

マーケターの商談同席でコンテンツのアンテナを張る

  • 様々な業務がある中で、コンテンツのネタになる「顧客が知りたいこと」のアンテナ張り続けるの難しいと思うのですが、そのあたりはどうすればいいんですかね。

一番はマーケター自身がお客様に直接聞くことですね。お客様がどんな課題を感じていたか?を営業担当に聞いてもいいのですが、それだと単なる情報として入ってきているだけで、体験としてマーケターの中に入ってきているわけではないんですよね。

なので、できればマーケターがお客様に課題を聞いてコンテンツをつくることなのですが、お客様の時間も有限なので、マーケターが商談に同席して課題を見つけたり聞いたりするのが良いと思います。

また、お客様や営業担当者と飲み会に行くのもおすすめです。飲み会の場では気が緩むこともあり、色んな愚痴を聞けます。

例えばお客様が「その施策は受注に繋がってるの?と上から追及されて回答に困る」とこぼしたとします。その愚痴をもとに「それであれば、受注への貢献を簡易的に証明する方法を解説したら役に立てるかな?」というように、企画に繋げられます。

営業担当者が「この前商談したお客様、買ってくれそうだったんだけど決裁者の理解を得られずに失注になったんだよね」と愚痴をこぼした場合、決裁者の理解を得られなかった理由を深く聞いていって、そこから企画に派生させることもできます。

顧客や営業担当者がこぼす悩みや愚痴は、コンテンツアイデアの宝庫です。積極的に人との接点に出て、情報を取り入れて企画を作ってもらえると良いな、と思います。

  • 事業者側ではなく顧客視点で考える。ことができているから創業期からコンテンツに投資できているし成果が出ているんだなぁと感じました。岩野さん、本日はありがとうございました!!

まとめ

グロースソイルのコンテンツセールス

  • 「だれかに聞かれたこと」をブログで”翌週”回答する
  • 意思決定を後押ししたいのか、悩みに答えたいのかで作るコンテンツは変わる
  • マーケター自身がコンテンツアイデアの種を拾う

顧客起点でコンテンツを作成・送付することで、営業量を増やさずとも商談・受注を獲得することができることがわかった取材になりました。

たしかに、ビジネスシーンでは「事業者側」の視点でのコンテンツが多いように思います。それを少しずつ顧客視点に変えていくだけでも成果は変わってくるのではないでしょうか。

本記事は、コンテンツを効果的に営業活動に活用している企業へのインタビュー企画「コンテンツセールス特集」です。自社でこんな使い方をしているよ!という方はぜひ佐藤(@rk310117)まで!

代表 / マーケター / デザイナー

佐藤 立樹

立命館大学在学中に、ベンチャー2社でインターンを経験し、卒業と同時に株式会社Coneを設立。資料作成代行サービス「c-slide」を運営。リリース後1年半で支援企業300社を突破。セールス/マーケ領域の資料が得意。

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