コンテンツマーケティングとは?施策の種類と実践ステップ。基礎知識と事例まで | Cone-os ナレッジ

コンテンツマーケティングとは?施策の種類と実践ステップ。基礎知識と事例まで

代表 / マーケター / デザイナー 佐藤 立樹

コンテンツマーケティング、なんとなく理解はしているけど「ちゃんと」はわかっていない方も少なくないのではないでしょうか。

本記事では、コンテンツマーケティングを明確に理解できる、かつ実践できるように

  • コンテンツマーケティングに取り組むメリット
  • コンテンツマーケティングの種類
  • 戦略の立て方や実践ステップ

を解説します。

本メディア運営の株式会社Coneは、コンテンツマーケティングにおけるコンテンツの制作・活用面の支援を実施しています。(※ コンテンツ制作代行の実績は900社超)

相談内容で多いのが「とりあえずコンテンツを作ったはいいものの、成果が出ない」といったものです。コンテンツは制作だけではなく「戦略」と「活用」が非常に重要になりますので、本記事で根底の考え方をインプットいただければと思います。

それでもわからないという方は一度ご相談ください。
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コンテンツマーケティングとは

コンテンツマーケティングとは、記事や動画などのコンテンツを用いて顧客に価値ある情報を届け、中長期的に顧客獲得を図るマーケティング活動のことです。

記事や動画などのコンテンツとは「サービス紹介動画」などの自社製品を全面に押し出したものではなく「〇〇の解決方法」といったそのコンテンツ自体が顧客の役に立つものを指します。

そのコンテンツ自体が顧客の課題を解決できなかったとき、その情報元として信頼されていれば顧客化することができる可能性があります。

つまり、”ある領域において〇〇社は専門的だという認知の獲得から中長期での顧客獲得を図るのがコンテンツマーケティング”の役割になります。

コンテンツと広告では目的が違う

「コンテンツを活用したマーケティング活動」と「広告を活用したマーケティング活動」では、以下の違いがあります。

  • ターゲットの違い
  • 情報の違い
  • 目的の違い

たとえば「営業活動を効率化したい」と考えている顧客がいたとして、「その課題、我々のSFAなら解決できますよ!」とコピーを考案したりチャネルを選定して配信したりするのが広告運用です。

一方で、「その課題、この”営業活動を効率化する7つのステップ”という記事を読むことで解決できるようになりますよ!」とコンテンツ自体を”提供してして完結させてしまう”のがコンテンツマーケティングです。

そのため、上記図にもあるように、コンテンツマーケティングと広告運用では目的が大きく異なります。広告の場合は比較的短期的にリード獲得・受注を目指すのに対して、コンテンツマーケティングはまずは認知や「営業効率化のプロといえばあの会社だ」という第一想起を獲得して、中長期で利益に結びつけていく活動になります。

ここの目的の違いだったり、その他の違いを理解せずにコンテンツマーケティングに取り組んでしまうと、配信するコンテンツが適切でなかったり、コンテンツを届けるターゲットがずれていたりして成果が出ない、というケースが生じてしまいます。

コンテンツマーケティングに取り組むメリット

コンテンツマーケティングは成果が出るまでに時間がかかる、ということがわかったところで、では、なぜコンテンツマーケティングに取り組む企業が増えてきているのか。という疑問が出てくると思います。

その最大の理由は「レバレッジが効く」からです。よく他の記事で使われている言葉を借りると「資産になる」からです。

広告運用は、出稿を止めてしまうとリード獲得は止まってしまいます。つまり、広告を出している限りは費用がかかりつづけるとうことです。一方でコンテンツマーケティングは、一度コンテンツを作成すると、そのコンテンツは消えない限り無償でずっと働いてくれます。例えば、本記事にたどり着いて今読んでくださっていると思いますが、この記事は一度私たちが執筆し公開してから一円の費用をかけることなく何人もの人に読んでもらっていて、信頼を獲得してくれています。

別の観点でもコンテンツがレバレッジが効くということを説明することができます。例えば、営業パーソンが説明すると30分かかることを、10人に説明すると300分かかりますが、一度コンテンツを作成してそれを見てもらうことで、営業が説明する時間がゼロになります。

