商談後に送付する「社内検討用資料」 | Cone-os ナレッジ

顧客フォローを標準化する

04 商談後に送付する「社内検討用資料」

社内検討用資料とは?

社内検討用資料とは「商談後に見込み顧客に送付する用に、営業資料とは別で作成する資料」のこと。

商談で使用した資料とは別の資料を用意する理由は、検討プロセスごとに顧客の知りたいことが違うからです。

顧客は、商談を終えてから次のような感情経路をたどります。

商談・自社が活用するには?
・実際費用はいくら?どれくらいで回収できる?
・自社に近い状況から成果を上げた事例は?
商談後・上司に相談してみよう
・ほかの競合サービスはどんな感じかな

顧客は、商談時と商談後で別の情報を知りたがっているため、そのプロセスに応じて適切な情報を提供する必要があります。それを、先ほどのプロセスで考えてみると次のようになります。

商談営業資料
→ 類似事例やコストシミュレーションなどの実際に導入イメージを説明する資料
商談後社内検討用資料
→ 社内で検討するために、商談で話したことや競合他社の情報が載っている資料

顧客の検討プロセスに応じて適切な情報を提供することができれば、比較検討勝率が上がります。そのプロセスの中で「商談後に送付するべきもの」が社内検討用資料になります。

BtoBセールスが理解しておくべき前提」で説明したとおり、BtoBでは購買意思決定のプロセスに関わる人数が多いのが特徴。

BtoBの営業において担当者レイヤーの方が商談相手だった場合、担当者レベルでは導入意欲が高くても社内で共有を行った際に決裁権を持つ上司への稟議が通らないといった自体が発生します。

また、外注先を決める場合は3~5社の話を聞いて比較検討をしないといけない、というルールが社内で設けられている企業もあります。

「資料請求→商談」では、Aさんが話を聞いたけど、「商談→商談後」では、AさんとBさんが相談している、という状況になります。Aさんは納得したけどBさんは「Aさんの話では納得できなかった」というオチになることもしばしば。

だからこそ、商談中に話したことを“読んでもわかるように”作り替えて、検討する際に必要な情報を追加した資料が必要なのです。

この社内検討用資料があることで、Aさん→Bさん(上司)に相談するときにAさんの説明によってBさんの解釈が変わることを防ぐことができます。

営業担当の「これを話すのを忘れていた」のようなコミュニケーションミスを防ぐこともでき、担当ごとの成果のばらつきの標準化もかなえることができます。

社内検討用資料の作り方

社内検討用資料作成の最重要ポイントは、商談後の5分で作成できるようにすることです。数十分かけて作成する必要がある場合、いずれ活用されなくなってしまいます。

必要ページをコピペするだけで完成するよう、営業資料をベースに作成します。

参考構成は以下のとおりです。

  1. サービス概要
  2. ヒアリング内容整理
  3. 事例紹介
  4. 今後のフロー

社内検討用資料に挿入必須の4スライド

社内検討用資料に挿入すべき4つのスライド項目を紹介します。

1. 競合比較表

競合との項目比較をすることで、見込み顧客の検討に必要な情報を提供し、比較検討勝率を上げるために活用します。

比較軸は、まずは「比較検討層の見込み顧客に質問されること」から多いものを。比較軸になにを設定すれば良いかわからない場合は、「自社サービスカテゴリ+選び方」で検索し、ヒットした記事から選ぶと良いです。

基本的には「比較表」を用いて、できるだけ誰が見ても解釈が変わらない定量的な客観的項目を並べるようにするのがおすすめです。

2. 事例紹介

事例紹介スライドでは、「商談相手にかなり近い事例」を差し込みましょう。商談前にも、類似事例を選んで営業資料内で活用すると思います。しかし、その事例が商談中にあまり刺さっていなかったり、商談中に相手の部署や担当の課題感が明確になったりすると思います。そこで、商談後に事例を追加・差し替える工夫をします。

差し替えをスムーズに行うため、事例紹介ページについてはフォーマットを用意し、画像・テキストを入れ替えるだけで情報が変更できる状態にしておきましょう。

3. 費用対効果・コストシミュレーション

基本的にBtoBの購買理由は「導入して成果が出るのかどうか」。成果が出る裏づけ・後押しとして有効活用されるのがこのコストシミュレーションのスライドです。

このスライドも事例スライドと同じように「商談後に商談相手に応じて適切な情報に入れ替え」を行います。 商談相手の、商材種類・商材単価・部署規模・部署課題などを整理し、社内データから類似の事例を探し出します。そのデータを挿入することで、1対Nの多数を想定した汎用性の高い営業資料が、1対1の見込み顧客に向けた専用の提案資料に変わります。

「売上」や「コスト」に直結するデータが記載された資料を後送することで、営業先の社内稟議に関わる人全員が自分ゴト化することができ、比較検討の勝率向上が見込めます。

4. よくある質問(商談中に出た質問と回答)

最後がFAQスライドです。商談後に行う工夫は「FAQに商談中のQ&Aを追加する」というものです。FAQページをコピペして、商談中に出た質問とそれに対する回答をまとめたページを作ります。

商談中に出た質問とその回答は、商談相手と自分の2者間でしか共有されていません。それがもし見込み顧客にとって重要なポイントだったとしても、営業先の社内稟議では共有されることはありません。見込み顧客からすると二重確認の手間も省けるため、商談中のQ&Aページを作ることをおすすめします。

==

関連記事1:商談後の送付で比較検討の勝率が上がる「社内検討用資料」とは? 挿入必須の4スライドも解説
関連記事2:月次売上3倍成長を実現した、営業組織を再建するための7つの取り組み