パワポ資料を作成する前に知っておきたい資料作成の手順(ケーススタディ付き)

オンライン化が進む中、ビジネスにおける「資料」の重要性は、今までよりも増してきています。
オンラインでの商談に使う提案資料や商談の後に送付する会社紹介資料やサービス紹介資料など。
今や「パワーポイント資料」はビジネスにとって切っても切れない存在になってきています。
しかし、「どう作ればいいのかわからない」「何から始めればいいのかわからない」と課題を抱えている方も多いようです。
この記事では、資料作成の手順について、実際のケースに沿って解説していきます。この手順に沿って資料作成を行い、効果を実感してみてください。
資料作成の目的
「資料」という存在はあくまで手段であり、資料を作ることが目的ではありません。
「資料を作ること」が目的となってしまうケースをたまに見かけますが、「ビジネスの課題を解決するため」に資料は存在しています。まずはこのことを念頭において資料作成に取り掛かるようにしましょう。
資料作成の手順
資料作成はロジックが8割です。
デザインに凝るよりも「資料を通して達成したいゴール」や「ゴールを達成するための情報の精査」に力を入れることで、効果的な資料を作成することができます。
- 資料の目的を決める
- ターゲットを決める
- 資料で達成したいゴールを決める
- ゴールを達成するために入れ込む情報を決める
- 資料に起こす
1. 資料の目的を決める
前述の通り、「資料を作ること」が目的になってしまう、というケースは非常に多いです。
目的をぶらさないためにもまずは目的の言語化を行いましょう。
例えば、映像制作を行う制作会社が「新規案件が取れずに売上が低迷している」という課題があり、「比較的リードタイムが短く、すぐに案件獲得できる広告代理店に営業を行う」という戦略を設定したとしましょう。

この場合、資料を作成する目的は「新規案件を獲得し、売上をあげるため」になります。

2. ターゲットを決める
次にターゲットを決めます。上記設定だと広義のターゲットは「広告代理店」になります。
営業戦略にもよりますが、狭義のターゲットは「広告代理店のバナーデザインを手掛けるディレクター」や「広告代理店の経営者」「広告代理店の営業マン」等に設定することができます。
この場合はわかりやすく、「広告代理店」をターゲットとして設定します。

3. 資料で達成したいゴールを決める
ゴールの設定は「目的の設定」とは異なり、「ターゲットが資料を見た後、どんな状態になっているか」ということを指します。

この資料を見た後に、「広告代理店の担当者が、この会社に案件をお願いしたいと思う状態」を作ることができなければ「新規案件を獲得し、売上をあげる」という目的を達成することはできません。
今回の場合、ゴールは「広告代理店の担当者が、案件をお願いしたいと思う状態」となりますが、「なぜお願いしたいと思うのか?」という理由を入れ込むとより明確になります。
上記を踏まえて、ゴールは「広告代理店の担当者が、この会社はスピードも早いし、安くてクオリティ高いデザインを作ってくれるから、案件をお願いしたいと思う状態」となります。

4. ゴールを達成するために入れ込む情報を決める
「広告代理店の担当者が、この会社はスピードも早いし、安くてクオリティ高いデザインを作ってくれるから、案件をお願いしたいと思う状態」というゴールを達成するためには、「会社の強みや特徴を理解した上で、案件を依頼した後の制作フローや費用感、制作物等のイメージさせる」資料でないといけません。
上記から、入れ込む最低限の情報は以下になります。
入れ込む情報 | 狙い |
---|---|
会社の特徴 | ユニークな特徴を伝え、印象付けを狙う |
他社との違い | 他社の話を聞いている場合は多いので、差別化を図る |
メンバー紹介 | 個の力も評価される業界なので、メンバーを紹介し、信頼性を高める |
制作実績 | 実際の制作物を見せながら、具体的な依頼後のイメージを抱かせる |
費用感 | 予算に合うかどうかを判断してもらう |
制作フロー | 案件依頼検討時の具体的なイメージを抱かせる |
これでは、必要な情報をただ伝えるだけの無味乾燥な資料になってしまうため、「そもそもどんな会社なのか?」「何をやっている会社なのか?」という会社の基本的な情報も入れ込みます。
入れ込む情報 | 狙い |
---|---|
会社概要 | 「どんな会社なのか?」を理解してもらう |
会社のビジョン | 「何を目指している会社なのか?」を理解してもらう |
事業紹介 | 「何をやっている会社なのか?」を理解してもらう |
この2つの情報を踏まえると以下の構成になります。
- 表紙
- 会社概要
- 会社のビジョン
- 事業紹介
- 制作体制(メンバー紹介)
- 制作実績
- 費用感
- 制作フロー
- さいごに
※さいごに、では取り組み対する想いを感情的に伝えます。
資料に起こす
構成が完成したら資料に起こしていきます。
きれいな資料が作れるコツは以下の記事で解説していますので、資料作成の参考にしてみてください。
まとめ
資料作成の手順について解説しました。
冒頭で「資料作成はロジックが8割」とお伝えした通り、「伝わる」資料を作るには、デザインよりも構成に時間をかける必要があります。
今回解説した手順を真似して、目的を達成できる「伝わる」資料を作ってみて下さい。