ただ、注意しておきたいのは、一度作成したコンテンツが自社の認知獲得や第一想起の獲得に寄与してくれる「レバレッジの効く」ものになるには、ノウハウが必要だということです。工数や費用をかけてコンテンツを作成しても、成果が出ない場合もあります。

コンテンツマーケティングの種類

コンテンツマーケティングは、オウンドメディアでの記事の公開・更新(SEO上位表示)と捉えられることも多いですが、それだけでなく様々な形があります。その形とパターンを紹介します。

コンテンツ×チャネルの組み合わせ

コンテンツマーケティングとは簡単に言うと

  • コンテンツ:どんな内容・テーマを配信するのか
  • チャネル:どこに流すのか・だれに流すのか

の組み合わせで施策として成立します。ホワイトペーパーがコンテンツマーケティングの施策のひとつだと認識している方もいると思いますが、それはまだ「コンテンツ」が〇〇というテーマのホワイトペーパーを作成すること、が決定したに過ぎず「チャネル」が未確定なのでコンテンツ”マーケティング”とは呼べません。

下記はコンテンツとチャネルの一覧です。

チャネルの最下部の「広告」に違和感を覚えた方もいるかもしれませんが、この広告は「コンテンツ(サービス紹介ではない顧客にとって有益な情報)」を届けるために活用する広告のことを指すので、冒頭で解説した広告という施策とは別で捉えます。

例えば、執筆した「おすすめのSFA〇〇選」という記事コンテンツを、リスティング広告で配信するとコンテンツ✕チャネルのコンテンツマーケティングとして機能することになる、という認識です。

コンテンツマーケティングの鉄板パターン

上記のコンテンツマーケティングの公式「コンテンツ」✕「チャネル」がわかったところで、とはいえよく活用されるコンテンツマーケティングの鉄板パターンを2つ紹介しておこうと思います。

コンテンツSEO

  • コンテンツ:記事
  • チャネル:SEO
  • 目的:認知度向上・新規リード獲得

コンテンツSEOとは、自社のターゲット顧客が検索しそうなキーワードを把握し、そのキーワードをテーマにした記事を執筆・公開する手法です。

公開した記事が狙ったキーワードで検索結果に上位表示されることで、ターゲット顧客に自社が提供する情報と自社自体を知ってもらう、またコンバージョンを獲得することが大きな目的です。

メルマガ

  • コンテンツ:テキスト・お役立ち資料・記事・動画・セミナー / ウェビナー
  • チャネル:メール
  • 目的:既存リードナーチャリング・商談化

過去に獲得したリードに対して、定期的に「メール文面での情報提供」や「お役立ち資料でのノウハウ提供」、「動画での使い方説明」などのコンテンツを配信する手法のこと。

接点を持ち続けることで、既存リードの自社に対する信頼性を向上させ、いつでも自社に相談できる状況をつくっておくことが目的となります。(クリックした顧客に架電をして商談打診をする、という商談獲得方法を採っている企業も多くなっています)

コンテンツマーケティングの実践ステップ

コンテンツマーケティングの実践ステップは大きく以下3つです。

  1. 目的の明確化・状況整理
  2. コンテンツマーケティング戦略の立案
  3. コンテンツ制作体制の構築・施策実施

1. 目的の明確化・状況整理

まずはコンテンツマーケティングを始める目的と、自社や競合の状況の整理から始めます。

ターゲット理解

コンテンツマーケティングにしろ、広告運用にしろ、重要なのは「誰に」というターゲットです。自社がどのターゲットに対してコンテンツを届けるのかを明確にします。そのターゲットはどんなことに困っていて、普段どのように解決策を探しているのか、などがわかれば「どんなコンテンツをつくればいいのか」「どう届ければいいのか」が自然と明確になります。

