商談獲得を標準化する
02 ナーチャリングからの商談獲得の誤解
ホワイトペーパーやウェビナーで獲得したリードの、ナーチャリング施策のイメージは以下のような流れだと思います。
- ホワイトペーパーがダウンロードされる(メールアドレスなどを取得する)
- メルマガでスコアリングを上げていく
- ホットリード化した段階でインサイドセールスから商談打診をする
しかしながら、ほとんどの企業でこのパターンはうまくいってないと思います。うまくいったケースをしっかりと紐解くと「商談化したとしても受注しない」「受注したとしてもすぐに解約になる」という事実にたどり着くと思います。
なぜなら、ホワイトペーパーをダウンロードした見込み顧客(リード)は、「サービスを買いたい・導入したい」と思っていないからです。こう書くと当たり前じゃないか、と思うかもしれませんが、ホワイトペーパーがダウンロードされ次第すぐ架電する、といった営業活動フローを組んでいる企業も少なくないのです。
実際、弊社がサイトに設置しているホワイトペーパーリードの直接的なコンタクト率(ダウンロードした顧客と連絡が取れる割合)は0.2%です。一方、サービスサイトに設置しているサービス紹介資料リードの直接的なコンタクト率は35%前後となっており、ホワイトペーパーの直接的なコンタクト率はサービス紹介資料と比較して、175分の1の効率です。
商談化しないホワイトペーパーの役割
では、そのホワイトペーパーの役割とは一体何なのか。
それは「特定領域で、自社が【信頼できる会社】だと認知されるためのもの」です。リード獲得後に商談ではなく、信頼を獲得するのがホワイトペーパーの役割です。
見込み顧客にとって役に立つ良いコンテンツを提供し続けることで、「自社が〇〇領域での専門家・最も信頼できる情報提供元」というイメージを見込み顧客の中につくる。そうすることで、見込み顧客の中で課題が大きくなってきたとき、内製で解決ができなくなったときに声がかかるようにする。
商談を提案「する」のではなく、相談が「くる」ようにするのがナーチャリング施策の役割だと言えます。
お役立ちコンテンツを提供し続けること
ホワイトペーパーを含めたお役立ちコンテンツを、提供し続けることで相談がくる状態を目指すのが、このナーチャリングからの商談獲得です。
お役立ちコンテンツを提供し商談化を目指す方法は以下の3つになります。
- オウンドメディア等でお役立ち記事等を公開し「続ける」
- メルマガでお役立ち資料・記事を配信し「続ける」
- インサイドセールスが各見込み顧客に応じたお役立ちコンテンツを提供し「続ける」
①と②は主にマーケターの業務になりますが、③は営業担当が実施する業務です。
以下例文でイメージが湧くはずです。
〇〇株式会社
〇〇さま
お世話になっております。
株式会社Coneの田中です。
先日は弊社の◇◇をダウンロードいただき、誠にありがとうございました。
その後弊社では「◇◇の状況下で△△の業務効率を30%改善した」ため、その方法を資料にまとめました。おそらく資料内の情報で貴社課題も改善することができるのではないかと思い送付させていただきます。
また、その具体的な方法がわからないといった場合は、私の方から詳細を説明させていただくことも可能ですので、もしご不明点がございましたらお声がけください。
今後も、〇〇さまにとっておそらく参考になるであろうコンテンツが作成できましたらご共有させていただきます。(こんなことが知りたい等ございましたら、お気軽にご相談ください。)
上記のようなメールであれば、(あくまでもお役立ちコンテンツの提供が目的ですが)顧客側から◇◇について知りたいなどの相談がくるかもしれません。
お役立ちコンテンツとは「コンテンツ自体が見込み顧客の課題を解決するもの」なのです。