自社リソース整理

コンテンツマーケティングで戦わないといけない最大の敵は「自社のリソース」です。コンテンツマーケティングは成果が出るまでに時間がかかるため、それに耐えうる人員は確保できそうか、そもそもコンテンツマーケティングに知見のあるメンバーはいるのか、コンテンツを作れるメンバーはいるのか、といった「人」の問題があります。そのため、自社のリソースを整理して、最初にだれがどの役割で関わっていくのかを想定しておく必要があります。

競合施策調査

最後に、競合他社はどんなコンテンツマーケティングを実施しているのか、という調査を行います。もし競合がオウンドメディアの運用で成功しているのであれば、自社も成功できそうなのでは?や、他のコンテンツマーケティング施策を考えたほうがいいのでは?等、を考えるヒントになります。

2. コンテンツマーケティング戦略の立案

コンテンツマーケティングを実施する目的が明確になり、状況が整理できたら実際に戦略を立てます。先述の「コンテンツ×チャネル」を設計するステップです。

簡単にいうと

「だれに、どのような情報を、どのように提供して、どう態度を変えてほしいのか」を整理するということです。

コンテンツ×チャネルの決定

まずは、整理したターゲットに対してどんなコンテンツをどのチャネルで届けるのかを決定します。例えば、自社のリソースも鑑みて以下のように施策にします。

コンテンツチャネル施策
・記事
・お役立ち資料
・SEO
・メール
1:コンテンツSEOで上位表示させて認知・CV獲得
2:作成した記事を、既存リードのニーズが合うセグメントに配信する

テーマの洗い出し

コンテンツとチャネルが決定したら「どんなコンテンツ(テーマ)」を継続的に作成していくのか、を洗い出します。コンテンツマーケティングの失敗例で多い原因のひとつが「ネタ切れ」です。最初の段階である程度テーマや方針は決めておくと継続しやすくなります。

例えば、自社がコンテンツSEOを実施する場合はそのテーマの洗い出しはキーワード設計ということになります。(→ キーワード設計はこちらの記事で詳しく解説しています)

また、他のホワイトペーパーなどの施策については、ターゲットのニーズを図るのが難しくなります。「なんとなくこういうことが知りたいんだろう」という想定でコンテンツを作り始めるのではなく、実際に顧客に「どんなことが知りたいですか?」とインタビューやアンケートなどを活用してテーマを探ることをおすすめします。

コンバージョン設計

コンテンツマーケティングは、認知・第一想起の獲得が目的と伝えましたが、ある程度は自社でのコンバージョン獲得を考えておく必要があります。

  • コンテンツSEOなら、記事ごとにCTAを置く。
  • メルマガなら商談設定リンク or セミナー参加申し込み誘導

など、簡単で良いので意識しておきます。ただ、コンテンツの文脈に合わせてひとつひとつコンバージョンは設計する必要があるため、最初はあまり気にしないほうが良いです。

どのコンテンツを活かして利益に結びつけるか、はコンテンツマーケティングが軌道にのってきたタイミングで再度考え直すこともできるため、まずは冒頭で記載した通り「どんなコンテンツで潜在層の課題を解決するのか」に集中しましょう。

3. コンテンツ制作体制の構築・施策実施

最後に、実際にコンテンツマーケティングを実践する社内の体制を整理し、実行に移していきます。

チーム構築

コンテンツマーケティングに取り組む企業にとって乗り越えないといけない壁は「継続」です。多くの企業がネタ切れやコンテンツ制作の優先順位が低いことによって、コンテンツマーケティングを続けられなくなります。それを防ぐためには「責任の所在」を明確にしておくのがポイントで、以下の3名は最低限、決定しておきます。

  • 配信・分析・運用のディレクション取る人間
  • コンテンツ制作のディレクション取る人間
  • 制作担当

KPI設計

メンバーが決まったら次は成果を出すためのKPIの設定についてです。とはいえ、初期コンテンツマーケティングを初めてすぐのころ(目安としては1年程度)は、まずは「コンテンツ更新本数」にKPIを設定しておきます。最初から成果(コンバージョン等)に設定してしまうと、結果がなかなか出ないことに対して社内からの指摘や、メンバーのモチベーション低下により継続が難しくなります。コンテンツ制作の土台が出来始めたら、各種施策ごとに以下のようにKPIを設定しましょう。

  • SEO:アクセス・CV数
  • ホワイトペーパー:CV数
  • メルマガ:開封数・リンククリック数・CV数

コンテンツ制作・施策実施

戦略に応じて施策を実施します。先ほど、コンテンツマーケティングの失敗例として「継続」ができなくなる、というものを挙げましたが、もうひとつ「そもそも作れない」というケースがあります。SEO記事作成とホワイトペーパーの作り方については以下に参考記事を置いておきますので、参考までにご覧ください。

また、弊社ConeではBtoBコンテンツ制作支援を提供していますので、内製でのコンテンツ制作に不安がある場合はお気軽にご相談ください。(→ Cone-osサービスサイト

コンテンツマーケティングの成功事例

最後に、これまで紹介してきたコンテンツマーケティングを成功させている企業の例を3つ紹介します。

Cone

BtoBコンテンツ制作支援を提供する弊社、株式会社Cone。

コンテンツマーケティングの王道、コンテンツSEO。資料作成代行サービスの認知拡大・リード獲得施策として立ち上げたオウンドメディアでは、オウンドメディアからの直接的な資料請求が月間10-20程度、オウンドメディアからサービスページに流入してからの問い合わせも10程度上がっています。自社の中で蓄積したノウハウから同じような悩みを持っている見込み顧客が知りたい情報へ昇華し、記事に落とし込むことで上位表示を獲得し、成果を上げています。

  • 概要:コンテンツSEO
  • コンテンツ:記事
  • チャネル:SEO

成功事例詳細:「顧客」ではなく「観客」をつけるオウンドメディアへの挑戦

LANY

デジタルマーケティング支援を行う株式会社LANY。

引用:BPOサービス比較サイトb-pos インタビュー記事
  • 概要:SNSマーケティング
  • コンテンツ:記事・動画
  • チャネル:YouTube・SNS

初期はX(旧Twitter)で、デジタルマーケティングについてのノウハウや有益な情報を配信することでフォロワーを2万人獲得し、そこからYouTubeに動画コンテンツを投稿することで、認知拡大・問い合わせ獲得につなげています。また、記事・動画コンテンツをメルマガにも配信することでコンテンツの再利用で顧客接点を維持しています。

成功事例詳細:1つのコンテンツを複数チャネルで届ける。LANYの「成果が出た施策の裏側」

サクラサクマーケティング

SEOコンサルティングを提供するサクラサクマーケティング。

引用:BPOサービス比較サイトb-pos インタビュー記事
  • 概要:メールマーケティング
  • コンテンツ:テキスト・動画
  • チャネル:メルマガ

初期は自社の専門性を活かし、SEO記事作成により月間200件のリードを獲得。しかし、このリードが問い合わせにつながらないことが課題だったため方針を変更。「セミナーのお知らせ」や「キャンペーンのお知らせ」を送付していたメルマガを、リードが知りたい「役に立つ情報」をテキストやYouTube動画にてメルマガ配信することで、月間で有効与件件数が10件に。

成功事例詳細:顧客を獲得するにはブランド認知が重要?サクラサクマーケティングの「成果が出た施策の裏側」

まとめ

今回は、コンテンツマーケティングの基礎知識や実践ステップについて解説しました。

株式会社Coneでは、Cone-osというBtoBコンテンツマーケティング支援を提供しており、そのメディアとしてCone-osナレッジを運営しています。Cone-osナレッジではBtoBコンテンツの作り方やその各種テンプレート等も提供していますので、お役に立てていただけますと幸いです。

また、株式会社Coneは以下サービスの提供も行っています。BtoBコンテンツ制作でお困りの方はお気軽にご相談ください。

代表 / マーケター / デザイナー

佐藤 立樹

立命館大学在学中に、ベンチャー2社でインターンを経験し、卒業と同時に株式会社Coneを設立。資料作成代行サービス「c-slide」を運営。リリース後1年半で支援企業300社を突破。セールス/マーケ領域の資料が得意。